「デュアルピクセルCMOS AF」を採用し、オートフォーカス性能が大きく向上

キヤノンの新型ミラーレスカメラ「EOS M5」特徴レポート!「DIGIC 7」を搭載する高性能モデル

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キヤノンは2016年9月15日、ミラーレスカメラ「EOS M」シリーズの新モデル「EOS M5」を発表した。「EOS M3」の上位に位置する機種で、画質やオートフォーカス、連写性能、操作性などが大きく進化した高性能モデルとなっている。発売は11月下旬が予定されている。ここでは、進化点を中心に主な特徴を紹介しよう。

EOS Mシリーズの最上位モデルとして登場するEOS M5

EOS Mシリーズの最上位モデルとして登場するEOS M5

EOSシリーズとして初めて最新の映像エンジン「DIGIC 7」を採用。感度は常用で最高ISO25600に対応

まずは、EOS M5の画質スペックからチェックしていこう。

撮像素子は、APS-Cサイズの有効約2420万画素CMOSセンサーで、EOS Mシリーズとして初めて、1つの画素を2つのフォトダイオードで構成する「デュアルピクセルCMOS AF」に対応している。さらに、映像エンジンには、最新の「DIGIC 7」を採用。DIGIC 7は、2016年4月発売の1インチコンデジ「PowerShot G7 X Mark II」にて初めて搭載されたエンジンだ。デジタル一眼レフも含めてEOSシリーズとしてはEOS M5が初めてのDIGIC 7採用モデルとなる。

DIGIC 7は、従来以上の処理性能を実現しており、画質面ではノイズリダクションの性能が向上しているのが特徴だ。EOS M5は、DIGIC 7の採用によって、ISO100〜25600の感度に対応する。常用感度の上限が最高ISO25600に上がっているのがポイントで、スペック上は、下位モデルとなるEOS M3の常用ISO12800/拡張ISO25600相当や、EOS 80Dの常用ISO16000/拡張ISO25600相当を上回る高感度性能となっている。

さらに、画質関連では、レンズ光学補正に回折補正が追加された。暗部補正の処理も進化しており、暗部のコントラストをキープしたまま自然な補正を実現しているという。

常用感度としてISO25600の高感度に対応

常用感度としてISO25600の高感度に対応

レンズ光学補正に回折補正が追加された

レンズ光学補正に回折補正が追加された

動画撮影でのボディ内5軸電子手ブレ補正を実現

EOS M5は、DIGIC 7採用による処理性能の向上によって、動画撮影において、ボディ内の5軸電子手ブレ補正を実現している。縦回転軸、水平回転軸、上下シフト、左右シフト、回転軸の5軸の補正に対応しており、従来よりもブレを抑えた動画撮影が可能となっている。

5軸電子手ブレ補正は手ブレ補正非搭載のレンズでも有効だが、新たに登場する高倍率ズームレンズ「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」、もしくは標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」を利用すれば、レンズ側の光学手ブレ補正(縦回転、水平回転)とボディ内の5軸電子手ブレ補正を組み合わせた「コンビネーションIS」が可能になる。コンビネーションISは、そのほかのEF-Mレンズを使う場合と比べて補正効果が高く、特に、歩き撮りなど大きなブレが発生するシーンにおいてすぐれた効果を発揮するとのことだ。

動画撮影時に5軸電子手ブレ補正に対応。効果として「する」「強」を選択できる

動画撮影時に5軸電子手ブレ補正に対応。効果として「する」「強」を選択できる

「デュアルピクセルCMOS AF」の採用で高速AFを実現。連写性能もAF追従で最高約7コマ/秒に向上

先述のとおり、EOS M5は、EOS 80Dなどでも採用されている1画素2フォトダイオード構成のデュアルピクセルCMOS AFに対応している。デュアルピクセルCMOS AFの最大の特徴は、全有効画素が撮像と位相差AFの機能を兼ね備えており、像面位相差AFのみでの最終合焦が可能なこと。コントラストAFを併用する場合と比べて、より高速なオートフォーカスが可能だ。EOS 80DなどデュアルピクセルCMOS AFを採用するモデルは、ライブビューでのオートフォーカスが高速なことで定評がある。EOS M5でも同じようなハイレスポンスを期待したいところだ。

