ファミコン再び! 初代ファミコンの本体サイズを約60%に縮小し、名作30タイトルをあらかじめ収録した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」(以下、ミニファミコン)がついに発売。今回、その“開封の儀”から、初代ファミコンと「ニューファミコン」を使った比較まで、お届けします。
早くも品薄状態の「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」(写真中央)。今回、「ニューファミコン」(写真左)、初代ファミコン(写真右)との違いを検証してみます
2016年9月30日、任天堂が突如発表した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」(ミニファミコン)のニュースに驚いた方も多いはず。次世代ゲーム機「NX」(その後、「Nintendo Switch」として正式発表)の動向に注目が集まる中、まさかの“不意打ち”とも言える発表でした。
発表当時、ネット上では、「実は、NXの正体はミニファミコンだったのでは?」という半分冗談のような憶測まで飛び交い、初回販売分の確保をめぐって、さまざまな情報がかけめぐりました。“ファミっ子”(※)世代の方々にとって、ミニファミコンの登場は、万感の思いがあるのでは?
価格.comマガジン編集部では、そんな大注目のミニファミコンをさっそく入手。今回、1983年に発売された初代ファミコンに加えて、2003年9月に製造を終了した“現行のファミコン最新モデル”であるAV仕様ファミコン(ニューファミコン)も用意し、ハードウェアの違いを中心に、ミニファミコンと比較していきます。
(※)テレビ東京系列局で放送されたテレビ番組「ファミっ子大作戦」「ファミっ子大集合」が由来。
話題のミニファミコンと、別売りの専用ACアダプターを入手。当時のパッケージを再現したデザインに、思わず胸が熱くなる!
パッケージの裏面には、本体に収録されている名作30タイトルの姿が!
パッケージ内には、ミニファミコン本体に加えて、HDMIケーブル、USBケーブル(電源供給用)、取り扱い説明書、マイニンテンドー番号チケットなどが入っています
ミニファミコンは、初代ファミコンのオリジナルデザインを踏襲しつつ、本体サイズを約60%に縮小したのが大きな特徴。当時のファミコンそのままに、本体とつながっている2本のコントローラーも小型化されていますが、「大人の手には小さすぎないか?」と心配する方も多いようです。実際に、コントローラーを握った感覚はどうなのでしょうか?
「想像以上に小さくて、軽い」というのが、ミニファミコン(写真左)に対する印象。初代ファミコン(写真中央)から小型化されたニューファミコン(写真右)と比べても、その差は歴然としています
コントローラーの大きさを比べても、「60%に縮小」という言葉以上に小さくなった印象です
コントローラーのケーブルを測ってみると、なんと、初代ファミコン、ミニファミコンともにほぼ変わらず、約80cmでした。本体サイズは縮小されても、ケーブルの長さが変わらないので、操作しやすいかも。これは、うれしいポイントです
ミニファミコンのコントローラーを、大人の手で持ってみました。十字ボタンやA・Bボタンの押し具体は以前と変わりませんが、それでも「かなり小さい」という印象はぬぐえません
ミニファミコンは、当時のデザインを踏襲したパッケージに加えて、初代ファミコンの細かいディティールまで再現されています。白とあずき色のツートンカラーを採用した本体デザインや、コントローラーのボタンの押し具合などは、初代ファミコンそっくりですが、細かい点で再現しきれなかったところも、いくつかあります。
電源スイッチとリセットボタンは、デザインに加えて、機能までほぼ再現。テレビと接続した後、電源スイッチをスライドするとミニファミコンを起動でき、リセットボタンを押すとホーム画面に戻るしくみです
残念ながら、Uコントローラーのマイクは飾りのようです。今回の収録ソフトに、マイクを使ってゲームを進められる「たけしの挑戦状」や「ドラえもん」がなくてよかったですね
初代ファミコンは、前面の外部端子カバーが取り外せますが、ミニファミコンは外せません
ミニファミコンはカセットを交換できないため、カセットカバーも開きません。もちろん、イジェクトレバーも動きません(せっかく、「キン肉マン マッスルタッグマッチ」を持ってきたのに)
ミニファミコンは、入出力端子も変更されており、テレビや液晶ディスプレイと接続するためのHDMIポートと、電源供給用のmicroUSBポート(タイプB)を新たに装備しています。テレビとの接続方法はこれまで、初代ファミコンは、VHF(地上アナログ放送)の接続端子を利用したRF接続を、ニューファミコンはコンポジット接続を採用していたため、HDMI端子を備えたミニファミコンの姿を見て、隔世の感を禁じ得ません。
