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滑りそうなときほど目線は進みたい方向を意識して

慣れない雪道の運転、走り方のコツは「戻す操作をていねいに」

真冬になると、通常では積雪の少ない地域でも、大雪に見舞われることがある。2018年1月には、東京都の首都高速道路で、大雪のために10時間にもおよぶ立ち往生が発生した。

雪道を走る際には、できる限り「スタッドレスタイヤ」を装着したい。最近では、夏のアスファルトから冬の雪道まで走行できる、全天候型の「オールシーズンタイヤ」も普及し始めている。背景にあるのは、北米の旺盛な需要だ。北米では、ピックアップトラックから日本車や欧州車まで、販売されるクルマの種類が多い。そうなると、タイヤのサイズもさまざまだ。これらすべてに、舗装路向けのサマータイヤとスタッドレスタイヤを用意すると、タイヤの種類が膨大に増えてしまう。そこで、履き替えの手間を省けるメリットと相まって、オールシーズンタイヤが普及してきたのだ。

オールシーズンタイヤは、文字どおりすべての天候で使えるオールラウンドな性能を持っている。一見すると便利なようだが、オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤほど氷雪路に強くはない。対するスタッドレスタイヤは、雪上のみならず、凍結路面など氷上におけるグリップ性能を得意とする、氷雪路に特化したタイヤだ。オールシーズンタイヤは、金属やゴム製のチェーンなども含めて、雪上走行に慣れた上級者向けと考えるのが妥当だろう。雪上を走行するときには、やはりスタッドレスタイヤを履いたほうが安全だ。

なお、スタッドレスタイヤは、4輪すべてに装着するのが基本となる。前後のどちらかいっぽうがサマータイヤでは、走行安定性が下がってしまうので注意しよう。

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また、スタッドレスタイヤにも注意すべき点がある。舗装路や雨天においては、サマータイヤに比べてグリップ性能が下がるのだ。昔のスタッドレスタイヤに比べれば、舗装路や雨天の性能ははるかに向上したものの、やはりサマータイヤとの性能差は依然として残る。スタッドレスタイヤで舗装路や雨天路を走るときは、サマータイヤから履き替えていることを忘れないように注意しよう。また、摩耗して雪道性能の下がったスタッドレスタイヤをサマータイヤとして使うケースも見られるが、推奨できる用途ではない。

路面状態に基づくタイヤ性能の順番は、以下のようになる。

■雪道
1:スタッドレスタイヤ
2:オールシーズンタイヤ
3:サマータイヤ

■舗装路と舗装路の雨天
1:サマータイヤ
2:オールシーズンタイヤ
3:スタッドレスタイヤ

雪道を走る時の鉄則は、「“急”がつく操作をしないこと」と言われる。それはもちろん正しいのだが、そもそも雪道で粗い運転をするドライバーはいないだろう。

穏やかに運転するコツは、ハンドルやペダルの「戻す操作」をていねいに行うことだ。戻す操作がていねいならば、車両に生じる荷重の移動もスムーズに行われ、横滑りなどが生じる危険性を下げられる。

また、戻す操作をていねいに行えば、ハンドルを切り込んだり、ペダルを踏む操作も自然とていねいになる。雪道にかぎらず、通常の舗装路走行でも戻す操作を注意深く、ていねいに行うと運転が上達する。

舗装路と雪道の大きな違いに、雪道は摩擦の差が大きいこともあげられる。舗装路の摩擦係数は、乾燥している状態で0.8μ(ミュー)、ぬれた状態では0.6〜0.4μ、積雪路が0.5〜0.2μ、ツルツルの氷結路面は0.2〜0.1μとされている。雪道では、路面の状態が場所や時刻によって大きく異なり、見ためではどのくらいグリップするかがわかりにくい。そのため、雪道でクルマを発進させた直後などは、特に慎重に運転したい。なお、グリップ状況を確かめたいときには、広い道でかつ後続車両がいないなど、周囲の安全を十分に確認したうえで、極低速から少し強めにブレーキペダルを踏むことでどのくらいグリップするかを感覚で把握することができる。

そして、雪道では進みたい方向をしっかりと見ることも大切だ。特に、後輪が横滑りしてカウンターステアの操作を強いられた場合、ハンドル操作自体は誰でも自然に体が動くが、ハンドルを見てしまう(あるいは気を取られてしまう)ドライバーが多い。そうなると正確なハンドル操作ができない。クルマは、基本的にドライバーが見ている方向へと進むので、滑りやすい路面でクルマの挙動が不安定になったときほど、進みたい方向をしっかりと見る(にらみつける感覚)ことが大切だ。そうすれば手足が自然に動き、クルマは進みたい方向へ走っていく。

雪道でも舗装路でも、運転の基本はていねいに操作することだ。普段の運転でも、ハンドルやペダルの戻す操作をていねいに行えば、雪道でもきっと役に立つだろう。雪道走行のトレーニングは舗装路でも行えるので、機会があればぜひ実践してみてほしい。

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渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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