さらに、EOS M5には、EOSシリーズのデジタル一眼レフの動体予測AFを参考に、ライブビュー撮影用のAFサポートを新たに設計。縦横の動きへの追尾に加えて、手前〜奥行き方向に動く被写体にも対応した予測的なオートフォーカスを行うことで、ピントが背景に抜けてしまうことを防止するようになっているという。加えて、DIGIC 7の採用によって色認識性能などが向上したことで、被写体の向きや大きさや向きが変わっても、より高精度に追尾できるようになったとのことだ。

デュアルピクセルCMOS AF対応の有効約2420万画素センサーを採用

デュアルピクセルCMOS AF対応の有効約2420万画素センサーを採用

AF方式として、9つのAF枠のエリアでピントを合わせる「スムーズゾーンAF」が新設された

AF方式として、9つのAF枠のエリアでピントを合わせる「スムーズゾーンAF」が新設された

AF枠のサイズは、「標準」よりも小さい「小」を選択できるようになった

AF枠のサイズは、「標準」よりも小さい「小」を選択できるようになった

連写性能は、AF追従で最高約7コマ/秒、AF固定で最高約9コマ/秒に向上。EOS M3はAF固定で最高約4.2コマ/秒なので、連写スピードは大幅にアップしている。連続撮影可能枚数は、JPEG(ラージ/ファイン)で約26枚、RAWで約17枚、RAW+JPEG(ラージ/ファイン)で約16枚。さらに、カメラ全体のレスポンスも改善されており、起動時間は従来の約2/3となる約1秒に短縮。撮影間隔や撮影後のブラックアウト時間も見直され、従来から大幅な短縮を実現しているとのことだ。

EVFでの撮影を重視した操作性を採用

EOS M5は、これまでのEOS Mシリーズの中でも、特に操作性にこだわったモデルだ。内蔵のEVFを覗きながらでも操作しやすいように設計されているのが特徴となる。

EVFには、約236万ドット/0.39型の有機ELファインダーを採用。光軸上にレイアウトされているほか、アイポイントが約22mmと長いのがポイントで、メガネをかけていても見やすいファインダーとなっている。

さらに、メイン電子ダイヤル、サブ電子ダイヤル、露出補正ダイヤル、モードダイヤル、コントローラーホイールといった多数のダイヤルを装備。ユニークなのはサブ電子ダイヤルで、ダイヤル中央の「DIAL FUNC.」ボタンと組み合わせた操作ができること。DIAL FUNC.ボタンを押して感度やホワイトバランス、測光などの項目を選択した後にサブ電子ダイヤルを回転させることで、DIAL FUNC.ボタンで選択した項目の設定を変更できるようになっている。

約236万ドット/0.39型の有機ELファインダーを搭載

約236万ドット/0.39型の有機ELファインダーを搭載

EVF内の表示形式として「フル表示」(左)と「縮小表示」(右)を選べる

EVF内の表示形式として「フル表示」(左)と「縮小表示」(右)を選べる

上面左側にモードダイヤルを装備。右側にはメイン電子ダイヤル、サブ電子ダイヤル、露出補正ダイヤルが配置されている。サブ電子ダイヤルの中央にDIAL FUNC.ボタンが用意されている

さらに、EOS M5には、ファインダーを覗きながらタッチパネル上でAF枠を直感的に移動できる「タッチ&ドラッグAF」という新しい操作性が搭載されている。モニターをタッチしてAF枠の位置を指定したり、モニター上をドラッグしてAF枠を動かすことが可能。AF枠の位置を指定する方式として、座標を指で直接指定する「絶対位置」と、指で動かしたベクトル(方向・移動量)に応じてAF枠が移動する「相対位置」を選択できるほか、モニター上の作動エリアを「全域」「右半分」「左半分」「右上」「右下」「左上」「左下」の7つから選ぶことができる。タッチする方式とエリアをカスタマイズすることで、利き目や利き手に合わせた操作で使えるようになっている。

