ソニーの小型フルサイズミラーレスカメラ「α7C II」と組み合わせてタムロン「20-40mm F/2.8 Di III VXD」をレビューします
タムロン「20-40mm F/2.8 Di III VXD(A062)」は、2022年10月に発売された、ソニーEマウント用の大口径・標準ズームレンズ。ユーザーに最も支持された製品を選出する「価格.comプロダクトアワード2023」のカメラ周辺機器部門で大賞を受賞した、ユーザー評価の高い1本です。
広角20mm対応と開放F2.8の組み合わせが魅力的な標準ズームです
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、20mm、F2.8、1/30秒、ISO200、-2.0EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、17.4MB)
「20-40mm F/2.8 Di III VXD」の最大の特徴は、広角20mm〜標準域40mmのユニークな焦点距離をカバーしていること。標準50mmを含まずに「標準ズームレンズ」をうたっているところにタムロンのこだわりを感じます。
本レンズを手に取ったときの第一印象は「軽い!」のひと言に尽きます。20mmスタート、かつズーム全域で開放F2.8のフルサイズ対応ズームながら、全長86.5mm、重量365gという小型・軽量化を実現している点には本当に驚かされました。気軽な街スナップや旅行での撮影など、幅広い使い方に対応できるレンズです。
「20-40mm F/2.8 Di III VXD」のサイズは74.4(最大径)×86.5(全長)mmで、重量は365g。開放F2.8通しのズームレンズとしてはとてもコンパクトです
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、20mm、F2.8、1/3200秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、25.0MB)
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、40mm、F2.8、1/6400秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、20.2MB)
レンズ構成は11群12枚。LD(Low Dispersion:異常低分散)レンズやGM(ガラスモールド非球面)レンズなどを組み合わせることで、シャープなピント面とやわらかなボケ味を両立しているが描写面での特徴です。
色収差を効果的に除去・補正できるLDレンズによって、かなりオーバー目の露出でもパープルフリンジが出ることはほとんどありませんでした(若干のフレアは発生しました)
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、40mm、F2.8、1/125秒、ISO100、+3.0EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、12.0MB)
AF駆動にはVXD(リニアモーターフォーカス機構)を採用。高速・高精度なAFが可能なだけでなく、モーターの駆動音がとても静かなので動画撮影でも使いやすいでしょう。
梅の枝の上をせわしなく動き回るメジロもしっかりととらえてくれました
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、40mm、F2.8、1/500秒、ISO100、+2.3EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、14.1MB)
筐体にUSB-C端子を搭載し、パソコンやAndroidタブレットと有線で接続することが可能。専用ソフトウェア「TAMRON Lens Utility」(Windows用/Mac用、Android OS用を用意)からフォーカスリングのカスタマイズや最新ファームウェアへのアップデート(Windows用/Mac用のみ)が行えます
本レンズの最短撮影距離は広角端で0.17m、望遠端で0.29m。マクロに強いタムロンのレンズらしく、ズーム全域でかなり寄れます。特に広角端は最大撮影倍率が1:3.8と高く、広角で被写体にグッと近寄れるが大きな特徴です。
望遠端で招き猫を近接撮影してみました。子分を引き連れてこちらにガンを飛ばしているような迫力ある1枚に
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD 、40mm、F2.8、1/40秒、ISO100、+1.0EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、16.6MB)
広角端の最短撮影距離で撮影。近づきすぎて招き猫の顔にレンズの影が落ちてしまいました。広角端での近接撮影時はフレーミングに注意が必要です
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、F4、1/100秒、ISO100、+1.0EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、15.8MB)
広角レンズはその特性上あまりボケない印象が強いですが、本レンズは望遠側だけでなく、広角側でも滑らかなボケ味が得られます。
望遠端の絞り開放で撮影。木漏れ日の円形ボケがきれいです
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、40mm、F2.8、1/125秒、ISO100、+2.3EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、11.8MB)
前ボケに梅の花を入れてみました。気持ちのよいボケ方ですね
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、40mm、F2.8、1/250秒、ISO100、+2.3EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、12.5MB)
広角端で梅の花に寄って撮影。最短撮影距離近くまで近づいたことで後ろの花が大きくボケてくれました
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、20mm、F2.8、1/200秒、ISO100、+2.7EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、7.4MB)
本レンズは焦点距離20〜40mmに対応しています。私たちが普段見ている視点より少し広い世界を楽しめるので、スナップ撮影にもってこいです。
芸術的な木々のたたずまい
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、20mm、F2.8、1/640秒、ISO100、+3.0EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、16.0MB)
近所の公園にはたくさんのドングリの落とし物
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、20mm、F2.8、1/125秒、ISO100、-0.7EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、29.7MB)
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、20mm、F2.8、1/200秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、15.4MB)
早咲きの桜のトンネル
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、20mm、F2.8、1/640秒、ISO100、+2.0EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、24.1MB)
足元にも満開の桜
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、40mm、F2.8、1/400秒、ISO100、+2.0EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、24.5MB)
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、20mm、F2.8、1/60秒、ISO100、+1.3EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、15.8MB)
「20-40mm F/2.8 Di III VXD」は、広角20mmから標準域40mmまでというユニークな焦点距離域と、ズーム全域で開放F2.8の大口径が生み出す滑らかなボケ味が大きな特徴。気持ちのよい距離感と美しい円形ボケが楽しめる「新しい標準ズームレンズ」と言えるでしょう。タムロンのレンズらしくコンパクトなサイズ感に収まっているのも魅力的です。
さらに、近接に強いのも見逃せない点で、ダイナミックな描写が得られる広角マクロを楽しめます。「価格.comプロダクトアワード2023」のカメラ周辺機器部門で大賞を受賞したというのも納得で、日常のスナップ撮影、テーブルフォト、旅先での撮影など、さまざまなシーンで活躍してくれることでしょう。
α7C II、20-40mm F/2.8 Di III VXD、40mm、F4、1/800秒、ISO100、+1.3EV、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST
撮影写真(7008×4672、15.3MB)