国内市場シェアトップの加熱式タバコデバイス「アイコス」を展開するフィリップモリス ジャパンは、2026年7月6日、新型の加熱式タバコデバイス「ボンズ バイ アイコス(bonds by IQOS)」と、その専用タバコスティック「ブレンズ(blends)」を、九州の一部地域(福岡県、佐賀県、長崎県)で発売しました。
デバイス「ボンズ バイ アイコス」(税込各2,980円)は2色展開で、写真は「オーシャン ブルー」。スティック「ブレンズ」(各570円)は全4銘柄をラインアップ
本稿では「ボンズ バイ アイコス」と「ブレンズ」それぞれの特徴を試喫レビューとともに紹介するほか、本家「アイコス イルマ アイ」シリーズとの違いもレポートします。
まずは、加熱式タバコデバイス「ボンズ バイ アイコス」から、一部筆者のリサーチ情報を交えて解説。
本製品は、2022年11月、フィリップモリス社がフィリピンで販売を開始して世界デビュー。本体の底面などには「bonds 2」との記載があり、日本には「二代目」が上陸したと思われます。
充電にはUSB Type-Cケーブルを使用。約120分で満充電されます
機能面での最大の特徴は、タバコ葉を燃やさずに「外側」から加熱する「ラウンドヒート・タバコ・テクノロジー」を採用していること。本家「アイコス イルマ アイ」シリーズは内側から加熱する方式を採用していますが、この差が味わいの違いも生み出しています(詳しくは後述)。また、「アイコス イルマ アイ」シリーズ専用タバコスティックの「テリア」と「センティア」は使用できません。
タバコスティックの挿入口。なお、本体はアルミニウム製ですが、フタを含む天面はプラスチック系の素材を使用しています
サイズは、29.5(幅)×21.4(奥行)×108.4(高さ)mm。「アイコス イルマ アイ」シリーズで最も形状が近い「アイコス イルマ アイ ワン」より、ひと回り小さく、ただし厚みは「ボンズ バイ アイコス」のほうがあり、手に持つと、がっちりホールドしている感じが得られます。
上が「アイコス イルマ アイ ワン」で、下が「ボンズ バイ アイコス」
また、見逃せないポイントが2,980円(税込)という本体価格。「アイコス イルマ アイ」シリーズで最も安価な「アイコス イルマ アイ ワン」が3,980円(税込)なので、この1,000円の差は魅力的と言えるでしょう。ただ、「ボンズ バイ アイコス」には、「アイコス イルマ アイ」シリーズに付いているようなデバイスの設定変更機能は搭載されていません。
使い方は、LED付きの電源ボタンを押すだけとシンプル。パフを重ねるとLEDのバーが減っていき、吸い終わりは振動で知らせてくれます
なお、デバイスのカラーは「オーシャン ブルー」と「コズミック ブラック」の全2色をラインアップ。アクセサリーは現時点では用意されていませんが、これらの拡充も今後の反響次第で左右されることでしょう。
左が「オーシャン ブルー」で右が「コズミック ブラック」
次は「ボンズ バイ アイコス」専用のタバコスティックブランド「ブレンズ」について。
銘柄は以下の全4種。それぞれ1箱20本入りで570円(税込)。「センティア」と同価格です。
・レギュラータイプ2種
「リッチ クラシックス」「バランスド クラシックス」
・メンソールタイプ1種
「アイシー フレッシュ」
・フレーバー系メンソールタイプ1種
「ブルーベリー」
左上から、「ブレンズ リッチ クラシックス」「同バランスド クラシックス」「同アイシー フレッシュ」「同ブルーベリー」
タバコスティックのサイズ感は、「テリア」や「センティア」とほぼ変わりません。デザインはグラフィックの要素が多く、鮮やかなカラーパターンが印象的です。
左が「ブレンズ リッチ クラシックス」。右が「テリア リッチ レギュラー」と、「センティア コバルト ブルー」
肝心の味わいはどうか。
第一印象で感じたのは、タバコ葉の“すっぴん”な味と、ポップコーン臭のなさ。「アイコス」も年々進化するなかで、特有のニオイは徐々に軽減されていますが、「ボンズ バイ アイコス」×「ブレンズ」ではさらに抑制されていると感じました。
チープさは皆無。良くも悪くもワイルドな味で、物足りなさは感じませんでした
