最近、おうちで過ごす時間が長くなったことから「楽器を始めよう」と思う人が多いようで、特に電子ピアノの人気がうなぎ登りです。そこで、これまでに価格.comマガジンで企画したピアノ特集の中から「初心者向け」の情報をピックアップしてお届けします。電子ピアノの選び方から、レッスンのコツ、キーボードの注目モデル情報、自宅でできる防音の工夫まで取り上げていきます!
本記事内ではサマリー的にざっとご紹介しますので、気になる項目がありましたらぜひ過去記事のリンクから詳細をご覧ください。
ピアノを弾きたいと思ったとき、もちろんアコースティックピアノを設置できればそれがベストですが、現実的に設置が難しいというご家庭も多いですよね。特に多く立ちはだかるのが「室内に置くスペースがない」「ご近所への騒音の影響が気になる」などの問題。そこで、電子ピアノに人気が集まるわけです。
一般的なアップライト型のモデルもあれば、脚部のない卓上型のモデルもあります。レッスン用に使うならアップライト型のほうがよいですが、趣味程度に始めるならまずは卓上型を選ぶのもアリ
アコースティックピアノよりもコンパクトな電子ピアノは、電子機器なので音量調整ができ、ヘッドホンから音を鳴らせるので夜間でも演奏が可能です。趣味で使う初めての1台として選びやすいのはとても魅力的。価格.comでも、人気モデルを調べるといまだに入荷待ちのショップがあるほどで、2021年に入ってもこの盛り上がりは続きそうです。
電子ピアノを選ぶときに重要なポイントは大きく3つ、「鍵盤のタッチ感」「音色」「付属品」です。特に大きいのは「鍵盤のタッチ感」。メーカー各社がいちばん力を入れているのがまさにココで、「電子ピアノでアコースティックピアノのタッチ感を再現すること」を追求しています。
鍵盤をプラスチックではなく、アコースティックピアノと同じ木材で製造したり、白鍵表面の塗装で指触りのよさを演出したり、鍵盤を押したときに指先に感じられる手ごたえ(エスケープメント)を再現するなど、各社さまざまなこだわりを投入しています
また、あくまでも電子ピアノの音は作られた電子音なので、音としてはアコースティックピアノのものがオリジナル。そこでメーカー各社とも、できるだけアコースティックピアノに近づけた音を出せるよう研究を重ねています。
というわけで、電子ピアノを選ぶときは、自宅にムリなく設置できるサイズでありつつ、鍵盤のタッチ感や音色のクオリティができるだけ高いモデルを選びましょう。
ちなみに「誰がどういう目的で弾くのか」によって、最適な電子ピアノは変わります。以下の特集記事では、ヤマハ、カワイ、カシオ、ローランド、コルグという代表的な5メーカーから、6つのシーン別に製品をピックアップしました。こちらを参考に、ぜひステキな1台を見つけてください。
【詳細はこちら】
おすすめの電子ピアノ13選! 初心者向けから本格派モデルまで
さて、せっかくピアノを始めても三日坊主になってしまったらもったいないですよね。練習すればするほど上達するのが楽器のおもしろいところで、一度その達成感を経験してしまえばOKなのですが、その醍醐味を知る前に挫折してしまう人も多いようです。そこで、ピアノの先生に「ピアノ上達のコツ」を聞いてみたところ、以下のようなポイントを教えていただきました。
・まずピアノの音や旋律を聞いたときに、「きれいな音」「やさしい音」などその音をどんな風に感じたかを大切にすること
・譜読みのコツは、隣り合う音(線の音と間の音)の関係を把握すること&2度と3度の音を読み分けること
・指を動かすときに頭で考えないようになること
・楽譜を見たときに1音1音を個別ではなく“ミレド〜”のようにメロディの流れとして認識すること
(以上、池川礼子先生/一般社団法人全日本ピアノ指導者協会正会員より)
いわく、楽曲の90%は2度と3度の音の組み合わせ(1個飛び、または2個飛び)で旋律が成り立っているんです。ピアノの場合、それは“隣の鍵盤、またはひとつ飛びの鍵盤を弾けばいい”ということ。それがわかると、メロディだけならすぐに弾けるようになると言います
……と言っても、最初のうちはどういうことかわかりにくくてピンと来ないかもしれません。以下の記事でひとつずつ詳細を解説していますので、ぜひご参照ください。
【詳細はこちら】
ピアノ上達のコツとは? 初心者が気づきにくい「大切なこと」をピアノの先生に聞いてみた
よく言われることですが、ピアノに限らず楽器を練習するときは「自分の演奏をいかに楽しめるか」が、最も上達に近づく方法です。その楽しさに気づくヒントとコツをつかみましょう。
「ピアノに興味があるけれど、趣味程度で手軽にトライしたいな」という人にとっては、電子キーボードも選択肢になります。鍵盤の設計が電子ピアノとは異なることもあり、本格的なピアノ練習には向きませんが、簡易的なシンセ機能を使えばいろいろ遊べて、鍵盤楽器のおもしろさを学べるのが魅力です。注目製品がいくつかあるので、順番にご紹介していきましょう。
この分野でまず注目したいのが、カシオのミニキーボードです。価格.comでは3,000円台から購入できるという手軽さ! いくら楽器に興味が出てきたと言っても、いつまで続くかわからない趣味にいきなり多額の投資をするのは気が引ける人も多いでしょう。その点、カシオのミニキーボードは「とりあえず鍵盤楽器に触れてみたい!」くらいのノリで購入しやすいのです。しかもコンパクトで電池駆動にも対応するので、いろいろな場所に持ち運べます。
