2024年は、注目の新型車が数多く発売されそうだ。そこで、すでに情報が公表されているクルマから未発表のクルマまで、2024年に発売される可能性の高い(一部は2025年)注目の新型車をご紹介したい。
現在、「ランドクルーザー」シリーズは「ランドクルーザー300」と「ランドクルーザープラド」、そして2023年11月に国内販売を復活させた「ランドクルーザー70」の3タイプが存在している。そして、2024年6〜9月ごろには前述の「ランドクルーザープラド」が「ランドクルーザー250」へと切り替わる。
新型「ランドクルーザー250」には2種類のフロントフェイスが用意される。上は2列シート車で下は3列シート車
「ランドクルーザー250」のエクステリアは、2023年8月に世界初公開されている。「ランドクルーザー250」が「ランドクルーザープラド」と比べて大きく異なるのは、ボディが拡大されていることだ。「ランドクルーザー250」の全長は4,925mm、全幅は1,980mm、全高は1,870mm、ホイールベースは2,850mm。全幅とホイールベースは、「ランドクルーザー300」と等しい。従来の「ランドクルーザープラド」は「ランドクルーザー300」に比べてベーシックな位置付けだったが、「ランドクルーザー250」では「ランドクルーザー300」に近付けられる。「ランドクルーザー300」は快適装備を充実させて、「ランドクルーザー250」は悪路を走破するための機能を多く装備するといった違いだ。
ただし「ランドクルーザー250」が搭載するエンジンは、従来型の「ランドクルーザープラド」と同様に、2.7L直列4気筒のガソリンエンジンと2.8Lクリーンディーゼルターボエンジンだ。3.5L V型6気筒のガソリンターボエンジンと、3.3Lクリーンディーゼルターボエンジンを搭載する「ランドクルーザー300」に比べて排気量は小さくなる。
トヨタの「クラウン」シリーズは、すでに「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」の3種類が販売されているが、2024年3月までに「クラウンエステート」と呼ばれるSUVが新たに加わる予定だ。
新型「クラウンエステート」のフロント、リアエクステリア
「クラウンエステート」のボディサイズは、全長が4,930mm、全幅が1,880mmと大柄で、車内もクラウンシリーズの中でもっとも広い。パワーユニットは、ハイブリッドとプラグインハイブリッドの2種類が用意されており、駆動方式は全車4WDになる。さらに、後輪操舵機能も採用される。これらのメカニズムは、すでに販売されている「クラウンクロスオーバー」「クラウンスポーツ」と共通のものだ。
後席の頭上や足元空間は「クラウンクロスオーバー」以上に広く、4名で乗車して長距離を快適に移動できる。「クラウンエステート」は、クラウンシリーズの中でベストセラーモデルとなる可能性も高いだろう。
三菱は、新型ピックアップトラックの「トライトン」を2024年2月15日に発売する。堅調な売れ行きで推移しているトヨタ「ハイラックス」に対抗するためだ。
三菱「トライトン」
日本へ導入されるモデルは2列シートを備えたダブルキャブタイプになる。搭載エンジンは新開発の4N16型クリーンディーゼルエンジンで、回転数と負荷に応じて2つのタービンを協調させることによって、全回転域で高出力を発揮する2ステージターボシステムが採用されている。トランスミッションは、6速スポーツモードA/Tが搭載されている。
グレードと価格もすでに公表されており、GLSグレードが4,980,800円、GSRグレードが5,401,000円になる(いずれも税込み)。
ホンダは、250万円以下という求めやすい価格のSUV「WR-V」を2024年3月22日に発売する。グレード毎の価格は、Xグレードが2,098,800円、Zグレードが2,349,600円、Z+グレードが2,489,300円になる(いずれも税込み)。
ホンダの新型SUV「WR-V」
「WR-V」の外観は迫力のある堂々としたスタイリングで、ヘッドライト、テールランプともにLEDが採用されている。室内も広く、荷室はクラストップレベルとなる458Lを実現している。
パワートレーンは、エンジンが1.5L DOHC i-VTECエンジンを搭載し、トランスミッションは「WR-V」向けに最適化されたCVTが採用されている。安全運転支援システムは、「Honda SENSING」が全グレードに標準装備されている。
