本連載は、文房具ライターのきだてたくが、「価格.comマガジン」の編集担当・マキノに、便利な文房具をリモートで必死にプレゼンする様子を実況。もし紹介された製品の中で「欲しい」と思うものがあったら、それをマキノは実際に購入!……という自腹買い企画です。
第5回は、「閲覧性最強の透明ペンケース」をテーマに、最新3製品をプレゼン!
「価格.comマガジン」の編集担当・マキノ(左)に対し、文房具ライターのきだてたく(右)が、プレゼン!
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きだて マキノさんって、ペンケースはあまり使わない派でしたっけ?
マキノ そうですね……。普段は、ペン1本をリュックの内ポケットに入れて持ち歩いています。本連載第1回で、きだてさんからおすすめされて買った、ゼブラの「ブレン2+S」ですよ。
きだて 気に入ってもらえて何よりっすわ(笑)。ちなみに、リュックにペンを直入れしているのって、取り出しやすいから?
マキノ そうです。ペンケースの中をいちいち探って取り出すのが、面倒なんですよね。
きだて ペン1本なら、カバン直入れか、胸ポケットに挿しておくのがいちばんラクだよね。ただ、複数本持ち歩く場合や、ほかにハサミとか付箋とかを携帯する場合は、やっぱりペンケースは必要になってくる。そういう時に問題になるのが、先ほど出た「ペンケースの中を探って取り出すの面倒」問題なんですよ。
マキノ 確かに! それがイヤで、ペンケースを使わなくなった人も多そうですよね。
きだて ペンケースの機能でいちばん大事なのが、実は内容物がひと目で確認できる“閲覧性”なんですよ。どこに何が入っているのかがわかれば、取り出すのにゴソゴソ探る手間はないでしょ。
マキノ そりゃ、そうですね。
きだて そこで今回は、閲覧性最強の「透明ペンケース」を紹介していきます。今、めっちゃトレンドなんですよ。
マキノ 透明ペンケースって、アレですよね。塩ビのツルツルでスケスケのやつ。なんか女子高生あたりが持ってそうな……。
きだて そうそう。基本的には若い女性がメインユーザーなんだけど、最近は、単なる「透明なケース」というわけではない機能派の製品が増えてきていて、女子だけに独占させとくのはもったいない感じなんです。たとえば、これ。キングジムの「チアーズ ツインペンケース」って言うんですけども。
「透明」+「整理収納しやすい」キングジムの機能派ペンケース「チアーズ ツインペンケース」
マキノ 四角柱の透明ペンケース2つがくっついてる感じで、そこが「ツイン」なんですかね。ん? これ、どこから開けるんですか?
きだて おおー、まさにそこが説明したかった(笑)。そう、見たところ、ファスナーなどの開け口的な部分が見当たらないですよね。実は、この2つの四角柱がくっついてる分割線のところからパキッと折るようにすると……。
マキノ お! 内側からファスナーが出てきた!!
中央から割るように折り曲げると、ケースの開口部が出現!
きだて 開け口は、接合面に隠されていて、クリアなほうにはファスナーが付いています。色付きクリアのほうは、元々口が開いていて、すぐに中身が取り出せるようになっています。ちなみに、この2つのケースは、マグネットでくっついているので、折り戻すとまたパチンとくっついて元どおり。
マキノ 面白い構造ですね! 触ってみたい。
きだて 出し入れの多い筆記具は、口が開きっ放しの色付きクリアのほうに。ハサミとか定規みたいな使用頻度の低いツール系は、ファスナー付きのクリアのほうに入れると、ラクになると思います。この分類収納できる構造は優秀ですよ。
マキノ なるほど。そこが先ほど言っていた「単なる『透明なケース』というわけではない」って部分ですか。
きだて そういうこと。でも、「透明」にはそれ以上の魅力があります。これぐらいのサイズのペンケースに4〜5本のペンを入れていたら、使いたい1本を取り出すのに、どうしても指でゴソゴソかき回して探す必要がある。でもケースのボディが透明なら、外から大体中の様子がわかるから、ほら、このとおり1発でつまみ出せる。
マキノ そうか。使いたいペンを探す手間は、めっちゃ減らせますね。
きだて こうやってスパッと欲しいものが出せると、使う時のストレスはかなり減らせますよね。
マキノ うん。面倒臭さは感じにくそう。
どこに何が入っているのか、外から一目瞭然! 透明ならではの使いやすさです
きだて あと、僕は、割と何でもペンケースに突っ込んでゴチャゴチャさせがちなんだけど、中が丸見えだと、普段あんまり使っていないものも見えるんですよね。なので、「これ、使用頻度低いな。いらないから出しちゃおうか」という判断もしやすい。結果的に、中が整理されてスッキリしやすいんだ。
マキノ はー、なるほど。そういう効果もあるのか。
きだて とは言え、見た目的にオッサンには使いにくそうだな……とか思ってるでしょ?
