EV走行距離が68.2kmまで向上。11.6インチタッチパネルナビを搭載

次世代エコカーに対するトヨタの回答。ついに発売された2代目「プリウス PHV」

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トヨタ自動車は、2代目となるプラグインハイブリッドカー(PHV)「プリウス PHV」を、2017年2月15日に発売開始した。電気自動車(EV)の躍進など次世代エコカーの動向が混沌としてきた中で、トヨタが“次世代のエコカー”として投入したニューモデルの概要をレポートしよう。

トヨタの提示した次世代のエコカー「プリウス PHV」。高級版「プリウス」と表現したくなるようなさまざまな新機軸を備えている

EV走行距離や最高速度が大幅に向上

「プリウス PHV」は、ハイブリッドカー「プリウス」をベースに、新開発のプラグインハイブリッドシステムを搭載するPHV。ボディの骨格部分は現行の4代目プリウスと同じ「TNGA」が使われており基本的なシルエットは似ているが、エクステリアの細部を見ると、LEDの4灯ヘッドライトや、サングラスのようにもみえる巨大なリアコンビネーションランプ、左右にふくらみを持たせた形状のリアウインドウ「ダブルバブルウインドゥ」、前後のオーバーハングを長めに取ったプロポーションなど、ただの派生モデルとは言えない違いが多く見られる。また、ハッチゲートの構造部分に軽量のCFRPを使うほか、リアシートも左右独立となり定員が4名になるなど、室内パッケージング部分でも異なる部分がある。このように、プリウスをベースにしたプレミアムモデルと表現したくなるような、高級感が備わっているのだ。

安全性能では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車に標準装備。衝突回避・軽減システム「プリクラッシュセーフティシステム(歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ)」、車線逸脱警告機能「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付き)」、前方車の眩惑を防ぐアダプティブヘッドライト「アダプティブハイビームシステム(AHS)」、車間を保ち追従走行する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」を搭載している。

基本的なシルエットは現行プリウス共通だが、前後のオーバーハングが長めに取られている

基本的なシルエットは現行プリウス共通だが、前後のオーバーハングが長めに取られている

プリウスPHVのエクステリアにおける最大のアイコンは4灯のLEDヘッドライト。光源をコントロールして対向車を眩惑させないアダプティブヘッドライトを、トヨタ車として初めて搭載している

巨大なサングラスのようなリアのコンビネーションランプも、プリウスとはまったく異なる印象を与えている

巨大なサングラスのようなリアのコンビネーションランプも、プリウスとはまったく異なる印象を与えている

リアウインドウ「ダブルバブルウインドゥ」は、左右がふくらみ、中央に凹みを持たせたユニークな形状

リアウインドウ「ダブルバブルウインドゥ」は、左右がふくらみ、中央に凹みを持たせたユニークな形状

リアシートは左右独立の2人乗り。定員5人のプリウスとは異なり定員は4名だ。表面に凹凸がつけられたシートは、サポート性がよく長距離のドライブでも疲れにくい

ラゲッジスペースの下部にリチウムイオンバッテリーを収納する影響で、底面が上がっている

ラゲッジスペースの下部にリチウムイオンバッテリーを収納する影響で、底面が上がっている

充電用のケーブルもラゲッジスペースの下部に格納されている

充電用のケーブルもラゲッジスペースの下部に格納されている

リチウムイオンバッテリー搭載による重量増を少しでも緩和するため、ハッチゲートの構造部分には、軽量かつ強度にもすぐれるCFRPが使われる。レクサス「LF-A」やレーシングカーなどでは採用実績があるが、量産車としてはトヨタ初の試みだ

プリウスPHVは、パワートレインが大幅に強化され、EV走行領域が大幅に広がっているのが大きな特徴だ。注目したいのは、標準の駆動用モーターに加えて、発電用のジェネレーターを駆動にも使う「デュアルモータードライブ」を採用した点。これにより、EV走行時における強い加速力と速度アップを実現している。長い上り坂でもエンジンを使わずに走行できるようになったほか、EV走行時の最高速度も従来の100km/hから135km/hまで高められ、市街地から高速道路までのほとんどをバッテリーのみで走行できるようになった。

また、バッテリーには、新開発のリチウムイオンバッテリーを採用。8.8kWhという、従来比2倍の大容量を備え、EV走行の航続距離が、初代プリウスPHVの26.4kmと比較して、68.2kmまで延長された。なお、ガソリンエンジンを併用したハイブリッド走行時の燃費は、37.2km/lとなっており、こちらもかなりの高レベルだ。

なお、バッテリーの温度低下を防ぐ「駆動用バッテリー専用ヒーター」や、エンジンを使わずに室内を暖める「ガスインジェクション機能付ヒートポンプオートエアコン」を組み合わせることで、リチウムイオンバッテリーが苦手にする寒さにも対策が施され、寒冷地でもスムーズな走行が可能になっている。

