今回ご紹介するガンプラは、2018年5月に発売されたMG(マスターグレード)の最新作。「機動戦士ガンダムF91」より主役機のF91のVer.2.0です。先日テレビで行われた「ガンダム総選挙」のモビルスーツ(メカ)部門で第9位になった人気のMSが、最新技術で12年ぶりに登場しました。筆者も大好きなMSなのでさっそく購入して組み立ててみましたよ。
MG 1/100 ガンダムF91 Ver.2.0
「機動戦士ガンダムF91」は、1991年に劇場公開された宇宙世紀が舞台のガンダムストーリー。「逆襲のシャア」の時代から30年後を舞台にした、まったく新しいガンダムとして登場しました。従来のガンダムをほうふつとさせながらも、一新されたデザインのF91は衝撃的でしたよね。今回のキットは2006年に発売された初代MGに比べて、より劇中に近いイメージになっています。
まずは素組みの状態から。細かいパーツが色分けされていて完成度の高いMGです
本キットの特徴として、細かい色分けがされたパーツが多く入っており、重ねて組み立てることによって素組みでもきれいな色分けができるようになっています。引き締まった印象になる装甲の合わせ目の黒いラインも、組み立てるだけで再現可能。エクストラフィニッシュという金属的な質感のパーツも入っており、胸のダクトやバックパックなどがよりリアルに仕上がります。
多彩なカラーリングのパーツが使われています。特に中央左、金色のエクストラフィニッシュ加工のパーツがいい味を出しています
バックパックに使われているエクストラフィニッシュパーツ。質感が増します
脚部のダクトは多重構造になっており、スリットからエクストラフィニッシュパーツがのぞくというメカ感のある仕上がり
F91の特徴的なデザインである胸部のスリットも多重構造で再現。この内側にもエクストラフィニッシュパーツが配されており、密度感を演出
可動範囲もとても広く、さまざまなポージングが可能です。特に脚部分は、つま先の反り返りや、ロールができるようになっています。
つま先部分はここまで反り返ります。またロールができ、左右に可動範囲が広がります
もも部分も左右に無理なく動くので、かなりいろんなポーズが取れますね
F91の特徴的な部分として、フェイスオープンギミックがあります。劇中では強制放熱時に顔部分が開き、別の顔になるというモノ。キットでは、ディテール重視の通常顔パーツと、ギミックを搭載した可動顔パーツの2つが組み立てられます。
2つの顔パーツが組み立てられます。可動顔(右)は頭部バルカンポッドが黒ですね
右の可動顔はこのように開いてオープンフェイス状態を再現できます
そして何よりもほかのガンダムと違うのが、ヴェスバー(ヴァリアブル・スピード・ビーム・ライフル)と呼ばれる背中についたビーム兵器です。最近のガンダムでは割とトレンドですが、実はこのF91が元祖。本キットではスライドアクションで大出力での発射形態を再現可能。左右にも大きく開くので発射時のポージングもいろいろとできますよ。
ヴェスバーは背中からぐるっと回して腰元に移動でき、砲身部でのグリップ展開、スライドアクションでのグリップ展開が可能です
ヴェスバー発射体勢に。グリップは専用持ち手で固定できます
ほかにも肩部分の放熱フィンの展開や、脚部スラスター展開も再現可能です。細かいパーツが多いのですが、可動中にポロポロと落ちることはありませんでした。
肩の放熱フィンは引っ張り出すだけでこのように展開します
脚部スラスターもギミックにより開口部が動かせます
付属のデカールは3種類あり、目などに貼る通常のカラーシールのほかに、コーション表示などのマーキングシール、そしてスライド転写式のドライデカールが付属。肩のF91などの大きな文字はドライデカール仕様になっているので、シール跡が目立たず、きれいに貼ることができます。
デカールを貼って完成。胸部の曲面など劇中のイメージを再現したデザインです
この時代のMSはかつての宇宙世紀時代よりも小型化されており、コンパクトなサイズになっています。キットでもそれは再現されており、同スケールのほかのMGと比べるとひと回り小さい感じですね。
MGの初代ガンダムVer.3.0と比べると頭1つ小さいです
大型サイズのHGと比べると同じくらい。でもHGと比べると密度の違いがわかりますね
また、本機には導光素材が内蔵されており、別売りの発光ギミックと組み合わせれば「高出力状態」を演出できるようになっています。バンダイから発売中の「発光ユニット(白) 2灯式」です。F91のほかに「宇宙戦艦ヤマト」シリーズのプラモデルなどにも使用可能。ボタン型電池 LR44が3つ(別売り)が必要です。
発光ユニット(白)2灯式とボタン型電池 LR44を購入
電池ボックスについているスイッチで、簡単にオン・オフができます
F91付属のスタンドに、発光ユニットを設置する仕組み
ガンプラのスタンドといえば、背中の穴に挿したり、足の付け根に別パーツをつけてスタンドにつなげたりというものが多かったのですが、今回のF91に付属のスタンドはちょっと変わっています。まず、背中のバックパックを一度外し、そこにスタンドを挿して、その上からバックパックをはめるというもの。これによって発光ユニットのLEDが本体内部を照らす構造となっています。なので、光る部分は胸部のダクト部分と背中のバックパックだけになります。
設置してスイッチオン、バックパックがきれいに発光します
暗闇の中でもかなりきれいに発光しますね
一方胸部ダクト部分ですが、背中ほどは光りません
ただ、やはり光ると雰囲気が出るのでいいですよね
発光ユニットをつけると高出力で移動している劇中クライマックスのシーンなどを再現でき、雰囲気はかなり出るのですが、ユニット単体でのお値段がやや高めなのと、時期によっては品切れの場合もあるので、どうしても! という感じではないかもしれません。
なお、付属の武装はヴェスバーのほかに、ビーム・ライフル、ビーム・ランチャー、ビーム・シールドにビーム・サーベルが2本。特にビーム・シールドは形状も薄く、きれいなクリアグリーンのパーツになっているので飾り映えします。
付属武装です。大型のビーム・ランチャーも付属
ビーム・シールドは左手の肘付近のパーツに固定できます
ビーム・ランチャーはグリップ部分が可動、持ちやすくなっています
左サイドアーマーにビーム・サーベルを収納
ビーム・サーベルも鮮やかなクリアグリーンでとても映えますね
右手にライフル、左手はヴェスバーなどF91独特の武装が楽しめます
キット自体は組みやすくバランスもいいので、F91が好きならかなり満足できます。しかし細かいパーツが多く、特に胸部のバルカン部分や、肩や腰などのオレンジのパーツなどは組み立てるのに注意が必要です。筆者は拡大鏡を使いながらピンセットを使っての作業になりましたよ。
2018年6月には劇中でもF91と一緒に活躍したビギナ・ギナがREシリーズで発売されました。ビギナ・ギナのキットは実に27年ぶりということになるそうですから、F91と一緒に飾って、劇中でのラストバトルを再現するのはいかがでしょうか?
発売中の「RE 1/100 ビギナ・ギナ」と一緒に飾れば、劇場版の名シーンを再現可能
6月下旬に劇場版の4KリマスターBOXも発売されたので、MGを作りながら見るのもいいのではないでしょうか