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N-WGNが初のフルモデルチェンジで“すべてが進化”

四角いフォルムが魅力!ホンダ 新型「N-WGN」安全性能は“N-BOXを超えた”

ホンダの軽ハイトワゴン「N-WGN」が、初のフルモデルチェンジを遂げた。N-WGNは2013年に初代モデルが発売されており、今回で2代目になる。なお、発売日は当初2019年7月19日(金)が予定されていたが、2019年8月9日(金)へと変更されている。

ホンダ 新型「N-WGN」(※画像はアクセサリー装着車)

ホンダ 新型「N-WGN」(※画像はアクセサリー装着車)

登録車を含めて2017年、2018年と2年連続で販売台数No.1を記録しているホンダ「N-BOX」の姉妹車にあたるのが「N-WGN」だ。今回、N-WGNのフルモデルチェンジにおいてはすべてをゼロから見直し、改めて開発し直したと言う。ホンダの重要な基幹車種であるN-WGNの、新型モデルの魅力を解説したい。

■ホンダ 新型「N-WGN」のグレードラインアップと価格
-N-WGN-
G・Honda SENSING:1,274,400円 [2WD]/1,405,080円 [4WD]
L・Honda SENSING:1,339,200円 [2WD]/1,469,880円 [4WD]
L・ターボ Honda SENSING:1,501,200円 [2WD]/1,631,880円 [4WD]
助手席回転シート車 Honda SENSING:1,425,600円 [2WD]/1,556,280円 [4WD]
-N-WGN Custom-
G・Honda SENSING:1,512,000円 [2WD]/1,642,680円 [4WD]
L・Honda SENSING:1,587,600円 [2WD]/1,718,280円 [4WD]
L・ターボ Honda SENSING:1,663,200円 [2WD]/1,793,880円 [4WD]
※価格は、消費税8%込

最初に始めたのは「N-BOXはなぜ売れ続けているのか」の分析から

「(新型N-WGNの開発にあたって)最初に考えたのは“N for Life”、Nシリーズ全体のコンセプトです。本当に作りたいのは、“良いクルマ”ではなく“良い生活”。軽ハイトワゴンに乗るお客様は、毎日の通勤、通学や買い物など日常的にクルマを使用していますので、その方々にとっての良い生活を、どうすれば作ることができるのか。考えに考え抜いた末に辿り着いたのは、毎日の“大切”にとことんこだわるという、いたってシンプルな答えでした。これを具現化したのが、新型N-WGNなのです」。そう語るのは、本田技研工業 日本本部 商品ブランド部 商品企画課チーフの安達晃三さんだ。

さて、近年の軽自動車市場は、N-BOXが属するスーパーハイトワゴンとN-WGNのハイトワゴンを合わせると、軽自動車市場全体の約8割を占める。このことから、スーパーハイトワゴンとハイトワゴンの2つのボディタイプが、今の軽自動車における2大セグメントと言えるだろう。ただ、N-BOXは軽自動車市場において4年連続でNo.1の販売台数を誇っているが、N-WGNは5位というポジションに甘んじていた。これについて、安達さんは「他社の商品力の強化により、商品が同質化してしまい伸び悩んでいる状況でした」と分析する。

近年のホンダ「N-BOX」購入ユーザーに購入理由を聞いてみたところ、軽自動車にも安全性能や乗り心地のよさなどを求める傾向にあったという

そこで、新型N-WGNの開発においては、まず“N-BOXがなぜ売れ続けているのか”の分析から始めたと言う。2015年度から2018年度にかけて、ユーザーの購入理由として特に大きく変化した点は「安全性能」で、わずか3年の間に安全性能を重視するユーザーがかなり増えたとのこと。だが、N-WGNの安全性能については「衝突軽減ブレーキも30km/hまでしか対応していないなど、ひと世代古いシステムを使っていたので、昨今のニーズには応えきれていませんでした」として、新型N-WGNの開発ポイントのひとつとして据えられた。安達さんは、「安心して乗っていただくことは、誰にとっても、どんなクルマにとっても嬉しいことです。そこで、真っ先に最先端の安全技術を、新型N-WGNへ導入する決定をしました」と述べる。

