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上級SUVとして新登場!トヨタ「クラウンエステート」の予想価格はおよそ620万円

現在、トヨタの「クラウン」シリーズは「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」の3車種が発売されている。そして、2024年3月までには「エステート」と呼ばれるSUVが発売される予定だ。当記事では、「クラウンエステート」でこれまで公開されている情報などに加えて、予想価格なども交えてお伝えしたい。

「クラウンエステート」は、北米では「クラウンシグニア」という車名で発表されている。画像は「クラウンシグニア」の走行イメージ

「クラウンエステート」は、北米では「クラウンシグニア」という車名で発表されている。画像は「クラウンシグニア」の走行イメージ

Lサイズの上級SUVらしい内外装を備える

まず、「クラウンエステート」(以下、「エステート」)のボディサイズは、全長が4,930mm、全幅が1,880mm、全高が1,620mm、ホイールベースは2,850mmになる。同車は、SUVの中でも大柄な部類に入るだろう。プラットフォームが共通の「クラウンクロスオーバー」(以下、「クロスオーバー」)と比べると、全長とホイールベースは等しいが、全幅は「エステート」のほうが「クロスオーバー」よりも40mm幅広く、全高は80mm高い。

「エステート」のフロント、リアイメージ。全長は「ランドクルーザー300」並で、全幅は「ランドクルーザープラド」並の大きさになる

「エステート」のフロント、リアイメージ。全長は「ランドクルーザー300」並で、全幅は「ランドクルーザープラド」並の大きさになる

「エステート」は「クロスオーバー」と異なり、荷室の後端にリヤゲートを装着する一般的なSUVボディなので荷室も広い(画像は「クラウンシグニア」)

「エステート」は「クロスオーバー」と異なり、荷室の後端にリヤゲートを装着する一般的なSUVボディなので荷室も広い(画像は「クラウンシグニア」)

「エステート」は、居住空間も広い。特に、後席の頭上と足元空間に余裕がある。国産SUVとしては、最大級の室内空間が確保されていると言えるだろう。

「エステート」はLサイズのボディを有する上級SUVなので、内装の装飾なども上質だ。ちなみに、インパネ周辺の基本的なデザインは「クロスオーバー」などと共通になる(画像は「クラウンシグニア」)

「エステート」はLサイズのボディを有する上級SUVなので、内装の装飾なども上質だ。ちなみに、インパネ周辺の基本的なデザインは「クロスオーバー」などと共通になる(画像は「クラウンシグニア」)

シートは、2列タイプのみが採用されている。ボディサイズを考えれば、荷室に3列目の補助シートを備える7人乗り仕様があっても不思議ではないのだが、現時点ではラインアップされないようだ。

パワーユニットは「クラウンスポーツ」と同様のラインアップに

「エステート」のパワーユニットは、記事掲載時点ではハイブリッドとプラグインハイブリッドの2種類が公表されている。詳細は不明だが、「クラウンスポーツ」(以下、「スポーツ」)と同様に、2.5L直列4気筒エンジンをベースにしたハイブリッドと、プラグインハイブリッドの2本立てになる可能性が高いだろう。

「エステート」のパワーユニットは、「スポーツ」と同様のラインアップになりそうだ(画像は「クラウンシグニア」の走行イメージ)

「エステート」のパワーユニットは、「スポーツ」と同様のラインアップになりそうだ(画像は「クラウンシグニア」の走行イメージ)

クルマの性格を考えると、「クロスオーバー」が搭載する2.4L直列4気筒ターボハイブリッドも採用される可能性があるが、そうなると「エステート」は全部で3種類のパワーユニットを用意することになる。ほかの「クラウン」シリーズはすべて2種類であることや、プラグインハイブリッドも動力性能はじゅうぶんに高いため、2.4Lターボハイブリッドはラインアップされないのではと推測される。

駆動方式はすべて4WDで、後輪操舵の「4WS」(トヨタでは「DRS」と呼ぶ)も採用される。タイヤサイズは21インチと、これも「クロスオーバー」や「スポーツ」と共通だ。最小回転半径は、「クロスオーバー」と同じ5.4mになるだろう。「4WS」の採用によって、小回り性能は良好だ。

WLTCモード燃費は、「クロスオーバー」にほぼ近い数値になると予想される。2.5Lハイブリッドは22.4km/Lだが、「エステート」は少しだけ悪化する可能性もありそうだ。

