2021年7月中旬、JVCケンウッドはケンウッドブランドから、新製品のポータブルナビゲーション「ココデス」や、同社初のデジタルルームミラー型ドライブレコーダー「DRV-EM4700」、地図のデザインを刷新するなどによって見やすさをアップさせたカーナビゲーション「彩速ナビ」の上位シリーズ「TYPE M」の新ラインアップなどを発表した。当記事では、それらの新製品の特徴や魅力について、ご紹介していきたい。
ケンウッドの新製品ポータブルナビゲーション「ココデス」(画像は9インチモデルの「EZ-950」)
現在、ケンウッドが販売しているカーナビゲーション(「彩速ナビ」シリーズ)は、ダッシュボードの2DINに収まるインダッシュタイプと、カーナビ本体を2DINに収めながら、画面を本体と分離させて浮かせるようにしたことで大画面化を実現しているフローティングタイプの2種類がラインアップされている。今回発売されるポータブルナビゲーションのココデスは、そのいずれでもない、ダッシュボード上に設置するオンダッシュタイプのポータブルナビゲーションだ。
「ココデス」には、彩速ナビにも採用されている、曲がり角をわかりやすくグラフィカルに案内してくれる「ここです案内」が搭載されている
ココデスという製品名は、彩速ナビに採用されている人気の機能、「ここです案内」が搭載されていることから名付けられている。「ここです案内」は、次に曲がる方向だけでなく、距離をカウントダウンしてくれることによって、曲がるタイミングをわかりやすく案内してくれる機能のことだ。具体的には、一般道では曲がり角にさしかかる300m手前、高速道路の分岐などでは1km手前からここです案内が開始され、曲がり角や分岐に近づくにしたがって、距離の数値や目盛りが徐々に減っていく。
「ここです案内」機能は、一般道では曲がり角の100m手前に入ると、表示色がブルーからオレンジへと変化する
そして、一般道では100m手前になると、表示色がブルーからオレンジへ変化することによって、曲がり角が近づいていることがグラフィックの変化によって示される。曲がる直前の10mから、0mになるまでしっかりと案内してくれるので、曲がる道をつい間違えてしまうことが多い方や、初めての道を走るのに不安な方、初心者などにおすすめの機能と言えそうだ。
「ココデス」のディスプレイには「静電容量式パネル」が採用されているので、スマートフォンのようなフリックやピンチイン、ピンチアウトなどの操作が可能だ
また、ココデスには、「ここです案内」以外にも他社のポータブルナビゲーションとは異なる特徴がある。それは、ディスプレイに「静電容量式パネル」が採用されていることだ。現在、国内大手メーカーが販売しているポータブルナビゲーションの多くには、画面を押すことで反応する「感圧式パネル」が採用されている。ココデスが、感圧式パネルではなく、静電容量式パネルを採用していることの大きなメリットが、スマートフォンのようにフリックやピンチイン、ピンチアウトなどの操作ができることだ。感圧式パネルでは、地図の移動や拡大、縮小などを行う際、指で何度も押す動作が必要になることも多いのだが、フリックやピンチイン、ピンチアウトができる静電容量式パネルであれば、指を前後左右に動かすだけで地図を移動させることができ、2本の指を広げたり狭めたりするだけで、地図を拡大、縮小させることができるので、とても便利だ。
一般的なポータブルナビゲーションでは、インダッシュタイプのカーナビのように車速信号情報を取得しないため、高架下など電波が届きづらい場所においては自車位置が測位しづらいという弱点があった。この点、ココデスではGPSのほかに、準天頂衛星「みちびき」やロシアの衛星測位システム「GLONASS(グロナス)」の、3種類の衛星受信に対応することによって、GPSのみを受信するポータブルナビゲーションと比べて、安定して自車位置を測位することができる。さらに、3軸のジャイロと加速度センサーによる「3Dセンサー」が搭載されているので、坂道などで車両の傾きなどを検知することによっても、より正確な自車位置を表示することが可能となっている。