マキノ はい(苦笑)。
きだて うん。そこは、仕方ないよね……。僕は、便利なら平気でこういうスケスケも使っちゃうんですけど、苦手に感じる人がいるのもわかる。ポイントは、やっぱり塩ビのツルツルテカテカした素材感だと思うんですよ。じゃあ、そこを減らしちゃえばいいじゃんってことで、同じくキングジムの「フラッティワークス ペンケース」はどうでしょうか。
本体前面だけを透明にすることで、質感もアップしたキングジム「フラッティワークス ペンケース スタンダード」
マキノ おっと! 一転して、グッと落ち着いた感じに。
きだて 「フラッティワークス」というのは、キングジムの帆布(はんぷ)製バッグインバッグのシリーズなんですけど、前面だけ塩ビの透明窓になってるのが特徴でして。そのペンケース版として最近発売されたのが、こちらですね。
マキノ そうか、帆布製なんだ。色も落ち着いていてよいですね。これなら、持ち歩けそうな気はする。
きだて そこ、大事。帆布の質感はいいし、「カーキ」とか「ネイビー」とか、男性が使っていても浮かないカラーも揃っています。
窓が十分に大きいので、内部の視界もしっかり確保
マキノ この雰囲気だと、前面が透明なのは、意外と違和感ないですね。
きだて うん。塩ビの素材感が気にならないでしょ。それでいて、透明ペンケースの便利さは十分に享受できるという仕組みで。
マキノ 中に何が入っているかはちゃんと見えるから。必要なものを取り出すのもスパッとできそうですね。
きだて それができないと、透明ペンケースを使う意味がないもんね。底面は、マチ幅が割と広く取られているので、容量も見た目よりはしっかりと入る感じだし、たくさん入れていても、前面窓が広いから閲覧性は十分。あと、奥側にポケットも付いているので、付箋や定規ぐらいなら、ここに仕分けて入れておくこともできます。
奥のポケットは、定規などの使用頻度低めの文具を入れておくのに、ちょうどよい感じ
マキノ はー、便利そう。(公式サイトを見ながら)サイズは、「スタンダード」と「ワイド」が揃っているようですけど、きだてさんが今手に持っているのは、どっちですか?
きだて これは、「スタンダード」ですね。「ワイド」は、高さと幅がさらに大きくて、中にもうひとつ追加で、テープのりなんかが入る仕分けポケットが付いています。「スタンダード」と「ワイド」は、基本的には容量の差だけで、使い勝手はどちらもそんなに変わらないと思うよ。
マキノ まぁ、そんなにあれこれ持ち歩くこともないし、僕も買うとしたら「スタンダード」でいいかな。
きだて ちなみに、マチ幅はどちらも同じです。あ、このマチがあるから、使う時は机に自立させておくこともできます。
マキノ いいですね。自立させて、フタは開けっ放しにできるんですか?
きだて マキノさんも文房具担当長いから、ツボがわかってきたな……。そう、自立型ペンケースは、フタが開けっ放しになるほうが出し入れしやすくて便利なんですよね。残念ながら、これはフタの完全開放はできません。ただ、マグネットスナップ式なので、開閉は単にフラップを上げ下げするだけで簡単ですよ。
マキノ うん、それならラクだし、いいかも。
きだて 最後は、塩ビじゃない透明ペンケースにしましょうか。
マキノ ん? 塩ビじゃない透明って、どういう素材なんですか?
