「話のネタになる最新ITニュースまとめ」は、主に海外のIT業界で先週話題になったニュースを紹介する連載です。知っておいて損はない最新情報から、話のネタになりそうな事柄まで、さまざまなニュースをお届けしていきます。
中国最大のセール日「独身の日」に24時間で約2兆5000億円を売り上げたことが記憶に新しい、中国のECサービス最大手「アリババ」。同社は、自動車専用の巨大な自動販売機の設置計画を明らかにし、オフラインの小売事業にも力を入れ始めています。
アリババが計画中の自動車自動販売機
アリババは、2017年12月7日に中国国内における電気自動車のオンライン販売をフォードと共同で行う提携を締結。その後、自動車専用の自動販売機の設置を明らかにしました。同社が公開している動画には、近未来的なデザインの巨大な自動販売機が登場します。
自動販売機と言っても、缶ジュースのようにお金を投入して自動車を購入するというものではありません。まず、ユーザーはアリババのショッピングアプリ「Taobao」で試乗してみたい自動車を検索。街中で走行している自動車をスキャンして、そのデータを元に自動車を指定することも可能です。
その後、ユーザー情報、顔写真を「Taobao」に送信。そのまま自動販売機に行けば、ユーザー認証が行われ、データが照合されると「Taobao」で指定した自動車が自動販売機から出庫される仕組みになっています。
試乗期間は3日間で、気に入ればそのまま購入することが可能。気に入らなければ別の自動車に試乗することもできますが、車種ごとの試乗は一度までで、2か月間に5車種まで試乗できます。どのような自動車がラインアップされるかも気になるところです。
アップルの「iPhone X」やサムスンの「Galaxy Note8」など、ディスプレイの枠がほとんどないベゼルレスを採用するスマートフォンが現在の主流となっています。しかし、ベゼルレスを追求するときに問題となるのが、指紋認証センサーです。
ディスプレイ下部に指紋認証センサーを設置する場合、そのためのスペースを確保しなければならず、アップルは「iPhone X」で指紋認証の採用を見送り、代わりに顔認証という別の認証方法を採用しました。
しかし、アメリカの企業Synapticsは、ディスプレイ内部に設置していても、ガラス越しに指紋を認証するセンサー「Clear ID FS9500」を開発し、量産体制に移行したことを明らかにしました。すでに、スマートフォンメーカーのトップ5社と契約を済ませており、そのうちの1社は中国の「vivo」と報じられています。
「Clear ID FS9500」を内蔵したディスプレイを搭載するスマートフォン
「Clear ID FS9500」が搭載されたスマートフォンなら、画面を指でタッチするだけで指紋の認証が可能になります。つまり、ディスプレイ下部に指紋認証センサーを設置する必要がなくなり、指紋認証が可能なまま端末のフロント全体をディスプレイにすることができるというわけです。同社のケビン・バーバー副社長によれば、「Clear ID FS9500」は、ほかの生体認証よりも処理が早く、安全性にもすぐれているとのこと。
Synapticsは、2018年1月10日から開催される世界最大の家電見本市「CES 2018」で「Clear ID FS9500」を搭載するデモ機の出展を表明しており、どのスマートフォンメーカーが契約したのか明らかになるとみられています。
ソース:Synaptics
2017年12月14日、ウォルト・ディズニー・カンパニーは21世紀FOXの映画およびテレビ部門を524億ドルで買収することを発表しました。21世紀FOXの負債も引き受けるため、総取引額は約661億ドル、日本円にして約7.4兆円にのぼります。
ディズニーは、「ピクサー」(2006年)、「マーベル・スタジオ」(2009年)、「ルーカスフィルム」(2012年)といった製作会社を買収してきましたが、今度は製作および配給を手がける21世紀FOXを買収
ディズニーが買収したのは、21世紀FOXのテレビ部門を担うFox BroadcastingやFox News、さらに映画部門のFox Searchlight PicturesやFox 2000など。今後は、「X-Men」や「アバター」「ザ・シンプソンズ」「デッドプール」といった人気作品はディズニーが手がけることになります。
アメリカ国内では、今回の買収により「デッドプール」や「LOGAN/ローガン(X-Men)」といったR指定のヒーロー系作品が今後はレイティングを下げるのでは、と危惧する声が上がりました。21世紀FOXが手がけたヒーロー系作品には、あえて過激な描写を取り入れることで成功した作品があります。これが、家族向け作品を手がけるディズニーのもとでは過激さを失い、本来の魅力が損なわれてしまうかもしれない、というわけです。
こういった声に対して、ディズニーのボブ・アイガーCEOは「デッドプール」シリーズをR指定のまま続けていくことを表明。今後、ディズニー作品にもR指定のものが登場するかもしれません。
おまけですが、Twitterでは「ザ・シンプソンズ」が、19年前にディズニーによる21世紀FOX買収を予言していた! と話題になっています。シーズン10の第5話に、ディズニーの部門と記載された20世紀FOX(21世紀FOX傘下映画スタジオ)のロゴが登場しており、ネタが本当になるというものすごい偶然です。
「ザ・シンプソンズ」は買収を予言していた!?