最近は写真撮影というと、もっぱらスマホという人も多いだろう。実は筆者もそう。だって、今のスマホは結構キレイに撮れちゃうから。でも、久々にコンデジを使ってみたら、やっぱり写真はカメラで撮る方がいいなと思った。まず、スマホと違ってある程度の重さがあり、構えやすいので、ブレにくい。また、操作も撮影のために最適な配置になっているので扱いやすい。しかし、何よりいいのは、液晶画面が大きくクリアで見やすいこと。そして、中身の技術も進化しているようで、やはり、スマホで撮影した写真とは仕上がりが違うのだ。
液晶モニターは3.0型(92万画素)。視認性がよく、強い日差しの下でも見やすかった
今回はアウトドアではなく普段使いでどれだけ使えるかを検証したいので、あれこれ考えず、鎌倉、銀座、浅草、富岡、高崎……と、あちこち出かけてとにかく思うままに撮ってみた。結果的には……、いつもより写真の仕上がりがキレイなので、ついパチパチとたくさん撮ってしまった!
以下、撮った写真を紹介しよう。シーンに合わせて22の撮影モードをセレクトできるようになっているが、筆者はもっぱら「P=プログラム」で撮影。Pに設定しておくだけで、それなりにいい仕上がりになってしまうからだ。晴れの日も、雨の日も、地下街のような薄暗いところでも、それなりによく撮れている。実はそれが、今回使ってみて感じたFinePix XP90の何よりの魅力だったりする。
作例:鎌倉の市場
作例:雨の窓
作例:雨の銀座
作例:浅草地下街
作例:富岡製糸場
作例:たかさき中央銀座
ほかの撮影モードも使ってみた。いろいろありすぎて、正直迷ってしまうことも。そこで、使いたいモードだけ試してみることに。まず、「マクロ」モード。花の撮影など、被写体にグッとちかづいて撮影したいときに役立つ。近距離が撮影できるだけでなくより鮮明な仕上がりに。マクロ撮影は手ブレしやすいので三脚撮影がおすすめ。FinePix XP90の三脚穴は、本体底面にある。
・「マクロ」モード
作例:椿
次に、「ぐるっとパノラマ360」モードで撮影。シャッターボタンを押しながら自分を軸にぐるっと360度に回るだけ。最大360度に広がるパノラマ写真を撮影できる。あまりゆっくりやると時間切れになってしまうので、画面の残り時間を見ながら撮影をしよう。カメラは縦に構えても横に構えてもOKだ。今回は、浅草の浅草寺と世界遺産の富岡製糸場で撮影。それぞれその場所の空気感が伝わる写真になった。
・「ぐるっとパノラマ360」モード
作例:浅草
作例:富岡製糸場
暗いところを撮るときは、「連写重ね撮り」がおすすめだ。シャッターを押すと高感度で最大4コマを連写し、これを、カメラ内でノイズを消し合うように1枚の画像に合成するというもの。高感度撮影でもノイズが少ないクリアな写真に勝手に仕上げてくれるというわけだ。
・「連写重ね撮り」モード
作例:富岡製糸場・繭保管所
今回、筆者が最もハマったのが「アドバンストフィルター」。さまざまなフィルター効果を加えた撮影ができるアドバンスフィルターには、レトロな雰囲気に仕上げる「トイカメラ」、ジオラマ風に上下をぼかす「ミニチュア」、コントラストと再度を強調する「ポップカラー」、魚眼レンズのような写りを再現する「魚眼」、特定の色域だけを残し、残りをモノクロにする「パートカラー」など全部で16のモードがある。
特に気に入ったのは「トイカメラ」と「ミニチュア」。この2つは、何を撮っても雰囲気のある写真になってしまう。こうした「遊び」を楽しめるのも本製品の魅力の1つだと思う。
作例:雨の日(アドバンストフィルター/トイカメラ)
作例:診療所(アドバンストフィルター/ミニチュア)
作例:上が「トイカメラ」、下が「ミニチュア」
・特定の色だけを残し残りをモノクロにする「パートカラー」
作例:パートカラー/レッド
作例:パートカラー/イエロー
そのほかに新機能として、インターバル撮影で撮った写真を自動的に動画に合成し、コマ送りのような動きを楽しめる「タイムラプス動画」なども搭載されている。また、撮った写真をWi-FiでスマホにつなぎSNSなどで気軽にアップロードもできるのも、普段使いの機能として重宝するだろう。
アウトドア派にぴったりなタフカメラFinePix XP90。レビューするにあたり、正直「私じゃないでしょう?」と思った。筆者はアウトドアとはまったく無縁の生活を送っているからだ。しかし、考えてみたら、アウトドアのときだけしか使えないカメラでは、活躍の場が少なすぎる。そこで普段使いでも、アウトドアでも使えるカメラとして、今回は“普段使い”の目線でチェックしてみた。
FinePix XP90の魅力は、小型で丈夫で高画質であること。日常的に持ち歩くには負担のないサイズ&重さで、突然の雨でもへっちゃらなタフさ、またうっかりコロリン、ポチャンと落としてしまっても壊れない安心感。そしてどんなシーンでもキレイに仕上がる性能の高さ。実はこういうカメラこそ、日常的に持ち歩きたいカメラなのではないか。さらにアウトドア派なら、より撮影を楽しめることだろう。つまりどんな人にも適応するカメラといえるのだ。
さらに、コンパクトで丈夫という点から、精密機器をまだ持ち慣れていない子どもにファーストカメラとして与えるのもいいのではないだろうか。