きだて こういうやつですよ。ミドリの「ペン&ツールポーチ メッシュ」です。
文房具を収納しやすいように作られた、ミドリ「ペン&ツールポーチ メッシュ」
マキノ あー! そうか、言われてみたら、メッシュも“透明カテゴリー”に入りますよね。なるほどー。
きだて メッシュ素材のポーチって、ほかのメーカーからもいっぱい出ているんですけど、これは「文房具メーカーが、文房具の収納のために作った」というのが最大のポイントかな。
マキノ それは興味深いっすね。どのあたりが文房具収納にいいんですか。
きだて まずは、内側にポケットが2つ付いているの、見えるでしょ。
マキノ はい、見えますね。
きだて そう、実は「ポケットが見える」のがスゴいんですよ。メッシュポーチの内ポケットって、基本的に外側のメッシュと同色なので、ポケットがどこにあるのか、外からわかりづらいんだ。だけど、このポーチは、ポケットにそれぞれ外側と違う色を採用しているでしょ。
色分けされたポケットで、仕分けと取り出しがラクラク!
マキノ 確かに。どこにどういうポケットがあるのか、1発でわかりますね。でも、色が異なるだけで、使いやすさって変わってきますか。
きだて 要するに、ポーチに入っているものと、ポケットに分けて入れたものが外から見分けられるんですよ。従来の製品は、そこが区別しづらいんだけど、色分けされていると小物の取り出しがめっちゃ簡単。
マキノ へー! どんな感じか、使ってみたい!
きだて 正面から見て左上に付いているポケットは、名刺とか付箋とか、あとはUSBメモリーなんかを入れるのにいいかな。で、右側は見たまんま、筆記具用ポケットですね。使用頻度の高いものはポケットで、それ以外のツールは、そのまんま放り込むという収納なら、取り出しも簡単でしょ。
マキノ 言われてみると、機能的かも。
きだて あと、パッと見にはわかりづらいんだけど、サイズ感も重要で。ほかのメッシュポーチよりも、ちょっとだけ天地に長いんですよ。
マキノ ふむ。
きだて それによって、普通のボールペンなどよりも2〜3cmほど長いカラーペンや鉛筆がタテに収納できます。これができるメッシュポーチって、今までなかったんだ。このあたりは、まさに文房具メーカーが文房具用に作ったって感じ。
マキノ 地味だけど、それは重要かも。じゃあ、カラーペンもこの筆記具ポケットに入るんですね。
きだて そういうこと。あと、さらに地味なんだけど、筆記具用ポケットの下のほうをよく見てみて。ポーチの底から、ちょっとだけ浮いてるの、わかります?
マキノ んー? あ、はいはい。ポケットの底とポーチの底が接していないですね。
先の尖ったペンを入れても、突き破りの危険性が少ないペンポケット
きだて たとえば、製図用シャープペンシルみたいに先端が細いパイプのペンって、メッシュ地を突き破って外に飛び出すことがあるんですよ。それだと危ないでしょ。ところが、筆記具ポケットが浮いていると、ペンの先端がポーチの底を突き破らないんですよ。
マキノ うわー、ホントに地味だけど、確かによく考えられてる!
きだて さて、今回は透明ペンケースを3つ紹介したけど、どれか気になるのはあった?
マキノ うーん、「フラッティワークス ペンケース」か「ペン&ツールポーチ メッシュ」ですかね。完全に透明なのはやはり使いづらいかも……。ただ、そもそもペンケースは普段使ってないしな、というのもあるんですけど……。
きだて そうかな、とは思っていた(笑)。でも、マキノさんはガンプラ記事も担当しているから、プラモデル組む用のツールは持っているでしょ。
マキノ そうですね。普段は空いているガンプラの箱に入れたりしてますけど。
きだて ニッパーとかピンセットとか、そういったツールも「ペン&ツールポーチ メッシュ」に入れると管理しやすいですよ。
マキノ そうか! 言われてみればそうだ。別にペン持ち運ぶのに使わなくてもいいんですもんね。
きだて 普段使うツールがスッキリ整理できるという点だけでも、使う価値はあると思うよ。
悩んだあげく、ガンプラ組み立てツールが一式入れられそうな「ペン&ツールポーチ メッシュ」を自腹買い。小さいほうのポケットには、紙やすりや消しゴムを収納。筆記具ポケットには、スミ入れ用の「ガンダムマーカー」はもちろん、シャーペンタイプの長めの「スミ入れペン」も難なく収納できました。かさばる形状のニッパーや、キャップを入れると18cmと長いデザインナイフ、そしてデカールシートはメインポケットに。本体のメッシュが細かいので、尖ったものが中で引っかかりにくくて、出し入れしやすいことに感動!
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。