レビュー

スバル初のBEV「ソルテラ」4WDモデルの実力を雪上で試した!

スバルは、同社初となるBEV(電気自動車)「ソルテラ」を、2022年なかばに発売する。

2022年なかばに発売予定の、スバル初のBEV「ソルテラ」を雪上で試乗した

2022年なかばに発売予定の、スバル初のBEV「ソルテラ」を雪上で試乗した

ソルテラの製品画像
スバル
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(レビュー-人・クチコミ96件)
新車価格:594〜682万円 (中古車:―円

ソルテラは、トヨタとの共同開発車で、トヨタでは「bZ4X」と呼ばれる車名で同時期に発売される予定だ。bZ4Xは、2022年3月1日にサーキットにおける試乗レビュー記事をすでに掲載しているが、今回はソルテラの4WDモデルを雪上で試乗したので、その印象をお伝えするとともに、bZ4Xとの違いについても解説したい。

スバル「ソルテラ」のフロントエクステリア

スバル「ソルテラ」のフロントエクステリア

スバル「ソルテラ」のリアエクステリア

スバル「ソルテラ」のリアエクステリア

トヨタ「bZ4X」のフロントエクステリア

トヨタ「bZ4X」のフロントエクステリア

トヨタ「bZ4X」のリアエクステリア

トヨタ「bZ4X」のリアエクステリア

まず、試乗の前に、外観についてソルテラとbZ4Xを比較すると、大きく異なるのがフロントフェイスだ。ソルテラは、スバル車のアイデンティティである六角形のヘキサゴングリルが、エンジンを搭載しないBEVらしくシームレスな造形で表現されている。また、ヘッドライトやテールランプのデザインも両車で異なっており、ソルテラには「Cシェイプ」と呼ばれるコの字型のヘッドライトやテールランプが採用されている。

スバル「ソルテラ」のインテリア

スバル「ソルテラ」のインテリア

インパネなどの内装については、ソルテラとbZ4Xでは基本的に同じデザインのものが採用されている。特徴的なのは、メーターがインパネ奥に配置されている「トップマウントメーター」が採用されていることだ。これによって、前方からメーターへの視線移動が少なくて済み、視認性が高い。トップマウントメーターは、ステアリングホイールの上から見下ろす形になるのだが、ドライバーの体格や運転姿勢によってはステアリングホイールの陰に隠れることがある。だが、速度表示などを上部に配置することで、大切な情報は隠れずに見えるような配慮も施されている。

スバル「ソルテラ」のフロントシート

スバル「ソルテラ」のフロントシート

スバル「ソルテラ」のリアシート

スバル「ソルテラ」のリアシート

また、ソルテラは居住空間の下側に駆動用リチウムイオン電池を搭載しているので、床が少々高い。そのため、前後席ともに床と座面の間隔は少なめだ。シートに座ると、足を前方へと投げ出す姿勢になりやすい。だが、前後席に座る乗員同士の間隔は1,000mmと十分なスペースが確保されている。これだけの余裕があれば、後席に座った人が足を前方に伸ばしても、窮屈には感じないだろう。

スバル「ソルテラ」に採用されているパドルシフトは、回生が強くなるマイナス側だけでなく、回生が弱まるプラス側にも操作することができる

スバル「ソルテラ」に採用されているパドルシフトは、回生が強くなるマイナス側だけでなく、回生が弱まるプラス側にも操作することができる

車内の装備において、ソルテラとbZ4Xで異なるのが、ソルテラにはパドルシフトが採用されていることだ。パドルシフトを使うと、回生によって生じる減速力を細かく調節できる。さらに、「ノーマル」「エコ」「スポーツ」を切り替えることができる「ドライブモード」や、アクセルペダルを戻すと積極的に回生して減速力を強める「Sペダル」もソルテラに装備されており、パドルシフトとあわせることによって、さまざまな減速力を発生させることができる。

また、パドルシフトを備えるソルテラは、bZ4Xとは異なりエコドライブも可能だ。パドルシフトをプラス側へ操作すれば、通常の走行時よりもさらに回生が抑えられたコースティング状態となり、アクセルペダルを戻しても車両は惰性によって進んでいく。この時は、回生による充電はほとんど行われないのだが、バッテリーもあまり使わずに走行することができる。この点について、開発者は次のように説明する。「回生は、充電できる代わりに速度が下がり、電気のロスも生じる。ゆるやかな下り坂を走る時などであれば、パドルシフトをプラス側へ操作して、コースティングで走ったほうが効率は高まる」。

