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高速道路、郊外、市街地とユーザーの使い方に合わせた燃費表記へ!

2018年に燃費表記が「WLTCモード」へ変わる!WLTCってなに!?JC08モードとの違いは

マツダは、2017年6月28日、同社のコンパクトSUV「CX-3」へガソリンエンジン車を追加するとともに、「WLTCモード」の認可を取得したと発表し、CX-3ガソリンエンジン車のWebサイト上でWLTCモードの燃費表記を開始しました。

新たに追加されたマツダ CX-3のガソリンモデルでは、新燃費モード「WLTCモード」がカタログやWebサイトなどに表記されています

WLTCモードとは、これまでクルマのカタログに表記されていた「JC08モード」に代わる燃費測定方法のことです。

従来のJC08モードでは燃費の値は1つだけが表記されていましたが、WLTCモードでは、「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」と3つの走行モードによる燃費とそれらを総合した「WLTCモード」の4つの燃費が表記されるため、ユーザーはそれぞれのクルマの使い方にあわせた実際の燃費をイメージしやすいというメリットがあります。

経済産業省「燃費の表示方法が変わります!」資料より抜粋

経済産業省「燃費の表示方法が変わります!」資料より抜粋

WLTCモード:市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード。
市街地モード:信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定。
郊外モード:信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定。
高速道路モード:高速道路等での走行を想定。

これまで、燃費の試験方法は国ごとで独自に設定されており、自動車メーカーが各国で自動車の認証を取得するには、国ごとにそれぞれ異なる方法で試験する必要がありました。その試験方法を世界共通とするための国際基準が「WLTC」です。

WLTCモードによる燃費値がカタログなどへ表記されている、マツダ「CX-3 ガソリンモデル」

WLTCモードによる燃費値がカタログなどへ表記されている、マツダ「CX-3 ガソリンモデル」

WLTCモードとJC08モードでは、燃費測定方法にいくつかの違いがあげられますが、その中でも燃費に大きく影響を与えるのが「ホットスタートとコールドスタートの比率」です。

JC08モードは2006年に策定された日本独自の燃費試験モードですが、それ以前には「10・15モード」と呼ばれる燃費モードで測定した結果がクルマのカタログに記載されていました。10・15モードでは、ホットスタート(エンジンが温まった状態からの測定)のみが採用されており「実燃費との剥離が激しすぎる」と言われていました。そこで、JC08モードではホットスタートより燃費の条件としては厳しいコールドスタート(エンジンが冷えた状態からの測定)が採用されました。

JC08モードでは、ホットスタートとコールドスタートの両方で試験を実施して、それぞれの結果に対してホットスタートの結果を75%、コールドスタートを25%の比率で燃費を算出しています。ですが、WLTCモードではコールドスタート試験のみが用いられますので、JC08モードより燃費測定の結果はさらに厳しくなります。

さらに、WLTCモードではアイドリング時間が減少するために、アイドリングストップ搭載車の燃費値が悪くなったり、試験時の平均車速が上昇するために、ハイブリッド車や軽自動車は燃費が悪化することなどが考えられます。

また、運転者以外の乗員や積載物の重量も考慮されるなど、WLTCモードでは実際の使用実態を意識した内容となっているために、JC08モードよりも実際の燃費の値に近づくのです。

WLTCモードによる燃費値がカタログなどに記されている、マツダ「CX-3 ガソリンモデル」

WLTCモードによる燃費値がカタログなどに記されている、マツダ「CX-3 ガソリンモデル」

WLTCモードの表示については、日本では2018年10月以降に販売する新型車についてJC08モードと併記する形で義務化される予定です。

表記の一例として、冒頭でお伝えしたマツダ「CX-3 ガソリンモデル」のJC08モードとWLTCモードの燃費をそれぞれ表記すると、以下の画像のようになります。

マツダ CX-3 ガソリンモデルのWLTCモードとJC08モードの混在表記(赤枠内)

マツダ CX-3 ガソリンモデルのWLTCモードとJC08モードの混在表記(赤枠内)

CX-3はこれまで、他のマツダ車と異なりエンジンのラインアップはクリーンディーゼルのみだったのですが、このたび待望のガソリンエンジンモデルが追加されました。それぞれのベースグレードで比較すると、ガソリンエンジンモデルの「20S」の210万6,000円に対して、クリーンディーゼルモデルの「XD」は240万8,400円とおよそ30万円ほどの開きがあり、ユーザーはより安価にCX-3を購入できます。

今回、CX-3に導入されたガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」は、加速フィールと実用燃費にこだわって開発されたエンジンです。マツダといえば、そしてCX-3といえばクリーンディーゼルというイメージが定着していることもあって、WLTCモードの導入をいち早くプレスリリースで発表するというこれまでにない手法を採ったことで、ガソリンエンジンのよさに注目してほしいというマツダ側の思いがあるのではと考えられます。

今後の課題としては、5つのそれぞれ異なる燃費値が混在するために、WLTCモードを詳しく知らないユーザーが混在した燃費値を見た際に、どの燃費を見ればよいのかわからなくなるといった混乱を招く可能性があります。

そのために、今後はWLTCモードとJC08モードの特徴の違いやWLTCモード導入の意図について、購入検討ユーザーへ適切に情報提供を行っていく必要があるでしょう。

桜庭智之(編集部)

桜庭智之(編集部)

PC、AV家電を中心に幅広く担当。クルマ好きのため、週末はフラフラと1000km超を運転する長距離ドライバーと化します。

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