「ピアノのおもちゃみたいなもんでしょ?」とあなどるなかれ。カシオのミニキーボードはプロにも愛用者が多いです
しかも、たくさんの音色を切り替えていろいろなサウンドで弾くことができたり、ドラム音を鳴らせる「ドラムパッド」を備えていたり、内蔵音楽を再生する自動演奏機能なんかも付いています。以下の記事で詳細をレビューしていますのでぜひご覧ください。
【詳細はこちら】
価格.comで3千円台から! 超気軽に買える“カシオのミニキーボード”の魅力
「ゆくゆくはピアノを練習したい」と思っている人が、鍵盤楽器への第一歩を踏み出すのに人気なのが、鍵盤が光るタイプのキーボードです。「演奏する楽曲にあわせて、次に押さえるべき鍵盤が自動で光り、演奏をナビゲートしてくれる」という機能です。楽器練習は、「弾けた」という成功体験が最大のモチベーションになるもの。光っている鍵盤を押さえれば正しい音を鳴らせるキーボードは、初心者の成功体験をアシストして楽器練習のモチベーションを喚起してくれます。
有名なのはカシオの「光ナビゲーションキーボード」シリーズ
こちらはヤマハの「ライトガイド機能」付きキーボードです
【詳細はこちら】
「らくらくモード」なら誰でも演奏できちゃう! カシオ「鍵盤が光るキーボード」の魅力再発見
ヤマハが8年ぶりに“鍵盤が光るキーボード”発表! 楽器メーカーらしいレッスン機能満載
さらにさらに、「練習しないで弾けるショルダーキーボード」という楽器もあります。「sonogenic(ソノジェニック)」という製品名で第一弾モデルが2019年にヤマハから登場し、大きな話題になりました。
シリーズとしては、スタンダードモデル「sonogenic SHS-500」と、機能を簡略化したエントリーモデル「sonogenic SHS-300」の2種類をラインアップ
「練習しないで弾ける」、そのポイントはスマートフォンです。本製品にはスピーカーが搭載されていますが、Bluetooth経由でスマホとワイヤレス接続することで、スマホの中に保存されている音楽データを本体のスピーカーから鳴らすことができるようになります。そこでキーボードの「JAM機能」をONにすると、今鳴っている音楽に合わせたコードが鍵盤にリアルタイムで割り振られます。どの鍵盤を押しても、そのとき再生中のフレーズに該当する音が鳴るようになるんです。
つまり、ユーザーがスマホで楽曲を再生しながら適当に鍵盤を押すだけで、何となく一緒に演奏できちゃうというわけ。「練習しないで楽器が弾けるようになればいいのに」と思ったことのある人も多いでしょうが、その願いをかなえてくれる1台です。以下の記事では、JAM機能による演奏の動画も含めてご紹介しています。
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まさかの“練習しないで弾ける楽器”がヤマハから登場!「sonogenic SHS-500」がおもしろい
最後に、自宅で伸び伸びとピアノ&キーボードを弾くために確認しておきたいのが、「防音」についてです。ご近所への影響を考えてきちんとマナーを守りましょう。
防音のキーワードは、大きく「遮音」「吸音」「防振」の3つ。「遮音」と「吸音」は空気を伝わって響く音(空気伝播音)を抑えるために、音を跳ね返して外に漏れないようにしたり、音を吸収して反響を抑えること。「防振」は、楽器自体の振動が建物の構造に伝わって生じる音(固体伝播音)を抑えることです。アコースティックピアノでも電子ピアノでも、これらの対策が必要となります。キーボードの場合は主に「遮音」と「吸音」に気をつければ大丈夫かと思います。
もちろん、これらの特性を踏まえて設計された防音室があれば解決なわけですが、ちょっとした趣味のために自宅をすぐに改造するのはなかなか厳しいですよね(汗)。であれば、「自分でできる限り実行できる防音」をしましょう! ピアノの場合、ざっと書き出してみるだけでも以下の工夫ができますよ。
・演奏時間は昼間だけにする
・電子ピアノなら、早朝&夕方以降の時間帯はヘッドホンを接続する&消音機能を使う
・窓には「防音カーテン」、なければ厚めのカーテンを吊す&テープで隙間を留める
・吸音効果が期待できる段ボールや卵のパックなどを使って、防音壁を自作する
・市販の「防音パネル&シート」を壁に貼る
・ピアノの脚部に防振・防音マットやインシュレーターを設置する。またはじゅうたんを敷く
・集合住宅の場合は、周囲の住戸と隣接する壁側への設置を避けて、自室内の間仕切りとなる壁側へピアノを配置する
ヘッドホンが使える電子ピアノでも、振動対策のために防振・防音マットを敷くなどの配慮があるとより安心です
↓以下の記事では、ヤマハに協力をお願いし、自宅でできる防音の工夫についてまとめています。ピアノに限らずギターや吹奏楽器なども含めての情報を取り上げていますので、ぜひご覧ください。
【詳細はこちら】
自分でできる防音の工夫! 家でピアノやギターを弾くときに気を付けるコツ
というわけで今回は、主にこれからピアノ&キーボードにトライする人に向けてちょっとした参考情報をまとめてみました。ぜひ、おうち時間を使ってピアノを楽しんでいきましょう♪
オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。