ミニファミコンの背面には、HDMIポートとmicroUSBポート(タイプB)が装備されています
テレビや液晶ディスプレイとは、HDMIケーブルを使って接続します
ミニファミコンへの電源供給は、付属のUSBケーブルを使用します。USBバスパワー対応のテレビや液晶ディスプレイのUSBポートに直接接続するか、別売りのACアダプターをUSBケーブルに接続して、電源を供給するしくみです。テレビのUSBポートに直挿ししておけば、掃除機を持った母親がACアダプターと接触し、テレビ画面が「ブーーン」と鳴ってフリーズしてしまい、「これからボス戦なのに! かーちゃんのバカ!」と泣きじゃくるという、恒例のあの悲劇もなくなるはず(?)ですね。
なお、任天堂のホームページによれば、5V/1.0A出力に対応したACアダプターであれば、専用ACアダプター以外の市販品も使用できるとのこと。専用ACアダプターは、ミニファミコンと同様に、当時のパッケージデザインを再現しており、こちらも大きな注目を集めたことから、初回出荷分が品薄状態に。そのため、ミニファミコンを予約したユーザーの間では、「本当に純正のACアダプターがなくても大丈夫なのか?」「市販のACアダプターでも動くのか?」という議論が価格.comのクチコミでも展開されていました。今回、その点も検証してみます。
純正の専用ACアダプター(ブラック)に加えて、iPhone付属のACアダプター(ホワイト)を使って、ミニファミコンに電源を入れてみます
確かに、iPhone付属のACアダプターを使っても、ミニファミコンを起動できました。これであれば、専用ACアダプターを使用せずに、ミニファミコンを楽しめそうです
約60%に縮小した本体に加えて、1983年から93年までの11年間に発売された、往年の30タイトルをあらかじめプリセットしているのも、ミニファミコンの大きな魅力。収録タイトルは、「それそれ!」と、どれも“ファミっ子世代”のツボを突いたものばかり。特に、数多くの名作を生んだディスクシステムのソフト(ゼルダの伝説、メトロイド、悪魔城ドラキュラ、リンクの冒険)が収録されているのが、個人的には激アツ! 30タイトルは、以下の通りです。
【ミニファミコン収録タイトル】
ドンキーコング、マリオブラザーズ、パックマン、エキサイトバイク、バルーンファイト、アイスクライマー、ギャラガ、イー・アル・カンフー、スーパーマリオブラザーズ、ゼルダの伝説、アトランチスの謎、グラディウス、魔界村、ソロモンの鍵、メトロイド、悪魔城ドラキュラ、リンクの冒険、つっぱり大相撲、スーパーマリオブラザーズ3、忍者龍剣伝、ロックマン2 Dr.ワイリーの謎、ダウンタウン熱血物語、ダブルドラゴンII ザ・リベンジ、スーパー魂斗羅、ファイナルファンタジーIII、ドクターマリオ、ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会、マリオオープンゴルフ、スーパーマリオUSA、星のカービィ 夢の泉の物語
ただし、注意点も。従来のファミコンカセットを差し込んで遊べないのはもちろん、ゲームソフトの追加ダウンロードにも対応していません。残念ながら、ソフトの拡張性はありませんが、“ファミっ子世代”の方々にとって、これらの30タイトルを見るだけでも、万感の思いがあるのでは。「アイスクライマー」や「ダウンタウン熱血行進曲」は、友情にヒビが入る可能性があるので、友人とのプレイは要注意ですよ!
電源を入れると、ホーム画面が表示されるとともに、8bitサウンド(ピコピコ音楽)によるオリジナルテーマ曲が! この瞬間、“ファミっ子”であれば、テンションが一気に上がるはず!
ホーム画面を放置しておくと、マリオとルイージによる鬼ごっこのような画面になります。ディスクシステムの起動時にあったようなシーンです
さっそく、スーパーマリオブラザーズをプレイ。しかし、いきなりクリボーに激突!
手始めにスーパーマリオブラザーズをプレイしてみましたが、さっそく、クリボーに激突! やはり、コントローラーが小さいせいか、初代ファミコンの操作感覚とは少し違うようです。Bダッシュを押し続けてからのAジャンプなどは、慣れが必要かもしれません。
価格.comマガジンでは引き続き、ミニファミコンの詳細レビューなどをお届けする予定です。お楽しみに!
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デジタル製品全般からホビーやカップ麺・スナック菓子まで、オールジャンルをカバーする編集部員。大のプロレス好き。読み方は、まつだ・しんり。