皆さん、紅茶はお好きですか? 私は大好きです。コーヒーよりも紅茶党だったりします。今回は、そんな私が大好きな紅茶ブランド、トワイニング(TWININGS)の商品を全力で推す企画です!
トワイニングのティーバッグ全9種類を飲み比べ!
トワイニングは、イギリス・ロンドンで18世紀に誕生した、創業300年を超える企業。紅茶の本場イギリスにおいて、“英国王室御用達”の称号を得る超老舗です。だからといって、「お高くて手が出せない……」ってほどの価格でもなく、日本では一般的なスーパーで買えるほど定番的な存在です。
そして、何を隠そうワタクシ、小学生のときにトワイニングのダージリンティーと出会ってから30年ほど同ブランド品を愛飲している、トワイニングガチ勢です。というか、自分が紅茶党になったのは、トワイニングのおかげと言っても過言ではありません。トワイニングのダージリン(リーフティー)を飲んで以来、紅茶の世界に引き込まれたままなんです。
今回はそんなトワイニングの商品ラインアップの中から、手軽に淹れられておいしいティーバッグの紅茶全9種類を用意して、一気に飲み比べ! 味の違いを楽しみながらレポートしたいと思います。
以下、食のプロであるフードアナリストの中山秀明さんをゲストにお迎えし、価格.comマガジン編集部・牧野さん、そして私の3人で飲み比べていきます。中山さんには、味ごとに合わせたい料理もおすすめしてもらいました。
カップ1杯分(140mL)あたり、ティーバッグ1袋を使い、ブレンドごとに公式でおすすめされている蒸らし時間で淹れています
トワイニング「ティーバッグ ダージリン」。公式サイト価格は20袋692円(税込)
超正統派ブレンド「ダージリン」は、ヒマラヤ山麓ダージリン地方で育まれる、世界三大銘茶のひとつ。洗練された豊かな香りと繊細な渋みは「マスカットの香り」とたとえられます。
味も香りも正統派ですね。素直に上品な感じで、渋味も適度です。ミルクティーやレモンティーにしても合うでしょうが、華やかな香りが魅力だと思うので、個人的にはこのままストレートでいきたい。すごく軽いわけではないですが、重さもないので飲み疲れしない味ですね
味が強すぎなくて、ひと口飲んだ後に紅茶の香りがフワッてくるのがいいですね。何の難癖もつけられない“ザ・スタンダードな紅茶”って感じでおいしいです
トワイニングの「ダージリン」って、ほどよい渋みが最高ですよね。皆さんが言っているように、これぞ「紅茶のど真ん中の味」だと思います。私が30年前にトワイニングと出会ったのが「ダージリン」のリーフティーだったので、思い出深い味。ティーバッグになっても、リーフティーに通じる豊かな香りがしっかり出ていておいしいです
味が正統派なので、個性に引っ張られることがなく、どんな料理とも合いそうです。おにぎりとかの和食でも大丈夫だし、カレーなどのスパイス系でも、中華みたいな甘辛い系でもいいです。もちろん洋食は間違いないでしょう。イギリスにある料理で言ったらローストビーフとかコテージパイ、揚げ物ならフィッシュ&チップスとかポテトフライとか、なんでも全般的に合う味ですね
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トワイニング「ティーバッグ アール グレイ」。公式サイト価格は20袋616円(税込)
ベルガモット(柑橘類)独特の爽やかな香りが魅力の「アール グレイ」。かつての英国首相である第2代グレイ伯爵、チャールズ・グレイ伯爵に由来するブレンドです。
ベルガモットらしい柑橘とハーバルが漂ってきて、セクシーな味ですね。飲み始めはまろやかなタッチがありますが、そこからスーッと、渋みとともにキレが出るのがいい。ハーバル+フルーティーな香りで、全体的にエレガントです
よく行くスーパー銭湯の岩盤浴でベルガモットの香りが使われているので、それを思い出します。東南アジア的なセクシーさがありますね。ベルガモットの香りにキュルルってなる
先ほどのダージリンが「紅茶全体のど真ん中」とすると、こちらは「数ある『アール グレイ』の中でど真ん中」という感じ。ベルガモットのクセ強な風味をがっつり味わえるので、氷を入れてアイスティーにしても薄まった感がなくていいですよね。個人的に、紅茶のブレンドで「アール グレイ」がいちばん好きなので、たまらんです
マドレーヌみたいな、柑橘の味と香りが効いた甘い焼き菓子が合いますね。台湾のパイナップルケーキとか、レモンが効いたチーズケーキとか。シナモンっぽいニュアンスもあるので、アップルパイもよさそうです。料理はインド系のスパイシーなメニューや、クリームパスタなどクリーム系もいいし、イワシの南蛮漬けとか甘酸っぱい感じも合いそう。和食でも、甘味がある西京味噌焼きや柚庵焼き(ゆうあんやき)、照り焼きとかはイケるんじゃないでしょうか