ホンダは「N-BOX」をベースに、「スペーシアギア」や「タントファンクロス」のようなSUVを開発している。現行「N-BOX」の外観はシンプルで大人しい印象だが、SUV風の同モデルはフロントマスクが「WR-V」に似ており、存在感が高められている。
2023年10月6日に発売された、3代目の新型「N-BOX」
また、シートには撥水処理、荷室には汚れを落としやすい処理が施されるなお、アウトドアでの使い勝手を向上させる。発売は2024年10〜11月ごろになるだろう。
ホンダ「フリード」は、2024年7〜9月ごろを目途に次期型へとフルモデルチェンジされそうだ。
画像は2代目の現行「フリード」
ボディサイズは現行型と同程度だが、メカニズムが大きく刷新される。その筆頭がハイブリッドシステムで、「フィット」など昨今のホンダ車へ多く搭載されている「e:HEV」へと切り替わる。モーター駆動が中心となって動力性能が高まり、WLTCモード燃費も現行型は2WDが20.9km/Lだが、次期型は26km/L前後へと大きく向上するようだ。
プラットフォームが新しくなるので、シートの配列や床の高さも見直される。現行型の3列目シートは、床と座面の間隔が不足しているので座ると膝が持ち上がるのだが、次期型は着座姿勢が改善され、多人数乗車時の快適性も高められる。さらに、プラットフォームの刷新によって走行安定性と乗り心地も向上する。7年ぶりのフルモデルチェンジとあって、さまざまな機能がバランスよく引き上げられるだろう。
2024年5〜9月ごろに登場すると予想されるマツダ「CX-80」は、マツダの3列シートSUVで、実質的に「CX-8」の後継車種になる。ただし、クルマの基本設計は大きく変わり、プラットフォームは「CX-60」と共通化される。
画像は参考として、2列シート車の「CX-60」
したがって、駆動方式は「CX-60」と同じく後輪駆動の2WDとそれをベースにした4WDになり、エンジンは3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジンなどもラインアップされる。
また、後輪駆動のプラットフォームを使用するため、「CX-60」の外観と同様にフロントピラーやウィンドウに対して前輪が前寄りに位置する。そのためボンネットが伸びるので、「CX-8」に比べて全長も長くなる。全長は5,100mm前後で、ホイールベースも3,100mmに達するだろう。全幅も1,850mm前後なので、SUVの中でも特にボディの大きなクルマになる。
現行モデルの日産「リーフ」は2代目で、2017年に発売された。そして、2024年には3代目にフルモデルチェンジされる可能性が高い。
画像は現行モデルの2代目「リーフ」
新型はプラットフォームを刷新するなど、クルマの基本的な機能を進化させる。リチウムイオン電池も、グレードに応じて「アリア」と同じ66kWhのものが搭載されるようだ。
現行「リーフ」は、先代(初代)モデルと共通化されていた部分も多かったが、次期型はかなりの進化を遂げて登場するだろう。
現行型の「ワゴンR」は2017年に登場しており、2024年中にフルモデルチェンジを受ける。
画像は現行モデルの「ワゴンR」
現在は、スライドドアを装着した「ワゴンRスマイル」、全高が同程度で内外装をSUV風に仕上げた「ハスラー」があるため、「ワゴンR」はエアロパーツを装着したスポーティーモデルに力を入れてくるだろう。
現行「スペーシア」の乗用モデルは、標準グレードとエアロパーツを装着するカスタムのみ。だが、2024年後半になると、先代型と同様にSUV風の「スペーシアギア」が加わる。汚れを落としやすい内装など、屋外での実用性を高められるはずだ。
画像は現行モデルの「スペーシアギア」
次期「フォレスター」は、2023年11月に北米で内外装がひと足先に発表されている。
新型「フォレスター」のエクステリア(画像は北米モデル)
新型「フォレスター」のインテリア(画像は北米モデル)
ボディサイズやホイールベースは現行型に近いが、プラットフォームなどには「レヴォーグ」や「レガシィアウトバック」と同様の改善が加えられる。フルインナーフレーム構造が採用され、構造用接着剤などの使用範囲も拡大させるため、ボディ、サスペンション、ステアリングシステムなどの取り付け剛性が向上する。
パワーユニットは、2L水平対向4気筒の「e-BOXER」(マイルドハイブリッド)、あるいは2Lエンジンに新開発のハイブリッドシステムが組み合わせられる。乗り心地にも配慮した上質なSUVに発展するが、発売は2024年ではなく2025年になりそうだ。