レビュー

ホンダアクセス“カーボン製スポイラー”の効果を実感!「シビックタイプR」試乗

2022年9月2日に6代目へとフルモデルチェンジされた、ホンダのスポーツカー「シビックタイプR」。ボディは、ベースモデルの11代目「シビック(ハッチバック)」と共通の5ドアで、歴代モデルと同様に走行性能はきわめて高い。

フルモデルチェンジされた、ホンダ 新型「シビックタイプR」。標準車と、純正アクセサリーのカーボン製「テールゲートスポイラー」装着車の2台に試乗したので、標準仕様のスポイラーとの違いについてもレビューしたい

フルモデルチェンジされた、ホンダ 新型「シビックタイプR」。標準車と、純正アクセサリーのカーボン製「テールゲートスポイラー」装着車の2台に試乗したので、標準仕様のスポイラーとの違いについてもレビューしたい

シビック タイプRの製品画像
ホンダ
4.35
(レビュー91人・クチコミ5105件)
新車価格:499万円 (中古車:98〜1499万円

今回、「シビックタイプR」の標準仕様に加えて、ホンダのアフターパーツを手掛ける「ホンダアクセス」が手がけた専用の純正アクセサリー「テールゲートスポイラー(カーボン)」(275,000円)を装着した仕様の2台に試乗した。「シビックタイプR」とともに、ホンダアクセス製テールゲートスポイラーの印象についてもレビューしたい。

■ホンダ 新型「シビックタイプR」の価格
※価格は税込
TYPE R:4,997,300円

■ホンダ 新型「シビックタイプR」の主なスペック
型式:6BA-FL5
駆動方式:FF
全長×全幅×全高:4,595×1,890×1,405mm
ホイールベース:2,735mm
最低地上高:125mm
最小回転半径:5.9m
車両重量:1,430kg
乗車定員:4名
エンジン:2.0L 水冷直列4気筒横置(K20C)
トランスミッション:6速マニュアル
最高出力:243kW(330PS)/6,500rpm
最大トルク:420N・m(42.8kgf・m)/2,600-4,000rpm
燃費(WLTCモード):12.5km/L
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
タイヤサイズ(前後):265/30ZR19 93Y
サスペンション方式:マクファーソン式(前)/マルチリンク式(後)
スタビライザー形式(前後):トーション・バー式

まず、試乗の前に「シビックタイプR」のスペックや内外装について確認しよう。ボディサイズ(全長×全幅×全高)は、4,595×1,890×1,405mm。ベースの「シビックハッチバック」に比べて、45mm長く、90mm幅広で、10mm低い。タイヤは、前後ともに19インチ(265/30ZR19)が装着されており、最小回転半径は5.9m。ベース車の「シビックハッチバック」は5.7mなので、少々大回りになる。

「シビックタイプR」のフロントエクステリアとリアエクステリア(画像は、純正アクセサリー装着車)

「シビックタイプR」のフロントエクステリアとリアエクステリア(画像は、純正アクセサリー装着車)

インテリアで特徴的なのは、バケットシートが装着されていることだ。サイドサポートがしっかりと張り出されているので、着座姿勢は安定している。さらに、着座位置を上下に調節するシートリフターも備わっており、シートを持ち上げても座面の角度がほとんど変わらないのもいい。シートの座面前方を適度に持ち上げて腰を落とし込ませることができるので、着座姿勢が安定している。

「シビックタイプR」のインテリアとフロントシート

「シビックタイプR」のインテリアとフロントシート

「シビックタイプR」は、スポーツカーでありながら後席が広いのも特徴のひとつだ。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半に達するなど、Lサイズセダンに匹敵する広さとなっている。クーペタイプの国産スポーツカーと比較して、「シビックタイプR」の後席の広さはアドバンテージのひとつにもなっている。

「シビックタイプR」のリアシート

「シビックタイプR」のリアシート

エンジンは2L直列4気筒ターボで、最高出力は243kW(330PS)/6,500rpm、最大トルクは420N・m(42.8kgf・m)/2,600-4,000rpmと、自然吸気の4Lエンジンに匹敵する性能を誇る。

「シビックタイプR」のエンジンルーム

「シビックタイプR」のエンジンルーム

試乗を開始すると、まず初めに車両の操作がとても扱いやすく感じられた。排気量は2リッターだが、動力性能は4リッタークラスなので、相当に高度なチューニングが施されているはずだ。だが、アクセルやブレーキのフィーリング、ステアリングやシフト操作など、スポーツカーでありながらどの操作も扱いにくい印象は覚えず、とてもなじみやすい。新型モデルには、新世代プラットフォームが採用されており、構造用接着剤の塗布も先代モデルと比べて約3.8倍へと拡大されている。そのため、路面からの振動は抑えられており、ステアリングフィールもより正確なものになっている。また、シフトレバーやクラッチペダルも適度なフィーリングで、シフトミスをしにくいように感じられた。ギヤ比もちょうどよく、扱いやすい。

まずは、「シビックタイプR」標準スポイラー装着車に試乗した

まずは、「シビックタイプR」標準スポイラー装着車に試乗した

エンジンは、低回転域からターボの過給効果が発揮されていることがわかる。2,000rpmから本格的にターボの過給が高まり、加速が活発になる。そして、4,000rpmを超えると強烈な加速が6,000rpmを超える領域まで、一気に吹け上がっていく。「シビックタイプR」は、高い動力性能を備えながら、運転のしやすさを両立させたスポーツカーと感じた。