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トワイニング「ティーバッグ レディ グレイ」。公式サイト価格は20袋616円(税込)
爽やかな「アール グレイ」をベースに、オレンジピールやレモンピールを加えた、トワイニングのオリジナルブレンド。フルーティーで印象的な味わいです。
癒し系で暖かみのある柑橘と、ハーバルなニュアンスが両立していますね。先ほどの「アール グレイ」と比べ、よりスリムでスマートな感じ。オレンジピールとレモンピールが加わったことで爽やかさも強めで、ベルガモットのセクシーさがカジュアル寄りに。一般的な紅茶にレモンを絞ると、味がキュッと引き締まりますが、あのニュアンスが最初からちょっと入っている感じですね。でも、柑橘に引っ張られずしっかりと茶葉がマッチしているし、大人なフレーバーティーの入門としてちょうどいい味わいです
どこか懐かしさを感じる香りがしました。これがオレンジピールとレモンピールのニュアンスなんですかね。飲んだ瞬間、舌全体がその懐かしい香りに包まれておいしかったです。「アール グレイ」と比べてカジュアルで、シンプルすぎず、でもクセは強すぎず。飽きずに飲めそうです
これまでの人生でいちばん飲んだトワイニング紅茶はこの「レディ グレイ」です。“ポップ感が加わり、華やかで取っつきやすくなった「アール グレイ」”という感じ。普通の「アール グレイ」が「伯爵」だったのに対し、こちらは「レディ」という名称がドンピシャのキャラクターだと思うんですよ。2001年の発売当時に、女優の鶴田真由さんがCMしていたのも覚えているくらいで、好みすぎてずっとリピートしてきました
ペアリングとしてパッと浮かぶのは、「アール グレイ」が濃厚なアメリカンチーズケーキだとしたら、「レディ グレイ」はもう少しキュートなレアチーズケーキが合いそう。料理だったら、冷製カペッリーニとかレモンを効かせたようなさっぱりしたパスタがよさそう。極端な例だと、冷やし中華もいいんじゃないでしょうか。アジア料理なら酸味があるグリーンカレーとかタイのヤムウンセン、あとビリヤニのようなドライなスパイス料理もいけそうです
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トワイニング「ティーバッグ カフェインレス アール グレイ」。公式サイト価格は20袋821円(税込)
トワイニングの代表的ブレンド「アール グレイ」の香りと味わいはそのままに、カフェインレス に仕上げた一杯です。
どことなく、蜂蜜のような甘さを感じます。「アール グレイ」よりまろやかでやさしい味で、“ジェントルなアール グレイ”という感じ。飲み干したあとの余韻も短いかな。でも、渋みはそこまで強くないけどしっかりあって、物足りなくはない。しっかりと「アール グレイ」っぽさがあって、言われなければカフェインレスだと気づかないレベルです
僕の舌では、普通の「アール グレイ」との違いがわかりません……
これを最初に飲んだときは、「本当にカフェインレス!?」って驚きました。ちゃんと渋みがあって、「アール グレイ」らしいクセも感じられて、本当にスゴい。実は私、ここ2年ほどは体調を考えてカフェインの摂取量を減らしていて、この「カフェインレス アール グレイ」を買うようになったんです。「この味なら、もうカフェインレスでいいじゃん!」てなって、実際に満足しています
普通の「アール グレイ」と同じ方向性の料理が合うでしょう。 お菓子でいうと、このカフェインレスと普通の「アール グレイ」は焼き菓子、「レディ グレイ」は生菓子が合うイメージ。あとカフェインレスは、フルーツを使ったドーナツとか、ジャムやフルーツソースで味わうワッフル、パンケーキなんかも合うと思います
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トワイニング「ティーバッグ イングリッシュ ブレックファスト」。公式サイト価格は20袋600円(税込)
1日をスタートさせるためのスイッチとして、イギリスで広く親しまれているブレンド。バランスの取れたまろやかな味わいが特徴です。
なんか“草原”や“森”のイメージが浮かぶ味です。新緑がちょっと枯れて、少し湿って味が出た雰囲気というのかな。渋みが強くてキリッとしていて、確かにパッチリ目が覚める味ですね。いい意味でストロングな味。ミルクティーとかにしてもよさそうだとは思うんですけど、茶葉本来の味がしっかりめなので、ストレートで飲むかレモンティーが合いそうですね
イギリスに留学経験があるんですが、この味は親しみがあってクセがない。当時は紅茶の種類に無頓着で、ホームステイ先のホストマザーが淹れてくれた紅茶を何も考えずに飲んでいたけど、これをよく出してくれていたのかな……。個人的には、これまでのなかで“最も紅茶らしい味”
