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日本の道路事情にぴったりなボディサイズと動力性能

日本で発売されればヒット確実! トヨタ 新型「カローラクロス」予想価格など先取り解説

いま、自動車で人気のカテゴリーと言えばSUVだ。売れ筋ジャンルということから各メーカーとも力を入れているカテゴリーだが、最近では特にトヨタが多くの新型車を発売している。日本国内で販売された車種だけを見ても、2019年に「RAV4」「ライズ」を、2020年には「ハリアー」「RAV4 PHV」と新型SUVを立て続けに発売しており、今後もオフロードSUVの「ランドクルーザー」や、小型車「ヤリス」をSUVの外観に仕立て上げた「ヤリスクロス」が発売される予定となっている。

2020年7月9日にタイで世界初公開され、同日から販売が開始されたトヨタ「カローラクロス」

2020年7月9日にタイで世界初公開され、同日から販売が開始されたトヨタ「カローラクロス」

そして、2020年7月9日にタイで世界初公開された注目の新型SUVが「カローラクロス」だ。カローラクロスは、カローラという車名ではあるものの、日本でも発売されている「カローラ」シリーズをSUV風にアレンジした仕様ではない。カローラクロスのボディは新たに開発されたもので、RAV4をコンパクトにしたようなSUVの王道を行くデザインが採用されている。

現時点では、カローラクロスの日本への導入については明らかにされていないが、2020年7月9日の発表時にわざわざ日本語で詳細なプレスリリースを公表し、多くの画像や動画なども掲載されていることなどから、状況を見据えつつ日本への導入検討も進められているものと推測される。また、後述するが、カローラクロスが今後日本で発売されるのであれば、トヨタのSUV戦略の隙間を埋めてくれるぴったりのSUVになる。当記事では、発表されたカローラクロスの詳細を、予想価格とともに解説していきたい。

大きなグリルを持つカローラクロスのフロントマスクは、昨今のトヨタ車を象徴するようなデザインで、特にSUVのボディと相性がいい。幅広い年齢層で人気を高めそうな外観へと仕上げられている。

カローラクロスに採用されているプラットフォームは、「GA-C」と呼ばれるタイプだ。GA-Cプラットフォームは、「カローラ」シリーズを始めとして「プリウス」や「C-HR」、レクサス「UX」など、売れ筋の車種に採用されている。

カローラクロスのボディサイズ(全長×全幅×全高)は、4,460×1,825×1,620mm。トヨタのSUVラインアップで、カローラクロスのボディサイズにもっとも近いと思われるC-HR(4,385×1,795×1,550mm [2WD])と比べてみると、全長、全幅、全高すべてにおいて若干大きめだ。なお、ホイールベースは2,640mmと、C-HR、レクサスUX、カローラシリーズなどと共通化されている。

インパネは、C-HRやカローラシリーズに似たデザインが採用されている。ただし、カローラクロスは上級グレードに合成皮革が使われている。全長が4,500mm以下のSUVとしては上質で、上級グレードは新型ハリアーのような雰囲気も持ちあわせている。また、ボディデザインが水平基調なので、視界がいいのも特徴のひとつだ。ボディ後端のピラーは少し太めだが、SUVとして考えればうしろも見やすい部類に入るだろう。

ちなみに、C-HRはボディ後端のピラーが太く、後席のサイドウィンドウが小さい。これらによってC-HRの後方視界は正直かなり悪く、トヨタの開発者も「C-HRの視界は、トヨタの社内基準をギリギリでクリアできた」と言う。これに比べると、カローラクロスは視界がよく、後席の乗員も周囲が見やすくて快適だろう。

前後席のシート間隔や床から座面までの高さなどは、基本的にC-HRを踏襲している。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ弱ほどだ。ライバル車と比べてみると、ホンダ「ヴェゼル」の2つ半、日産「キックス」の2つ分に比べて少し狭いが、大人4名の乗車を妨げるようなことはないだろう。後席の広さは、頭上空間なども含めてカローラツーリングやカローラスポーツを上回っている。

C-HRに比べて全長(特にリヤオーバーハング)が長く、リヤゲートの角度を立てていることもあり、コンパクトSUVながら荷室は広い。荷室容量は、パンク修理キット搭載車が487L、テンパータイヤ搭載車は440Lなので、C-HRの318Lと比べると大幅に上回っている。

