レビュー

レクサス 新型「NX」、初のPHEV「450h+」と売れ筋の「350h」へ試乗!

トヨタが展開するプレミアムブランドのレクサスでは、車種ラインアップの半数近くをSUVが占めている。その中でも中心的な存在なのが、ミドルクラスSUVの「NX」だ。

今回は、筆者(中央)がレクサス 新型「NX」の2.5Lハイブリッドモデル「350h Fスポーツ」(左)と、レクサス初のプラグインハイブリッドモデル「NX450h+ バージョンL」(右)に試乗した

今回は、筆者(中央)がレクサス 新型「NX」の2.5Lハイブリッドモデル「350h Fスポーツ」(左)と、レクサス初のプラグインハイブリッドモデル「NX450h+ バージョンL」(右)に試乗した

NXの製品画像
レクサス
3.85
(レビュー120人・クチコミ5839件)
新車価格:455〜738万円 (中古車:208〜990万円

NXは、初代モデルが2014年に発売され、2021年10月には2代目へとフルモデルチェンジされた。今回は、新型NXの売れ筋である、2.5Lハイブリッドの「350h Fスポーツ」と、レクサス初のプラグインハイブリッド車である最上級グレードの「NX450h+ バージョンL」の2台に試乗したのでレビューしたい。ちなみに、当記事の最後にも述べているのだが、新型NXの納期は現在大幅に伸びており、記事掲載時点(2022年3月17日)でおおよそ2年かかるとのことなので、あらかじめお伝えしておきたい。

新型「NX」(350h Fスポーツ)のフロントエクステリア

新型「NX」(350h Fスポーツ)のフロントエクステリア

新型「NX」(350h Fスポーツ)のリアエクステリア

新型「NX」(350h Fスポーツ)のリアエクステリア

まず、新型NXのエクステリアは、大型のフロントグリル(スピンドルグリル)が採用されるなど、基本的には先代のデザインが踏襲されている。だが、ヘッドライトやエアダクトなど、各パーツのデザインなどはブラッシュアップが施されている。

新型「NX」のエクステリアで注目なのが、近年の新型車への採用が増えている横一文字タイプのテールランプだ

新型「NX」のエクステリアで注目なのが、近年の新型車への採用が増えている横一文字タイプのテールランプだ

また、先代と大きく異なるのがテールランプで、新型では左右のL型ランプに加えてリア中央へ新たに横一文字のランプが採用されているのが特徴的だ。

NXは、先代の発売が2014年と古かったため、新型ではトヨタの「ハリアー」や「RAV4」などと共通の新しい「GA-Kプラットフォーム」へと刷新されている。新型NXのボディサイズは、全長が4,660mm、全幅が1,865mm、全高が1,660mmと、全幅が少しワイドではあるものの、サイズ感としてはミドルクラスSUVの範囲内に収まっている。新型NXの全長は、ハリアーよりも約80mm、RAV4よりも約60mm長く、ちょうどハリアーとRAV4の中間に位置する長さだ。また、新型NXのホイールベースは2,690mmと、ハリアーやRAV4などと等しい値となっている。最小回転半径は5.8mとやや大回りで、ボディ後端のピラーが太く斜め後方も少し見づらいので、縦列駐車や車庫入れの際などには注意したい。

新型「NX」(350h Fスポーツ)のインテリア

新型「NX」(350h Fスポーツ)のインテリア

新型「NX」の各グレードの「Fスポーツ」と「バージョンL」には、14インチの大型ディスプレイオーディオが搭載されている(標準グレードは9.8インチディスプレイオーディオ)

新型「NX」の各グレードの「Fスポーツ」と「バージョンL」には、14インチの大型ディスプレイオーディオが搭載されている(標準グレードは9.8インチディスプレイオーディオ)

新型NXのインテリアは、2019年に発表されたコンセプトカー「LF-30 Electrified」に採用されたコックピットデザイン「Tazuna Concept」に基づいて開発されている。同コンセプトは、ドライバーが運転に集中しながら各機能を操作できるという考え方に基づいている。たとえば、インパネ中央には大型の14インチディスプレイオーディオ(主力グレード)が備わり、ドライバー側へ傾けられているので、運転席からの視認性や操作性がいい。さらに、シフトレバーやドライブモードセレクトスイッチなどは、ドライバーから手の届きやすい場所に配置されているなど、ドライバーオリエンテッドな配慮が施されている。

