2025年6月5日、任天堂の次世代家庭用ゲーム機「Nintendo Switch 2」がついに発売された。今回、運よく本体(多言語対応版)を入手できたため、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の「Nintendo Switch」版と「Nintendo Switch 2」版をプレイしながら、画質の違いを検証してみることにした。「Nintendo Switch 2」の性能が気になる人はぜひチェックしてほしい。
2025年6月5日、ついに発売された「Nintendo Switch 2」
「Nintendo Switch 2」
ゲームをプレイする前に、まずは、「Nintendo Switch」と「Nintendo Switch 2」との仕様の違いを見ていこう。新機能やバッテリーの増強など、さまざまな部分でアップグレードされた「Nintendo Switch 2」だが、画質に関連する特徴をまとめると、以下のとおりとなっている。
(1)画面サイズが向上
(2)フレームレートが最大120fpsに向上
(3)携帯モードがフルHD(1920×1080ドット)に対応
(4)TVモードが4K(3840×2160ドット)に対応
(5)HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応
(6)DLSS(ディープラーニング スーパー サンプリング)に対応
画面(ゲーム画面が表示される部分の大きさ)については、「Nintendo Switch(通常モデル)」が6.2インチ(幅約137mm×高さ約78mm)であったのに対して、「Nintendo Switch 2」は7.9インチ(幅約175mm×高さ約98mm)とサイズアップしている。
「Nintendo Switch(通常モデル)」(上段)と、「Nintendo Switch 2」(下段)による比較 ※「Nintendo Switch」はケース装着時の写真
フレームレートは、「Nintendo Switch」が最大60fpsであるのに対して、「Nintendo Switch 2」は最大120fpsに向上し、映像表示がより滑らかに。解像度は、「Nintendo Switch」が携帯モードで最大720p(1280×720ドット)、TVモードでフルHD(1920×1080ドット)であったのに対して、「Nintendo Switch 2」は携帯モードでフルHD(1920×1080ドット)、TVモードで4K(3840×2160ドット)を実現する。
さらに、光の明暗をより鮮明に表現する「HDR」に対応。これによって、グラフィックの美麗さがより際立つようになった。加えて、AIによる超高解像度技術「DLSS」を採用しており、高解像度かつ高フレームレートをより安定して描写できるようになっている。
ここからは実際に、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」をプレイした様子を述べていこう。
「Nintendo Switch 2」で今回プレイするのは、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム Nintendo Switch 2 Edition」。「Nintendo Switch 2 Edition」は、「Nintendo Switch」で発売したタイトルに、グラフィックの向上や「Nintendo Switch 2」ならではの遊びなど、新たな要素を追加したのが特徴だ。
なお、通常は「Nintendo Switch 2 Edition」へのアップグレードは有料だが、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の場合、「Nintendo Switch Online + 追加パック」に加入している人は、追加料金なしでプレイできる。
「Nintendo Switch」版(ゾーラの里の様子)
「Nintendo Switch 2」版(ゾーラの里の様子)。「Nintendo Switch」版と比較すると、「Nintendo Switch 2」版のほうが、より水面の光の表現や、柱や座席のテクスチャがきめ細かいことがわかる
率直に述べると、「Nintendo Switch」からグラフィックの美麗さが格段に進化していると感じた。たとえば、ゾーラの里を訪れると、水面に反射する光がよりきめ細かくなっているだけでなく、水面や滝の表現がより繊細になっているのがひと目でわかる。
また、フレームレートも、「Nintendo Switch」から格段に上がっていることを体感できた。
フレームレートを正確に計測することが難しかったので、あくまで筆者の感覚になるが、「Nintendo Switch」でプレイした際の「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の平均フレームレートは30fps程度に感じた。しかし、「Nintendo Switch 2」の「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム Nintendo Switch 2 Edition」でプレイした際のフレームレートは最低でも60fps以上、体感的には85fps程度まで出ているのではないかと感じる。
TVモードでは高いフレームレートを維持しつつ、解像度もさらに高くなる。さらに「HDR」に対応したことで、木漏れ日や夕陽などの光の表現がより美しくなっていた。
「Nintendo Switch」版(ハイラル平原の様子)
「Nintendo Switch 2」版(ハイラル平原の様子)。「Nintendo Switch」版と比較すると、「Nintendo Switch 2」版のほうが陽射しの表現が繊細で、全体的に鮮やかさを感じる
ただし、描写自体は、「Nintendo Switch」版とあまり差が見られなかった。詳しくは、上記の画像を見ていただきたいが、ハイラル平原のとある地点からの景色を比較した場合、岩や木、上空に浮かぶ島など見えている範囲やオブジェクトの量には、差がほとんど見られない。
これは、同作がオブジェクトの位置や量まで、最初から細かく決められたゲームであることが理由と思われる。ほかの「Nintendo Switch」作品では、描写量が増える例もあるので、この結果は意外と言えるだろう。
「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」は2023年に発売されたタイトルだが、「Nintendo Switch」の時点では、グラフィックにまったく不満がないかと言われると、必ずしもそうではなかった。特に普段から、PS5やゲーミングPCなど、ほかのハードでもゲームをプレイしている筆者にとって、フレームレートが30fps程度しか出ないことは、かなりストレスだったことを覚えている。
しかし、「Nintendo Switch 2」が「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の魅力をさらに引き出すことで、よりハイレベルなハイラルの冒険を体験できるようになった。「Nintendo Switch 2」によって格段にヌルヌル動く「ゼルダ」を遊べるようになったので、途中で止めていたやり込み要素も久しぶりに再開してみようという気持ちがわいてきた。
「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」だけでなく、さまざまな「Nintendo Switch」のタイトルが「Nintendo Switch 2」によって、より美麗なグラフィックで遊べるようになっている。「Nintendo Switch 2」をお持ちの人はぜひ、試してみてはいかがだろうか?