今日も、カメラと一緒に

多彩なエフェクトが楽しい「ライカ ゾフォート2」で思い出をカタチに残す

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エフェクトを使った撮影とインスタントプリントが楽しめるカメラ「ライカ ゾフォート2」

エフェクトを使った撮影とインスタントプリントが楽しめるカメラ「ライカ ゾフォート2」

連載「今日も、カメラと一緒に」第7回の相棒は、アナログとデジタルの要素がシームレスに融合したハイブリッドインスタントカメラ「ライカ ゾフォート2」です。

さまざまなエフェクトをこの1台で楽しむことができ、そのなかのとっておきの1枚をプリントというカタチで手元に残せるという、まさにデジタルとアナログのよいトコ取りなカメラです。

デジタルカメラとの出会い

こんにちは、写真家の金森玲奈です。

本連載「今日も、カメラと一緒に」の第3回などでもお話していますが、私が東京工芸大学の写真学科に入学し、写真を始めた1999年当時はまだフィルムカメラが主流でした。デジタルカメラが巷に出始めたのが2000年台初頭で、私が大学を卒業した2003年以降、写真を取り巻く環境はフィルムからデジタルへと加速度的に移行していきました。

ですが、カメラマンになる気などさらさらなかった私は、卒業後も相変わらずモノクロフィルムで街の猫を撮っては職場の暗室で休日にプリントするといった生活を送っていました。そんな私がデジタルカメラに触れたのは2009年にキヤノンギャラリーで開いた個展がきっかけでした。

その展示ももちろんフィルムで撮った写真だったのですが、デジタルが主流になりつつあった当時にまだデジタルカメラを触ったことがないという私にキヤノンの担当者の人が1か月間デジタル一眼レフを貸してくれたのです。

その後、撮りたいものを見失っていた私が中判カメラに出会って日常を撮るようになって、というお話は前回にさせてもらいましたが、それと同時期に写真の仕事をいくつか依頼されることがあり、いよいよデジタルカメラを買うことに。そうして手にしたのがキヤノンのフルサイズ一眼レフ「EOS 5D Mark II」でした。

「EOS 5D Mark II」を選んだのは、キヤノンからお借りしたカメラだったことと、高機能・高画質なハイエンドモデルだったのが大きいです。フィルムカメラ時代は一度買えば10年以上は使えるというのがカメラの常識でした。だからこそ、とりあえずそのときにいちばんよいカメラを買っておけば向こう10年使えるだろうと考えていました。後にデジタルカメラの進化のスピードと新製品発売のサイクルの早さに戦々恐々することになるのですが……。

デジタルが教えてくれた柔軟性

我が家の次男猫「ムギ」、通称「ムー」。ムーはフランス語で「やわらかい」という意味だとかライカ ゾフォート2、F2、1/120秒、ISO320、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ

我が家の次男猫「ムギ」、通称「ムー」。ムーはフランス語で「やわらかい」という意味だとか
ライカ ゾフォート2、F2、1/120秒、ISO320、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ

デジタルカメラを使うようになってから写真の仕事をする機会が増えましたが、在学中からカメラマンには向いていないから写真を仕事にはしないでおこうと心に決めていました。そのため、写真業界に入ったのは2011年からだったので、かなりの遅咲きと言えると思います。

デジタルを使うようになってまず驚いたのはカメラのなかでできることの多さでした。感度や色味(ホワイトバランス)をカメラ内で変えられるだけでなく、カメラによってはさまざまな世界観を楽しめるエフェクト機能が搭載されていたのも、モノクロか、カラーかしか選択肢がなかったアナログ人間には驚きの連続でした。

今回の相棒「ライカ ゾフォート2」にも、デジタルカメラらしいエフェクトがいくつも搭載されています。フィルムスタイルとレンズエフェクトがそれぞれ10種類用意されていて、自在に組み合わせて多彩な撮影が楽しめます。

なかでも特に気になったのは、「光漏れ」というレンズエフェクト。「光漏れ」とはフィルムカメラでフィルム装填部に何らかの理由で光が入り込むことで、フィルムが感光して撮影した写真上に光が帯のように写る(かぶる)ことを言います。

