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“寝ながらYouTube”もできます

かぶってすぐにVR! PCもスマホも不要なレノボのVRヘッドセット「Mirage Solo」が面白い

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レノボ・ジャパンからスタンドアロン型のVRヘッドセット「Lenovo Mirage Solo with Daydream」(以下、Mirage Solo)が登場。これまでのVRヘッドセットと違い、パソコンとケーブルで接続したり、外部センサーを設置したり、スマートフォンをセットしたりする必要がなく、かぶってすぐにVRを楽しめる手軽さがウリだ。VRヘッドセットの敷居を下げる製品として注目される。その使い勝手やクオリティをチェックしてみた。

Mirage Soloの価格.com最安価格は49,756円(2018年5月30日時点)。写真右は、同時に発売された180°の広角写真や動画を撮影できるデュアル魚眼カメラ「Lenovo Mirage Camera with Daydream」。こちらの価格.com最安価格は35,140円(同)

「VR=面倒」を解消

VRヘッドセットといえば、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation VR」や、パソコンと接続するOculus(Facebook)の「Oculus Rift」、HTCの「VIVE」などが有名だ。最近ではマイクロソフトの「Windows Mixed Reality」も出てきた。サムスンの「Gear VR」のようにスマートフォンをヘッドセットにセットして楽しむものもある。

これらのVRヘッドセットは、ゲーム機やパソコン、スマートフォンが必要で、ものによってはケーブルで接続したり、外部センサーを設置したりしなくてはならない。それに対して、Mirage Soloは単体でVRを楽しめるのが最大の特徴だ。これまでのVRヘッドセットは、大なり小なり何らかのセッティングが必要だったが、Mirage Soloはかぶるだけとかなり簡素化されている。この手軽さが一番のセールスポイントである。

かぶればすぐにVRの世界に入り込めるMirage Solo。ヘッドホンをつけるのとリモコンを持つのを忘れないように

着け心地がよく画質も○

実際に電源を入れるだけですぐに使い始められる(もちろん、充電は必要)。外部センサーもパソコンも不要なので、インターネットがつながるところであればどこでも使える。

Mirage Soloの重量は約645g。手に持つと重く感じるが、バンドや目の周りのクッション素材が厚めで柔らかいため、見た目よりも着け心地は悪くない。バンドの調整は後頭部のダイヤルを回して行えるほか、本体下部のボタンを押すとヘッドセットが前後に動く。緩めに装着すると、頭を動かしたときにヘッドセットがズレてしまうので、きつめに固定するといいだろう。ただし、きつすぎると頭が痛くなるので注意したい。何度かやれば自分に最適なポジションがわかってくるのだが、見え方はその日の体調などで微妙に変わってくるので、この辺は慣れが必要かもしれない。

上にバンドがないので髪型が乱れることがない。バンドはかなりしっかりした作りだ

上にバンドがないので髪型が乱れることがない。バンドはかなりしっかりした作りだ

後頭部のバンドを回すと長さを調整できる

後頭部のバンドを回すと長さを調整できる

右側面に充電などに利用するUSB Type-CポートとmicroSDメモリーカードスロットを搭載。左側面に電源ボタン、ボリューム調整ボタン、それとヘッドホン端子を備える

肝心の画質も悪くない。高性能なVRヘッドセットと比べても劣るようには感じなかった。ディスプレイは液晶で、解像度は2560×1440(WQHD)。高性能VRヘッドセットに迫る解像度だ。スマホ用VRヘッドセットと比べると、ぼやけた感じがなく見やすかった。ただし、フレームレートが75HzでPlayStation VRなどと比べると低いせいか、動きの激しいゲームや、作りこまれていない360°動画などを長時間見ると酔ってしまった。

顔に当たる部分は柔らかい素材で、着け心地は悪くない

顔に当たる部分は柔らかい素材で、着け心地は悪くない

Daydreamのランチャー画面。パソコンのデスクトップ画面のようなもので、ここから利用したいアプリを起動する

6DoFでVRの空間を自由に動けるが……

操作は付属のコントローラーを利用する。タッチパッドと2つのボタン、それに音量調整ボタンを備えたものだ。タッチパッドで左右にスライドして、クリックして決定したり、レーザーポインターのように画面上のものを選択したりできる。リモコンをちょっと動かすとポインターは大きく動くので、手首をちょっと動かすだけで操作できる。このため、腕が疲れることはなかった。