「ココデス」は、オプションのリアビューカメラ「CMOS-230/230W」を接続することで、後方の映像をディスプレイに映し出すことができる
また、ココデスではオプションのリアビューカメラ「CMOS-230/230W」を接続することによって、後方の映像を画面上に映し出すことができる。バックで駐車する際などに、ルームミラーやサイドミラーなどで確認するよりも死角が少なくなり、安心して駐車することができる。
「ココデス」には、50mスケールの詳細な市街地地図や、高速道路のガイド表示など、便利な案内機能もしっかりと搭載されている
そのほか、50mスケールの詳細な市街地地図の表示などに対応していたり、方向看板の表示や都市部の複雑な交差点におけるリアルな3Dの交差点イラスト表示、高速道路のジャンクションガイドなど、便利な案内や表示機能についても、しっかりと搭載されている。
ココデスの製品ラインアップは、9V型、7V型、5V型の3種類。それぞれの違いとしては、ディスプレイの大きさのほかに、9V型には地上デジタルTVチューナーが搭載されていることがあげられる(7V型、5V型はワンセグ)。7V型や5V型は、ポータブルナビゲーションとして標準的な売れ筋サイズだが、9V型の大型ディスプレイ搭載モデルまでラインアップされているのは、多くのユーザーが選びやすいようにと配慮している、大手カーナビメーカーのJVCケンウッドならではと言えるだろう。
なお、JVCケンウッドでは「EZ-750」のモニターキャンペーンを、同社の公式オンラインストア「JVCケンウッドストア」にて開催している(2021年8月17日まで)。入札による、特別モニター価格でEZ-750を購入することができ、購入後は商品モニターとして、EZ-750の使用レビューやアンケートなどに答えることで、モニターへ参加することができる。この機会に、ケンウッドの新しいポータブルナビゲーションを、モニター価格で試してみてはいかがだろうか。
■JVCケンウッド「ココデス」新製品 特別モニターキャンペーン
https://online-store.jvckenwood.com/f/monitor/ez-750
ケンウッド初のデジタルルームミラー型ドライブレコーダー「DRV-EM4700」
ケンウッド初となる、デジタルルームミラー型ドライブレコーダー「DRV-EM4700」。同製品には、デジタルルームミラーの機能と、前後2カメラで撮影が可能なドライブレコーダーという、2つの大きな機能が備わっている。
まず、デジタルルームミラーの機能としては、12型(11.88インチ)のIPS液晶がルームミラーに内蔵されており、リアカメラで映した映像がルームミラーに映し出されるというもの。全長が長いクルマであったり、人や荷物を多く載せているなどによって後方が見づらいクルマであっても、デジタルルームミラーであれば見づらかったり遮られることはなく、後方をクリアに確認することができる。また、雨天時には、リアガラスについた水滴の影響などを受けにくく、夜間やトンネル内などの暗い場所においても、デジタルルームミラーであれば明るい映像で後方を確認できるといったメリットもあげられる。
「DRV-EM4700」にはタッチパネルが搭載されており、指をタッチしたりスライドさせることで、さまざまな操作が行える
DRV-EM4700にはタッチパネルが搭載されており、ルームミラーの上から指で上下にスライドさせることによって、表示位置を上下に調整することができる。さらに、指を左右にスライドさせれば、明るさを変えることもできる。また、タッチすることで前方と後方の映像を切り替えることができたり、後述するドライブレコーダーの手動録画や録画した映像を再生することも可能だ。ちなみに、本体上部に備えられている電源ボタンを押せば、デジタルルームミラーをオフにして車室内を映す通常のルームミラーとして使うこともできる。
「DRV-EM4700」には、ドライバー側から見て本体右側にフロントカメラが備えられているほか、リアカメラも付属している