BEVであるソルテラは、回生とブレーキとの協調制御も行われる。ブレーキペダルを強く踏まなければ、ディスクブレーキは作動せずに回生のみが強められ、充電しながら減速するという。したがって、ひんぱんに加減速が発生しない郊外路などであれば、パドルシフトをプラス側に操作して走ることによって、電費効率が向上する。

そして、そのパドルシフトは、今回の雪上試乗においても効果的な装備だった。Sペダルを作動させることで、アクセルペダルだけで速度を幅広く調節できるが、滑りやすい雪道においては戻した時の減速力が強く感じることもあった。このような場合に、パドルシフトを使うことによって、雪道に合った減速力を選ぶことができたのだ。

ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車に採用されているパドルシフトは、エンジンブレーキの強さを調節する機能だが、BEVでは回生の制御という機能も加わる。そのために、BEVにパドルシフトが備わるメリットは多く、ソルテラにおける優位性のひとつとなっている。

今回、試乗したソルテラは4WDモデルで、モーターが前後輪に搭載されている。モーターの最高出力は80kWで、前後を合わせたシステム最高出力は160kWになる。モーター性能についてはソルテラもbZ4Xも同じ値で、モーター駆動なので瞬発力が強い。

スバル「ソルテラ」の走行イメージ

スバル「ソルテラ」の走行イメージ

ソルテラは全高が1,650mmと高く、4WDの車重は2トンを超える。高重心で重いボディによって、一般的には雪道走行は得意なタイプではないのだが、実際に運転してみると安定性が高いことに気付く。駆動用リチウムイオン電池が低い位置に搭載され、ボディも強固に造り込まれているので、ボディの重さや重心の高さを意識させないのだ。さらに、操舵に対する反応も正確なもので、BEVならではの静粛性の高さも相まって、上質な走りを楽しめた。

スバル「ソルテラ」の走行イメージ

スバル「ソルテラ」の走行イメージ

今回の試乗では、悪路走破力を高める「X-MODE」も試してみた。「SNOW・DIRTモード」では、滑りが適度に抑えられて走行安定性を発揮する。いっぽう、「DEEPSNOW・MUDモード」は、深雪や泥道からの脱出などを目的としたモードなので、アクセルペダルを踏み込むとホイールを空転させて雪を蹴散らしながら猛然と進んでいく。さらに、ソルテラでは、滑りやすい登降坂などに対応するため、「グリップコントロール」も採用されている。スイッチを入れると、アクセルとブレーキが自動制御されて、ゆっくりとした速度で徐行しながら進んでいく。ドライバーはペダル操作を車両に任せられるので、ステアリング操作に集中できる。

スバル「ソルテラ」のグリップコントロールの作動を体感するためのコースも、試すことができた

スバル「ソルテラ」のグリップコントロールの作動を体感するためのコースも、試すことができた

今回の試乗では、グリップコントロールを作動させながら、大きな段差を通過するという体験も行われた。段差にタイヤを載せると、片側の後輪が大きく持ち上がって空転しそうになる場面もあったが、ブレーキが自動制御されて空転を抑え、難なく走破することができた。モーターは出力を素早く増減できるので、グリップコントロール作動時の電子制御による駆動力の調節も的確に行うことができるようだ。

リチウムイオン電池の総電力量は、ソルテラとbZ4Xでは同じ71.4kWhになる。1回の充電で、前輪駆動の2WD車では最大で530km前後、4WD車では460km前後を走行できる(WLTCモード)。ちなみに、日産「リーフ」(2WD)の走行可能距離は、40kWh仕様は322kmで、62kWh仕様は458kmとなる。1kWh当たりの走行距離は、ソルテラの2WD車、リーフの62kWh仕様ともに7.4kmとほぼ等しいので、車内の広いSUVスタイルのソルテラのほうが効率はすぐれていそうだ。なお、日産「アリア B6」(2WD)は、66kWhで470kmを走行できる。1kWh当たりの走行距離は7.1kmだから少々短くなる。

スバル「ソルテラ」の走行イメージ

スバル「ソルテラ」の走行イメージ

このように、ソルテラは、雪道においてすぐれた走行性能を発揮することがわかった。前述の通り、パドルシフトも装備されるので、さまざまなドライバーの運転に応えてくれる。Sペダルなどは、強い減速力が生じる感覚が苦手なドライバーもいるので、減速力を任意に選べるパドルシフトはメリットが大きいだろう。

最後に、ソルテラの納期や価格について、販売店では「予約受注や価格が明らかになる時期は聞いていない」と言う。だが、2022年の中盤頃までには国内で発売される予定だ。ソルテラとbZ4Xは、ほぼ同じタイミングで発売されるはずなので、これまで述べた違いなども加味し、ライバル車のアリアなども加えて比較検討するといいだろう。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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