選び方・特集

家族みんなが快適に乗れる「軽自動車」4選!買い得グレードから推奨オプションまで厳選

日本は、軽自動車の人気が高い。その理由は、自動車税が安いというだけでなく、居住性や積載性、内外装の質感のよさ、走行性能や乗り心地、安全装備など、さまざまな面においてバランスが取れていて使い勝手がよいことも挙げられる。

そんな軽自動車の魅力を象徴しているのが、スライドドアを採用して全高が1,700mmを超える軽スーパーハイトワゴンだ。今では、軽自動車(軽乗用車)の半数以上を軽スーパーハイトワゴンが占めている。

便利なスライドドアが備わっている人気の軽自動車とともに、お買い得なグレードや推奨オプションなども併せてご紹介したい

便利なスライドドアが備わっている人気の軽自動車とともに、お買い得なグレードや推奨オプションなども併せてご紹介したい

軽スーパーハイトワゴンは、天井が高くて車内が広く、(軽自動車の定員である)4名全員が快適に過ごせる。また、後席を格納すれば広い荷室になるので、大きな荷物も積み込める。スライドドアは狭い場所でも乗り降りしやすく、電動開閉機能が備わっていれば子供や荷物を抱えたときの乗り降りも楽だ。軽スーパーハイトワゴンは居住性や積載性がよいので、家族みんなで乗るのに適した軽自動車と言えるだろう。

そこで今回は、軽スーパーハイトワゴンの中でもファミリー向けとして推奨できる、お買い得な車種をご紹介しよう。さらに、機能がよく装備が豊富な割に、価格が抑えられているお買い得なグレードも併せて選定したので、購入を検討されている方は参考にしてほしい。

ホンダ「N-BOX」

お買い得なグレード:標準仕様(168万9,600円/2WD)

ホンダ「N-BOX」は、車内の広さと安定した走行性能が特徴的な軽スーパーハイトワゴンだ

ホンダ「N-BOX」は、車内の広さと安定した走行性能が特徴的な軽スーパーハイトワゴンだ

ホンダ「N-BOX」は、日本の軽自動車におけるベストセラーカーだ。先代型が発売された2017年以降は、ほぼ毎年、日本国内の最多販売車種となっている。

「N-BOX」が人気の理由は、軽乗用車において車内が最も広いことだ。ホイールベースは軽自動車の中でも最長の2,520mmで、エンジンは補機類を含めて縦長に設計されている。これらの相乗効果によって、「N-BOX」は有効室内長が最も長い。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ4つ分にも達する。

ホンダ「N-BOX」は、広々とした車室内が大きな特徴のひとつだ

ホンダ「N-BOX」は、広々とした車室内が大きな特徴のひとつだ

「N-BOX」は、後席をたたむと床下へ格納できて大容量の荷室になる。さらに、路面からリヤゲートの開口下端部までの高さは470mmと低い。重い荷物を積み込むときなども大きく持ち上げる必要がない。

ホンダ「N-BOX」のリアシートは、倒すとシートが足元に格納される(ダイブダウン)ので、段差の少ない広々とした荷室として利用できる

ホンダ「N-BOX」のリアシートは、倒すとシートが足元に格納される(ダイブダウン)ので、段差の少ない広々とした荷室として利用できる

さらに、「N-BOX」はクルマの基本性能も高く、ライバル車と比べてNAエンジンの動力性能やステアリング操作に対する車両の反応、走行安定性、座り心地などもすぐれている。

おすすめの買い方:

お買い得なグレードの標準仕様(168万9,600円/2WD)に、右側スライドドアの電動機能やシートバックテーブルなどのセットオプション(7万8,100円)を加える買い方がよいだろう。

スズキ「スペーシア」

お買い得なグレード:HYBRID X(170万5,000円/2WD)

価格を抑えながらも充実した装備が魅力的なスズキ「スペーシア」

価格を抑えながらも充実した装備が魅力的なスズキ「スペーシア」

軽自動車の2024年販売ランキングにおいて、「N-BOX」に続く2位にランクインしたのがスズキ「スペーシア」だ。全高が1,700mmを超えているので車内が広く、後席も快適だ。さらに、後席は肩のレバーを引くだけでカンタンに倒せて、広くフラットな荷室になるのも便利だ。