ドライブレコーダーの機能としては、デジタルルームミラー前方に備えられたフロントカメラと、後方を撮影するリアカメラによって、前後を同時に撮影できるのが特徴のひとつだ。また、記録映像は前後ともにフルハイビジョンの1,920×1,080ピクセルで録画できるほか、暗い場所などでも明るい映像の撮影が可能な、ソニー製CMOSセンサー「STARVIS(スタービス)」が前後のカメラに採用されている。スタービスは、前後2カメラタイプのドライブレコーダーでは、前方のカメラだけに採用されている例も見受けられるので、後方カメラにも採用されているというのは本機のアドバンテージのひとつだ。
録画の種類としては、エンジンをかけると自動で録画が開始される常時録画のほか、衝撃などを検知して録画してくれるイベント記録、録画ボタンを押すことで録画を開始する手動録画が搭載されている。また、別売りの車載電源ケーブルを使用することで、衝撃検知タイプの駐車監視機能(最長24時間)にも対応する。
面白い機能としては、ハンドルから手を離さずに声で操作することができる、「音声コマンド機能」が搭載されていることだ。音声で操作できるパターンは5つで、「イベント記録開始」と発することで手動録画を開始し、「写真を撮ります」と発すると静止画を撮影。「フロントカメラ」「バックカメラ」「すべてのカメラ」と発することで、デジタルルームミラーの映像をそれぞれ切り替えることができる。
「DRV-EM4700」本体の取り付けは、純正のルームミラーにかぶせた後、2本のバンドを使って固定させる
デジタルルームミラーの車両への取り付けは、純正のルームミラーへかぶせるように、左右2本のバンドで固定する方法が採られている。リアカメラについては、一般的な前後2カメラドライブレコーダーのリアカメラと同様に、リアガラスに貼り付けるタイプだ。
さまざまなメーカーから発売されているデジタルルームミラーだが、国内の大手メーカー製で前後2カメラのドライブレコーダーが搭載されているデジタルルームミラーは、現状ではほとんどないという状況だ。それだけに、DRV-EM4700は注目を集めそうだ。
「彩速ナビ」の最上位モデルである「TYPE-M」シリーズの新製品が登場した。その特徴は、近年のトレンドに合わせた地図色の刷新などになる
彩速ナビの最上位モデル、「TYPE-M」シリーズの新製品である4モデル(「MDV-M908HDF」「MDV-M908HDL」「MDV-M808HDW」「MDV-M808HD」)が発表された。
すっきりとした地図色が採用され、地図に用いる色数などの精査も図られた「新・HD描画マップ」
新しい彩速ナビで最大の注目点は、新たにチューニングされた「新・HD描画マップ」が全モデルに採用されていることだ。新・HD描画マップでは、昨今のスマートフォンの地図アプリなどでトレンドのカラーを研究し、これまでは紙地図をベースとしてデザインされてきた地図カラーを刷新。道路の色をホワイトにし、地図に用いる色数を精査して明確化させ、文字にも改善を施すことなどによって、さらなる地図の見やすさを追求しているという。
新開発の地図色は「スマートカラー」という名称で、従来の彩速ナビの標準カラーである「ダイナミックカラー」、トーンが抑えられていて目にやさしい配色の「ダークカラー」を合わせた3種類から選べるようになった。
「3Dスライダー」の採用によって、1°単位で3Dポリゴンの角度を調整できるようになった
また、新・HD描画マップには、地図の俯角をリニアに調整できる「3Dスライダー」が搭載されている。これは、3D地図が表示されている時に、スライダーを操作することで3Dポリゴンの角度を1°単位で設定することができるという機能だ。さらに、この3Dポリゴンには「半透過オン/オフ」機能が追加された。半透過をオンにすれば、3Dポリゴンが透けるようになり、隠れていた道路などが見やすくなった。
TYPE-Mシリーズは、高精細なHDパネルを先だって搭載し、フローティング構造を採用する(「MDV-M908HDF」「MDV-M908HDL」)など、彩速ナビのフラッグシップモデルとして多くの魅力的な機能が採り入れられてきたが、今回はカーナビの原点とも言える地図の見やすさに手を入れたことによって、その魅力がさらに磨き上げられたと言えるだろう。
自動車関連を担当。クルマ好きのため、週末はフラフラと1000km超を運転する長距離ドライバーと化します。