はじめての一眼レフに適した3モデルを比較レビュー

《2017春》初心者向け一眼レフカメラ徹底比較! キヤノン、ニコン、ペンタックスのどれを選ぶ?

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本格的な春の到来を前に、お子さんの卒業式や入学式、大型連休の旅行などのイベントに向けて高画質な一眼レフカメラの購入を検討している方も多いことでしょう。本特集では、カメラ初心者の方を対象に「はじめての一眼レフ」選びをサポート。一眼レフの魅力や各メーカーの大まかな特徴を解説したうえで、型落ちの旧モデルを含めてこの春に価格.comで購入可能なエントリー向け一眼レフの全ラインアップと価格を紹介します。2ページ目以降では、各メーカーの現行モデルからキヤノン「EOS Kiss X7」、ニコン「D3400」、リコー「PENTAX K-70(以下、K-70)」の3モデルをピックアップして画質や操作性などを比較レビューしました。比較検討の参考にしていただければと思います。

※本記事中の価格表記は2017年3月14日時点での価格.com最安価格(税込)を参考にしています。

左からEOS Kiss X7、D3400、K-70。2ページ目以降でこれらエントリー向け3モデルの画質や操作性をチェックします

一眼レフの魅力は光学ファインダーにあり!

レンズ交換式のデジタルカメラ(デジタル一眼カメラ)は、構造の違いによって「一眼レフ」と「ミラーレス」に分けられます。どちらも大型の撮像素子(光を画像データに変換するセンサー)を搭載し、画面のすみずみまで明るくてきれいな風景写真や、ノイズの少ない夜景写真などの高画質な撮影が可能です。大きなボケで被写体が浮かび上がるような立体感のある写真が撮れることに魅力を感じる方も多いことでしょう。

一眼レフとミラーレスのどちらを選んでも高画質な撮影が楽しめますが、ミラーレスにはない一眼レフの大きな魅力として押さえておきたいのが「光学ファインダー」です。一眼レフは、撮像素子の前に反射ミラーを搭載し、ミラーの動きによって、レンズを通った光が光学ファインダーもしくは撮像素子のどちらかに届く構造になっています。この構造により、一眼レフは、光学ファインダーで見える像と、撮像素子に届く像がほぼ一致します(※光学ファインダーの性能によって像の見え方や範囲に差が出ます)。

一眼レフの内部構造。一眼レフは内部にミラーやペンタブリズム(もしくはペンタミラー)を搭載し、ミラーの動きによってレンズからの光の届く先が変わります。シャッターを押す前は光学ファインダーに光が届きますが、シャッターを切るとミラーが上がって光が撮像素子に届くようになります

一眼レフで一度シャッターを切ると感じていただけると思いますが、一眼レフの光学ファインダーを覗きながらの撮影はとても楽しいものです。光学ファインダーを通じて自分の眼で被写体を捉えるような感覚で、カメラとの一体感を感じながらその場の風景を写真として収めることができます。これは一眼レフでしか味わえない醍醐味です。

また、一眼レフは、光学ファインダーで見る像にタイムラグがないため、動く被写体を追いかけやすく、狙った一瞬が撮りやすいのもメリットになります。オートフォーカス(AF)が高性能なのも特徴で、光学ファインダー専用の位相差AFシステムによって高速・高精度なピント合わせが可能。レスポンスよく、気持ちよくシャッターを切ることができます。

一眼レフは光学ファインダーで見える像と撮像素子に届く像がほぼ一致するので、自分の眼で被写体を捉えるような感覚で撮影ができます。これが一眼レフでの撮影の楽しいところです

はじめての一眼レフは「どのメーカーを選ぶか」が重要

ミラーレスでも同じことが言えますが、はじめての一眼レフ選びは、どのメーカーのモデルを選択するかがとても重要です。その理由は、メーカーによって交換レンズのマウント(装着できるレンズの規格)が決まっているため、基本的に、1つのレンズを複数のメーカーの一眼レフで使い回せないからです。キヤノンの一眼レフのマウントは「EFマウント」、ニコンは「Fマウント」、ペンタックスは「Kマウント」となり、これらのマウントの間に互換性はありません。キヤノンの一眼レフにニコン用やペンタックス用のレンズを、ニコンの一眼レフにキヤノン用やペンタックス用のレンズを直接装着することはできません。