「スペーシア」は、軽スーパーハイトワゴンの魅力を備えた上で、さまざまな装備が充実している。そのなかでも注目したいのは、後席の座面に内蔵されている「マルチユースフラップ」だ。ミニバンのオットマンのように乗員のふくらはぎを支えてくれるもので、リラックスして座れたり、反転させて上側に持ち上げれば座面の上に置いた荷物が床に落ちにくくなったりする。

スズキ「スペーシア」の「HYBRID G」「HYBRID GS」を除く全グレードに採用されている「マルチユースフラップ」。角度が調整できるので、脚のサポートや荷物の落下防止などに使える

スズキ「スペーシア」の「HYBRID G」「HYBRID GS」を除く全グレードに採用されている「マルチユースフラップ」。角度が調整できるので、脚のサポートや荷物の落下防止などに使える

さらに、収納設備も豊富だ。助手席の前には、モノが置ける大型トレイや箱ティッシュなどを入れられる引き出し式の収納ボックスが装備されている。また、助手席の座面下にも大型ボックスが備えらえており、ハンドルが装着されていて車外へ持ち出せることもできて便利だ。そのほか、エアコンの冷気を後席に送る「スリムサーキュレーター」や、窓からの日差しを防ぐ「ロールサンシェード」なども備わっている。

「スペーシア」は、マイルドハイブリッドの搭載によって燃費がすぐれていることも大きな特徴のひとつだ。装備が充実しているHYBRID X(2WD)でも23.9km/L(WLTCモード)と、ほかの軽スーパーハイトワゴンと比べて燃費がよい。

おすすめの買い方:

お買い得なグレードは、前述のマルチユースフラップなどの実用装備を充実させながら、価格が割安に抑えられている標準ボディのHYBRID X(170万5,000円/2WD)だ。このグレードに、車間距離を自動制御できる「アダプティブクルーズコントロール」などを含んだメーカーオプションの「セーフティプラスパッケージ」(6万6,000円)を加える買い方がよいだろう。もし、予算に余裕があるのなら、死角を映像で映し出す機能などが搭載されている便利な「全方位モニター付きメモリーナビ」(19万5,800円)の装着も検討したい。

ダイハツ「タント」

お買い得なグレード:Xターボ(169万9,500円/2WD)

ダイハツ「タント」は、大開口のスライドドア「ミラクルオープンドア」や充実した先進・安全装備が特徴的な軽自動車だ

ダイハツ「タント」は、大開口のスライドドア「ミラクルオープンドア」や充実した先進・安全装備が特徴的な軽自動車だ

ダイハツ「タント」は、軽スーパーハイトワゴンの先駆者的な存在だ。「タント」最大の特徴は、左側に装備されているBピラーをスライドドアに内蔵させていること。そのため、左側のスライドドアとフロントドアを開くと1,490mmの大開口になる。

「タント」の車両左側スライドドアは、中央の柱(Bピラー)をスライドドアに内蔵させているので、フロントドアとスライドドアの両方を開けば開口部がかなり拡大して、乗り降りや荷物の出し入れがしやすい

「タント」の車両左側スライドドアは、中央の柱(Bピラー)をスライドドアに内蔵させているので、フロントドアとスライドドアの両方を開けば開口部がかなり拡大して、乗り降りや荷物の出し入れがしやすい

子育て世代なら、たとえば雨天時などにはベビーカーを抱えた状態で乗り込めて、子供をチャイルドシートに座らせる作業を車内で行える。さらに、運転席のロングスライドシートをオプション装着すれば、子供をチャイルドシートに座らせた後、運転席まで降車せずに移動できる。左側の開口幅が広いので、体を捩らずに乗り降りできるため、高齢者も乗り降りしやすい。

「タント」は、「N-BOX」や「スペーシア」と異なり、価格が割安な標準ボディにターボエンジン搭載車をラインアップしていることも特徴のひとつだ。Xターボの価格は170万円を下まわり、軽スーパーハイトワゴンのターボ車としては割安に設定されている。

さらに、ターボの高い効率性にも注目したい。「タント」ターボ車の最大トルクは10.2kg-mなので、ターボを装着しないNAエンジン車の1.7倍だ。運転感覚は1Lエンジン車に近く、低回転域から駆動力を発揮するので運転しやすい。

