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“独自調査”でスバル「レヴォーグレイバック」の価格が判明! 「ハリアー」と比べても高くない!?

ディーラーへの独自取材で“399万円”の価格が判明!

スバルは、新型SUV「レヴォーグレイバック」の予約受付を2023年9月7日から開始した。当記事の掲載(2023年10月16日)時点で、諸元表や装備品表などはスバルの公式ホームページ上に掲載されているものの、価格についてはまだ公表されていない。

プレミアムSUVとして登場した、スバル「レヴォーグレイバック」。一見すると高価に感じられるのだが、装備内容や、ベース車の「レヴォーグ」やライバル車などと比べると、実はそれほど高くはない。その理由については後述する

プレミアムSUVとして登場した、スバル「レヴォーグレイバック」。一見すると高価に感じられるのだが、装備内容や、ベース車の「レヴォーグ」やライバル車などと比べると、実はそれほど高くはない。その理由については後述する

しかし、販売店ではすでに価格を明らかにしており、予約受注も開始している。筆者がディーラーに行った独自調査によって判明した価格は以下のとおりだ。

スバル「レヴォーグレイバック」のグレードラインアップと価格
リミテッドEX:399万3,000円(税込)
※1グレードのみ

なお、販売店では今後のスケジュールについて、以下のように説明している。

「『レヴォーグレイバック』の正式な発売日は、2023年11月24日の予定だ。販売店に試乗車が納車されるのは、2023年12月上旬頃になるだろう。納期は、今のところは約3か月に収まっているが、11月に正式発売されると宣伝も積極的に行われるので、遅れる可能性は高まるかも知れない」。

「レヴォーグレイバック」の約400万円に達する価格だが、その妥当性について、ライバル車と比較しつつ解説していこう。

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2023/09/07 11:00

プレミアムなSUVとして上質な内外装を採用

まず、「レヴォーグ」とは「レガシィツーリングワゴン」の後継車種として開発されたステーションワゴンのこと。その「レヴォーグ」のクロスオーバーSUV版として新たに登場したのが、今回ご紹介する「レヴォーグレイバック」だ。

「レヴォーグレイバック」の大きな特徴としては、内外装が都会的な雰囲気に仕立て上げられていることだ。フロントフェイスは、ベースモデルである「レヴォーグ」の鋭角的なデザインに比べて、クロスオーバーSUVらしい丸みを持たせている。

「レヴォーグレイバック」のエクステリアには、クロスオーバーSUVならではのモダンなやわらかさと、スポーティーさを両立させるデザインが採用されている

「レヴォーグレイバック」のエクステリアには、クロスオーバーSUVならではのモダンなやわらかさと、スポーティーさを両立させるデザインが採用されている

インテリアは、ブラックとアッシュの2つのカラーが用いられることによって、明るく華やかな雰囲気が演出されている。

ちなみに、「レヴォーグレイバック」は今のところ、日本国内専売車として販売される予定だ。そのため、諸外国と比べて平均速度が高くない日本向けに、乗り心地を重視したサスペンションセッティングが施されている。

インテリアの雰囲気は、アッシュカラーが用いられることによって明るいのが特徴的だ。また、インパネ中央の11.6インチ大型センターディスプレイやハーマンカードンの上質なサウンドシステムなど、豪華装備が標準で搭載される

インテリアの雰囲気は、アッシュカラーが用いられることによって明るいのが特徴的だ。また、インパネ中央の11.6インチ大型センターディスプレイやハーマンカードンの上質なサウンドシステムなど、豪華装備が標準で搭載される

グレードは「リミテッドEX」のみで、搭載エンジンは1.8L水平対向4気筒ターボ。駆動方式はスバル得意の4WDである。

安全運転支援機能については、衝突被害軽減ブレーキを作動させてくれる「アイサイト」のほか、高速道路の渋滞時にハンドルから手を放しても運転を支援してくれる「アイサイトX」を搭載。

さらに、「11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム」や18インチアルミホイールなど、フル装備となっている。それだけに車両価格は少々高めで、冒頭で述べたとおり399万3,000円に達するが、都会的で洗練されたプレミアムSUVとして、装備を充実させている。

標準装備が豊富なのでメーカーオプションはお好みで

「レヴォーグレイバック」は標準装備が多いために、メーカーオプションは「スマートリヤビューミラー」や本革シート、サンルーフなど数少ない。しかも、いずれも必須の装備ではないので好みに応じて装着すればよいだろう。