「シビックタイプR」の最大トルクは40kgf・mを超えるので、一般的には4輪駆動が組み合わせられるのだが、同車は伝統的にFF(前輪駆動)が採用されている。もちろん、これには不利な面も伴う。加速時、車両の荷重は後輪に加わるので、前輪駆動では駆動力の伝達効率が下がる。コーナーリングなどで、アクセルペダルを踏み増したときなども同様だ。前輪は、横方向のグリップ力を発生させており、このときに前進する力まで加わると、タイヤの負担が大幅に増えてしまう。そのため、スポーツカーなどの高性能車は4輪駆動や後輪駆動の2WDが多いのだが、シビックタイプRはFFにこだわっている。それを、実感させるのがコーナーリングだ。

試乗場所は、群馬サイクルスポーツセンター。コーナーは曲がりくねっており、路面も荒れている。さらに、試乗日は雨天であった。FFのスポーツカーとしては、なかなかに厳しい状況なのだが、それでも「シビックタイプR」はすぐれた走行安定性を発揮する。注目は、タイヤが常に路面をしっかりとホールドしていることだ。水分を含んだ、荒れた路面の急カーブでステアリングホイールを戻しながらアクセルペダルを踏み増しても、タイヤの接地性が失われにくい。タイヤが路上を細かく跳ねる挙動も生じないので、車両が操舵角に応じて正確に回り込んでくれて、旋回軌跡も拡大しない。高性能な前輪駆動車の欠点が、「シビックタイプR」ではうまく抑え込まれている。

「シビックタイプR」は、濡れて荒れた路面という悪条件下であっても、4輪がしっかりとグリップしながらコーナーリングしてくれる

「シビックタイプR」は、濡れて荒れた路面という悪条件下であっても、4輪がしっかりとグリップしながらコーナーリングしてくれる

前輪が路面をしっかりとホールドすると、後輪の接地性が相対的に下がり、運転の難しい状態になる場合もある。しかし、「シビックタイプR」では後輪が前輪以上に安定しているように感じられた。たとえば、後輪の接地性が下がりやすい下り坂のコーナーを旋回中に、敢えてステアリングホイールをさらに内側へ回しながらブレーキペダルを踏んで不安定にさせても、後輪はがっちりと路面をとらえて踏ん張っている。また、ハイスピードで曲がっているコーナーの先がさらに内側へ回り込んでいるときなどは、旋回軌跡が外側へ膨らんでコースアウトの危険が生じる。だが、そのような場面でもステアリングホイールを内側に回せば操舵角に忠実に回り込んでくれる。いずれの場合も、油断はできないものの前輪駆動に高性能なエンジンを組み合わせながら、破綻が生じにくい「シビックタイプR」の抜群の安定感は、素直に「すごい」と思わせてくれるものであった。

その代わり、乗り心地については少し硬めだ。今回の試乗では、路面が荒れているためにドライブモードを敢えて「コンフォート」モードにして走ってみた。ショックアブソーバーの減衰力が低く設定されるので、ボディの傾き方は拡大するが、タイヤが路上を跳ねる挙動の乱れは抑えられる。それでも、乗り心地は少し硬いと感じた。バタバタとしたような粗っぽい突き上げ感はないが、ピッチング(前後方向の揺れ)が生じやすい。

そこで注目したいのが、ホンダアクセスが開発したカーボン製の専用テールゲートスポイラーだ。同製品がユニークなのは、翼状のスポイラーの裏側が空力を考慮して鋸歯状になっていることだ。この空力デバイスは、航空機にも使われている技術で、ボディを下側へと押し付ける力を発生させる。コーナーを曲がるときも、車両の動きに追従する効果があるから、直進時以外にもボディを下側へ押し付ける効果を得られるというメリットがある。さらに、このテールゲートスポイラーには側面のサイドプレートも備わっており、直進安定性を高める効果も発揮する。

ホンダアクセスが開発した、カーボン製「テールゲートスポイラー」。レッドポリエステルが編み込まれたドライカーボンが採用されており、軽量化が図られている。スポイラーの裏側には、鋸歯状の空力デバイスが採用されており、車体後部の風の乱流を抑えて姿勢を安定させる効果をもたらす

ホンダアクセスが開発した、カーボン製「テールゲートスポイラー」。レッドポリエステルが編み込まれたドライカーボンが採用されており、軽量化が図られている。スポイラーの裏側には、鋸歯状の空力デバイスが採用されており、車体後部の風の乱流を抑えて姿勢を安定させる効果をもたらす

装着車に試乗すると、時速約50kmという中低速から効果を実感できた。前後方向の揺れが減り、ヒョコヒョコと揺すられる挙動が生じにくいのだ。ホンダアクセスのテールゲートスポイラーは、走行安定性とあわせて乗り心地を向上させる役割も果たしてくれるようだ。

後輪の接地性を高めると、相対的に前輪のグリップ力が下がって曲がりにくくなることを想像したのだが、実際には回頭性も低下しにくい。もちろん、サーキットの周回タイムを厳密に詰めるような走り方なら、「シビックタイプR」に標準装着されている純正スポイラーの優位性もあるのかもしれないが、運転のしやすさやコーナーを曲がっているときの安心感、快適性まで含めた総合的なバランスの高さにおいては、ホンダアクセスのテールゲートスポイラーのメリットが感じられた。

特に、シビックタイプRは冒頭で述べたように後席が広い。ファミリーカーとして4名乗車も可能なので、乗り心地を快適にしてくれるホンダアクセスのテールゲートスポイラーは、車両の性格を考えても親和性が高いだろう。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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シビック タイプRの製品画像
ホンダ
4.35
(レビュー91人・クチコミ5105件)
新車価格:499万円 (中古車:98〜1499万円
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