JR東日本は、2020年1月9日より、「JR東日本 機動戦士ガンダムスタンプラリー あなたならできるわ。」を開催中だ。
「JR東日本 機動戦士ガンダムスタンプラリー あなたならできるわ。」のスタンプ帳。開催期間は、2020年2月27日まで
本スタンプラリーは、東京・山手線や中央線などの65駅に設置される、「機動戦士ガンダム」や「機動戦士Zガンダム」などに登場する人気MS(モビルスーツ)やキャラクターのスタンプを集める企画。65種類のスタンプをすべて集めた人には、山手線E235系カラーリングのガンプラ「1/144 RX-78-2 E235ガンダムJR東日本専用機 Ver.」がプレゼントされる。
スタンプ帳に描かれたエリアマップ。JR東日本管轄の駅すべてにスタンプ台が設置されているわけではなく、新大久保駅や鶯谷駅など、設置されていない駅もある
各駅に設置されたスタンプ台。必ず改札の外に設置されている
景品の「1/144 RX-78-2 E235ガンダムJR東日本専用機 Ver.」。先着順で数量限定のため、なくなり次第、別のガンダムグッズが配布される
スタンプラリーで入手できるプレゼントは、ガンプラだけではない。
9駅分のスタンプを集めた人には「オリジナルステッカー」、9駅分のスタンプの収集かつ「ゴール店舗」で買い物をした人には「オリジナル名シーンカード」、期間中にエキナカ・エキソト店舗で販売する「ガンダムグルメ」を食べてシールを5枚集めた人には「オリジナル缶バッジ」がそれぞれプレゼントされる。
9駅分集めたらもらえる数量限定の「オリジナルステッカー」(左)と、9駅分のスタンプの収集と、「ゴール店舗」にてSuicaなどの交通系電子マネーを使って500円(税込)以上の買い物をしたらもらえる「オリジナル名シーンカード」(右)。後者は、高円寺駅の「ベックスコーヒーショップ」と上野駅の「NewDays」でもらえる「バナージ・リンクス(U.C.0096)カード」
「東京じゃんがら ecute上野店」と「秋葉原店」で提供されるガンダムグルメのひとつ「追撃! 黒い三連星のドムつけ麺」(税込1,100円)。黒い三連星の「黒七味」「岩海苔」「叉焼」のつけ汁ジェット・ストリーム・アタックが舌に直撃! 見かけ倒しではない、斬新な味付けがクセになりそうだった
早速、実際に「JR東日本 機動戦士ガンダムスタンプラリー あなたならできるわ。」に挑戦してみた。
以下では、その中で気づいたことやちょっとしたコツを紹介。これからスタンプラリーを始める人は、以下のことを事前に知っておくとスタンプラリーを快適に回れるはずだ。
スタンプラリーで使用するスタンプ帳は、スタンプを設置している駅であればどの駅でも無料で入手できる。改札の内外に設置されたパンフレットラックに並べられているほか、改札窓口でも駅員からもらうことができる。
B5サイズでフルカラー全19ページのスタンプ帳。筆者が少年時代(昭和時代)に経験したスタンプラリー(確か星座や星雲がテーマだった)のスタンプ帳は、硬く厚めの紙を採用したしっかりしたリングノートだった。それと比べると、少しちゃっちくなった印象。これも時代か……
間違える人は少ないと思うが念のため。
スタンプの上面角に赤い印が付いているので、これが右上に来るように手に持ってスタンプしよう。駅によってはスタンプ台に行列ができているので、スタンプをおす際、後ろに並んでいる人から「無言のプレッシャー」を感じて焦ってしまうことがある(人の目を気にするタイプの筆者は何駅かで感じた)。これを覚えておけば失敗を避けられるはずだ。
赤い印が左上に来るように持ってスタンプしよう
成功例
失敗例。よりによって好きな「シャア専用ザク」をミスる。シャア・アズナブルが言うようにチャンスを最大限には生かせなかった。泣いた
スタンプのおし方とは関係ないが、もうひとつ失敗例を。プルツーのスペースに“双子(クローンとされる)”のエルピー・プルのスタンプをおす大失態。似すぎなんだよ! そして、なんか改めておしたプルのスタンプ、インクうっす! 泣いた
マスクは必須だ。単純計算で、65駅回るのに64両の車両に乗ることになる。ひと車両100人乗っていたとしたら6400人もの乗客と同じ空間を共有することになるので、マスクは常時着用したい。
もうひとつ持っていくと便利なのが、B5のルーズリーフだ。スタンプをおしたあと、すぐにスタンプ帳を綴じてしまうと乾き切っていないインクが隣のページに写ってしまう。各見開きに1枚ずつ挟んでおけば安心だ。8枚あればこと足りる。
ルーズリーフを8枚挟んだ状態。スタンプ帳にほぼぴったり収まる。ティッシュでもいいが、風で飛ばされてしまう恐れあり
【マスクの比較記事はこちら!】
マスク10種を徹底比較! メガネがくもらないのは? 耳が痛くならないのは?
