同じレーンを複数台のマシンで走行する本物さながらの迫力バトル

本格的なのに簡単! 子どものためのレーシングホビー「ゲキドライヴ」の魅力を徹底調査

このエントリーをはてなブックマークに追加

1970年代生まれの筆者が子どもの頃ミニ四駆に夢中になったように、現代の子ども達を熱狂させる可能性を秘めたレーシングホビーがある。子どもがみずからの手で作り、本格的なレースを楽しめることを目指して開発されたバンダイ「ゲキドライヴ」だ。ゲキドライヴは2016年1月に誕生した玩具だが、全国で大会を開催するなど着々と競技人口を拡大させている。そんなゲキドライヴの魅力に迫ってみた。

目次
・子どもでも作れる独自の構造
・改造はマニアックに追及可能
・接触、クラッシュ上等! リアルなレース

自分が作ったクルマが走る感動を子どもたちに味わってほしい

ゲキドライヴの最大の魅力は、“マシンをカスタムする”というモーターホビーに欠かせない要素を盛り込みながら、“子どもが扱える容易さ”を実現したことにある。その大きな鍵を握るのが、「シャーシ」(ボディをかぶせる車台)の構造。モーターやタイヤといった主要なパーツを3つの「ユニット」にまとめ、「キーフレーム」と呼ばれるシャーシの土台にはめ込んでいくだけで完成する仕様とした。子どもでも簡単に作れることをモットーとしているので、工具は不要。激しいレース中でも外れない耐久性を確保しつつ、子どもの力でも抜き挿ししやすい絶妙のバランスを実現するために、開発には約5年の歳月がかかったという。

一般的なモーターホビー同様に、パーツを組み立ててマシンにする

一般的なモーターホビー同様に、パーツを組み立ててマシンにする

ニッパーなどを使わなくてもパーツは外せるようになっているので、子どもにも安心

ニッパーなどを使わなくてもパーツは外せるようになっているので、子どもにも安心

前輪のある「フロントユニット」と電池を備えた「センターユニット」、後輪とモーターがセットされた「リアユニット」を組み立てる。あとは、キーフレームを準備すればOK

キーフレームに「フロントユニット」→「センターユニット」→「リアユニット」の順番にはめていく

キーフレームに「フロントユニット」→「センターユニット」→「リアユニット」の順番にはめていく

ブロック遊びをするかのようにユニットを連結させただけで、シャーシができあがり! 余談だが、ユニットをドッキングさせる際の音も心地よいと感じるものにすることで、組み立てを楽しめるようにしているという

その後、リアバンパーを装着し、ボディをかぶせ、「レーサーズロック」と呼ばれるパーツでロックしたらマシンが完成。ロック方法も、本物の自動車のエンジンをかけるように“挿し込んで回転させてロック”となっている

ゲキドライヴのボディは、子どもが持ちやすいサイズを意識。ミニ四駆よりもひとまわり小さめだ

ゲキドライヴのレースはフリーレーンで行われるため、爽快な走りが楽しめるサイズ感でもあるという

ゲキドライヴのレースはフリーレーンで行われるため、爽快な走りが楽しめるサイズ感でもあるという

ここまでの流れを見ていると、最初の組み立てが簡単なだけか? と思われた方もいるだろう。しかし、3つのユニットに主要パーツを分けた大きなメリットは、レースの前に発揮される。一般的な動力付き自動車模型をカスタムする場合、一度全体をバラしたうえでモーターやタイヤなどを交換しなければならないが、ゲキドライヴはユニットを付け替えればいい。レーンの状態やライバル車に対応できそうな特性を持つユニットをそろえておくことで、最適なマシンに早替えできるというわけだ。

改造を追及できる“ユニットのカスタム”

上で紹介した手順でユニットを交換すればマシンの特性を変えることができるが、これだけがゲキドライヴのカスタムではない。ユニットを構成するパーツを組み替える“ユニットのカスタム”が、シンプルなのにマニアックでおもしろい。たとえば、「リアユニット」に配置するモーターだけを取り上げてみても、最高速重視や加速重視のものが用意されており、さらにモーターと組み合わせるギヤ比やリアタイヤも自由に選ぶことができる。たとえば、直線の長いコースのあるレースの場合、“最高速重視のモーターとギヤ比で、タイヤは直径の大きいものにしよう”というように戦略を練れるのが楽しく、狙いどおりにレース展開できた時のよろこびはたまらない。説明だけ聞いていると難しそうに感じるが、これはゲキドライヴのメイン対象である小学生でもやっていること。実際にカスタムして走行させる、を繰り返しているうちに自然と特性を理解し、自分自身で考え、マシンを作り上げられるようになっていくのだ。親にとっては、このような子どもの成長を垣間見られるところも、ゲキドライヴの魅力と言えるだろう。

