誰でも人生で一度は、服に落としづらいガンコなシミを付けてしまった経験があるのではないでしょうか? お醤油(しょうゆ)やカレーうどんを跳ねさせてしまったり、化粧品を付けてしまったり……。
人類共通の「あるある」と言っても過言ではないはず
そしてこういうシミは、洗濯してもなかなかキレイにならないんですよね……。今回はそんなときの救世主になりそうなアイテムを試してみます。
「シミの8割は落とせる」という強力なシミ抜き剤。公式サイトによると、クリーニング店でも使われているのだとか
変わった商品名ですよね。「あにはからんや」は漢字で「豈図らんや」と書くのですが、「思いがけないこと、まったく想像していなかったこと」というような意味の言葉です。想像以上にシミを落としてくれる、ということでしょうか?
油性と水性のシミを同時に落とせる3種類の界面活性剤と有機溶剤を独自ブレンド。とのことですが、本当にしっかりシミを落とせるのでしょうか? 今回はいろいろなシミを使って検証してみたいと思います。
シミの定番と言えるであろう、カレー、醤油、ケチャップ、油性ペン、ファンデーション、口紅の6つの素材を用意しました。これを綿100%の白いTシャツに付けて、「あにはからんや」でちゃんと取れるか検証していきます。
綿棒でぐりぐりと染み込ませます
同じシミを2か所ずつ付けて、片方を「あにはからんや」で落とし、もう片方は洗濯機だけで落とします。
これで準備はOK!
「あにはからんや」の使用方法はごくシンプルです。
【1】シミ部分に原液をつけて2〜3分なじませる
【2】しつこいシミは歯ブラシなどでトントンとたたく(下に乾いたタオルなどを敷き、汚れを移動させるイメージ)
【3】放置せず必ず水ですすぐ(洗濯機で洗うのも可)
【4】1回で落ちない場合は【1】〜【3】を繰り返す
では上からどんどん試していきましょう!
まずはカレー。香辛料や油などさまざまな成分が入っていて、取れにくいシミの代表格ですよね。シミを取る様子を動画に収めたのでご覧ください。
Tシャツの下に乾いたタオルを敷いて、汚れを移動させるイメージでぐりぐり塗りたくったところ、カレーが取れる取れる!
中身はサラサラとした液体なので、結構たっぷり出てしまいますが、そのくらいでちょうどよさそうです。少しずつだと落ちなさそうなのでたっぷり使って下のタオルに染み込ませたところ、結構落ちました! 香辛料の固形のようなものがやや残っていますが、すでにかなり薄くなっていますね。
まだ真っ白にはなっていませんが、水ですすぐとキレイになるのでしょうか。まずはひととおり全部のシミに「あにはからんや」を付けて、最後にまとめてすすごうと思います。
続いて醤油です。シャツの袖なんかにもよく付いちゃいますよね。
液を乗せた瞬間に、ジュワ〜っと醤油が溶けていくような感じがしました。トントンと上から軽く押し当てていくだけでどんどん下のタオルに吸われていきます。
結果、ほんのり茶色く残った程度でかなりキレイに。最後の洗濯がけで真っ白になればいいなぁ。
ここからはサクサクいきます!
ケチャップも醤油と同様、割とすぐに汚れがじんわりとにじんでいきました。しかし……。
醤油よりも難航。全体に薄くなったものの、結構赤く残りました
油性ペンは液を垂らした瞬間にすごい勢いでにじみ出しました!
ぐんぐん下のタオルにしみていきます
しかし完全に消えることはなく、重ね書きした部分が線状に残ってしまいました。今回はぐりぐりと強めにシミを付けているので仕方ないのかもですが……。
今回のシミにはリキッドタイプのファンデーションを使っています。液を付けてもイマイチ汚れが浮かず、これまたなかなか難航。
何度もしっかりトライしましたが、結構残ってしまいました。むむむ……
塗った瞬間にすぐジワっと染み込んでいきました。
それなりに分厚くシミにしてしまいましたが……いかに。
やはりかなり頑張っても、口紅を重ねて塗った部分だけはなかなか取れませんでした。しかし十分に落ちてもいますね!
