Dynabookは2020年8月19日、ノートパソコンと外付けのGPU Boxを組み合わせた「8K映像編集PCシステム」を発表した。同日から受注を開始する。シャープの最新スマートフォン「AQUOS R5G」で撮影した8K動画の編集をサポートするのが狙いで、シャープ傘下となったDynabookならではの製品と言える。
大画面ノートパソコンと外付けGPU Boxを組み合わせたDynabookの「8K映像編集PCシステム」
同社はシャープ製のIGZO液晶を積極に採用するなど、シャープ傘下となり、新しいdynabookを模索している。今回の「8K映像編集PCシステム」は、シャープ製の最新スマートフォン「AQUOS R5G」で撮影した8K動画の編集をサポートするというのが、グループ内の役割だ。
「8K映像編集PCシステム」の概要。動画編集アプリは別売
そんな「8K映像編集PCシステム」は、15.6型ディスプレイを搭載する大画面4Kノートパソコン「dynabook Z95」とThunderbolt 3接続のGPU Boxを組み合わせたもの。デスクトップPCではなく、ノートパソコンを採用したのは数多くのノートパソコンを手がけてきたdynabookの強みを生かすためだ。
高いモビリティと性能を両立するために、内蔵GPUではなく外付けのGPU BoxとノートPCを組み合わせることで、1台でノートパソコンとデスクトップPCの両方の使い方を可能としている。ノートパソコン単体でも高い処理性能を実現しており、外出先でもライトな動画編集ができ、GPU Boxのある自宅やオフィスではヘビーな編集ができるという。
法人では、スタジオや客先の打ち合わせや撮影・映像確認、納品物客先確認はノートパソコン単体で、オフィスや自宅では映像編集、動画の書き出し、Web/SNS公開などはGPU Boxに接続して作業する。これにより、映像制作の一連の作業をこなせるという。
dynabook Z95は15.6型の4K(3840×2160)液晶ディスプレイを搭載したノートパソコン。フルHDの4倍の高精細さで写真や動画を表示できるのが特徴だ。もちろん、シャープ製のIGZOを採用した、高輝度・高色純度・広視野角・高色域のディスプレイを採用する。
CPUには第10世代のCore i7-10710Uを搭載。6コア12スレッドの高性能なCPUだ。メモリーは「Adobe Premiere Pro」の推奨仕様を満たす32GB(16GB×2)。ストレージは1TB SSDで、4K動画12時間分(約650GB)を保存できるという。
外部インターフェイスにはThunderbolt 3×2、HDMI出力、USB 3.1×2、マイク入力/ヘッドホン出力などを備える。
dynabook Z95
外部インターフェイスにThunderbolt 3を備えており、GPU Boxとの接続に利用する
GPU BoxはNVIDIAのQuadro RTX 4000を搭載。デスクトップ用のグラフィックカードで、8K出力もサポートする。dynabook Z95とはThunderbolt 3ケーブル1本で接続可能。同時に充電もできるので、電源ケーブルは不要だ。
GPU Box。持ち運びやすいように取っ手がついている
デスクトップ用のQuadro RTX 4000を搭載
Premiere Pro 14.2のアップデートにより、NVIDIAハードウェアエンコーダーを利用したH.264およびH.265(HEVC)エンコーディングに対応する。これにより、CPUのみよりも高速に動画書き出しが可能になるという。
外部インターフェイスは最大85WのPower Delivery(PD)をサポートしたThunderbolt 3ポート、DisplayPort×3、USB Type-C×1を備える。8K映像はHDMI2.0×4で出力するため、変換アダプターを利用しなければならない。
同社によると、シャープの8Kテレビ「AQUOS 8T-C60AW1」での8K出力検証をしているという。
映像出力にはDisplayPort×3、USB Type-C×1を搭載。HDMI2.0に変換するアダプターを使えば、8K出力もできる