次に、軽ハイトワゴンを購入するユーザーの特徴は、「独身から子離れシニア層まで幅広く、使用頻度はほとんど毎日。1人乗車が多い傾向にあります。購入後の不満点は、荷室サイズや小物入れといった項目が上位にあり、日常使いに関心があることがわかりました」。

そういったユーザーの自動車に対する価値観を見ると、上位にコト重視、下位にモノ重視の傾向にあり、たとえば「所有する喜びなどは低く、休日を楽しくしてくれたり、運転して気分転換ができるなど、日々の生活をより豊かにしてくれるクルマが求められているのです」。

また、5年後のライフスタイルに合うクルマのデザインについての調査結果では、「個性やセンスを表現できるクルマよりも、自分の生活空間に調和するようなクルマ。あるいは、豪華に見えるクルマよりも、シンプルに見えるクルマを軽ハイトワゴンユーザーは求めているという結果が出ました」。

これらを踏まえて、「(1)先進の安全性能」「(2)日々の生活を豊かにする」「(3)シンプルで洗練されたデザイン」の3つが、新型N-WGNの開発の方向性として定められた。

ホンダの軽でNo.1の安全性能を手に入れた

さて、先代N-WGNの最大の弱点だった安全性能は、新型N-WGNではどのように進化したのか。本田技術研究所 オートモービルセンター 開発責任者の古舘茂さんは、「安全運転支援システムのHonda SENSINGは、新型N-WGNとN-BOXで機能数は変わらなくなり、新型N-WGNでさらにアップグレードした機能もあります」と言う。

ホンダ 新型「N-WGN」では、全グレードに最新のHonda SENSINGが標準搭載されることによって、ホンダの軽自動車の中でもっとも高い安全性能を誇る

まず「衝突軽減ブレーキ」は、これまでは街灯があるくらいの明るさが必要だったが、新型N-WGNでは街灯がない真っ暗なところでも「オートハイビーム」と連動させることで、人間や横断する自転車の認知精度を向上。さらに、「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」は停止まで作動し、渋滞などの低速時でも追従できるようになった。

衝突安全性能については、自動車の安全性能を評価する機構「JNCAP」と同等の、ホンダ社内におけるテスト結果で最高点となるファイブスターを獲得。さらに、全方位衝突安全の「G-CON」を搭載しているなど、新型N-WGNは高い衝突安全性能を持ち合わせている。

エアバッグ関連では、「サイドカーテンエアバッグ」を全車標準装備。シートベルト関連では、万が一の衝突時に肩だけでなく腰のベルトをしっかりと引き込んで拘束してくれる「ラッププリテンショナー」を、運転席と助手席に採用している。

だれもが運転しやすいドライビングポジションに調整できるように

ホンダ 新型「N-WGN」には、「テレスコピック&チルトステアリング機構」を採用。ステアリングを前後調整できる「テレスコピック機構」は、ホンダの軽としては初めて搭載される

新型N-WGNでは、毎日の運転を快適にして安全性の向上につながる「ドライビングポジション」が見直されている。これまでのホンダの軽自動車では、「女性が運転しやすいように、小柄な女性にターゲットをあてて設計されていました。しかし、近年では大柄な男性も軽自動車に乗ることが増えてきていることから、新型N-WGNではどんな体格の方でもしっかりとドライビングポジションがとれるようにしています」と古舘さん。まず、ステアリングは上下に動くチルト機構だけでなく、前後にも調整可能なテレスコピック機構を追加(ホンダの軽では初)。さらに、シートの上下調整可動域も大きくなった。また、ペダルは「リンク式」と呼ばれる機構が採用されており、足の軌跡にあった操作しやすいペダルになった。

前方視界は、強度をしっかり保ちながらAピラーを6mmほど細くして視界をよくしたほか、ワイパーを見えないように配置。後方についてもワイパーモーターを埋め込むことなどで視界をすっきりとさせている。