リアユニットにあるモーターとギヤ(紫色のパーツ)の組み合わせを変えるだけでも、マシン性能は大きく変わる

モーターは3種類用意されている(2016年12月13日時点)。購入時に付属しているのは黒いラインの入った標準のモーターだが、加速重視にしたければ「パワーカスタムモーター」(黄色)、最高速を引き上げたいなら「レブカスタムモーター」(青色)に交換するといい
※付属以外のモーターは別売

モーターと組み合わせるギヤも3種類ラインアップしており(2016年12月13日時点)、スーパーギヤ(歯車)の大きさにあわせてモーターの軸の高さが微妙に異なる。ちなみに、赤色のギヤが加速重視で、紫色のほうは高速での伸びがよい

電池を搭載するセンターユニットにもしかけあり! 黄色のユニットはスタンダードなものだが、赤色のほうは電池を斜めに収納することにより低重心となり、コーナーでの安定性が向上する

標準で装備されるフロントユニットは両方の車輪の動きが同じもの(黒色)だが、左右独立で動くタイプ(青色)に替えるだけでもコーナーリングがスムーズになる。また、ステアリングが左右に切れるもの(緑色)にすれば速いスピードでコーナーを曲がる時に有利!

リアユニットに付けるタイヤは直径や太さ、材質が異なるものが用意されているほか、接地面積を減らしたテーパータイヤもラインアップ。本物のレースのように、コースコンディションにあわせて交換しよう

カスタムすることでどれほど走りが変わるのかを確かめるべく、2種類のフロントユニットで走行を比較してみた(下の動画参照)。最初に試したのは、左右の車輪が同じ動きをする標準タイプ。コーナーで外にふくらんで壁面に接触するため、速度が落ちていることがわかる。そこで、ステアリングが切れるタイプに交換してみると、8秒以降の動画のとおり、壁面に接触することなく回り続けられるようになり、ロスが格段に減った。

レースを優位に進めるには、ユニットだけでなく外装をカスタムすることも重要だ。マシン同士が接触した際、スムーズに抜き去れるようにフロントバンパーやボディサイドの形状を変えたり、コーナーを安定して曲がるために姿勢を制御するスタビライザーをセットするなど工夫してみよう。

フロントバンパーにも複数の形状がある。前走車と接触した際にスムーズに追い抜けるよう、コースに合わせて、左右どちらからが追い越しやすいかを考えて選ぼう

混戦から抜け出るには、ボディサイドの引っかかりをなくせばいい! パーツを装着してフラットな状態にすれば、相手マシンや壁面との接触ロスを減らせる

コーナーの入り口で車体が傾いた際に、あえて接地することでスピードをコントロールするリアバンパーに交換するのも有効

手に汗握る、展開が読めないリアルなレース

いくら簡単にカスタムできる構造だったとしても、肝心のレースがおもしろくなければ子どもの心はつかめない。ゲキドライヴのレースは、前述のとおり同じコース上をすべての参戦マシンが同時に走行するフリーレーン。アメリカを中心に高い人気を誇るレース「NASCAR(ナスカー)」をイメージしており、ハイスピードで走るマシンが接触しながら抜きつ抜かれつの展開を繰り広げる。百聞は一見にしかずなので、まずはゲキドライヴのレース模様を下の動画で見ていただきたい!