発売時点では最上級グレードのみを設定

記事掲載時点では、半導体などの供給状態が好転しつつあり、クルマの納期も短縮傾向にあるが、平常時には戻っていない。メーカーの商品企画担当者は、「以前の納期遅延によって、今でも納車を待つお客様が多い。その生産に力を入れているため、新規受注による納期は今でも長い」と言う。

その影響で、「スポーツ」も受注を停止している。納車できるのは、定額制カーリースの「KINTO」を利用する場合だけだ。ただし、「KINTO」では使用期間が終了したら車両を返却せねばならず、買い取りはできないので購入とは言えない。

2023年10月6日に発売開始された「スポーツ」も、現在受注を停止している

2023年10月6日に発売開始された「スポーツ」も、現在受注を停止している

そうなると、「エステート」も納期を抑えるために、「スポーツ」と同じくグレードが少なく抑えられる可能性が高い。おそらく、ハイブリッドやプラグインハイブリッドのどちらも、発売時点では最上級グレードのみが用意されるだろう。そして、いずれ納期が平常時に戻った際に、中級グレードやベーシックグレードが改めて追加されるはずだ。

最上級グレードのみであれば、「エステート」の装備は充実した内容になる。「スポーツ」と同じく、渋滞時にステアリングホイールから手を離しても制御が続く運転支援機能や、スマートフォンを使って車外から車庫入れを操作できる機能、本革シートや「トヨタプレミアムサウンドシステム」などが標準装備されるだろう。

予想価格はハイブリッドが620万円前後、PHEVが760万円前後

価格についてはまだ公表されていないが、前述の上級グレードのみになるならば、価格は高くなるだろう。たとえば、「スポーツ」の場合はハイブリッドZで590万円、プラグインハイブリッドRSで765万円なので、「エステート」はそれと同等か、それ以上になるはずだ。おそらく、ハイブリッドは620万円前後、プラグインハイブリッドは「スポーツ」に近い760万円前後に達すると思われる。

ひとつ注意したいのが、先に発売された「スポーツ」では、プラグインハイブリッドの価格がハイブリッドに比べてかなり割高になったことだ。たとえば「ハリアー」では、プラグインハイブリッドの価格は2.5Lハイブリッドに比べて約100万円高いのだが、「スポーツ」では175万円も上まわっている。

「スポーツ」のプラグインハイブリッドには、パドルシフトや後席左右のシートヒーター、湿度調整機能付のフルオートエアコンなどが標準で装備されている(ハイブリッドとの比較で)

「スポーツ」のプラグインハイブリッドには、パドルシフトや後席左右のシートヒーター、湿度調整機能付のフルオートエアコンなどが標準で装備されている(ハイブリッドとの比較で)

「スポーツ」のプラグインハイブリッドは、価格が高い代わりにボディ剛性が高められ、ブレーキも含めて装備が充実している。それでも、装備などの換算額は合計35万円程度で、ハイブリッドの正味価格が約140万円に達する。そこで、「エステート」のプラグインハイブリッドとの価格差も約140万円と予想している。

いずれにしても、「クラウン」シリーズのプラグインハイブリッドは少々割高だ。そのため、推奨度できるグレードは、620万円前後と予想されるノーマルタイプのハイブリッドになる。

ハイブリッドの価格設定は、共通のプラットフォームを使うレクサス「NX」に近い。「NX」に2.5L直列4気筒ハイブリッドを搭載して装備を充実させた「350h・バージョンL」の価格は、4WDでは644万6,000円だ。プラグインハイブリッドの「450h+バージョンL」は、4WDが729万5,000円で用意されており、価格差は約85万円に収まる。それを考えても、「クラウン」シリーズのプラグインハイブリッドは、やはり価格が割高になる。

なお、プラグインハイブリッドは経済産業省から補助金が交付される。「クラウン」の場合は55万円だ。仮に、プラグインハイブリッドの価格がハイブリッドに比べて140万円高ければ、補助金を差し引いた実質価格差は95万円に縮まる。

最後に、「エステート」も「スポーツ」と同様に、発売して早々に受注を終了する可能性がある。購入を希望するなら、予め販売店に問い合わせて、受注を開始したら即座に注文を入れるようにしておきたい。

渡辺陽一郎
Writer
渡辺陽一郎
「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト
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桜庭智之(編集部)
Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
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