乗降性についても、フロアマットを敷いた状態でサイドシルとの段差をなくすといった気遣いがなされ、乗り降りのときにサイドシルに引っかからないように配慮されている。

デザインのキーワードは「シンプル」

先代に引き続き、新型N-WGNでもノーマルとカスタムの2種類がラインアップされている。ノーマルは、本質にこだわったシンプルで心地よい生活という世界観。いっぽう、カスタムはシンプルでありながらシックで上質な生活を持った世界観が作り上げられている。

ホンダ 新型「N-WGN」ノーマルモデルのフロントエクステリア

ホンダ 新型「N-WGN」ノーマルモデルのフロントエクステリア

ホンダ 新型「N-WGN」ノーマルモデルのリアエクステリア

ホンダ 新型「N-WGN」ノーマルモデルのリアエクステリア

ノーマルのコンセプトは、“私の暮らしになじむデザイン”。フレンドリーで飽きのこない親しみやすい表情と、スマートで賢く見える機能的なエクステリアデザインを作り上げた。フロントビューはバランスを意識し、リアはフェンダーの張り出しを調整しながら安定感のあるフォルムを作り上げている。

ホンダ 新型「N-WGN」ノーマルモデルのヘッドランプ

ホンダ 新型「N-WGN」ノーマルモデルのヘッドランプ

ヘッドランプはLEDとハロゲンの2タイプがあり、どちらも親しみやすさから丸目のヘッドライトが採用されており、その上にターンランプを配置。ヘッドランプは角度を吟味することで、親しみやすくも凛々しい表情になるようデザインされている。リアは、機能を集約しながらも視認性の高いコンビネーションランプが配されている。

ホンダ 新型「N-WGN」ノーマルモデルのインテリア

ホンダ 新型「N-WGN」ノーマルモデルのインテリア

インテリアは、“みんなに馴染む空間”というコンセプトのもと、使い勝手のよさやしっかりとした安心感を表現。肘がゆったりと置けるアームレストや、普段使いのモノを手元に置くためにざっくりと使えるインパネトレイなど使い勝手の高い機能が備えられ、配置を工夫することで広さ感が出るようなインパネにデザインされている。シートはやわらかな座り心地のシートで、汚れが目立ちにくいカラーミックスの表皮が使われている。

随所にメッキを採用するなど上質なカスタムモデル

ホンダ 新型「N-WGN」カスタムモデルのフロントエクステリア(※画像はアクセサリー装着車)

ホンダ 新型「N-WGN」カスタムモデルのフロントエクステリア(※画像はアクセサリー装着車)

いっぽう、カスタムは上質で洗練された“大人のカスタム”がコンセプト。フロント周りは、精工さを持った顔つきとなっている。ヘッドライトは四角く、フロント全体もスクエアを上手に取り入れながら、クロムパーツが品良く配置されている。なお、アンテナにはホンダの軽で初となる「シャークフィンアンテナ」が採用されている。

ホンダ 新型「N-WGN」カスタムモデルのヘッドランプ

ホンダ 新型「N-WGN」カスタムモデルのヘッドランプ

カスタムのウインカーには、「シーケンシャルタイプ」が採用されている。また、ヘッドランプの中にコの字型にメッキが配置されており、そのメッキ部分がポジションランプとして光るという、凝った仕組みになっているのも特徴的だ。リアについては、全面が発光するタイプだ。なお、カスタムのフロントやリアのランプには、すべてLEDが採用されている。

ホンダ 新型「N-WGN」カスタムモデルのインテリア

ホンダ 新型「N-WGN」カスタムモデルのインテリア

カスタムのインテリアは、“大人のための上質空間”がコンセプト。チタンカラー調の塗装を、ドア部分やインパネ、ステアリングのガーニッシュなどに配置することで、上質感を演出している。