フィルムカメラでは絶対に避けたいアクシデントをあえて再現してしまうなんて正気の沙汰ではない……と思いましたが、実際に使ってみると何だかちょっと、いやかなりいいカンジだったのです。最近の言葉で言えば「エモい」といったところでしょうか? まんまとハマってしまいました。

光漏れに感動する日が来るとは……ライカ ゾフォート2、F2、1/500秒、ISO100、+1.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ、レンズエフェクト:光漏れ

光漏れに感動する日が来るとは……
ライカ ゾフォート2、F2、1/500秒、ISO100、+1.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ、レンズエフェクト:光漏れ

ほかにも、画像編集ソフトで加工したようなシンメトリーな写真に仕上がる「ミラー」や、ハーフカメラのように2枚の写真を1枚にフレーミングする「ハーフフレーム」などのレンズエフェクトも面白かったです。フィルムスタイルとレンズエフェクトとをうまく組み合わせればモノクロプリントで周辺を焼き込んだような描写の写真を撮ることもできて、デジタルだからこそのいろいろな表現を手軽に楽しめました。

ライカ ゾフォート2、F2、1/160秒、ISO100、+2.0EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ミラー

ライカ ゾフォート2、F2、1/160秒、ISO100、+2.0EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ミラー

ライカ ゾフォート2、F2、1/3200秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:セピア

ライカ ゾフォート2、F2、1/3200秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:セピア

ライカ ゾフォート2、F2、1/1000秒、ISO100、-0.7EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ハーフフレーム

ライカ ゾフォート2、F2、1/1000秒、ISO100、-0.7EV、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ハーフフレーム

ライカ ゾフォート2、F2、1/1500秒、ISO100、-1.0EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:モノクローム、レンズエフェクト:ビネット

ライカ ゾフォート2、F2、1/1500秒、ISO100、-1.0EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:モノクローム、レンズエフェクト:ビネット

「思い出」を手に取れるよろこび

デジタルカメラで写真撮ることにウェイトを置くようになり、パソコン上で写真のやり取りをするのが当たり前になっていくのに比例して、写真をプリントする機会は少しずつ減っていきました。

デジタルで撮った写真はパソコンですぐ見られるので紙にプリントしなくても済んでしまう、それは便利だけれど少し物足りない……。そんな想いもあって、数年前から自分の写真でカレンダーや家族に贈るバースデーカードなどを作るようになりました。

フィルム時代の暗室作業からは変わりましたが、プリンターから自分の写真が出てくる瞬間はいつ見てもうれしい気持ちになります。そうしてカタチになった写真が誰かの元に届き、思い出を共有できるのも写真の醍醐味だと思いますね。

「ライカ ゾフォート2」には写真を選択して印刷する機能が備わっています

「ライカ ゾフォート2」には写真を選択して印刷する機能が備わっています

「ライカ ゾフォート2」は、カメラ本体にプリント機能が内蔵されているので撮ってすぐプリントすることができます。

プリントしたい写真を選んで背面のレバーを巻き上げると背面モニターに映った画像がフィルムの動きと連動して出てくるところがアナログとデジタルのよいところを最高の組み合わせで生かしていて、フィルムカメラ世代には巻き上げというこのちょっとしたアナログ感のある動作を入れてくるところが、ライカの心憎いこだわりだなと感じました。

ライカ ゾフォート2、F2、1/400秒、ISO100、+2.0EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ、レンズエフェクト:ミラー

ライカ ゾフォート2、F2、1/400秒、ISO100、+2.0EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ、レンズエフェクト:ミラー

レンズエフェクト「ミラー」は、縦位置と横位置で反転位置が変わるのも面白かったです

レンズエフェクト「ミラー」は、縦位置と横位置で反転位置が変わるのも面白かったです

レンズエフェクト「ミラー」を使って撮影した写真をプリントしている様子

レンズエフェクト「ミラー」を使って撮影した写真をプリントしている様子

ライカ ゾフォート2、F2、1/240秒、ISO100、+0.7補正、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:ビビッドトーン、レンズエフェクト:光漏れ

