レビュー

ニコン「D810」の画質を従来モデル「D800/D800E」と比較してみた

解像感をチェック 比較作例1(屋外 晴天)

※以下に掲載する画像は、本記事の1ページ目に掲載した「比較作例1」の一部分(210×210)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。切り抜いたのは、a/b/cの3か所です。

「D810」の撮影写真
「D800E」の撮影写真
「D800」の撮影写真

解像感をチェック 比較作例2(屋外 晴天)

※以下に掲載する画像は、本記事の1ページ目に掲載した「比較作例2」の一部分(210×210)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。切り抜いたのは、a/b/cの3か所です。

「D810」の撮影写真
「D800E」の撮影写真
「D800」の撮影写真

解像感をチェック 比較作例3(屋内 蛍光灯)

※以下に掲載する画像は、本記事の1ページ目に掲載した「比較作例3」の一部分(210×210)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。切り抜いたのは、a/b/cの3か所です。

「D810」の撮影写真
「D800E」の撮影写真
「D800」の撮影写真

ローパスレスセンサーのポテンシャルを引き出し、ディテールの再現性がさらに向上

「D810」「D800E」「D800」の3モデルとも、センサーの画素数は有効3635万画素で変わらないが、「D810」は光学ローパスフィルターレスモデル、「D800E」はローパスフィルターの効果をなくしたモデル、「D800」はローパスフィルターが有効なモデルとなっている。比較作例をチェックすると、細かいところの解像感については、ローパスフィルターの働きの有無もあって、「D810」と「D800E」が「D800」を上回る結果となっている。

「D810」と「D800E」を比べると、コントラストが高くなったこともあって、「D810」のほうがシャープでエッジの立った描写となっている。輪郭を無理に強めている感じがなく、線が太くなったり、リンギング(擬似輪郭)が目立つようなことがないのが高ポイントだ。また、画像処理が向上している印象で、高周波成分の多いところにおいて、にじみが減り、ディテールの再現性がよくなっているように思う。ローパスフィルターレスセンサーのポテンシャルが引き出せているのではないだろうか。

また、解像感とは違うところではあるが、赤色の再現性が上がっていることも報告しておきたい。特に、屋内での撮影において、従来はアンバー寄りの色味になり、赤色が朱色に近くなることがあったが、「D810」は赤がより正確に再現できるようになっている。

まとめ

以上、新モデル「D810」と、従来モデル「D800E」「D800」の画質比較レポートをお届けした。

「D810」は、オートホワイトバランスの精度が高まり、より忠実な色再現が得られるようになっている。さらに、解像感についても、ローパスフィルターの効果をなくした従来モデル「D800E」を上回る結果となった。コントラストが高くなったのも特徴で、「D800/D800E」とは描写が大きく変わっている。色と解像感の両方で、従来モデルからの進歩を感じる結果と言っていいだろう。

今回試用して限りでは、「D810」は、操作感が向上したことも大きいと感じた。「D810」は、ミラーバランサーを搭載するなど機構ブレを軽減する仕組みを取り入れているが、シャッターフィーリングは「D800/D800E」よりも確実によくなっている。また、オートフォーカスについても、従来以上に食いつきがよくなっている。ファインダーも抜けがよくなり、クリアーで見やすくなった。さらに、液晶モニターが約122.9万ドットに高精細化したことも押さえておきたい。ライブビュー撮影でマニュアルフォーカスを行う際に、ピント位置が確認しやすくなった。

なお、価格.comマガジンでは今後、「D810」と「D800/D800E」の高感度画質の違いについての追加レポートを掲載する予定だ。

真柄利行(編集部)
Writer
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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