直近2週間に発表された、スマートフォンなどをはじめとするモバイル業界に関わるニュースや、各社のスマートフォンのアップデート情報をまとめて紹介する連載「隔週スマホニュース」。今回は、人気スマホ、ソニー「Xperia 10 II」のSIMフリー版の発売開始や、NTTによるNTTドコモの完全子会社化、auに並ぶKDDIのモバイルブランドになったUQ mobileなど、4つの話題をお届けする。
※本記事中の価格は税別で統一している。
「IIJmio」、「goo Simseller」、「mineo」、「nuroモバイル」のMVNO各サービスは、2020年10月1日、ソニーモバイルのスマートフォン「Xperia 10 II」のSIMフリー版の取り扱いを開始した。「Xperia 10 II」は、NTTドコモ、au、ワイモバイルですでに発売されており、価格.comの「スマートフォン」カテゴリーの人気・注目ランキングでは5位(10月1日時点)の位置に付けている屈指の人気モデルだ。
今回発売が開始されるSIMフリー版は、2,520×1,080のフルHD+表示に対応する約6.0インチの有機ELディスプレイや、ミドルレンジ向けSoC「Snapdragon 665」、4GBのメモリー、64GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットの搭載、トリプルカメラ仕様のメインカメラなど、基本的な性能はキャリア版と同じ。ただし、SIMロックがかかっておらず、2基のnanoSIMカードスロットを備えたDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応している点と、カラーバリエーションがブラックとホワイトの2色のみとなっている点が異なる。
価格は「IIJmio」と「nuroモバイル」では39,800円、「Goo Simseller」では32,800円(10月23日までのセール期間中は27,800円)、「mineo」では39,600円となっている。
NTT(持株会社)とNTTドコモは、2020年9月29日、NTTがNTTドコモ株の公開買付けを行い、今年度中に完全子会社化を目指すことを発表した。
この完全子会社化の理由として、NTTの澤田純社長は、NTTドコモの利益が業界3位と低迷していること、世界を席巻していた通信技術が、今やハードウェアとソフトウェアの両面でアメリカや中国といった諸外国の後塵を拝している状況で、次世代モバイル通信「6G」の開発を進める必要があることなどをあげている。また、異業種であるGAFAの参入といった、情報通信市場を取り巻く環境や社会トレンドの変化も大きいようだ。
先日発足したばかりの菅政権は携帯料金の値下げを主張している。これについて澤田社長は、経営基盤が強まることで結果として値下げの余力が増える、としている。また、NTTは子会社化の議論を数年前から行っており、今年4月に方針を決定、NTTドコモ側には今年6月に伝えられた経緯があり、内閣の方針を直に受けての決定というわけではないようだ。
同時に、NTTドコモの次期社長として、NTT出身で今年6月からNTTドコモの副社長に就任している井伊基之氏の昇格が発表された。KDDIの「UQ mobile」「BIGLOBE」や、ソフトバンクの「ワイモバイル」「LINEモバイル」のようなサブブランド・マルチチャンネルの活用について、井伊新社長は「現段階ではなにも考えてない」と断ったうえで、「あらゆる年代のユーザーに支持されるサービス」を目指すとしており、手段のひとつとして一定の理解と可能性をにおわせていた。
新社長の井伊基之氏。収益の伸び悩み、政府による値下げの圧力に加え、技術面で地位が低下しているNTTドコモの立て直しを目指す
KDDIは、事前に告知されていたUQコミュニケーションズの格安SIMサービス「UQ mobile」の移管を10月1日に予定通りに行った。これにより、10月1日より全国22店舗のKDDI直営店で「UQ mobile」のサービスの取り扱いが始まった。KDDIのモバイル事業は、大容量プランを中心にした「au」、価格を抑えた「UQ mobile」という2ブランド体制になる。なお、「UQ mobile」は、MNOとしてKDDIに迎えられる。
「au」と「UQ mobile」の間には、これまでMNOとMVNOという立場の違いに基づく技術的な相違がいくつか存在してきたが、10月1日時点では、「UQ mobile」のサービスにおいて技術的な変更や料金プランの見直しなどは行われず、サービスはそのまま継承される。また、「UQ mobile」の端末は引き続きSIMフリーモデルとして発売される。
なお、10月1日から、UQ mobileからauにMNP移行する際の手数料を最大15,500円分割引きする「UQモバイル→au番号移行プログラム」を実施する。同プログラムでは、auの「データMAX 5G」「データMAX 4G LTE」などの対象プランに加入した場合、月額3,020円の割引きが12か月間適用される。これに、既存の「5Gスタート割」(月額1,000円×12か月の割引)と「スマホ応援割V」(月額1,000円×6か月の割引)を組み合わせることで、「データMAX 5G」と「データMAX 4G LTE」を契約当初6か月については月額3,460円で利用できることになる。
KDDI(au)は、2020年10月1日、ケータイからauスマートフォンに移行する際に適用される「スマホスタートプラン」について、従来の4Gスマホに加えて5Gスマホと4Gケータイも対象機種に加える改定を実施した。また、この改定では、固定回線とのセット割引きである「auスマートバリュー」の適用対象外だった月間通信容量1GB未満、2GB未満のプランでも、月額2,800円(1年目のもの。2年目以降は月額1,800円)の割引きが適用される。これにより、段階制料金プランである「ピタットプラン 5G (s)」や「ピタットプラン4G LTE」を選んだ場合、月額980円〜(1年目の料金、2年目以降は月額1,980円〜)という格安の料金でスマートフォンを持てるようになる。
2020年9月18日から10月1日の間に公開された、スマートフォンやタブレット、携帯電話のソフトウェアアップデート情報をまとめた。なお、定期的なアップデートが行われている端末については、除外している。
iOS14.0.1およびiPadOS14.0.1の配布
・「iPhone」(アップル)
・「iPad」(アップル)
Android 10へのバージョンアップ
・LG style2 L-01L(LG)
セキュリティアップデートおよび不具合修正
・AQUOS R5G SH-51A(シャープ)
・LG V60 ThinQ 5G L-51A(LG)
・AQUOS ケータイ SH-02L(シャープ)
・Xperia XZ3 SO-01L(ソニーモバイル)
・Wi-Fi STATION SH-52A(シャープ)
セキュリティアップデートおよび不具合修正
・AQUOS sense3 SHV45(シャープ)
・AQUOS sense3 plusサウンド SHV46(シャープ)
・URBANO V04(京セラ)
・GRATINA KYV48(京セラ)
・BASIO4(京セラ)
・Xperia XZ3 SOV39(ソニーモバイル)
・Xperia 1 II SOG01(ソニーモバイル)
・Galaxy S20 Ultra 5G SCG03(サムスン)
・Galaxy S20+ 5G SCG02(サムスン)
・Galaxy S20 5G SCG01(サムスン)
・OPPO Reno3 A(オッポ)
・R17 Neo(オッポ)
セキュリティアップデートおよび不具合修正
・DIGNO BX(京セラ)
・AQUOS R3(シャープ)
セキュリティアップデートおよび不具合修正
・Rakuten Mini(楽天モバイル)
・Find X(オッポ)
・R17 Pro(オッポ)
・AX7(オッポ)
・OPPO A5 2020(オッポ)
・AQUOS sense3 lite(シャープ)
・AQUOS R5G(シャープ)