ゲーミングPCパワーアップ大作戦
“すちーむ☆まにあ”辻村美奈のゲーミングPCパワーアップ大作戦

ゲーマー向け“サウンド強化アイテム”を解説。オーディオインターフェイスは買い?

“すちーむ☆まにあ”辻村美奈が、Steamゲームを快適に楽しむためのデバイスや周辺機器を基礎から紹介していく本連載。第4回は、前回のゲーミングヘッドセット「Tiamat 2.2 V2」(Razer)に引き続き、「FPS」(First Person Shooter:1人称視点のシューティングゲーム)を有利に進めるための“サウンド強化アイテム”を解説する。

Steamのコアゲーマーである“すちーむ☆まにあ”が選んだのは、ゼンハイザーのオーディオインターフェイス「GSX 1000」

FPSの勝率アップにも貢献するオーディオデバイスの選び方

ひと言で“ゲームオーディオ環境”といっても、FPSやRPGなど、プレイするゲームのジャンルによって、求める音が異なってくる。この点を心得ておかないと、「評価の高いオーディオデバイスを買ったものの、納得できる音ではなかった」、「せっかく買い替えたのに、スコアにあまり変化が見られなかった」ということになりかねない。

こちらは、某ゲーマーの方のオーディオデバイス群。あれこれ試しても、納得できる音には、なかなかめぐり会えないものだ

たとえば、FPSの場合、激戦区など白熱した場面では、フラググレネード(破砕手榴弾弾)やグレネードランチャー(擲弾発射器)による爆発音が響きわたる中で戦うことがある。

一般的には、「ゲームを最大限に楽しむには、迫力のある音がいい」と思われがちだが、FPSで迫力を最大限に引き出してしまうと、爆発音だらけで銃声が聞こえなかったり、耳が疲れてしまったりするというデメリットがある。そのような場合には、音をよりクリア(シンプル)に再生するための「オーディオインターフェイス」を導入するといい。

オーディオインターフェイスを導入するメリットとは?

オーディオインターフェイスとは、パソコンに接続して、音声信号を増幅するアンプのこと。主に、DTM/DAW(Desk Top Music/Digital Audio Workstation)といった音楽用途に使われることが多いが、最近では、ゲーミング用に開発されたモデルが登場しており、特にFPSのプレイヤーが好んで使っている。

オーディオインターフェイスの導入によって、具体的には、銃声や足音、物音などを聞きやすい音質に変更したり、反響音を一切消して、より周囲の音を聞きやすくしたりできる。また、レイテンシー(遅延)を減少させ、より素早く、音に反応できるというメリットもある。

さらに、FPSを有利に進めたい場合には、バーチャル7.1chサラウンドサウンドに対応したモデルを選ぶといいだろう。実際その場に身を置いているかのような臨場感を得られるため、ゲームへの没入感がまったく違う。この点については、後ほどくわしく説明していく。

コンパクトサイズの実力派。これひとつでサウンド環境を管理

今回、そんなオーディオインターフェイスの中から、ゼンハイザーの「GSX1000」を実際に使ってみることにした。ゼンハイザーと言えば、オーディオ機器メーカーとして世界的に有名だが、最近では、ゼンハイザーのゲーミング製品を愛用するプロゲーマーが増えている。私も、ずっと気になっていたひとりだ。

これが、ゼンハイザーの「GSX 1000」。電源は、USB接続によるバスパワー方式を採用する

これが、ゼンハイザーの「GSX 1000」。電源は、USB接続によるバスパワー方式を採用する

インターフェイスは、左から、microUSBポート、スピーカー出力、マイク入力、ヘッドホン出力を装備する

インターフェイスは、左から、microUSBポート、スピーカー出力、マイク入力、ヘッドホン出力を装備する

まずは、本体のデザインや機能面からチェックしていこう。

GSX1000の本体サイズは13.9(幅)×7(高さ)cm、重量は299gと、たいへんコンパクト。モニタースタンド下のスペースにも、すっぽり収まる大きさだ。また、電源はバスパワー方式を採用しており、USBケーブルを使ってパソコンに接続するだけで、起動できる。サウンドカードのように、手間のかかる設置作業が必要ないため、これであれば、ゲーミング初心者も安心だ。

直感的なタッチ操作で、簡単カスタマイズ!

GSX 1000が起動すると、LEDタッチパネルが点灯する。赤と白のコントラストがはっきりしていて、視認性は高い。さらに、LEDタッチパネルの各アイコンをタップして、直感的に操作できるのが大きなポイントだ。

ゲーミングデバイスは通常、専用ソフトを使って設定を切り替える場合が多い。ほとんどのPCゲームはフルスクリーンでプレイするため、設定を変更するたびに「Windows」キーを押して、専用ソフトの画面を起動する必要がある。

しかし、GSX1000では、本体のLEDタッチパネルをタップするだけで、手軽に設定を変更できる。さらに、四隅にある「−」ボタンを長押しして、最大4つのプリセットを保存しておけば、お気に入りの設定を素早く呼び出せる。設定変更のために、プレイをさまたげないのはうれしい。

各アイコンを説明すると、(1)ヘッドホン/スピーカーの切り換え、(2)イコライザの設定を「e-Sports」「Music」「Story(動画)」「イコライザ無効」から切り替え、(3)重視する音の方向を「前方音強調」「後方音強調」「表示なし」から切り換え、(4)2.0chステレオ/バーチャル7.1chサラウンドサウンドを切り換え(バーチャルサラウンドはヘッドホン使用時のみ)、(5)マイク利用時のモニタリング音量を設定、(6)残響音の設定、となる。なお、中央に表示された数値(ここでは「88」)は音量を表している

