任天堂「Nintendo Switch」
2017年3月3日(金)に発売された、任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch」。すでに発売から2か月近くが経つが、入手しづらい品薄状態は依然として続いている。ただ、この週末、4月28日(金)には、鉄板の人気ゲーム「マリオカート8 デラックス」が発売されるだけに、このGW中にぜひとも手に入れて遊びたいという方も多いことだろう。そこで、「価格.comトレンドサーチ」などのデータを元に、「Nintendo Switch」の現在の流通状況を解説。このGW中にはたして入手できるかどうかを占ってみた。
図1:「Nintendo Switch」のアクセス推移(過去3か月)
3月3日に発売された「Nintendo Switch」だが、その人気は今も高いまま推移している。図1は、「Nintendo Switch」の詳細ページへのアクセス数の推移を示したものだが、さすがに発売日前後の異常な盛り上がりは落ち着いたものの、今も50,000PV/日以上のアクセスを集めており、その人気は高い。もちろん、価格.comの「ゲーム機」カテゴリーにおける、注目ランキングでは1位をキープしたままだ。
図2:「Nintendo Switch」の取り扱い店舗数推移(過去3か月)
図3:「Nintendo Switch」の最安価格推移(過去3か月)
いっぽうで、「Nintendo Switch」の品薄状況は、徐々にではあるが、解消しつつある。図2は、「Nintendo Switch」の価格.com上における取り扱い店舗数の推移を示したものだが、発売当初は15店舗ほどだった店舗数が、3月中には倍の30店ほどとなり、そこから少し下がりつつはあるものの、店舗数としては20店舗前後をキープしている。ただし、これらの取り扱い店舗での販売価格は、そのほとんどが依然として、メーカー小売り希望価格よりも高い「プレミア価格」だ。図3の最安価格の遷移を見ると、29,980円(税別。税込:32,378円)というメーカー希望小売価格に対し、一時は4万円を超えるプレミア価格が付いていたほど。ただ、4月に入ってからは、そのプレミア価格も徐々に上がってきており、4月26日時点では35,980円と、希望小売価格に対してようやく3,000円程度の差にまで縮まってきている。なお、このグラフで何度か見られる価格の落ち込みは、メーカー希望小売価格で販売する店舗が一時的に現れたことを意味している。過去にも何度かこうした「定価販売」のケースが見られており、直近でも、4月19日、25日の2回、「定価販売」が記録されている。ただ、いずれの場合も、すぐに売り切れとなってしまっているため、全体の需要過多を解消するには至っていない。
このように「Nintendo Switch」の在庫状況は、徐々に改善してきているものの、いまだ品薄状態は継続している。ただ、日々ユーザーから情報が寄せられるクチコミ掲示板では、ここへ来て、大手量販店や大手スーパーなどに、少量入荷したという情報がいくつも寄せられており、少量ではあるものの、継続的な出荷は続いているものと思われる。GW中に入手できるかどうかは微妙だが、情報をこまめにチェックすれば、定価での本体入手も不可能ではないだろう。
「Nintendo Switch」以外のゲーム機についても、いくつか動きがあるので、お伝えしよう。まずは、昨年11月の発売以来、こちらも品薄状態が続いていたソニーの「PS4 Pro(プレイステーション4 Pro HDD 1TB ジェット・ブラック CUH-7000BB01)」だが、こちらについては、4月に入った頃から、品薄状態は解消しているようだ。
図4:「プレイステーション4 Pro HDD 1TB ジェット・ブラック CUH-7000BB01」の最安価格推移(過去3か月)
図4は、「プレイステーション4 Pro HDD 1TB ジェット・ブラック CUH-7000BB01」の最安価格推移を示したものだが、ご覧のように、3月までは、48,000〜50,000円台の最安価格で推移していたものが、4月に入ったくらいから急激に下がり始め、4月26日時点では、46,217円まで落ちている。本機のメーカー希望小売価格は、44,890円(税別。税込:48,481円)なので、現状では「定価」よりもやや安く売られている状態だ。つまり、3月まで見られた品薄状態は現在では解消しており、在庫状況も安定しているということになる。これまで「PS4 Pro」を購入したかったが、品薄のためあきらめていたという方も、GWに合わせて購入するなら、いい時期になったと言っていいだろう。
図5:「PlayStation VR CUHJ-16000」の最安価格推移(過去3か月)
もうひとつ、PS4がらみで、VRゴーグルの「PlayStation VR(PSVR)」についても見てみよう。こちらも、昨年10月の発売以来、品薄がずっと続いている人気製品であるが、その状況にも若干ながら変化が見られる。図5は、「PlayStation VR CUHJ-16000」の最安価格推移を示したものだが、一時期は8万円近くの高額プレミア価格が付いていた本製品も、3月に入った頃に6万円台後半にまで、さらに4月に入った頃には5万円台後半にまで価格が下がっている。4月26日時点の最安価格は、55,647円だ。本製品のメーカー希望小売価格は44,980円(税別。税込み48,578円)なので、それでもまだ「定価」より7,000円ほど高い価格なので、依然として品薄状態に変わりはないが、その差はだいぶ縮まってきたようだ。なお、今週末の4月29日(土・祝)には、本製品の追加販売が行われる予定になっており、各量販店やWebショップ、ソニーストアなどで、追加分が販売される。GWにPSVRで遊びたいという方は、ぜひGW初日のこの機会をお見逃しなく。
図6:「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」の最安価格推移(過去3か月)
最後に、昨年11月に発売され、大きな評判を呼んだ、任天堂の小型据え置きゲーム機「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」(以下、ミニファミコン)であるが、4月14日に「生産一旦終了」とのアナウンスがあり、そこからまた人気が再燃している。図6は、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」の最安価格推移を示したものだが、5,980円(税別。税込み6,458円)のメーカー希望小売価格に対して、一時期12,000円を超える高額なプレミア価格がついていた。しかし、4月に入った頃からは、いったん10,000円を切り、8,400円前後で推移していたのだが、前述の「生産一旦終了」のアナウンスとともに、人気が再燃し、価格も高騰。4月26日時点では10,776円のプレミア価格をつけている。本製品の場合、長期にわたって販売するというよりも、スポット的な企画商品だったように思われるので、半年での生産終了はやや残念ではあるが、今後の入手はかなり困難になるだろう。
いずれにしても、この半年ほど、人気ゲーム機が軒並み入手困難という状況が続いたが、ようやくここへ来て、状況は改善しつつあるようだ。今一番の注目は、やはり「Nintendo Switch」がいつ普通に買えるようになるかという点だが、おそらくGWを超えた5月中には、この品薄状況も収まってくるものと思われる。夏のボーナス商戦、特に「Nintendo Switch」にとっては、一番の期待タイトルである「スプラトゥーン2」が発売される7月には、本体の在庫状況も改善しているだろう。
価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。