スタンプ台は、各駅に1台しか設置されていない。もしある駅において2つの改札がかなり離れた場所にある場合、スタンプ台が設置されていない改札口に先に行ってしまうと、もうひとつの改札口まで歩く時間がムダになってしまう。そこでホームに降り立ってからまずやるべきは、スタンプ台がある場所の確認だ。ホーム、特に階段の壁面などに貼られている案内ポスターをチェックしよう。
各駅に掲示されている案内ポスター。写真は有楽町駅
もし案内ポスターがまったく発見できなかった場合は、スタンプ台が置いてあることが多い主要改札口か北口改札、あるいはみどりの窓口が近くにある改札口へ向かうことをオススメする。
筆者は1月9日と11日の2日間でスタンプラリーを回り切ったが、気温は両日ともに10℃前後だった。ダウンジャケットを着用していたが、電車の車両内の暖房や、ホームとスタンプ台の往復により、じんわり汗をかく場面が少なくなかった。体温調節しやすい着脱がラクな服装が最適だ。汗が気になる人は、汗拭きシートを携帯するのもいいだろう。
【汗拭きシートの比較記事はこちら!】
一番サッパリするのはどれ?「汗拭きシート」10種類を徹底比較!
遠かった。
まずは、羽田空港第1ビル駅。浜松町駅から東京モノレールに乗り、天王洲アイル駅、羽田空港国際線ビルでスタンプをおして、羽田空港第1ビル駅でスタンプ後に浜松町駅へと折り返す。時間帯にもよるが、筆者はこの往復だけで1時間ほどかかった。
もうひとつは、取手駅(ちなみに茨城県だ)。日暮里駅から常磐線で途中下車せずに向かっても40分ほどかかる。その間に10駅のスタンプをおさなくてはならないので、往復で2時間近くかかることを想定しておこう。
渋谷駅は、まじ鬼畜だった。
スタンプ台が設置されている新南改札までは、山手線ホームから、成田エクスプレス/埼京線/湘南新宿ライン/りんかい線のホームを端から端まで歩かないとたどり着かない。山手線ホームからは400mほど離れているという。スタンプ後、基本的には山手線ホームに戻るため、スタンプをひとつおすために1km近く歩くことになる。なかなか心が折れやすい作業だ。南改札でいいじゃん!
しかし、そこは渋谷駅。1kmのウォーキングを楽しめるちょっとした仕かけが用意されているので、そこまで苦にはならなかった。それについては後述する。
これは個人的に残念だったポイント。作品ごとのスタンプの種類は以下の通り。
「機動戦士ガンダム」……26種類
「機動戦士Zガンダム」……22種類
「機動戦士ガンダムZZ」……10種類
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」……4種類
「機動戦士ガンダムUC」……3種類
まあ、筆者が上の5作品の中で1番「UC」が好きだからなのだが、3種類って! それも「UC」だけ、無理くり「ユニコーンガンダム/バナージ・リンクス」のようにMS(モビルスーツ)とキャラクターのセットのスタンプ。せめて「ユニコーンガンダム2号機 バンシィ」や「オードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)」のスタンプもおしたかった! そのためなら、もう数駅回ってもよかったぐらい。
「機動戦士ガンダムUC」のスタンプをおすページ。これだけ……。でも、スタンプはカッコよかった
筆者は、平日の1月9日と土曜日の1月11日の2日間で全65駅を回り切った。トータルのラリー参加時間は、正味13時間30分(食事の時間を除く)。総歩数は22,976歩で、総歩行距離は約18kmだった。
今回のスタンプラリーは1日で完遂できそうになかったので、東京23区内のJR線が乗り降り放題の1日パス「都区内パス」(大人760円)を2回購入している。しかし、これだけでは全駅回り切れない。
【「都区内パス」で乗降できない駅区間と運賃】※運賃はIC利用の場合
●金町駅⇔取手駅の区間
・金町駅⇔松戸駅……157円
・松戸駅⇔北松戸駅……136円
・北松戸駅⇔新松戸駅……136円
・新松戸駅⇔柏駅……168円
・柏駅⇔我孫子駅……157円
・我孫子駅⇔取手駅……168円
・取手駅⇔金町駅……473円
●浜松町駅⇔羽田空港第1ビル駅の区間
・浜松町駅⇔天王洲アイル駅……199円
・天王洲アイル駅⇔羽田空港国際線ビル駅……346円
・羽田空港国際線ビル駅⇔羽田空港第1ビル駅……199円