一眼レフをはじめて購入する方の中には「レンズを買い足す予定はないからどのメーカーを選ぶかはあまり気にしない」と考える方もいると思いますが、最初のうちは、標準ズームレンズや望遠ズームレンズが付属するレンズキットを購入して満足していても、使っていくうちに、明るい単焦点レンズや広角ズームレンズといったレンズが欲しくなるもの。そうしてレンズをそろえていったときに、他メーカーの一眼レフに魅力を感じて乗り換えようとしても、レンズもあわせてそろえ直さないといけないのです(※デジタル一眼カメラを使い込んでいくとわかりますが、カメラ本体よりも気に入ったレンズのほうが手放せなくなります)。

せっかくのレンズを無駄にしないためにも、最初の一眼レフは、メーカーの特徴を踏まえて自分に合ったものを選んでいただければと思います。可能であれば、店頭でいろいろな実機に触れてみて、フィーリングのいいメーカーを選ぶといいでしょう。

現在、光学ファインダーを搭載する一眼レフは、キヤノン、ニコン、リコー(ペンタックスブランド)の3メーカーが手がけています。以下に、それぞれの特徴を簡単に紹介します。

キヤノンは、プロ用から初心者向けまで数多くのモデルを用意しています。先進的な技術をいち早く搭載することが多く、上位モデルから下位モデルまで性能にすぐれた一眼レフがそろっています。無駄な機能はあまりなく、撮影に集中するためのカメラ作りを徹底しているという印象です。画質は、初期設定では発色がよくパッと見できれいな色を再現する傾向にあり、上位モデルから下位モデルまで一貫したところがあります。さらに、高性能な「Lレンズ」など、レンズのラインアップも非常に充実しています。

なお、将来的に、中上級者向けとなる35mmフルサイズ(※エントリーから中級機に多く採用されるAPS-Cサイズよりもひと回り大きい撮像素子の規格。35mmフィルムに近いサイズなのでこう呼ばれています)の一眼レフを使いたいと考えているのなら、キヤノンの35mmフルサイズ一眼レフはAPS-C用のレンズを利用できないことは覚えておいてください。キヤノンのAPS-C用レンズは、APS-Cサイズの撮像素子に最適化した専用レンズになるため、ニコンとペンタックスとは異なり、35mmフルサイズ一眼レフに装着してのクロップ撮影が行えません(※装着自体できません)。35mmフルサイズ一眼レフのスペックをフルに使うには35mmフルサイズ対応のレンズが必要になるため、初心者の方はそれほど気にしなくてもいいとは思いますが、もし35mmフルサイズへのステップアップを意識するなら、レンズを購入する際に35mmフルサイズ対応かどうかをチェックしておくといいでしょう(※35mmフルサイズ対応レンズをAPS-C一眼レフに装着・使用することは3メーカーとも可能です)。

ニコンも、プロ用から初心者向けまで幅広いラインアップをそろえています。フィルムカメラ時代から高い技術力を持つメーカーで、しっかりとした作りで操作感にすぐれた一眼レフの開発を得意としています。シャッターフィーリングのよさにも定評があります。所有感を満たす、モノとしての作りのよいカメラが多い印象です。もちろん画質もすぐれていて、どちらかというと被写体の質感や忠実な色再現にこだわる傾向が強いと言えます。レンズも、使い勝手や描写力にすぐれた「NIKKORレンズ」が数多く用意されています。

ペンタックスは、一眼レフの開発で長い歴史を誇るブランドです。コストパフォーマンスにすぐれるモデルが多く、防塵・防滴性能を持ちアウトドアに強いこともウリにしています。機能ではボディ内手ブレ補正機能を搭載し、装着するあらゆるレンズで手ブレを抑えた撮影が可能。感度優先やシャッター&絞り優先といった撮影モード、「リアル・レゾリューション・システム」や「アストロトレーサー」といった撮影機能に代表されるように、独自の機能を実現するのも得意としています。画質はモデルによって多少の違いがありますが、質感・精細感が高く、記憶色寄りの色表現を得意としています。レンズは個性的な単焦点レンズをラインアップしているのが魅力です。