低床化やフロアボードの活用などで使いやすくなったラゲッジルーム

新型N-WGNでは、ラゲッジルームの使い勝手についても改善が施されている。リアの床は低床化され、トランク周りの使い勝手も見直されている。

フロアボードを間に挟み、上下2段に積み分けられる「二段ラックモード」

フロアボードを間に挟み、上下2段に積み分けられる「二段ラックモード」

荷室の床を低くすることで、重い荷物などの出し入れが楽な「ローフロアモード」

荷室の床を低くすることで、重い荷物などの出し入れが楽な「ローフロアモード」

後席を倒してフラットにすることで、大きな荷物を積載できる「ビッグラゲッジモード」

後席を倒してフラットにすることで、大きな荷物を積載できる「ビッグラゲッジモード」

新型N-WGNのラゲッジルームは、180mmほど開口部を下げて低床化することで、積載性を大きく向上させている。新型N-WGNでは、新たにフロアボードで仕切ることによって上段と下段を有効活用できる「二段ラックモード」を採用。さらに、ラゲッジルームの低床化によって、重い荷物を楽に収納できる「ローフロアモード」、リアシートをワンアクションで倒し、段差の少ない空間を作ることができる「ビッグラゲッジモード」と、3つのモードでラゲッジルームを活用できるようになった。

パワートレインはN-BOXと共通だが新たな制御を追加

パワートレインは、基本はN-BOXと共通ながらも、実用燃費の向上と排ガスのクリーン化が図られている。出力についてもN-BOXと同様だが、燃費はWLTCモードを主眼に開発。自然吸気(NA)エンジンが23.2km/L、ターボエンジンが22km/Lとなっている。

ホンダ 新型「N-WGN」の走行イメージ

ホンダ 新型「N-WGN」の走行イメージ

トランスミッションはハード面での変更はないが、制御部分が見直された。そのひとつが、ブレーキ操作による「ステップダウンシフト制御」を採用したことだ。坂道を下っていくシーンやワインディングでコーナーにさしかかったときなど、ブレーキを踏んだ際にエンジン回転数を少し上げて、エンジンブレーキをより効かせるようにした。この制御によって、下り坂では安定感のある走行ができるほか、ワインディングではコーナーリング中に横Gを検知して回転数をキープする制御によって、コーナー出口でスムーズに加速することが可能となっている。

この制御には3段階ほどあって、最終的にはかなりエンジンブレーキがかかるところまで自然に制御するという。また、高速道路の出口のような減速シーンでも、エンジンブレーキがサポートすることで非常にスムーズにブレーキングできるとのことだ。

この制御を採用するにあたり、シフトポジションも見直された。先代の「Lモード」というポジションは、新型N-WGNでは「Sモード」に変更されている。これは、Lモードに入れた瞬間にエンジンブレーキが急激にかかることで怖いという声が多かったことから、Sモードでは、ゆるやかにエンジンブレーキがかかりながら制御をしっかりアシストする仕様になったものだ。

「オートブレーキホールド機能」と「電子制御パーキングブレーキ」は、ホンダ 新型「N-WGN」全車に標準装備されている

このほか、新型N-WGNには「オートブレーキホールド機能」と「電子制御パーキングブレーキ」が採用されている。オートブレーキホールド機能は、ホンダの軽としては初。これは、ブレーキペダルを踏んでランプ点灯後、ブレーキペダルから足を離してもしっかりとブレーキが保持され、アイドリングストップも継続するというもの。そして、アクセルを踏めば自動で解除して走り出すことができる。

また、電子制御パーキングブレーキはスイッチだけでパーキングブレーキがかかる仕組みだ。フットパーキングペダルがなくなるので足元が広くなるとともに、発進時にアクセルを踏めば自然に解除するので、ブレーキをかけたまま走り出すといったことも無くなる。

N-BOXは「N for family」、N-VANは「N for work」がコンセプト。そしてN-WGNは、ひとりで乗ることが多いことから「N for you」、“私のためのN”として登場した。シンプルさを大切にして、どんな人も不安なく我慢せずに乗りこなせるようにしたのが、このN-WGNなのである。

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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