新型「NX」(350h Fスポーツ)のフロントシート

新型「NX」(350h Fスポーツ)のフロントシート

新型「NX」(350h Fスポーツ)のリアシート

新型「NX」(350h Fスポーツ)のリアシート

フロントシートは、サイズに余裕があって着座姿勢はズレにくく、しっかりと体を支えてくれるものだ。リアシートは少し硬めだが、座面にボリュームがあるので座り心地はいい。さらに、リアシートは広々として快適なので、大人4人が乗っても長距離を快適に移動できるだろう。

新型「NX」(350h Fスポーツ)のラゲッジルーム

新型「NX」(350h Fスポーツ)のラゲッジルーム

ラゲッジルームは、リヤゲートの角度が少し寝ているものの、後席を立てた状態でも荷室長は982mmに達する。荷室幅も1,000〜1,387mmと広いので、SUVの中でも荷物は積みやすい部類に入るだろう。

エンジンは、2.5L直列4気筒のNX250、2.4L直列4気筒ターボのNX350、2.5LハイブリッドのNX350h、2.5L直列4気筒にプラグインハイブリッドが組み合わせられたNX450h+がラインアップされている。NXはレクサスの主力車種なので、多彩なパワーユニットが用意されている。最高出力(ハイブリッドモデルはシステム最高出力)は、NX250が201PS、NX350は279PS、NX350hは243PS、NX450+は309PSになる。

新型「NX」(350h Fスポーツ)の走行イメージ

新型「NX」(350h Fスポーツ)の走行イメージ

まずは、売れ筋である2.5Lハイブリッドの350h Fスポーツに試乗した。先代の2.5Lハイブリッドに比べると、実用回転域において駆動力の高さが感じられる。登坂路でアクセルペダルを踏み増すと、4気筒エンジン特有のノイズが聞こえるが、通常走行ではハイブリッドらしく静かで上質な運転感覚が味わえる。さらに、プラットフォームが刷新された効果も体感できた。ステアリング操作に対する反応が、先代に比べてより正確になったのだ。これは、設計が新しい今日の欧州車などにも共通して見られる特徴だ。

新型NXは、高重心のSUVでありながら車両の向きを内側へと向けやすく、ワインディングロードなどにおいてスポーティーな運転を楽しめる。その代わり、後輪の接地性が少し下がりやすい面も見受けられたのだが、挙動変化は穏やかなので運転していても不安感は覚えないだろう。

新型「NX」(350h Fスポーツ)の試乗イメージ

新型「NX」(350h Fスポーツ)の試乗イメージ

先代のNXを含む以前のレクサス車は、運転フィールについては個性的とは言えず、むしろ控えめな印象であった。そこが、なじみやすさに通じていたところも確かにあったのだが、プレミアムブランドの魅力としては他ブランドに比べてやや不利な面となっていた。それもあってか、近年のレクサス車は運転フィールがよりスポーティーな方向へと振られている。そのことが、今回の新型NXの試乗においても感じられた。

乗り心地は、350h Fスポーツでは低速域において少々硬さが感じられた。また、ステアリングホイールには、細かな振動が伝わってきた。速度が上昇すればこれらの違和感も薄れるのだが、プレミアムブランドとして改善の余地は残されている。装着タイヤが、20インチ(235/50R20)のランフラットタイヤだったことも影響を与えているのかもしれないが。

新型「NX」(450h+ バージョンL)の走行イメージ

新型「NX」(450h+ バージョンL)の走行イメージ

次に、プラグインハイブリッドを搭載するNX450h+のバージョンLに試乗した。NX450h+は、前後輪にモーターを搭載するAWD(4WD)で、モーターのトルクはフロントモーターが270Nm、リアモーターが121Nmになる。駆動用リチウムイオン電池の総電力量は18.1kWhで、1回の充電で88km走行できる。また、ハイブリッド車としてエンジンを作動させながら走った時のWLTCモード燃費は19.8km/Lだ。ちなみに、ハイブリッド車のNX350h(4WD)のWLTCモード燃費は19.9〜21.6km/Lなので、NX450h+はハイブリッド走行時の燃費性能も満足できる値と言えそうだ。

