レビュー

ニコン「Df」の実力と魅力に迫る

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Part2 使い勝手レビュー

撮影フィーリングやメカニカルダイヤルの操作感など、「Df」を使ってみて感じたことをレポートする。

「Df」のシャッターフィーリングは非常に心地よい。小型・軽量ボディで、軽いレンズを組み合わせた際のホールド感がよいのもポイントだ

すばらしいシャッターフィーリングを実現。軽量ボディも◎

「Df」を使ってみてもっとも強く印象に残ったのがシャッターフィーリングだ。シャッター周りのスペックは「D610/D600」と同等なのだが、得られるフィーリングは異なっている。ニコンらしい小気味よいメカニカルなシャッター音で、非常に心地よい。シャッターボタンの押し加減もよく、シャッターレスポンスも良好だ。軽快に撮影を続けることができる一眼レフに仕上がっている。好みの問題が大きいが、個人的には「D800/D800E」や「D610/D600」よりも心地よく、ニコン製デジタル一眼レフとしては最高のシャッターフィーリングだと思う。「D800/D800E」と「D610/D600」と比べてもっとも異なると感じたのは、シャッターを切った際にその感覚が違和感なくダイレクトに手に伝わってくること。どちらかというと「D800/D800E」はしっかりとしたシャッターの動作が伝わってくる感じで、「D610/D600」は動作を押さえ込んでいる感じがするが、「Df」は、その間にチューニングされているイメージ。ミラーショックのような大きな振動は押さえて、シャッターが正確に動作している感覚のみが伝わってくる。シャッターフィーリングは、シャッターユニットなど内部ユニットの配置や、細かいところのボディの構造・材質、装着するレンズなど、さまざま要素が影響すると思うが、撮影時の心地よさを重視した絶妙なチューニングで設計されていると思う。

さらに操作感では、765g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)の軽量ボディに仕上がっているのも高ポイントだ。「D610/D600」よりも約100g軽く、35mmフルサイズ対応のニコン製デジタル一眼レフとして最軽量モデルとなっている。ニコンのフィルムMF一眼レフと比べるとボディに厚みがある(奥行66.5mm)のが気になる方もいると思うが、ボディが軽量なので、軽いレンズを組み合わせた際のホールド感がよい。特に、レンズキット付属の「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G Special Edition」や、ボケ味の美しさで定評のある「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」など、広角から標準、中望遠域の軽量な単焦点レンズとマッチするカメラだと感じた。

視野率約100%のファインダーは、もう少し明るくてもよかったと思うが、良好な見え方でピントの山がつかみやすい

メカニカルダイヤルも良質な操作感で好印象。露出補正ダイヤルは操作がやや難しい

「Df」の操作性で最大の特徴となるのが、ボディ上面に配置されたメカニカルダイヤルだ。感度ダイヤル、露出補正ダイヤル、シャッタースピードダイヤル、露出モードダイヤルが用意されており、いずれも金属の削り出しでしっかりとした作りだ。クリック感がよく、操作感はすばらしい。各ダイヤルにはロック機能が設けられているほか、露出モードダイヤルは上部に引き上げて回すという凝りようで、フィルムMF一眼レフのような操作となっている。設定変更をスピーディーに行えるかどうかというと、けっしてそういうわけではないが、デジタルとアナログの融合をテーマにしたカメラとして、マニュアル操作を存分に楽しめる仕様になっている。

ただし、露出補正ダイヤルについては、やや難がある。デジタル一眼レフは、右手でホールドしながら露出補正を行うのが一般的な仕様だが、「Df」の露出補正ダイヤルは、フィルムMF一眼レフのように、上面左側に感度ダイヤルと同軸でレイアウトされている。左手で操作する必要があり、ファインダーを覗いた状態で操作をするのはかなりの慣れが必要だと感じた。背面のメインダイヤルでも露出変更を行える機能を追加してほしいところだ。

露出モードダイヤルは上に引き上げて回す仕組み

露出モードダイヤルは上に引き上げて回す仕組み

シャッターダイヤルは1段刻みの調整に対応。1/3 STEPにすると1/3段での調整が可能になる

シャッターダイヤルは1段刻みの調整に対応。1/3 STEPにすると1/3段での調整が可能になる

上面左側に、感度ダイヤルと同軸に配置された露出補正ダイヤル。ファインダーを覗きながらの操作は、かなりの慣れが必要だ

背面のバッテリー収納部はSDメモリーカードスロット(SDXC/SDHC、UHS-I対応)も兼ねている。できれば、バッテリーとSDカードの収納位置は分けてほしかった

バッテリーカバーの開閉ノブがやや小さな形状になっているのも気になったところ

バッテリーカバーの開閉ノブがやや小さな形状になっているのも気になったところ

背面の液晶モニター周りのボタンレイアウトは、これまでのニコン製デジタル一眼レフのものを踏襲

背面の液晶モニター周りのボタンレイアウトは、これまでのニコン製デジタル一眼レフのものを踏襲

メニュー構成もまったく変わりないので、ニコン製デジタル一眼レフを所有している方であればすぐに使用開始できるはずだ

非Ai方式の「NIKKORレンズ」の利用は設定が必要

「Df」の機能では、非Ai方式の「NIKKORレンズ」の装着に対応しているのが大きな特徴となっている。ただし、非Ai方式のレンズを装着して開放測光を行えるわけではない。利用方法を説明しておこう。

非Ai方式の「NIKKORレンズ」を利用するには、あらかじめ、カメラに使用するレンズの情報(焦点距離、開放絞り値、種類:Aiレンズ/非Aiレンズ)を登録しておく必要がある。非AI方式の「NIKKORレンズ」は9本まで登録することが可能だ。撮影時は、設定メニューから利用するレンズの設定を呼び出す。そのうえで、レンズの絞りリングで設定した絞り値をサブコマンドダイヤルでカメラにもセットすることで、開放測光による露出が得られるようになる。対応する露出モードはAとM。絞り値を設定するのに2回の操作が必要ではあるが、非Ai方式の「NIKKORレンズ」で開放測光での撮影ができる初めてのデジタル一眼レフとしての価値は高い。

非Ai方式の「NIKKORレンズ」を利用するには、「レンズ情報手動設定」メニューで、レンズの情報(焦点距離、開放絞り値、種類:Aiレンズ/非Aiレンズ)を登録しておく必要がある

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