「あにはからんや」を付けた後は、水ですすぐか洗濯機にかけます。
それでは、洗濯して最終チェック!
まず「あにはからんや」を付けた後の状態がこちら!
何もしていない右側のシミと比べると、全体的にかなり薄くなってはいます! カレーや醤油は落ちやすいのかもしれません。化粧品はなかなか手ごわいかも?
ちなみに、下に敷いていたタオルはこんな姿に……。
しっかりシミが移動していることがわかります
では、洗濯を終えて乾いた状態がこちらです!
意外にも、醤油とケチャップは洗濯のみと大差がない結果に。落ちやすいのでしょうか。それ以外は、「あにはからんや」を使用したほうが軒並み薄くなっています。
ただ……強くシミを付けすぎたとはいえ、これではまだ「落ちた」とは言えないですよね。特に油性ペン、ファンデーション、口紅は、だいぶ薄くはなりましたが、ややシミが残ってしまいました。
そこで、もう一度シミ抜きしてみることに。
「あにはからんや」の使い方にも、「一回で落ちない場合は同じことを繰り返す」と記載がありました。
もう一回シミ抜きをして、再度洗濯にかけてみた結果がこちら!
醤油に引き続き、ケチャップもほぼ消えました! ほかの油性ペンや化粧品類も、だいぶ薄くなっているのがわかるかと
洗濯のみの右側と比べるとかなり薄くなっていますが、まだ完全には消えていません。もう一度シミ抜きをしつつ、これまでしていなかった歯ブラシでトントンとたたく作業も加えてやってみました。
トントントントンッ!
これを洗濯し、乾いた結果がこちら!
だいぶ取れました!!
洗濯のみの右側と比べるとかなり白くなりましたよね。完璧に真っ白……とは言えませんが、今回はこれでもか!と染み込ませたので、普通のシミなら十分戦えるのではないでしょうか。また、シミの中でもファンデーション、口紅はなかなか手ごわいということがよくわかりました。
本来はシミを付けてしまったらなるべく早く対処するのが一番ですが、そうもいかない状況も多々あります。また、何度も洗濯してみたけどやっぱり落ちなかったなぁ〜というシミもありますよね。
家にも、どうしても落ちないシミが長らく付着したままの服があるので、「あにはからんや」を試してみました!
醤油のようなものが付いたシミ
ボールペンか油性ペンのようなシミ
どちらも付いてからかなり月日が経過していますが、「あにはからんや」を使えば少しでも落ちるのでしょうか?
洗濯まで終えた結果がこちら!
Before → After
Before → After
1着目のほうは少し薄くなりましたが、2着目のほうはほぼ変化が見られませんでした。やはり時間がたっているシミは難しいのかもしれませんし、「あにはからんや」が苦手としているシミなのかもしれません。
なお、「あにはからんや」には落とせるシミと落とせないシミがあるようです。油や食べ物系に強いみたいですね。
●落とせるシミの種類
油性マーカー・ボールペン(油性)・クレヨン・印刷インク・ファンデーション・口紅・靴墨・機械油(鉱物油)・粘着のり・トマトソース・カレー・チョコレート・醤油・ソース・マヨネーズ・焼肉のたれなどの食べこぼし・飲みこぼしによるシミ
●落とせないシミの種類
毛染め・墨汁・顔料・血液・ボールペン(水性ゲルインク)・染料(ペンキ、絵の具、塗料)・マニキュア・ロウ・朱肉・ガム・サビ・修正液・繊維自体の変色(脱色、黄変)など
また、水洗いできるものには使用OKですが、水洗いできないものや色落ちするものには使用NGです。
「あにはからんや」を使ったシミは、洗濯のみで対応したシミとは落ち具合が歴然の差でした! 今回のようにべっとりと染み込ませてしまったシミでは、さすがに汚れが残ってしまったものもありますが、日常的に付くシミには効果的だと思います。しつこいシミには歯ブラシなどを使ってトントンとたたき、一度で諦めずに何度もシミ抜きすることでかなり薄くなっていきますよ。
大事な衣服を長く着るためにも、家庭に1本常備しておくと頼もしいかと思います。よく食べこぼしてしまう方、白い服をよく着用する方はぜひお試しください♪