新型「NX」(450h+ バージョンL)の走行イメージ

新型「NX」(450h+ バージョンL)の走行イメージ

NX450h+は、充電された状態で「EVモード」を選ぶと、エンジンを始動させずに常にモーター駆動のみで走行することができる。EVモードを選んでアクセルを踏み込めば、前後輪のモーターによって低速域から力強く、かつ滑らかな走りを堪能できる。さらに、「オートEV/HVモード」にしてアクセルを踏み込めば、エンジンが始動してモーターとエンジンの両方が駆動することにより、動力性能はさらに高められる。エンジンとモーター駆動をフルに作動させれば、4LのNAエンジンに匹敵するほどの強烈な動力性能を味わえる。パワフルで滑らかな走りが魅力的なNX450h+は、まさしくレクサスのブランドイメージに沿ったクルマへ仕上げられていると感じた。

ひとつだけNX450h+で注意したいのが、走行安定性だ。車重が2トンを超えており、NX350hの4WDと比較しても200kg程度上回っているため、コーナーを曲がる時にボディの重さを意識させる。そのため、危険を避ける時など素早い操舵を行うと後輪の接地不足が気になることがあり、操舵に対する反応はNX450h+ではもう少し穏やかに抑えてもいいように感じられた。

■レクサス 新型「NX」のグレードラインアップと価格
-2.5L 直列4気筒(A25A-FKS型)-
・NX250:4,550,000円[2WD]/4,820,000円[AWD]
・NX250 バージョンL:5,430,000円[2WD]/5,700,000円[AWD]
-2.4L 直列4気筒ターボ(T24A-FTS)-
・NX350 Fスポーツ:5,990,000円[AWD]
-2.5L 直列4気筒ハイブリッド(A25A-FXS)-
・NX350h:5,200,000円[2WD]/5,470,000円[AWD]
・NX350h バージョンL:6,080,000円[2WD]/6,350,000円[AWD]
・NX350h Fスポーツ:6,080,000円[2WD]/6,350,000円[AWD]
-2.5L 直列4気筒プラグインハイブリッド(A25A-FXS)-
・NX450h+ バージョンL:7,140,000円[AWD]
・NX450h+ Fスポーツ:7,380,000円[AWD]

新型NXの価格は、NX250を基準にすると、ハイブリッドのNX350hは65万円高くなる。だが、税金の違いによって差額は47万円へと縮まる。そこで、NAエンジンのレギュラーガソリン価格が1L当たり160円(今の170円を超える価格は高すぎるため)、ハイブリッドのプレミアムガソリンが170円とすれば、13〜14万kmを走れば47万円の実質差額を取り戻せる。やや距離が長く思えるが、ハイブリッドは走りも上質であることを加味すると、推奨したいのはハイブリッドのNX350hになる。

機能と価格のバランスを考えると、NX350hが最も割安だが、さらに外観などを含めた付加価値や数年後の売却額なども考慮すると、NX350h Fスポーツも買い得ということになりそうだ。いっぽう、NX450h+はバージョンLが714万円、Fスポーツは738万円と高額になる。補助金の交付も受けられるが、常に交付されているわけではないので購入時には十分に注意したい。

最後に、冒頭にも述べたが、納期を販売店に確認すると「グレードを問わず約2年」とのことであった。NXは、2023年3月には改良が実施される予定のため、そうなると実際に納車されるのは改良後のモデルになるかもしれない。さすがに、納車までに2年を要すると購入の判断もなかなか難しく、補助金や減税などがどうなるのかもわからなくなる。厳しい状況下ではあるものの、2年はさすがに長いので、メーカーにはできる限りの納期短縮を望みたい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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NXの製品画像
レクサス
3.85
(レビュー120人・クチコミ5839件)
新車価格:455〜738万円 (中古車:208〜990万円
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