四隅の「−」ボタンを長押しすると、最大4つのプリセットを保存できる。保存した設定は、「−」ボタンをタップするだけで、すぐに呼び出せる

音量の調整は、液晶を囲むように、円状に設置されたアルミ製ボリュームコントローラーを使用する。コントローラーを回すと、液晶の中央に表示された数字が増減するしくみだ。なお、このコントローラーは操作しやすいうえ、アルミ製で質感がよく、しっかりとした重みもあった。このような点に、オーディオ機器ブランドであるゼンハイザーのこだわりも感じた。

さらに、ちょっとしたこだわりが際立っていた。たとえば、背面にスタンドを備えていること。これを立てると、画面が斜めになるため、ゲームをプレイしながら、LEDタッチパネルを操作しやすかった。また、手をかざした際に、ふわっと、LEDが点灯する演出も気に入った。見た目がいいだけでなく、いちいちスイッチをつける手間が省けて、とても便利だ。

GSX 1000のスタンドを立てると、これくらいの角度がつく。ゲームのプレイ中でも画面が見やすく、LEDタッチパネルを操作しやすい

FPSの世界がよりリアルに! バーチャルサラウンドの実力とは

次に、実際に音を再生した際のフィーリングなどをチェックしていこう。

GSX 1000は、ゼンハイザーによる「バイノーラルレンダリングエンジン」(残響音や音の聞こえ方をシミュレートし、音が聞こえた場所をわかるようにする機能)を搭載しているのが特徴だ。

試しに、現代戦をモチーフにしたリアル系FPS「insurgency」で、GSX 1000を使ってみると、近くにいる敵の足音や銃声がクリアに聞こえ、敵がどこにいるのか判断しやすかった。また、自分と敵の間に、障害物や壁といった遮へい物があると、音が聞こえにくくなり、よりリアルに近い感覚になる。ゲームをプレイしながら、何度もリアルと錯覚しそうになったほどだ。

さらに、プロゲーマーの要望をもとに設計したという、バーチャル7.1chサラウンドサウンドにも対応している。

前述のように、2.0chステレオとバーチャル7.1chサラウンドサウンドは、LEDタッチパネルを操作して切り換えるが、初回の利用時は、Windows標準の再生デバイスで設定しておく必要がある。手順は簡単なので、ゲーミング初心者も迷わず設定できるだろう。

バーチャル7.1chサラウンドサウンドの具体的な設定方法を見ていこう。「スタート」→「コントロールパネル」→「サウンド」を選択し、GSX1000を「規定のデバイス」として選択し、左下の「構成」をクリックする

スピーカーのセットアップ画面が表示されるので、「7.1サラウンド」を選択し、テストをクリックする

スピーカーのセットアップ画面が表示されるので、「7.1サラウンド」を選択し、テストをクリックする

右の図と同じ方向から音が聞こえてくるので、その音を確認しながら微調整する

右の図と同じ方向から音が聞こえてくるので、その音を確認しながら微調整する

バーチャル7.1chサラウンドサウンドの初期設定が終わった後、ヘッドセットを装着して、人気のFPS「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」(PUBG)をさっそくプレイしてみた。

すると、近くにいる敵が飛び出してくるタイミングや方向が音だけではっきりわかるなど、バーチャル7.1chサラウンドサウンドの効果を確かに体感できた。実際に、ゲーム序盤での激戦区などで、近距離戦でも優位に立ち回ることができ、残り2人になるまで生き残れたほどだ。

PUBGのスクリーンショット。筆者はFPSが好きだが、あまり得意ではない。そのうえ、まだPUBGのプレイ時間が20時間弱という状況ながら、この好成績は奇跡かもしれない

ちなみに、ヘッドセット以外にも、音楽用のイヤホンとの相性もいいと感じた。たとえば、iPhone付属の純正イヤホン「EarPods」とGSX1000を使って、FPSをプレイしたところ、しっかり、7.1chサラウンドサウンドを再生できて驚いた。この音質であれば十分に、PUBGを勝ち抜けるレベルだと思う。

GSX1000を使えば、簡単な初期設定だけで、通常のヘッドセットやイヤホンも、立派なゲーミングデバイスとして使えるようになる。これには正直、驚いた。

RPG用とFPS用のオーディオ環境を使い分けるのがおすすめ

“音がよくなる”という点では、前回紹介したゲーミングヘッドセット「Tiamat 2.2 V2」(Razer)と方向性が同じように見えるかもしれない。しかし、実際に使ってみると、“音のよさの種類”が異なっているのがよくわかる。

たとえば、GSX 1000で低域を重視しようと思うと、イコライザを「Story(動画)」に設定して、重いドンシャリ系で再生するしかない。そのため、低域の再生に関しては、サブウーハーを備えたゲーミングヘッドセットのTiamat 2.2 V2のほうが有利だ。RPGなど、ゲーム音楽を楽しむジャンルでは、GSX 1000は、やや物足りなく感じてしまうかもしれない。

しかし、GSX 1000は、クリアな音で聞き取りやすいのがメリット。FPSには最適だった。もし、予算に余裕があるのなら、FPSでは、GSX 1000+ヘッドセット/イヤホンという組み合わせ、RPGでは、Tiamat 2.2 V2のようなサブウーハー搭載ゲーミングヘッドセットを使うというように、ゲームのジャンルによって、アイテムを使い分けてプレイしたい。それだけで、ゲームの楽しみ方がガラリと変わるはずだ。ああ、お金持ちになりたい……。

ライター:辻村美奈(オフィスマイカ)

オフィスマイカ

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編集プロダクション。「美味しいもの」と「小さいもの」が大好物。 好奇心の赴くまま、良いモノを求めてどこまでも!(ただし、国内限定)

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