・羽田空港第1ビル駅⇔浜松町駅……492円
■合計 2,631円
これに都区内パス代2日間分を加えると、4,151円となる。
もし土・日・祝日のみでラリーに参加する場合は、スタンプ設置駅を完全網羅する「のんびりホリデーSuicaパス」(大人2,670円)がお得だ。1日で全駅回り切ればそれっきりだし、2日間かかる場合は1日目は「のんびりホリデーSuicaパス」で取手駅方面と羽田空港第1ビル駅方面を攻略しておき、2日目は「都区内パス」で23区内の駅を回れば3,430円と少しお得になる。
「都区内パス」のSuicaバージョン。新規で作る場合は、500円のデポジットが必要
本ラリーに参加して1番印象に残ったのが、各駅の気合いの入れ具合だ。駅員の中にガンダムファンがいるかどうかが左右しているのかもしれないが、気合いが入っている駅では、スタンプ台案内ポスターの入魂コメントや段ボール紙で手作りされたMS、フォトスポットなど、さまざまなお楽しみ要素がちりばめられていた。逆に気合いが入っていない駅では、スタンプ台がポツーンと置いてあるだけ……。長旅を続ける参加者にとっては、作品の名言をいじったクスッと笑えるコメントがあるだけでも、元気ややる気が出てくるものだ。
そこで、筆者の独断と偏見で、「この駅スゴいな……」と思わずつぶやいた、気合いが入った駅を紹介したい。
【気合い入りまくりな駅TOP3】
●1位 渋谷駅
「え、もう隣の駅に着いちゃってない?」と思うほど歩かされる渋谷駅は、その参加者の気持ちをくみ取ってか、さまざまな装飾が施されていた。
成田エクスプレス/埼京線/湘南新宿ライン/りんかい線のホームの壁には、「機動戦士Zガンダム」の名言大喜利が繰り広げられている。その数なんと30枚! ちなみに写真の1番手前のポスターは「歯を食いしばれ! スタンプラリーに参加しないなら修正してやる!」
これも好き
案内ポスターもひと筋縄ではいかない。「新南改札外なんです、わたくし」
そして改札のある2Fまでエスカレーターで上がっていくと……
フォウ!
フォウとドライブできるフォトスポット
MSやシャアになりきれるマスクもたくさん用意。写真左上にあるティターンズのバスク・オム大佐モデルがアツい
そのほか、スタンプ台の下には独自にスピーカーが置いてあり、ここから流れる放送は一聴の価値あり。通常の構内放送の雰囲気で、カミーユ・ビダンが「お呼び出し」されていたりする。
●2位 金町駅
金町駅は、「機動戦士Zガンダム」に登場するティターンズのパイロット、ジェリド・メサのスタンプを設置。スタンプラリーの注意書きをガンプラのジオラマで表現した気合いの入り方に、あっぱれ! そのほか、「Z」関連のガンプラやティターンズの旗が飾られている。
注意書き「サブフライトシステム・可変MS・単独飛行可能MSでの駅への乗りつけはご遠慮ください。」が素敵
●3位 西荻窪駅
最初、「何コレ、怖い……」とおののいたパラス・アテネの工作。インパクトが強すぎた。
水タンクを重石にしたり、ロープで固定したりと試行錯誤が見えて、あっぱれ!
そのほかの駅も一挙に紹介。
赤羽駅のサザビーの頭部
個人的に1番好きな案内ポスター。思い切ったものである
東京駅は、カイ・シデンがお出迎え。おそらくキャラクターとしては唯一の等身大全身パネルだ。ちなみに、東京駅のスタンプ台は、丸の内南口の改札外に設置されているので注意
カミーユ・ビダンの新橋駅。これも好き
「恵比寿駅は、ヤザンを愛しています」
最後は、スタンプ全駅達成でもらえる数量限定非売品モデル「1/144 RX-78-2 E235ガンダムJR東日本専用機 Ver.」について簡単に紹介。
「E235」は、2016年3月にデビューした山手線の新車両のこと。このカラーリングを「RX-78-2 ガンダム」に取り入れたガンプラが景品だ。ガンプラの「RG」や「HG」といった主要シリーズと同じ1/144スケールで、彩色済みパーツを採用している。
中身を見てみると、意外にもPS素材の「Aパーツ(1)〜(20)」と「Bパーツ(1)〜(26)」のみの簡素仕様。シールは2枚付属する。各パーツは、手で取り外せる仕様で、子どもでも簡単に組み立てられそうだ。ちなみに、本製品の対象年齢は6歳以上。
「E235」の特徴的なドットのグラデーションデザインが肩パーツ用のシールに
最後は、渋谷駅に掲示されたカミーユ・ビダンのこの言葉でお別れしよう