1人乗り用電気自動車の実力を試乗チェック!!

家庭用コンセントで充電できるイタリアの小型モビリティ「BIRO」に試乗してきた!

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電気自動車(EV)への注目度が高まる昨今、イタリアですでに実用化されている小型モビリティ「BIRO(ビロ)」(エストリマ)の試乗会が2017年9月7日に開催された。一般的な乗用車の駐車スペースに4台駐められるほどコンパクトなBIROの特徴と実力を紹介しよう。

雨が降る中での試乗だったが、たっぷりと走行した印象をレポート!

100V電源で充電できる手軽な電気自動車

日本の法規ではミニカー(50cc以下のエンジンを搭載した小型車で「原付ミニカー」とも呼ばれる)に区分されるBIROは、普通自動車免許で運転できる。車庫証明や車検は不要で、税金も安く、自動車を保有している人であれば任意保険も「ファミリーバイク特約」で対応可能。ただ、2人乗りとして設計されているものの、日本の法規では1人乗りとなってしまう。とはいえ、ガソリン車に比べると航続距離が限られるEVは、近距離移動に特化したコミューターとしての普及が期待されているもの。スピードも速くはないが(BIROの最高速度は45km/h)、ちょっとしたところへの移動手段として自動車を使いたい層に向けた乗り物なので、1人乗りでも十分ニーズはあるだろう。特に、充電が家庭用の100V電源で行えるのは魅力。一般的なEVは200V電源でないと充電できないが、BIROなら電気の契約を見直すことなく自宅で充電できる。

サイズは103(全幅)×174(全長)×156(全高)cmで、価格は150万円〜

サイズは103(全幅)×174(全長)×156(全高)cmで、価格は150万円〜

サイドドアのない「SUMMER」(左)と、普通の自動車のように全面がおおわれた「WINTER」(右)が用意されている。「WINTER」のサイドドアは着脱可能
※画像はBIRO公式サイトより

イタリアでは2人乗りとして使えるためシートは2人分あるが、日本では法規上、1人しか乗れない

イタリアでは2人乗りとして使えるためシートは2人分あるが、日本では法規上、1人しか乗れない

走行モードは通常の「D」とバックの「R」に加えて、最高速度を30km/hに制限するモードも用意されている(カメのマークで表現されているのがユニーク!)。また、加速力がアップする「BOOST」ボタンも装備。最高速度は変わらないものの、上り坂などでパワー不足を感じた際に役立つという

車輪とモーターが一体化しており、後輪の左右それぞれに48Vのブラシレスモーターを搭載。後ろから押し出すような加速が味わえる

4輪すべてにディスクブレーキが装備されているので、安心感は高い

4輪すべてにディスクブレーキが装備されているので、安心感は高い

メーター右側にスマホホルダー、左側にUSBポートが装備されている

メーター右側にスマホホルダー、左側にUSBポートが装備されている

Bluetooth接続のスピーカーがハンドル奥に搭載されているので、スマートフォン内の音楽を楽むことも可能

Bluetooth接続のスピーカーがハンドル奥に搭載されているので、スマートフォン内の音楽を楽むことも可能

ドライバーズシートの後ろ側に傘のマークを発見。なんと、折りたたみ傘を収納できるスペースとのこと! これはいいアイデアだ

なお、BIROにはバッテリーの脱着式と固定式の2タイプがラインアップされている。固定式は車体のある場所で充電し、脱着式はバッテリーを引き出して充電するという充電方法の違いだけでなく、固定式のほうが倍近く航続距離が長いのが特徴(脱着式タイプは55km、固定式タイプは100km)。単純に数字だけ比較すると固定式がよさそうに感じるが、バッテリーには寿命(約2,000回)があるほか、今後、同サイズでもっと高性能なバッテリーが開発される可能性を考えると、交換できる脱着式のほうが長い目で見るとお得かもしれない。

脱着式タイプは車体後方からバッテリーを引き出し、室内などに移動させて充電できる。バッテリー残量ゼロの状態から満充電までは約3時間かかり、約55km走行可能

着脱式のバッテリーは移動が大変そうと思われるかもしれないが、伸縮するハンドルと写真が付いているのでキャリーケースのように運べる

街中を走行! 安定性と小回りのよさに大満足

ざっと車体を見たところで、いよいよ試乗! 今回は、サイドドアのある「WINTER」に乗ることとなった。

鍵はカードキーとなっており、フロントガラスの部分にかざしてロックや解除を行う

鍵はカードキーとなっており、フロントガラスの部分にかざしてロックや解除を行う

コックピットはコンパクトにまとまっているが、窓が大きくて視界が開けているおかげか、思ったより狭さを感じない

乗り込んだら、所定の位置にカードキーをセット。これでスタートの準備は完了だ

乗り込んだら、所定の位置にカードキーをセット。これでスタートの準備は完了だ

電気モーターは出だしの加速が鋭い傾向があるため、慎重にアクセルを踏んでみたが、特にギクシャクすることもなくスムーズに発進。モーターのトルク制御が上手にできていることが、この段階で確認できた。出だしが好印象だったので、さらに加速し、実際に車道へ。スピードはあまり出ないため、複数の車線がある道路では左車線を走行したが、車体がコンパクトなので路肩に駐車車両があっても右車線にほとんどはみ出すことなく通過できた。さらに目の前に現れた急勾配の上り坂も、加速力を向上させる「BOOST」ボタンで難なくクリア! スピードを出そうと思わなければ、日常使いで必要十分の動力性能は備えているといえる。

操作は基本的にAT車と同じ。アクセルとブレーキの2ペダルで行うので、AT限定免許でもとまどうことはない

操作は基本的にAT車と同じ。アクセルとブレーキの2ペダルで行うので、AT限定免許でもとまどうことはない

広い道路も問題なく走れるが、狭い道での運転のしやすさはバツグン! コンパクトな車体を生かした最小回転半径は2.8mと、かなり小回りが効く。径の小さいハンドルを操り、クルクル向きが変わる感覚を味わうのはじつに面白く、遊園地にあるゴーカートを操っているかのようだ。運転が好きな人には楽しく、あまり得意ではない人も小回りが効くので気負うことなく乗ることができるだろう。ただ、車体が前後に短いこともあって路面の段差を拾いやすく、マンホールを乗り越える場面では下から突き上げるような振動が伝わってきた。とはいえ、車体が不安定かといえばそんなことはなく、カーブでも姿勢は安定している。

どちらかというと、小型ボディと加速のよさを生かして狭い路地を走るほうが、気持いいというか、BIROの魅力を最大限に感じられそうだ

なお、エアコンは非搭載。ルーフを開いて風を入れれば、試乗した季節(9月上旬)でも快適に過ごせた

なお、エアコンは非搭載。ルーフを開いて風を入れれば、試乗した季節(9月上旬)でも快適に過ごせた

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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2017.11.18 更新
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