「アール グレイ」系はクセ強が多いですが、これは真逆のストレート系な味。久しぶりに飲みましたが、素朴ながら渋みが強くて「紅茶飲んだぞ感」があっていい。「マックグリドル」みたいなアメリカンなパンケーキサンドと合いそう。思いっきり「朝食」という名称に引っ張られてるけど(笑)
これは濃厚な料理が合うでしょうね。名称のとおり、「朝食」なら、パンとベーコンやソーセージを一緒に食べるような、味のしっかりついた肉系メニューにぴったり。あと、コーヒーが好きな人が紅茶を飲むなら、これぐらいストロングなのがいいかも。スイーツなら、たっぷりジャムをつけたスコーンとか、カップケーキやバタークリームのお菓子が合う。アメリカだったらチェリーパイ。そういう味付けが濃い料理やお菓子と合わせて、口をさっぱりさせる紅茶としてすごくいいと思います
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トワイニング「ティーバッグ セイロン オレンジ ペコ」。公式サイト価格は20袋616円(税込)
豊かな香りのセイロン茶をブレンドした紅茶。色、味、香りのバランスが取れており、ストレート、レモン、ミルクなど、どんな味わい方とも相性がいいです。
これも“草原”をイメージする香り。セイロンの特徴なのかな。でも、「イングリッシュ ブレックファスト」ほどストロングではなくて、もう少しやわらかめ。落ち着きがある味わいで、まろやかです。フルーティーとかハーバル感は強くはないんですけど、とても紅茶らしさがあり、どっしり受け止めてくれるような味わい。方向性は「イングリッシュ ブレックファスト」と近いけど、「ダージリン」のポピュラー感も兼ね備えている感じ
「イングリッシュ ブレックファスト」と傾向が似ていますね。こっちのほうがホストマザーが出してくれた紅茶に近い気がする……。身近な味でおいしいです
2人が言うとおり、“イングリッシュ ブレックファストがライトになった感じ”という表現がいちばんわかりやすいかも。“親しみやすさがある味”っていうんですかね。個人的には、「セイロン オレンジ ペコ」と「アールグレイ」を両方揃えて、気分によって飲み分けていた時期がありました
「イングリッシュ ブレックファスト」は、ベーコンやソーセージの朝食が合うイメージでしたが、こちらはハムとチーズのサンドイッチとか、ライトなメニューがマッチしそう。スコッチのお菓子のショートブレッドに合うのはこれじゃないかな。濃厚すぎない煮込み料理や、ピラフやパエリアなどのドライな米料理もいいと思います。あとカナッペとか、イタリアンのブルスケッタとかクロスティーニとか、ライトミールに合わせたいです
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トワイニング「ティーバッグ ゴールデン アッサム」。公式サイト価格は20袋632円(税込)
インド北東部、アッサム地方のブレンド。芳醇な香りと深いコク、濃厚な味わいで、ミルクと相性がいいのが特徴です。
“山”って感じの香りがしますね。それも、木が生えてないグランドキャニオンみたいな。味はどっしりしていますが、それでいてさっとキレるのがいい。今まで飲んだなかでこれがいちばん濃くて、ドライでキレが強く“ドンシャリな味”。中国茶で言うとプーアル茶、コーヒーで言ったらエスプレッソというイメージです。濃いのでミルクティーにすると合うと思う。強い甘さにも負けない濃さがあるので、黒糖くらいコクやテリのある甘さがマッチしそうです。チャイにするのもいいかも
香りには甘みがほんのりあるけど、実際に飲んでみると甘みはなくて、紅茶が持つ渋みをじっくり感じることができておいしいです
淹れたときのお茶の色が、見るからに濃いですよね(笑)。わざわざパッケージに「ポリフェノール168mg(1杯140mLあたり)」と記載されていることからも濃厚感が出ています。「アール グレイ」は“クセが強い”ですが、「ゴールデン アッサム」は“濃厚でパンチが効いている”という感じ。ストレートで飲んで、その強さを純粋に感じるのも好きです
これに合わせる料理は、やはり濃厚なものでしょう。しっかり煮込んだビーフシチューとか、コテージパイ。チャイにしてもおいしそうなので、インドの濃厚なカレーと合わせたらいいと思います。オーソドックスなチキンカレーから、ラムやマトンのカレー、キーマカレーとかもアリ。あと角煮やトンポーローなどの中華料理もいけますね
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トワイニング「ティーバッグ ハウス ブレンド」。公式サイト価格は20袋486円(税込)
トワイニングみずから「最もバランスの取れた飲みやすさ」をアピールするブレンド。初めてトワイニングの紅茶に親しむ方のエントリーティーとしても最適です。