特に長年のライバル関係にあるキヤノンとニコンについてはいろいろと比較されることが多く、どちらを選ぶか悩ましいところがあります。「AFの速度はキヤノンが速いが、精度はニコンが上回る」「キヤノンの画質はきれいだけど色がつぶれしやすい」「ニコンの画質は再現性が高いが黄色かぶりしやすい」「仕事用として優秀なのはキヤノン。作品作りならニコン」などいろんな意見があります。キヤノンとニコンは異なる設計思想でカメラを作っているのでもちろん画質や操作性に違いはありますが、どちらかのメーカーを選ぶと決めた場合、優位性にはこだわらないほうがいいと思います。長年両者のカメラを使い比べていますが、特にAFの速度・精度に明確な差はありません。キヤノンとニコンで迷うようであれば、優位性ではなく、どちらが自分のフィーリングに合うかで決めるのがいいと思います。

一眼レフは大きくて重いという印象のある方もいるかもしれませんが、最近のエントリー向けモデルはかなりコンパクトになっています。この画像はキヤノンのEOS Kiss X7を手のひらの上に乗せて撮ったものになります

旧モデルを含めたエントリー向け一眼レフの全ラインアップをチェック

ここでは、この春に購入できるエントリー向け一眼レフの全ラインアップを、キヤノン、ニコン、リコー(ペンタックスブランド)のメーカー別に整理してみました。価格.comは旧モデルが安く手に入るのも便利なところなので、在庫が残っている旧モデルも含めています。あわせて、エントリーに近い位置の中級機も加えていますので、エントリー向けの上位機を狙っている方は、中級機との価格差をチェックしてください。


キヤノンは2017年4月にエントリー向け一眼レフの新モデルとして「EOS 9000D」と「EOS Kiss X9i」を発売します。この春はちょうどモデルの入れ替わりのタイミングで、旧モデルを含めると少々複雑なラインアップになっています。エントリー向けの現行モデルとしてアナウンスされているのは、新モデル2製品に「EOS Kiss X7」「EOS Kiss X80」を加えた4モデル。エントリー向けの上位(EOS 9000D、EOS Kiss X9i)と下位(EOS Kiss X7、EOS Kiss X80)で5万円程度の価格差がある状況になっています。ただ、2015年モデルの「EOS Kiss X8i」は現時点では生産完了品になっておらず、しばらくは継続して販売が行われるようです。また、2016年発売のEOS Kiss X80は一部ショップでボディ単体が生産完了品の扱いになっています。

映像エンジンの違いを見てもわかるように、キヤノンのエントリー向け一眼レフは、新しいモデルになるほど基本性能が向上しています。EOS Kiss X80を除くすべてのモデルがタッチパネル対応の液晶モニターを採用するのも特徴です。

2017年の新モデルEOS 9000D/EOS Kiss X9iは、両モデルとも中級機の「EOS 80D」の画質性能やAF性能を搭載したうえで、最新の映像エンジン「DIGIC 7」も採用。エントリーの枠を超え、一部機能ではEOS 80Dを上回るところもあり話題を集めています。価格も高めに設定されており、レンズキットは12万円超え。はじめての一眼レフとしてはちょっと高いですが、スペックを考慮するとこの価格は妥当なところではないでしょうか。ただ、この2モデルが気になるのなら、EOS 80Dや他メーカーの中級機を比較対象にしたほうがいいかと思います。なお、EOS 9000DとEOS Kiss X9iの主な違いは操作性で、EOS 9000Dはサブ液晶パネルを搭載するなど、より本格的な操作が可能になっています。

コストパフォーマンス的には、旧モデルのEOS 8000Dがお買い得です。EOS 8000Dは、高倍率ズームレンズキットとして2種類のキットが用意されていますが、AFの使い勝手のよさを考慮すると新型の「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」が付属する「USM レンズキット」がいいでしょう。EOS 8000Dと同じ基本性能を持つEOS Kiss X8iや、性能は落ちるものの価格の安いEOS Kiss X7iについても標準ズームレンズキットを7万円以下で手に入れることができます(EOS Kiss X7iは若干在庫が少なくなっています)。このあたりの旧モデルは、モデルチェンジの今が狙い目です。

人気の面ではEOS Kiss X7がもっとも高く、ダブルズームレンズキットは、現時点での価格.com「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの売れ筋ランキングで1位(2017年3月14日時点)。APS-C一眼レフとして世界最小・最軽量をうたうコンパクトボディと価格の安さがロングセラーの理由です。同じ価格帯ではEOS Kiss X80も用意されていますが、こちらはWi-Fi/NFCに対応する2016年発売のモデルになります。ただし、EOS Kiss X7よりもスペックが落ちますし、レンズキットに付属するレンズも旧型になります。Wi-Fi機能を重視するなら別ですが、この価格ならEOS Kiss X7を選んだほうがいいと思います。