ラゲッジスペース下部に配置されるリチウムイオンバッテリー。容量は8.8kWhまで大容量化されている

ラゲッジスペース下部に配置されるリチウムイオンバッテリー。容量は8.8kWhまで大容量化されている

1.8リッターの2ZR-FXEエンジンは、プリウスと共通。単体でも高い効率を誇る

1.8リッターの2ZR-FXEエンジンは、プリウスと共通。単体でも高い効率を誇る

PHVでは充電方法が課題になるが、「プリウス PHV」は、多様な充電環境に対応することでそれに答えている。家庭用電源を使う場合、200V/16A(満充電にかかる時間:約2時間20分)、または100V/6A(満充電にかかる時間:約14時間)の2種類の電源に対応するほか、コンビニや道の駅、高速道路のサービスエリアなどに設置された急速充電設備を使うことで、約8割までの充電を約20分という短時間で行うこともできる(Sを除く全車に標準装備、Sにもオプションで設定)。さらに、天井に180Wのソーラーパネルがオプションとして設置可能で、これを使えば最大充電量6.1km/日(平均は2.9km/日)分の充電も行える。

天井に備わるソーラーパネルは180Wという出力。太陽光で充電して走る車というのはきわめてユニークだ(一部グレードにオプション設定)

ソーラーパネルで充電した電力は、専用のニッケル水素バッテリーに一時的に蓄えられ、走行用のリチウムイオンバッテリーや12Vの鉛バッテリーの補助として使われる

また、プリウス PHVは、蓄えた電力を外部電源として利用できる。AC100Vのコンセントが、ラゲッジスペースとリアシートの2か所に配置され、合計で1500Wの出力を最大2日間利用可能だ(エンジンを動作させるHV給電モードを使用した場合)。これだけの大容量であれば、屋外でもドライヤーなどの熱機器を含めたさまざまな用途にも活用できるし、もちろん災害時の緊急用電源としても心強い。また、給電状態は、スマートフォンのアプリから随時確認できるほか、給電を停止させることも可能だ。

ラゲッジスペースに備わる100VのACコンセント。リアシートにももうひとつ配置されており、合計1500Wの出力に対応する

「おくだけ充電」の「Qi(チー)」の充電器もオプションで用意されている

「おくだけ充電」の「Qi(チー)」の充電器もオプションで用意されている

情報を見やすく映し出す、タブレットライクな11.6インチディスプレイを搭載

テレマティクスの点でもプリウスPHVは魅力的な存在だ。ダッシュボードに備わる大画面のカーナビゲーションシステム「T-Connect SD ナビゲーションシステム」は、1080×1920のフルHD表示に対応した11.6インチという、国産車では類のない大画面を備えており、タブレットのようにフリックやピンチイン/ピンチアウト操作でコントロールが可能。トヨタのテレマティクスシステム「T-Connect」対応なので、手持ちのスマホやケータイと接続して連携させることで、新しい地図情報をインターネット経由で自動でダウンロードする「マップオンデマンド」や、リアルタイムの交通情報を反映させたルート検索「Tルート探索」、セキュリティと連動する「DCMパッケージ」、盗難時の追跡や警備員の派遣にも対応する「マイカーSecurity」(DCMパッケージ専用サービス)、アプリによる機能追加などが機能を利用できる。

ダッシュボード中央の大画面ナビが「T-Connect SD ナビゲーションシステム」だ。タブレットのようなタッチ操作で各種のコントロールが可能

タブレットライクな縦長の大画面で地図などを表示できる

タブレットライクな縦長の大画面で地図などを表示できる

画面の上と下を分割して別の機能を表示させることも可能。その場合でも個々の画面は7インチナビ程度の画面サイズになる

タイマー充電や充電スケジュールなどPHVならではの機能も、この画面からコントロールできる

タイマー充電や充電スケジュールなどPHVならではの機能も、この画面からコントロールできる

基本グレードは3つ。価格は326万円(税込)から

最後にグレードと価格を紹介しよう。グレードは、上から「Aプレミアム」、「A」、「S」の3種類だが、「A」には「A “レザーパッケージ”」、「S」には「S “ナビパッケージ”」という派生グレードが用意されている。

気になる価格は、最上位の「A プレミアム」が4,222,800円、「A」が3,807,000円、「A “レザーパッケージ”」が4,066,200円、最廉価モデルとなる「S」が3,261,600円、「S“ナビパッケージ”」が3,666,600円(いずれも税込。メーカー希望小売価格)となる。

ベースとなるプリウスよりも、ざっと100万円以上の価格アップとなっているが、その分の付加価値は十分にあると思わせる高級感のある車になっている。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

製品 価格.com最安価格 備考
プリウスPHV 0 2世代目に進化し、大幅に内容が強化されたプラグインハイブリッドカー
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2017.4.25 更新
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