最後に、もうひとつの新製品「M-HT1DRBK」を紹介しよう。こちらは直径52mmというエレコム最大のトラックボールサイズを採用したモデルで、大きさも幅114.7mm×奥行181.9mmとかなりの大型製品になっている。これは、本体上面に低反発素材のパームレストを採用するなど、単にトラックボールが大きいだけでなく、使い勝手に関しても配慮された設計となっているため。また、直径52mmのトラックボールは、人差し指と中指のどちらでも(場合によっては2本で)操作できるようになっているのは、ポインター操作において大きなメリットとなってくれる。なお、ポインターの速度調整は「M-DPT1MRBK」と同じく500/1000/1500カウントの3つが選択できるようになっている。
「M-HT1DRBK」のアイデンティティともいえる超大型のパームレスト。低反発素材が使われており、感触もなかなかだ
今回紹介したトラックボールマウス3機種のトラックボールを比較した写真。一番右が「M-HT1DRBK」のもので、直径は52mmとなっている
外観は、もはやサイバーパンク的なデザインとなっていて素直にカッコイイと思える(この際女子受けは考えない)。ボタンのレイアウトは「M-DT1DRBK」に近く、親指側の側面に左クリック+上下左右スクロールホイール+進む/戻るボタンが配置されている。このうちスクロールホイールは(特に明記がないものの)操作感から機械式だと思われる。「M-DT1DRBK」に比べて軽い操作感になったが、「M-DPT1MRBK」に比べると動き始めに遊びの大きさを感じる。ことスクロールホイールに関しては、「M-DPT1MRBK」にアドバンテージがありそうだ。なお、トラックボール右側には細長い(それでも「M-DT1DRBK」よりは幅がある)右クリックボタンとファンクション3ボタンが並んでいる。
トラックボール周辺のボタンレイアウト。ファンクションボタンはすべてこちらに配置されている
左側面に左クリック+上下左右スクロールホイール+進む/戻るボタンを搭載
本体の大型化にともなって、使用する単3電池が2本へと変更され、想定電池使用期間もかなり長くなった。「M-DT1DRBK」と同じ計算(1日8時間のパソコン操作中5%をマウス操作に割り当てた場合を想定)で、「ローエナジーモード」約534日、「ハイスピードモード」約325日というのは、ありがたい限りだ。
大型ボディで電池を収めるスペースが用意できたこともあり、使用電池は単3電池2本となったが、その分電池駆動の時間も格段に伸びている
さて、実際に使ってみると、「M-DT1DRBK」や「M-DPT1MRBK」とは大きく異なる独特の操作感を持ち合わせていた。ケンジントンなど他社製大型トラックボールマウスと比較されることを想定しているのかもしれない、テーブルに置いたボールを2本の指で細やかに操作していくイメージだ。慣れるまで多少の時間がかかりそうだが、慣れてしまえばストレスのないスムーズな操作が行えそうだ。なにしろ、手首に角度がつかない+パームレスト一体型のため、手首がとても楽。これは、「M-DPT1MRBK」に対しても大きなアドバンテージといえるだろう。
このように、エレコムの最新ワイヤレス・トラックボールマウス「M-DPT1MRBK」と「M-HT1DRBK」は、既存モデル「M-DT1DRBK」を大きく上回る操作性を持ち合わせた、なかなか良質な製品に仕上がっている。特に、トラックボールの大型化はポインター操作に大きな変化をもたらしてくれるので、これから入手しようと考えているユーザーであれば、この2製品のどちらかを選ぶのが得策といえる。すでに「M-DT1DRBK」ユーザーで違和感のない操作性が好みの人、またはスクロールホイールが俊敏な動きをする方がいいという人は「M-DPT1MRBK」を、ケンジントン製など大型トラックボールマウスを使用したことがある人や細かいポインター操作を行いたい人には「M-HT1DRBK」をオススメしたい。