スケールスピード時速700km/hオーバーで走行するマシンのバトルは、なかなかの見ごたえ。特に、接触しながら前走車を抜いていくシーンは間近で見ると大人でも興奮するほどだ。しかし、このような本物のレースさながらのフリーレーンでの競争を実現するのは、非常に苦労したという。簡単に抜かれてもダメ、順位が変わらな過ぎるのも退屈、衝撃を受けて飛ばされて停止してしまうばかりではレースが成立せず、かといって安定性をもたせ過ぎるとおもしろみに欠けるなど、スリルと安定のバランスをどのようにとるかが課題となった。そのために行われたのが、車体とコースの調整。他のマシンと接触してもすぐ離れられる素材や形状を何度も試作し、コースのグリップ性能やバンクの角度、コーナーの大きさなどを1日1万回を超える走行テストを繰り返しながら改良を重ねたそう。そうした1mmの違いを追及する開発を続けた結果、同じマシンで同じコースを走っても順位に変動が起きる“リアルなレース”が再現できたのだ。

床の上でも走行はできるが、コースがあったほうが楽しめる度は高い。コーナーはタイトだが直線もそこそこ長く、競り合いがたっぷり味わえる「ハイスピードレースウェイ」は、家庭で楽しむのにうってつけだ

コーナーには90°の傾斜がついているが、路面に施された細かいリブと高速走行により、落下せずに周回できる

コーナーには90°の傾斜がついているが、路面に施された細かいリブと高速走行により、落下せずに周回できる

さらにレースを盛り上げるのが、不確定要素の多さ。接触やクラッシュで順位が変化するのはもちろんだが、コースの素材が外気温で変化するため、寒い日には高速重視の装備で挑むとグリップが効きにくくなってクラッシュすることも! コースを見てベストなマシンにカスタムできるレベルになっても、番狂わせは往々にして起こりうる。実際の自動車レースと同じように“実力+運”での勝負となるところがゲキドライヴにハマってしまうポイントだ。

公式イベントのほか、全国各地のホビーショップでも開催されている大会には家族で訪れる人が多い。参戦できるのは基本的に中学生以下となっているので、まさに子ども達のためのレースだ(一部、高校生以上を対象にした大会もあり)。その様子を見守る大人達もわが子の応援をしたり、激しいレース展開に白熱している

まとめ

ゲキドライヴは“子どものためのレーシングホビー”でありながら、大人が見ても興奮する本物さながらのレース展開が最高におもしろい。1パーツを替えただけでも走りが劇的に違ってくるので、戦略の練り甲斐もある。正直なところ、ユニットのカスタムは小さな子どもにはむずかしい場合もあるだろうが、そこは親の出番! 親が考え、すべてカスタムしてしまうのはゲキドライヴのコンセプトとする“子どもが楽しめる”に反すると思われるので、あくまでも“子どもができないことに協力する”というスタンスでいてほしいが、親子であれこれ作業するのは楽しいものだ。

実は筆者もゲキドライヴを体験し、そのスピード感とカスタムの“簡単だけれどマニアック”なところに惹かれた。プレゼントとしてもあり! と思えたので、ゲキドライヴを一台選ぼうとしたのだが……種類が多くて、選ぶべきものがわからない。そこで、子どもたちの憧れの存在である「GDA(GEKI-DRIVE Association)」のメカニックマイスター・M2さんに聞いてみたところ、月刊コロコロコミックで連載中の漫画「激レーサー 走太郎!!」の主人公が編み出したカスタムを施した「ドラゴンツイスター 走太郎カスタムDXセット」をおすすめされた。最高速が伸びるレブカスタムモーターやステアリングセットなど速く走るためのパーツがあらかじめセットされているので、そのままレースに参戦しても“強いヤツ”になれる可能性は「大」だ!

1世代に1人といわれるメカニックマイスターの称号を持ち、ゲキドライヴとレースの楽しさを伝えるために走りつづけるM2さん。手に持っているのが「ドラゴンツイスター 走太郎カスタムDXセット

バンダイと言えば“赤いヤツ”は“強いヤツ”でもあるらしい。「ドラゴンツイスター 走太郎カスタムDXセット」は2016年11月に発売されたばかりなので、ライバルに差をつけられるかも!?

もっと最新のマシンを求めるなら、2016年12月発売の「シュバルツドラゴン」を選ぶのもあり。ゲキドライヴ初搭載となる9枚歯のギヤで最高速を高めたのが特徴だ。前輪を覆い、接触時の減速を軽減するボディ構造もユニーク

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

製品 参考価格
シュバルツドラゴン 1,260円〜2017年3月15日 11:57 現在
ドラゴンツイスター 走太郎カスタムDXセット 1,998円〜2017年3月18日 11:57 現在
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
特別企画最新記事
特別企画記事一覧
2017.3.24 更新
ページトップへ戻る