最小回転半径は5.2mとC-HRと同じで、ホンダ「ヴェゼル」の5.3〜5.5mよりも小回りがきく。カローラクロスの全幅は1,825mmとワイドだが、その分だけ前輪の切れ角が大きく保てている。

エンジンは、1.8LのNAとハイブリッドがラインアップされている。1.8L NAエンジンは、基本的には日本で販売されているカローラセダンやツーリングなどと同じタイプだ。実用回転域の駆動力が高く、運転しやすい。1.8L ハイブリッドは、プリウスやC-HR、カローラシリーズなどと同じタイプで、すぐれた燃費性能と滑らかな加速感が特徴のエンジンだ。

走行性能の面では、新たに「トーションビーム式リヤサスペンション」が採用されていることに注目したい。C-HRやカローラのダブルウイッシュボーン式に比べると構造がシンプルで、荷室を広げたりコストを下げる効果がある。独立式ではなく車軸式なので、走行安定性や乗り心地が課題になるが、昨今はすぐれた性能を発揮するトーションビーム式サスペンションも多い。カローラクロスは、足まわりにやわらかい大型ブッシュを採用することで、トーションビームでありながら乗り心地が快適に仕上げられている。このほか、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能なども、カローラツーリングなどと同じ水準のものが採用されている。

もし、カローラクロスが日本で販売される場合の予想価格は、1.8L NAエンジン搭載車の場合、C-HRの1.2Lターボ車やマツダ「CX-30」の2Lガソリン車よりも安く、ヴェゼルの1.5Lノーマルエンジン車に近い設定になるだろう。2WDは、安全装備や実用的な装備を網羅したベーシックグレードで225万円前後になると予想される。C-HRの1.2LターボやCX-30の2Lに比べて15万円ほど安く、カローラツーリングで割安なSよりも若干高い程度に収めるはずだ。NAエンジンの上級グレードは、255万円くらいだろう。ヴェゼルに1.5Lエンジンを搭載して、装備を充実させたRSホンダセンシングと同程度の価格帯だ。

いっぽう、ハイブリッドはベーシックグレードで265万円、上級グレードで295万円あたりになると考えられる。日産の新型SUV「キックス」は、1.2Lエンジンをベースにしたe-POWERを搭載し、価格はXグレードで2,759,900円だ。また、ヴェゼルの1.5Lハイブリッドは、2WDの売れ筋グレードで258〜286万円なので、カローラクロスハイブリッドが265〜295万円あたりの価格帯なら、ライバル車と比べても十分な競争力を発揮できる。

トヨタのコンパクトSUVの代表格はC-HRだが、個性的な外観デザインに重点が置かれていることもあって、やや狭い荷室など使い勝手はあまりよくない。また、RAV4などは実用性はすぐれているものの、ボディサイズが大きく価格も高い。日本の道路事情を考えると、C-HRクラスのボディサイズと動力性能が使いやすいのだが、そこを埋めてくれる実用的なSUVがカローラクロスになるわけだ。今後のトヨタのSUVラインアップを整理すると、以下のようになる。

■今後のトヨタのSUVラインアップ
SUVのキャラクター:オフロード&実用派/シティ&スタイル派
・コンパクトサイズ:ライズ    /ヤリスクロス
・ミドルサイズ  :カローラクロス/C-HR
・Lサイズ    :RAV4     /ハリアー

今後のトヨタは、上記のようにボディサイズ別に「オフロード&実用派」「シティ&スタイル派」をそろえ、SUVのニーズに細かく応えていけるようラインアップを揃えていくだろう。日本のSUV需要を一手に引き受ける戦略だ。そうなれば、ライバルメーカーも黙ってはいられない。各社でSUVの商品力を向上させ、買い得な特別仕様車などの発売もさらに加速していくはずだ。新型SUVの急激な拡充に見て取れるトヨタの本気は、ライバルとの競争を激化させ、自動車業界全体に刺激を与えて商品力の向上をうながすだろう。結果として、国産のSUVがますます魅力的になることを期待したい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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