ダイハツ「タント」は、カスタムモデルではない標準車にもターボエンジン搭載車がラインアップされていることにも注目したい

ダイハツ「タント」は、カスタムモデルではない標準車にもターボエンジン搭載車がラインアップされていることにも注目したい

いっぽう、Xターボの燃費は21.2km/L(WLTCモード)なので、NAエンジンと比べても燃費の数値は7%しか悪化しない。実用回転域の駆動力が1.7倍に増えるのに、燃料代はほぼ同じで済むのだ。

「タント」は軽自動車なのでエンジン排気量は660ccと小さいが、スーパーハイトワゴンなので車重は大半のグレードで900kgを超える。エンジンの負荷が大きいため、ターボの装着は動力性能と燃費の両方ですぐれた効果を発揮する。

ターボXの価格は、NAエンジンのXよりも11万5,500円高いが、本革巻きステアリングホイールなども装着されるので、ターボの正味価格は約10万円に収まる。

「タント」は、ライバル車と比べてピラーを内蔵したスライドドアの採用によって左側の開口幅が広くて使いやすく、価格が軽スーパーハイトワゴンとしては割安なこと。特に、標準ボディに高効率なターボを搭載するXターボに注目したい。

おすすめの買い方:

お買い得なグレードは、Xターボ(169万9,500円/2WD)だ。これに、オプションの「運転席ロングスライドシート&前席アームレスト」(2万2,000円)と、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどをセットにした「スマートクルーズパック」(5万5,000円)を加える買い方がお得だ。もし、予算に余裕があるなら「9インチ スマホ連携ディスプレイオーディオ+スマートパノラマパーキングパック」(13万2,000円)の装着も検討するとよいだろう。

日産「ルークス」

お買い得なグレード:Xターボ(188万5,400円/2WD)

内装が豪華で安全装備が充実している日産の軽ハイトワゴン「ルークス」

内装が豪華で安全装備が充実している日産の軽ハイトワゴン「ルークス」

日産は、三菱と共同開発した軽自動車を販売している。その中でも、軽スーパーハイトワゴンの「ルークス」は販売ランキングの上位に入るほどの注目車だ。

「ルークス」の安全装備は充実しており、特に衝突被害軽減ブレーキが先進的だ。ドライバーから見えない2台先を走る車両まで検知できて、異常が生じた時には早期に注意を促してくれる。さらに、車両を上空から見たような映像によって、死角をディスプレイ付きルームミラーなどに表示してくれる「インテリジェントアラウンドビューモニター」も幅広いグレードに標準装備されている。さらに、「アラウンドビューモニター」には移動物の検知機能も備わっているなど、安全性が高められている。

日産「ルークス」には、Sを除く全グレードに「インテリジェントアラウンドビューモニター」が標準装備されている

日産「ルークス」には、Sを除く全グレードに「インテリジェントアラウンドビューモニター」が標準装備されている

「ルークス」は、「タント」と同様に価格が割安な標準ボディにターボ車が設定されている。最大トルクは10.2kg-mで、NAエンジンの1.7倍なので実用回転域の駆動力が高く、運転がしやすい。燃費は19.2km/L(WLTCモード)で、NAエンジンと比べた時の燃費悪化率は8%に収まる。ターボは、NAエンジンに比べて運転しやすく、なおかつ燃料代もそれほど高まらない。

Xターボの価格は、Xよりも11万6,600円高いが、Xではオプションになる右側スライドドアの電動開閉機能(6万6,000円)も併せて標準装着されている。つまり、ターボの正味価格は5万600円に収まるので「ルークス」のターボは格安と言えるだろう。

「ルークス」は、ライバル車と比較して軽スーパーハイトワゴンならではの広い室内やスライドドアによるすぐれた乗降性を備えており、さらに安全装備も充実している。加えて、ターボを実質5万円少々で装着できることが大きなメリットだ。

おすすめの買い方:

お買い得なグレードは、Xターボ(188万5,400円/2WD)だ。オプションは、緊急時に通報できるSOSコール(3万3,000円)やステアリングヒーターなどがセットになった「ホットプラスパッケージ&本革巻きステアリング」(4万1,800円)を装着する買い方がお得だろう。

渡辺陽一郎
Writer
渡辺陽一郎
「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト
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桜庭智之(編集部)
Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
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