これは、「セイロン オレンジ ペコ」と「ダージリン」を足して2で割ったキャラクターかな。これまでのブレンドのいいとこ取りという感じで、いろんなよさが出ていますね。「イングリッシュ ブレックファスト」や「セイロン オレンジ ペコ」で感じた草原に、何本か花が咲いたような雰囲気があります。可愛らしい花がポツポツある、ほんのりフラワリーな感じ。ちゃんと渋みはあるけど軽い。アイスにしてもいいし、ミルクで割ってもおいしくなりそう
香りが爽やかですね。甘さではなく、華やかでお花が咲いたような感じ。渋さがちょうどよくて、余韻もスッと消えます
“正統派の魅力を継承しつつ、万人受けを狙う”という感じで、そのバランスが見事! 紅茶らしい渋みはしっかりありつつ、全体的には軽い飲み口を実現していますよね。これも何気に「ポリフェノール推し」されています(笑)。公式に「エントリー ブレンド」とアピールされているとおりの味ですが、紅茶好きな人が飲んでも、このバランスのよさには感動するんじゃないでしょうか
素朴な小麦粉の香りと合いそうなので、ベーグルに合わせたいですね。具はサーモンクリームチーズみたいな定番がいい。アボカドソースをいっぱいつけたトーストとか、シンプルなマルゲリータピザとか、定番味のパンと相性がよさそう。お菓子だったら、実は和菓子に合うんじゃないかな。「ハウス ブレンド」の適度な渋みが、あんこのやわらかい甘さをさっと流してくれそうです。あとはしょうゆ味の焼きおにぎりや、鶏肉の照り焼きと一緒に飲んでもいいと思います
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トワイニング「ティーバッグ プリンス オブ ウェールズ」。公式サイト価格は20袋702円(税込)
1921年、当時の英国皇太子、エドワード8世のために作られたパーソナルブレンド。トワイニングが、皇太子からその名をブレンド名につける栄誉を賜った記念碑的一作です。
これは上品ですね。気高くてジェントルで、特に口当たりがシルキー。まったく嫌味がなくて、スッと吸い込まれるように口の中に入ってくる感じがあります。しっかりと力強さもあるけど、すごくメロウな部分もあって“ハンサムな味”。俳優だと、オーランド・ブルームのイメージ。何かで割るとよさが消されちゃう気がするので、ミルクや氷は足さず、温かいストレートで飲むのがいちばんでしょう。樽香みたいなジェントルな香ばしさも魅力です
高級ホテルのラウンジで出てきそうな味ですね。飲んだときに渋みの引っかかりが全然ない。イギリス女王エリザベス2世の治世を描くドラマ「ザ・クラウン」(Netflixで配信)を見ながら飲みたい味わいです
これは、本当においしすぎますよね。王道をベースに“エレガント”を突き詰めた感じ。お2人の言うように、引っかかりがなくて飲み口がやさしいです。「プリンス オブ ウェールズ」という名称に釣り合うブレンドを、真正面から生み出しにいった感がスゴい。アフタヌーンティーやイブニングティーにこれを淹れたら、上質な時間が過ごせそう!
やはりイギリスで食べられる高級料理とマッチするでしょう。あっさりめのローストビーフにヨークシャー・プディングをつけ合わせた一皿と、この紅茶を合わせたい。ビーフ・ウェリントンっていう牛肉をパイ生地で包んだ料理があって、それもいいな。あとは、高級感のある和食や和菓子と相性がいいんじゃないでしょうか。とにかく上品な味と合うと思います
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さて皆さん、9種類の飲み比べを終えていかがでしょう。気に入ったブレンドとかあります?
紅茶とひと言で言っても、色々なキャラクターがあるってことを改めて実感しました。基本の「ダージリン」は、やはりすごく香りがいいんだなって思いましたし。で、そこにベルガモットが乗ってくる「アール グレイ」が僕はすごい好きです。今日飲み比べしたなかで惹かれたのは、「ダージリン」「レディ グレイ」「プリンス オブ ウェールズ」の3つでした
僕は普段、ほとんど紅茶を飲まなくて、コーヒーとビールばかりなんですが、紅茶ってこんなに味が違うんだって驚きました。たまに紅茶を飲むなら、「アール グレイ」か「プリンス オブ ウェールズ」がいいな
私も、シンプルに味と飲み口で言ったら、やはり「プリンス オブ ウェールズ」は最上級だなと思いました。まあ個人的には、体調管理もあるので、普段は「カフェインレス アール グレイ」を愛飲したいと思います。カフェインレスでここまでアール グレイ感を出してきたことに、改めて拍手を送りたい! 今回の飲み比べは、あくまでも主観のレビューではありますが、ぜひ読者の皆さんが紅茶を買う際の参考にもしていただけたらうれしいです