ファインダーを覗いたまま、モニターをタッチすることで直感的にAF枠を指定できるタッチ&ドラッグAFに対応

ファインダーを覗いたまま、モニターをタッチすることで直感的にAF枠を指定できるタッチ&ドラッグAFに対応

前面にタッチ&ドラッグAFのオン・オフを切り替えられるボタンが用意されている

前面にタッチ&ドラッグAFのオン・オフを切り替えられるボタンが用意されている

タッチ&ドラッグAFは、AF枠の位置を指定する方式として「絶対位置」と「相対位置」が用意されている。モニター上の作動エリアは、「全域」「右半分」「左半分」「右上」「右下」「左上」「左下」から選択できる

このほか、撮影機能として、カメラのパンニング速度や被写体の進行速度・方向を解析してシャッタースピードを調整する「流し撮りモード」が追加された。カメラ内RAW現像も可能になり、複数の画像データをまとめてJPEGに出力することもできる。動画撮影では、撮影間隔・枚数を設定してのタイムラプス動画の撮影が可能になった。スマートフォンとの連携機能では、Wi-Fiに加えて、低電力での常時接続が可能なBluetooth Low Energy Technologyに対応。スマートフォンのGPS機能と連携することで撮影画像に位置情報を追加できる「GPSモバイルリンク」も搭載している。

EOS M5のボディサイズは約115.6(幅)×89.2(高さ)×60.6(奥行)mmで、重量は約427g(バッテリーパック、SDカード含む)。液晶モニターは、チルト可動式の 3.2 型タッチパネル液晶(約 162 万ドット)で、上方向に約 85度、下方向に約 180度に動かすことができる。対応バッテリーはEOS M3などと同じく「LP-E17」で、撮影可能枚数は約295枚。

シャッタースピードは最速1/4000秒に対応。ストロボ同調は1/200秒。手動ポップアップ式でガイドナンバー約5(ISO100・m)のストロボが内蔵されている。動画撮影は1920×1080/60pのフルHD記録が可能。対応記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I対応)となっている。

上方向に約85度、下方向に約180度動くチルト可動式の3.2 型タッチパネル液晶(約162 万ドット)を採用

上方向に約85度、下方向に約180度動くチルト可動式の3.2 型タッチパネル液晶(約162 万ドット)を採用

まとめ トータルバランスにすぐれた高性能ミラーレス。特にAF性能の向上に注目

EOS M5は、EOS Mシリーズの最上位モデルとして、ハイアマチュアユーザーを中心に、カメラの中上級者層をターゲットにしたミラーレスカメラだ。EOS 80Dなどと同じデュアルピクセルCMOS AF に対応することで、従来よりも高速なオートフォーカスを実現しているほか、連写性能も大きくアップ。DIGIC 7の採用で従来から定評のある画質にも磨きがかかった。ファインダー撮影を重視した操作性も、これまでのEOS Mシリーズにはなかったもので、トータルバランスにすぐれた、他社の高性能ミラーレスとも勝負できるカメラに仕上がっていると思う。

多くの進化点の中でも特に注目したいのがオートフォーカス性能だ。これまでのEOS Mシリーズは、極端に遅いというわけではないのだが、ほかの高性能ミラーレスと比べるとオートフォーカスの合焦速度で見劣りしていたのは事実。EOS M5ではその部分にメスが入ったわけだが、実際の合焦速度や追従性が気になるところだ。オートフォーカスの使い勝手については、今後、実機を使ったレビューでくわしくレポートしたい。

EOS M5のキヤノンオンラインショップの価格は、ボディ単体が112,500円、標準ズームレンズEF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMが付属する「EF-M15-45 IS STMレンズキット」が127,500円、新たに発売される高倍率ズームレンズEF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMが付属する「EF-M18-150 IS STMレンズキット」が157,500円、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMとマクロレンズEF-M28mm F3.5 マクロ IS STMが付属する「クリエイティブマクロ ダブルレンズキット」が187,500円となっている(いずれも税別)。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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2017.5.26 更新
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