見た目も乗り心地も新しい“前輪2+後輪1”のバイクに興味津々♪

前輪が2つ!? 話題の“3輪バイク”ヤマハ「TRICITY」に乗ってきた!

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前輪が2つ、後輪が1つというユニークな3輪レイアウトを採用した新感覚の乗り物、ヤマハ「TRICITY 125(以下、TRICITY)」。4輪とも2輪とも違う“第三の移動体”がコンセプトの3輪バイクで、メーカーによると「TRICITY」は安定した走行と爽快感を両立するという。

バイク乗りの筆者は、3輪バイクという目新しさに興味津々!  “どんな乗り心地なのか?”“2輪とはどこが違うのか?”など、知りたいことはたくさん。そこで、さまざまな疑問を確かめるべく、「TRICITY」で街中を走ってみた。仕様から操作性、そして走行性まで、たっぷりと「TRICITY」を堪能した所感をお伝えする。

ユニークな3輪構造を見てみよう

「TRICITY」は125ccエンジンを搭載した、第二種原動機付自転車(原付二種)。足を揃えて乗るスタイルの、スクーターだ。そんな「TRICITY」の大きな特徴は、前2輪それぞれに独立したサスペンション機構が搭載されていること。左右のタイヤが路面の状況に合わせて個々で動くため、安定感のある走行ができるという。さらに、この構造により、一般的なバイクと同じように車体をスムーズに傾けながらコーナリングできる。

サイズは、735(幅)×1,215(高さ)×1,905(長さ)mm

車体を横から見ると125ccクラスのスクーターとしてはやや大柄に見えるが、身長159cmの女性がまたがってみたところ、足付き性はそれほど悪くなかった

前方から見ると、車輪が2つあるため一般的なバイクより幅はある

後方からは3輪だとはわからない

「TRICITY」の特徴である2つの前輪には、1つの車輪に対し、サスペンションが2本ずつ装備

片輪ごとに独立して動くため、路面の変化にもそれぞれの車輪で対応でき、荒れた道でも安定して走れる

前車輪とサスペンションが2つずつあるので、車重は125ccクラスのスクーターとしては重めの152kg。さらに、タイヤが3つあることで路面の抵抗が大きくなり、押して歩くには少々力が必要だろう

ハンドルを切ると両輪は同じ方向を向く。ハンドルを切り、車体を左右に傾けてみると、2輪バイクと同じような「セルフステア」の感覚が味わえた
※「セフルステア」とは、車体を傾けると自然にハンドルが内側に切れる現象

実際にハンドルを切り、車体を傾けた場合、前の2輪がどのように動くかを動画で確認してみよう。最初に「ハンドルを切った状態」、続けて「車体を傾ける動きを加えた状態」を行っている。

前輪のサスペンションがスムーズに動き、車体の傾きに合わせて2つの前輪がしっかりと接地していることがわかる。

ブレーキは効きのよいディスクブレーキが3輪それぞれに装備。2輪で止まるよりも強い制動力を発揮する

ブレーキは効きのよいディスクブレーキが3輪それぞれに装備。2輪で止まるよりも強い制動力を発揮する

エンジンは125ccの4ストロークで最高出力は8.1kW(11PS)。大きめの消音器(マフラー)が装着されているので音は静かだが、実際に乗ると、バイクで走る心地よさを感じさせてくれる排気音が耳に入る

足を置くスペースはフラットで低く抑えられているので乗りやすく、足を開かないで済むためスカートでも安心して乗れる

袋などを引っ掛けることができるフックも装備されており、ちょっとした買い物などの際に使いやすい

シートの下は、ヘルメットなどを収納できるスペースになっている

カギ穴には盗難防止用のキーシャッターが装備。キーに付いている六角工具を差せば、キーシャッターが開く

カギ穴には盗難防止用のキーシャッターが装備。キーに付いている六角工具を差せば、キーシャッターが開く

2種類のスタンドが装備されている。1つは、車体を傾けて止めるサイドスタンド

もう1つは、車体を直立させられるセンタースタンドだ

センタースタンドを立てるのは体重を乗せて踏み込む必要があるが、直立させれば前輪2つと2本の脚で支えられるため、2輪バイクよりも安定する

「TRICITY」で街中を走ってみる

原付二種クラスのスクーターは制限速度が自動車と同様となっており、原付一種(50cc以下)のように30km/hの制限速度や交差点での二段階右折などに縛られることがない。高速道路を走ることはできないので長距離ツーリングなどには向かないが、2人乗りもできるので街中での利便性が高いのがポイントだ。実際に街中を走り、2輪バイクとの違いを体感してみた。

コーナリング

エンジンをかけ、走り出すフィーリングは一般的なバイクと同じ。走り出してみると車重はまったく感じず、キビキビと走ることができ、2輪バイクとの違和感が予想以上にないことに驚いた。だが、カーブで車体を傾ける際の安定感と安心感は特筆モノ。それほど速度は出ていないが、ふらつくこともなく、フルバンクの状態まで安心して車体を傾けることができた

それほど傾けているわけではないが、前2輪がしっかりと路面を捉えてくれているので不安感はまったくない

凸凹した路面

アスファルトでない凸凹のある路面を走ってみたが、2つの前輪に装備されたサスペンションがそれぞれショックを吸収してくれるため、ハンドルを取られることなく安心して走れた

段差乗り越え

一般的なバイクの場合、斜めにタイヤを当ててしまうと滑ったりハンドルを取られてしまうことがある。「TRICITY」は、2つの前輪がそれぞれに独立して動く構造なので、すんなりと段差を越えることができた。

まとめ

前輪が2つあることの恩恵をもっとも感じたのは、カーブを曲がる時。一般的なバイクと同じように自然に車体を傾けることができるが、タイヤが2つあることでグリップ力が増している安心感がある。2つの前輪がしっかりと路面を捉えている感覚が伝わってくるので、不安なく走りを楽しむことができた。バイクに乗っていてこわいのは、段差やカーブなどで前輪が滑ってしまうこと。「TRICITY」は、そういったシーンでの安定度が2輪バイクよりも高い。乗り物すべてに求められることではあるが、 “安心して気軽に乗れる”ことは「TRICITY」の最大の魅力と言っても過言ではないだろう。

また、車体が大柄なため125ccエンジンではパワー不足を感じる場面もあるかと懸念していたが、街中を走っているレベルでは、その心配は不要。スピードを楽しみたい人だと不足を感じることもあるかもしれないが、安定した乗り味で、あまりガツガツとスピードを出そうという気にならない。街中を流すような速度域がもっとも楽しいバイクなので、通勤や通学、買い物などに非常に適している。バイク初心者はもちろん、すでに2輪バイクは持っているけれど、街乗り用にもう1台欲しいというライダーもうってつけの一台だ。

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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2018.1.16 更新
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