また、スモークの量も十分。これは、細かく刻んだタバコ葉を、直接スティックに詰め込んでいる仕様によるものかもしれません。なお、「テリア」や「センティア」は「キャストリーフ(加工葉)」と呼ばれる、タバコ葉をシート状に成形したものが入っています。
「ブレンズ」と「テリア」のスティックをそれぞれ裁断。左の「ブレンズ」は細かく刻んだタバコ葉、右の「テリア」にはシート状に成形したタバコ葉が、加熱用のステンレス製誘熱体と一緒に入っています(「センティア」は「テリア」と同様)
いっぽう、喫味の本領が3〜5回ほどパフを経てから発揮される点は気になりました。加熱の待ち時間は約25秒と、「アイコス イルマ アイ」(約20秒)とさほど大差ありませんが、「ブレンズ」本来の持ち味を感じるには少し手間と時間を要します。
加えて、後半には加熱パワーのダウンによると考えられる味の低減も感じました。ニオイの少ない外側加熱を採用したことで、味わいの持続性とトレードオフされているのかも、と思いました。その味の持続性でいうと、「アイコス イルマ アイ」シリーズの高い技術力を再認識できました。
さて、ここからは「ボンズ バイ アイコス」専用タバコスティック「ブレンズ」の4銘柄それぞれの味わいにフォーカス。
以下で紹介する製品写真下の●の数は、筆者独自の評価です。
香り:●●●○○、コク:●●●●○、強さ:●●●●○
「ブレンズ リッチ クラシックス」は、しっかりしたキックと、モルティーでたくましいコクが印象的。酸味はないものの、シャープでドライなニュアンスもあり、タバコ葉の旨みをダイレクトに閉じこめたような、特に“すっぴん”なおいしさを感じられるレギュラーです。
香り:●●●●○、コク:●●●○○、強さ:●●●○○
「ブレンズ バランスド クラシックス」は、意図的に含まれたであろうココナッツの香りが特徴。キックやボディは比較的おだやかで、南国調のフレーバーと相まってまろやかな味わいを生み出しています。クリーミーな個性があるため、一般的なレギュラーとは立ち位置が異なりますが、好きな人には刺さる味です。
香り:●●●○○、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
「ブレンズ アイシー フレッシュ」は、「テリア」の「ブラック」や「センティア」の「アイシー」にも近しい強冷メンソールで、ミントの味は辛すぎず、甘すぎずの塩梅。タバコ葉のコクはしたたかながらもまろやかで、ミントのアロマと調和したクリーミーなおいしさに仕上がっています。
<香り:●●●●○、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●●○
「ブレンズ ブルーベリー」も、メンソールの爽快感は強めのフレーバー系メンソールタイプ。ジューシーなブルーベリーのアロマと、スムースなタバコ葉のコクが調和しています。それぞれの風味がダイレクトに感じられ、全体的に濃厚な果実味テイスト。フレーバー系メンソールは現状でこの1銘柄のみですが、今後の拡充に期待したくなる完成度の高さです。
「ボンズ バイ アイコス」と「ブレンズ」は、安価にもかかわらず、タバコ葉本来の味わいをしっかりと感じられる、“ただの廉価版”とは言えない品質の高いブランドに仕上がっていました。
本家「アイコス」シリーズと比べると、本来の味わいが楽しめるまでのスピードや、味わいのクリアさ、時間経過とともに出る味のムラにおいては少々劣るものの、ある種、紙巻きタバコに近い喫味が得られるので、高評価する愛煙家もいるだろうと感じました。
まずは福岡県、佐賀県、長崎県での先行販売。そこでの評価が全国展開するかどうかを決めることでしょう
そのほか、筆者のリサーチによる情報も一部ありますが、それぞれのスペックの違いを以下にまとめました。外側か内側かというタバコスティックの加熱方式に加え、最高加熱温度の違いも、各味わいに寄与しているものと考えられます。
今回比較した各ブランドのスペック(筆者調べ)
他社製品の例を振り返ると、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンが2025年6月に宮城県で先行発売した「グロー・ヒーロ(glo Hilo)」と「ヴァルト(virto)」は、約3か月後の同年9月に全国へと展開されました。大型新人「ボンズ バイ アイコス」と「ブレンズ」はどうなるのか、目が離せません!