スバル「レヴォーグレイバック」の主なオプション装備と価格
・スマートリヤビューミラー:5万5,000円(税込、以下同)
・本革シート:13万2,000円
・サンルーフ:11万円

たとえば、本革シートの13万2,000円というオプション価格は比較的割安だ。だが、標準装備されている「トリコット&ファブリック」のシート生地も上質なもので、本革に比べて柔軟で座り心地もやさしい。どうしても本革シートが欲しいという人でなければ、標準のシートでも十分だろう。

画像は「本革シート」仕様。筆者は、標準仕様の「トリコット&ファブリック」にも座ったことがあるのだが、やわらかで快適な座り心地だったので「本革シート」でなくとも十分だと筆者は感じた

画像は「本革シート」仕様。筆者は、標準仕様の「トリコット&ファブリック」にも座ったことがあるのだが、やわらかで快適な座り心地だったので「本革シート」でなくとも十分だと筆者は感じた

価格は「レヴォーグ」と比べても割高ではない

「レヴォーグレイバック」を、ベース車の「レヴォーグ」と比較してみよう。「レヴォーグレイバック」に最も近い「レヴォーグ」のグレードは「GT-H・EX」だ。2023年10月上旬時点で、改良後の「レヴォーグ」の価格は不明だが、従来の「GT-H・EX」は370万7,000円であった。

「レヴォーグレイバック」の価格は、「レヴォーグ GT-H・EX」と比べると一見高めだが、豪華な装備や内外装などを考慮すると割高ではないだろう

「レヴォーグレイバック」の価格は、「レヴォーグ GT-H・EX」と比べると一見高めだが、豪華な装備や内外装などを考慮すると割高ではないだろう

「レヴォーグレイバック」の価格は、「レヴォーグ GT-H・EX」よりも28万6,000円高いが、「レヴォーグ GT-H・EX」にはオプション設定の「ハーマンカードンサウンドシステム」が標準装備されている。

この装備の違いを考えると、「レヴォーグレイバック」のSUV風の外観、200mmの最低地上高(「レヴォーグ」は140〜145mm)、快適な乗り心地のサスペンション、乗降性に配慮したシート形状などに支払われる対価は15万円前後に収まる。このように、「レヴォーグ」と比較すると、「レヴォーグレイバック」は決して割高ではない。

「ハリアー」との比較では動力性能や装備面で有利に

では、「レヴォーグレイバック」がライバル車として意識しているトヨタ「ハリアー」と比べてみるとどうだろうか?

「ハリアー」で駆動方式と価格が近いグレードは、NAエンジンを搭載する「Z・4WD」(423万8,000円)か、「ハイブリッドG・4WD」(433万9,000円)だ。価格はどちらも、「レヴォーグレイバック」よりも20〜30万円ほど高い。

両車の装備を比べると、「レヴォーグレイバック」とNAエンジンを搭載する「ハリアーZ・4WD」はかなり近い水準にある。さらに、パワーユニットは「レヴォーグレイバック」は1.8Lターボだが、「ハリアー」は2LのNAエンジンなので、「レヴォーグレイバック」のほうが動力性能は高い。

トヨタ「ハリアー」のNAエンジン搭載車と比べると、「レヴォーグレイバック」のほうが動力性能は高い。いっぽう、ハイブリッドモデルと比べると、装備面で「レヴォーグレイバック」のほうが有利だ

トヨタ「ハリアー」のNAエンジン搭載車と比べると、「レヴォーグレイバック」のほうが動力性能は高い。いっぽう、ハイブリッドモデルと比べると、装備面で「レヴォーグレイバック」のほうが有利だ

いっぽう、「ハリアー」はハイブリッドに上級化すると、エンジンが2.5Lになってモーター駆動も加わり、動力性能や滑らかさが向上する。さらに燃費もよくなるが、グレードが「G」に下がるから、「ブラインドスポットモニター」などはオプションになり、「レヴォーグレイバック」に比べると、装備面で見劣りする。

結論を言えば「レヴォーグレイバック」は、ベース車の「レヴォーグ」と比較すると納得のできる価格設定だ。そして、ライバル車の「ハリアー」と比べても、機能や装備と価格のバランスで対抗できる。「レヴォーグレイバック」は、上級グレードとして位置付けられていることから価格が約400万円近くになるため、幅広いユーザーに適しているクルマではないが、快適かつ機能の充実したSUVを求めるなら、検討する価値のあるクルマだろう。

渡辺陽一郎
Writer
渡辺陽一郎
「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト
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桜庭智之(編集部)
Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
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