「東京モーターショー2017」が、2017年10月28日(土曜日)〜11月5日(日曜日)の期間で開催される。それに先立って行われたプレスデーの模様から、ダイハツブースの見どころをお伝えしよう。
ダイハツは得意の小型車を中心にコンセプトカー5種類を用意し、東京モーターショーに挑んだ
ダイハツで注目を集めていた「DNコンパーノ」は、クラシカルで気品あふれる4ドアクーペ。ボディは日常の足としても使いやすいようにコンパクトにまとめられつつ、大人2名が快適に過ごせる実用性を兼ね備えている。近ごろのクルマでは類似するタイプがちょっと思い浮かばない新鮮な印象のスタイルと言える。
車名は、ダイハツが1963年に発売し、セダンやクーペといった豊富なバリエーションを持つ「コンパーノ」から取られたもの。当時を知る方にとっては懐かしい響きに聞こえるだろう。なお、エンジンは1リッターターボだが、1.2リッターハイブリッドエンジンも搭載可能。市販化については未定とのこと。
グリル周辺のデザインが往年のイタリア車のような印象だ。個性的だが威圧感は感じない
細いピラーやなだらかなルーフラインなどがもたらす気品あるクラシカルな雰囲気。シニア夫婦が乗っても似合いそうだ
元祖「コンパーノ」はオープンやセダン、バンなどさまざまなボディタイプが用意されていた。ブースに展示されていたのは2ドアの「コンパーノ ベルリーナ」だ
「DN MULTISIX(マルチシックス)」は、3列シートを備えた定員6人の小型SUV。2列目シートは左右独立型で中央のウォークスルーが可能となっている。パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジンだ。SUVではもう1台「DN TREC(トレック)」も公開されていた。こちらは2列シートのオーソドックスなボディで、都市部と郊外いずれにも対応する利便性を備え、気軽に使えることをコンセプトにしている。パワートレインは1.2リッターハイブリッドと、1リッターターボエンジンが用意される。
「DN MULTISIX」は、コンパクトなSUVスタイルだが、広いキャビンを確保して3列シートを搭載した
2列目シートが左右独立なので、3列目シートへのウォークスルーが行える
「DN TREC」は、用途を選ばず誰でも使いやすい小型SUVとして企画された
コンセプトカーとしては比較的現実的な「DN TREC」のインテリア。市販化も十分想定しているのだろうか
ダイハツが得意とする軽自動車のコンセプトカーでは、「DN PROCARGO(プロカーゴ)」と「DN U-SPACE(ユー・スペース)」という2種類が展示されていた。「DN PROCARGO」は、往年のオート三輪「ミゼット」のコンセプトを現代のニーズに合わせて解釈し、EV化したもの。低床で広い室内空間は、車椅子の乗降も楽に行えるなど、高齢化が進む社会の変化に対するダイハツの回答とも言えそうだ。もうひとつの「DN U-SPACE」もワンボックスタイプの軽自動車だが、側面のドア4枚すべてがスライドドアなうえに、センターピラーを廃止することで、左右に驚きの広さを持つ開口部を備えている。パワートレインは0.66リッターのガソリンエンジンだ。
低床で広い多目的に使える「DN PROCARGO」。オート三輪「ミゼット」のコンセプトをEV化したもの
「DN PROCARGO」のフロントデザイン。ヘッドライト周辺のデザインに「ミゼット」と共通のモチーフが使われている
低床設計なので、車椅子の乗降もラクラク
助手席を畳んで収納できるなど、汎用的に使える広い室内空間を備えている
「DN U-SPACE」は、側面のドア4枚がすべてスライドドア、しかもセンターピラーを廃止したことで、両側面に非常に大きな開口部を出現させられる
「DN U-SPACE」のフロントデザインは、コンセプトカー的な装飾はあるものの、ダイハツ車らしい雰囲気がただよう