ライカ ゾフォート2、F2、1/240秒、ISO100、+0.7補正、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:ビビッドトーン、レンズエフェクト:光漏れ

ライカ ゾフォート2、F2、1/1000秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:ビビッドトーン、レンズエフェクト:光漏れ

ライカ ゾフォート2、F2、1/1000秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:ビビッドトーン、レンズエフェクト:光漏れ

ライカ ゾフォート2、F2、1/1000秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:ビビッドトーン、レンズエフェクト:光漏れ

ライカ ゾフォート2、F2、1/1000秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:ビビッドトーン、レンズエフェクト:光漏れ

すっかりハマってしまったレンズエフェクト「光漏れ」

すっかりハマってしまったレンズエフェクト「光漏れ」

ついついあれもこれもプリントしたくなる楽しさがあります

ついついあれもこれもプリントしたくなる楽しさがあります

以前、価格.comマガジンで富士フイルムの「INSTAX SQUARE SQ40」のレビューをしたことがありますが、そのときにプリントしたチェキフィルムの活用法をご紹介しました。「ライカ ゾフォート2」でプリントしたものも何かのカタチで生活の中に取り入れていきたいと、現在鋭意考え中です。

「ライカ ゾフォート2」と過ごしたワクワクが詰まった1週間

ライカ ゾフォート2、F2、1/1800秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ、レンズエフェクト:ハーフフレーム

ライカ ゾフォート2、F2、1/1800秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ、レンズエフェクト:ハーフフレーム

実はライカのカメラを使うのは今回が初めてで、手に取るまでは「あのライカ……」と少し及び腰なところもあったのですが、フィルムカメラ世代の心をくすぐるエフェクトの数々やシンプルだけれど手に持ったときの満足感が高いデザインに加えて、ハイブリッドとはいえインスタントカメラをうたっているとは思えない描写のきれいさに「さすがライカ……」と納得しきりでした。

ライカ ゾフォート2、F2、1/25秒、ISO250、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ミラー

ライカ ゾフォート2、F2、1/25秒、ISO250、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:ミラー

ライカ ゾフォート2、F2、1/50秒、ISO160、-0.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ、レンズエフェクト:ハーフフレーム

ライカ ゾフォート2、F2、1/50秒、ISO160、-0.7EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:レトロ、レンズエフェクト:ハーフフレーム

ライカ ゾフォート2、F2、1/3200秒、ISO100、+1.0EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:ビビッドトーン、レンズエフェクト:ハーフフレーム

ライカ ゾフォート2、F2、1/3200秒、ISO100、+1.0EV、ホワイトバランス:オート、フィルムスタイル:ビビッドトーン、レンズエフェクト:ハーフフレーム

ライカ ゾフォート2、F2、1/120秒、ISO320、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:光漏れ

ライカ ゾフォート2、F2、1/120秒、ISO320、ホワイトバランス:オート、レンズエフェクト:光漏れ

あれこれエフェクトを楽しみながらのあっという間の1週間。そんなに多くの場所に行ったわけではなかったのですが、満足感は十分でした。写真を撮る楽しみの幅が広がったように感じた「ライカ ゾフォート2」との出会いでした。

さて、次の相棒と今度はどこへ行こう。

今回の相棒カメラ「ライカ ゾフォート2」

「ライカ ゾフォート2」は、アナログとデジタルの要素がシームレスに融合したハイブリッドインスタントカメラです。ライカ専用アプリ「Leica FOTOS」と接続すれば、撮影した画像を簡単にSNSでシェアすることも可能で、「Leica FOTOS」経由でスマートフォンやほかのカメラの写真もプリントすることができます。

金森玲奈 公式Webページ/SNSアカウント
https://www.kanamorireina.com/
Instagram:kanamorireina
Twitter:@kanamorireina

金森玲奈
Writer
金森玲奈
1979年東京生まれ。写真家。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学美術学部附属写真センター勤務などを経て2011年からフリーランスとして活動を開始。暮らしの中で記憶からこぼれ落ちていく何気ない日々のカケラを撮り続けている。
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真柄利行(編集部)
Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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