交換レンズ図鑑
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世界初のLEDライト内蔵マクロレンズ! キヤノン「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」実写レビュー

LEDライトを活用した実写作例

※以下に掲載する作例は、EOS M3とEF-M28mm F3.5 マクロ IS STMを組み合わせて撮影したRAW形式のデータをJPEG形式に変換したもの(Digital Photo Professional 4.4.30でRAW現像)になります。「デジタルレンズオプティマイザ」を適用した以外は、撮影設定のまま現像しています。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行なっていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

内蔵LEDライトの左側を点灯させてバラをマクロ撮影した作例。LEDライトがサイド光のような効果となり、陰影がついて立体的な描写となった
EOS M3、ISO100、F4.5、1/10秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:しない、周辺光量補正:する、内蔵LEDライト:使用(左側・強)、RAW(デジタルレンズオプティマイザ:50)
撮影写真(6000×4000、13.9MB)

同じ露出値とホワイトバランスでLEDライトを使って撮り比べるとこうなった。LEDライトの使い方で陰影のつき方が変わる

内蔵LEDライトを使って金属製のアクセサリーをマクロ撮影したもの。玉ボケが出るように意識して、ピントはアクセサリーの手前の端に合わせている
EOS M3、ISO100、F5.6、1/8秒、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:しない、周辺光量補正:する、内蔵LEDライト:使用(両側・強)、RAW(デジタルレンズオプティマイザ:50)
撮影写真(6000×4000、11.3MB)

同じ露出値とホワイトバランスで撮り比べるとこうなる。LEDライトの設定によって玉ボケの感じが変わるのが面白い

内蔵LEDライトの活用方法として提案したいのが、スイーツなどの料理の質感を出すことだ。LEDライトの光を当てることで被写体の艶を表現することができる
EOS M3、ISO400、F3.5、1/60秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:スタンダード、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、内蔵LEDライト:使用(両側・強)、RAW(デジタルレンズオプティマイザ:50)
撮影写真(6000×4000、19.0MB)

LEDライトを使わないほうは暗く沈んだ感じになっているが、LEDライトを当てたほうは表面の艶が出ている

LEDライトを使わないほうは暗く沈んだ感じになっているが、LEDライトを当てたほうは表面の艶が出ている

内蔵LEDライトは補助光的な使い方も可能。この作例では被写体のいちごを明るく照らすのではなく、皿に落ちた影を薄めるために活用した
EOS M3、ISO100、F8、0.6秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、高感度撮影時のノイズ低減:標準、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、内蔵LEDライト:使用(両側・強)、RAW(デジタルレンズオプティマイザ:50)
撮影写真(6000×4000、18.7MB)

皿に影が出てしまう状況で補助光的にLEDライトを活用した

皿に影が出てしまう状況で補助光的にLEDライトを活用した

描写力と使い勝手をレビュー

・コントラストにすぐれ、抜けのよい描写。ボケもやわらかい
・すっきりとしたクリアな色再現が得意
・LEDライトは影を薄くしたり、陰影をつけるのに有効
・フォーカスリングはもう少し太くてもよかった
・オートフォーカスは静かでスムーズ

EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMは、キヤノンのマクロレンズらしく描写力は高い。コントラストにすぐれ、抜けがよい描写で、どちらかというとすっきりとしたクリアな色再現が得意なレンズだと思う。さすがに絞り開放(特に最短撮影距離付近)だと少し甘くなるものの、色収差がよく抑えられており、開放でもシャープな画質が得られる。ボケは焦点距離28mmのマクロレンズとしてはやわらかく、扱いやすい。

スーパーマクロモードは通常モードよりもピント位置でシャープな描写が得られる印象で、マクロ撮影に限定するのなら最大撮影倍率が1.2倍になるこのモードに常に切り替えて利用していいだろう。ちなみに、スーパーマクロモードにするとレンズがわずかに繰り出して光学系が変わる。試しに、撮影倍率(被写体の大きさ)、絞り値、ピント位置をそろえてスーパーマクロモードと通常モードを撮り比べてみたが、通常モードのほうが、わずかではあるが背景ボケが大きくなった。

なお、EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMは、すでにレンズ補正データが用意されている。RAW現像ソフト「Digital Photo Professional」を使う場合、「デジタルレンズオプティマイザ」を適用することが可能だ。デジタルレンズオプティマイザは、レンズやカメラの光学特性から画質が変化する要素を関数化し、その結果を逆関数として適用することで、入射前に近い光の状態(画質)に戻す独自機能。この機能を使うことで、より精鋭感のある画質が得られる。

内蔵のLEDライトは、両側と片側の点灯を選べるので、光量が足りない場合に被写体を照らしたり、影を薄くしたり、陰影をつけたりと、使い方次第でいろいろと活用できる機能だ。ただ、リングライトのように強い光が出るわけではないので、極端に暗い被写体を明るくできるものではなく、マクロ撮影時のライティングを補助するものと捉えてほしい。

手ブレ補正は、被写体までの距離にもよるが、マクロ撮影時では1/50〜1/80秒程度のシャッタースピードであればある程度ブレを防いで撮ることが可能。スナップなど被写体距離がある場合は、1/25秒程度のシャッタースピードが稼げればかなり手ブレを抑えることができる。

コンパクトで持ち運びやすいサイズ・重量なのも好印象だ。ほかのEF-Mレンズと同様、小型・軽量なEOS Mシリーズにマッチするコンパクトレンズだ。操作性については、マクロ撮影ではマニュアルでピントを合わせる機会が増えるため、フォーカスリングがもう少し太くてもよかったと思うが、レンズを先細りの形状にする点などはよく考えられている。オートフォーカスは、STMを採用していることもあって静かでスムーズ。さすがにマクロ撮影時は合焦が遅くなるが、スナップやポートレートで使った限りは、速度・精度に不満を感じなかった。

まとめ EOS Mシリーズユーザー必携の常用マクロレンズ

・高い描写力を持つコンパクトな標準マクロレンズ
・LEDライト内蔵が魅力だが、スーパーマクロモードやハイブリッドISにも注目。本格的なマクロ撮影を手軽に楽しめる
・スナップやポートレート用として使うことも可能。テーブルフォトでも扱いやすい
・コストパフォーマンスが高く、EOS Mシリーズユーザー必携の1本

EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMは、EF-Mレンズらしく、コンパクトで写りのよいマクロレンズに仕上がっている。LEDライトを内蔵するのがほかにはない魅力で、変わり種のレンズという印象を持つかもしれないが、しっかりとした描写力をベースにした本格的なマクロレンズだ。最大撮影倍率が1.2倍になるスーパーマクロモードやハイブリッドISも備わっており、マクロ撮影を手軽に楽しめる1本となっている。マクロ撮影では、35mm判換算で45mm相当という標準域の画角なので、中望遠のマクロレンズとは異なり、小さな被写体をクローズアップしつつ、比較的広く写せるのが特徴だ。

さらに、標準域の画角なので、マクロだけでなく、スナップやポートレート用として使うことも可能。ワーキングディスタンスが短く、レンズ先端のギリギリまで近づいて撮れるので、料理やアクセサリーなど被写体に近づいて撮ることが多くなるテーブルフォトでも扱いやすいはずだ。

価格は価格.com最安価格(2016年7月13日時点)で35,000円程度。マクロだけでなくスナップなどにも使える常用レンズとして、この価格はコストパフォーマンスが高い。EOS Mシリーズユーザー必携のマクロレンズだ。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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