ニコンはエントリー向け一眼レフとして「D5000」シリーズと「D3000」シリーズの2シリーズを展開しています。D5000シリーズは、横に開いて上下に回転できるバリアングル方式の液晶モニターを採用する上位モデルで、D3000シリーズは液晶モニターが固定式となる下位モデルです。現行モデルは「D5600」「D5300(の新レンズキット)」「D3400」の3製品。D5300については、ボディ自体は2013年発売の旧タイプとなりますが、ステッピングモーターを採用する最新の「AF-Pレンズ」が付属する新レンズキットが追加販売されています。D5600に注目するなら、価格的に中級機の「D7200」を比較検討機種に入れてもいいと思います。

ここ数年のニコンのエントリー向けモデルは、画像処理エンジンが「EXPEED 4」のままになっており、画質や使い勝手は確実にアップデートされているものの、わかりやすい形でスペックが進化しているわけではありません。そういうこともあってか価格.comでは価格の安い旧モデルのほうがやや人気が高い状況。ただ、旧モデルのD5500/D5300(の旧レンズキット)/D3300を選ぶなら、レンズキットに付属するレンズが旧型になる点に注意してください。現行モデルに付属する最新のAF-Pレンズは小型・軽量かつ高速なAFが可能で、従来から大きな進化を遂げています。付属レンズの内容と新旧モデルの価格差を考慮すると、旧モデルよりも最新モデルのD5600/D3400を選んだほうが、使ってみて満足度の高い買い物になるのではないでしょうか。なお、D5000シリーズについては、D5300はやや重いボディでタッチパネル非対応、D5500とD5600はD5300より軽くてタッチパネル対応となります。

このほか、旧モデルの中ではD5300(の旧レンズキット)とD3300は在庫が少なくなってきています。ボディ単体などは後継モデルを超える価格になっているので注意してください。また、旧モデルのダブルズームレンズキットは、付属する望遠ズームレンズが異なるものが複数用意されているのも注意点です。特にD5300は、AF-Pレンズ「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」が付属する「AF-P ダブルズームキット」のほかに、望遠ズームレンズとして「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」が付属する「ダブルズームキット」と、「AF-S DX NIKKOR 55-200mm f/4-5.6G ED VR II」が付属する「ダブルズームキット2」があります。標準ズームレンズのレンズキットも、AF-Pレンズ「AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」付属の「AF-P 18-55 VR キット」と、旧型レンズ付属の「D5300 18-55 VR IIレンズキット」があり、ややわかりにくくなっています。


ペンタックスブランドの一眼レフのラインアップはシンプルで、エントリー向けは「K-70」のみが現行モデルとなります。中級機の最新モデル「KP」が2017年2月に登場したこともあってか中上級機「K-3 II」が生産完了品になり、ペンタック全体での現時点の現行品は、35mmフルサイズ機の「K-1」にKPとK-70を加えた計3モデルとなっています。

旧モデルも含めて、はじめての一眼レフとしてペンタックスを選択するならK-70か、旧モデルのK-S2がいいと思います。K-70は、中級機に匹敵する性能を実現した防塵・防滴・耐寒構造のエントリー向けモデル。レンズキットが、簡易防滴機能を持つ「smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR」が付属する高倍率ズームレンズキットしかないためやや高額にはなりますが、中級機並みの充実したスペックを考慮するとコストパフォーマンスは高いです。いっぽうのK-S2は旧モデルの扱いになりますが、防塵・防滴構造やバリアングル液晶モニター、視野率約100%光学ファインダー、Wi-Fi/NFCといった豊富な機能を搭載。レンズキットが3種類用意されていて、標準ズームレンズキット・ダブルズームレンズキットには、沈胴式で防滴構造の標準ズームレンズ「smc PENTAX-DA L 18-50mm F4-5.6 DC WR RE」が付属します。価格的にはかなりお買い得なモデルとなっています。なお、K-50とK-S1については価格.comでもほとんど在庫がありません。安く購入はできますが、カメラの基本性能やレンズキットの内容を考慮するとK-70かK-S2のどちらかを選んだほうがいいと思います。

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2017.7.25 更新
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