付属のリモコン。上部がタッチパッド、真ん中がアプリボタン、その下がDaydreamボタン。音量ボタンは右側面に備わる

操作方法をいちから学べるアプリ「VRを学ぶ」。はじめての人はこのアプリからはじめるといいだろう

操作方法をいちから学べるアプリ「VRを学ぶ」。はじめての人はこのアプリからはじめるといいだろう

Mirage SoloのウリのひとつがGoogleのインサイドアウト式モーショントラッキング技術「WorldSense」を採用していること。「内蔵センサーカメラで周囲を認識することで、トラッキングポイントを外部に設置することなく、ヘッドセット単体で前後左右に動く、しゃがむ、ジャンプするなどの使用者の動きを6DoF(6Degrees of Freedom)と言われる高い精度で認識することができます……」(リリースより)。要は、VRの空間を自由に動けるということ。たとえば、ホーム画面が表示された状態で、前に歩いて進むと各種メニューに近づけるのだ。ただし、自由に動けると言っても、周囲が見えないので、安全上、動き回るのは現実的ではないし、1.5m以上動くとアラートが出る仕組みが盛り込まれている。

肝心のコンテンツだが、Mirage SoloはAndroidをベースにしたVR用OS「Daydream OS」を採用しており、「Google Play」を経由して入手する。「WorldSense体験」「Daydream限定」など、対応のコンテンツがカテゴリー分けされているので、わかりやすいものの、WorldSense対応コンテンツは90本程度しかない。すべてを試せたわけではないが、海外メーカーのアプリが多く、面白いと思ったのは「Blade Runner: Revelations」(960円)くらいだった。

Google PlayではWorldSense対応アプリがすぐにわかるようにカテゴライズされている

Google PlayではWorldSense対応アプリがすぐにわかるように切り分けられている

映画『Blade Runner』の世界をVRで楽しめるBlade Runner: Revelations

映画『Blade Runner』の世界をVRで楽しめるBlade Runner: Revelations。完全に日本語に翻訳されていないが、映画の世界に入り込んだような感覚を味わえる

アプリの充実は今後に期待したいところだが、Google純正のアプリだけでもなかなか楽しめる。「YouTube VR」を試していて、便利だと感じたのが、寝ながらでも動画を楽しめること。好きな場所に動画を固定し、サイズも調整できるので、仰向けになりながらでも動画を楽しめるのだ。後頭部にダイヤルがあるので、柔らかなまくらが必要になるが、寝ながらVRを楽しめるのはありがたい。

「Googleフォト」「Googleストリートビュー」も面白い。Googleフォトでは、360
度写真やパノラマ写真を、その場にいるように見渡せるほか、通常の写真も見られる。Googleストリートビューは言わずもがなだが、その場にいるような高い没入感を得られる。

Googleフォトでは「VR写真」と「すべての写真」が分類されているので、すぐにVR写真を見られる。360°/180°写真やパノラマ写真などがVR写真に分類されているようだが、一部違うものも含まれていた

Googleストリートビューとの相性は抜群にいい

Googleストリートビューとの相性は抜群にいい

Mirage Soloと一緒に使える180°カメラ

Mirage Cameraという180°カメラも合わせて販売される。こちらはGoogleの「VR180」という規格をサポートしたカメラで、左右180°、上下180°の静止画や動画を撮影できるというものだ。撮影後にmicroSDメモリーカードやGoogleフォト経由でMirage Soloに転送すれば、その場にいるような雰囲気を味わえる。ライブ配信なども可能だ。

個人的には、4K動画で子どもを記録しておけば、成長したときにVRで楽しむ、というのもおもしろそうだと感じた。価格.com最安価格で35,140円もするので、気軽に購入できるものではないが、VRのコンテンツを作りたいという人はチェックしてみてほしい。

デュアル眼カメラのMirage Camera。360°カメラではないため、撮影者は映り込まないが、持ち方によっては指が入ってしまうので気をつけたい

まとめ

Mirage Soloは、「VR=面倒」というイメージを一新するVRヘッドセットだ。アプリが少ないという弱点はあるが、YouTube VRなどの純正アプリでも存分にVRを楽しめる。クオリティも高く、何よりかぶってすぐに使えるのがうれしい。「Netflix」も楽しめるので、動画をVRで楽しみたいという人にもいいだろう。ただ、動画を見るだけなら、同じスタンドアロン型の「Oculus Go」のほうが向いているかもしれない。23,800円(オンラインストアでの32GBモデル)からとMirage Soloよりも25,000円以上安いためだ。筆者はOculus Goをまだ試せていないので、優劣は判断できないが、試す機会があれば詳しくレポートしたい。Mirage SoloとOculus Goという2つのスタンドアロン型VRヘッドセットの登場で、VRがますます面白くなりそうだ。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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