在宅勤務が増えた昨年、認知度が一気に高まった感のあるモバイルディスプレイ。仕事のメインマシンがノートパソコンで、24型や27型の据え置きディスプレイを設置するスペースがないという人にとって、モバイルディスプレイは手軽に作業スペースを広げられる便利なアイテムだ。
各社からいろいろな新モデルが登場しているが、今回はASUS JAPANが2021年4月23日に発売した「ZenScreen MB16AH」(以下、MB16AH)を取り上げたい。三脚ネジ穴を備えたユニークなモバイルディスプレイで、価格.com最安価格は32,911円。発売されたばかりで、価格は少々高めだが、充実した機能で選んで損はないモデルなので、ぜひチェックしてもらいたい。
三脚ネジ穴を活用して、「GoPro」向けのクランプ式のフレキシブルアームに装着したMB16AH。モニターアームのように使えば、机のスペースを広げられる
MB16AHは、画面サイズが15.6型のモバイルディスプレイ。解像度は1920×1080のフルHDで、映像入力端子としてUSB Type-CとMicro HDMIを搭載する。スタンダードノートと組み合わせてもいいし、13型や14型クラスのモバイルノートとも相性がいい。24型や27型の据え置きディスプレイの横に、縦向きに設置するのもアリだ。ゲーム機と一緒に使うのにもいいだろう。
画面サイズはモバイルディスプレイとしては大きめの15.6型。178°と視野角が広いIPSパネルを採用する。光沢のないノングレアタイプで、反射は控えめ。最大輝度は250 cd/平方メートルで、ディスプレイにこだわったノートパソコンと並べると輝度不足を感じるかもしれない。タッチ操作には非対応
薄くても軽いのも特徴だ。重量は約730gで、厚さは9mm。ノートパソコンのディスプレイ部分だけを想像してもらえるとわかりやすい。ビジネス向けバックにもすっきりと収納できて、気軽に持ち運べる。
スタンドなどの機構はなく、単体で自立させることはできないが、付属のケースがスタンドとして使える。三角になるように折りたためば、簡易スタンドのできあがり。ケースがスタンドになるのは、持ち運んでどこでも使えるので理にかなっている。
ケースは両サイドが開くので、左右どちらからでもMB16AHを取り出せる
ケースは三角に折りたたんで簡易スタンドとして利用できる。手前にストッパーがあるので、すべり落ちる心配はない
前述の通り、MB16AHは背面に1/4インチのネジ山を取り付けられる取り付け穴がある。1/4インチのネジ山は、カメラの三脚などで使われており、三脚や一脚に固定して使えるのだ。ASUSのホームページではカメラでも使えるとしており、三脚や一脚に固定して、カメラと接続してプレイビュー用などに使えるのだろう。
カメラとは接続しないという人にとっても三脚ネジ穴は便利に使える。最近は「GoPro」用のミニ三脚などが発売されているし、モノによっては机に挟んで固定できるものもある。クランプ式のフレキシブルアーム三脚などと呼ばれるもので、手元にあったもので試してみたが、これが意外としっくりきた。
背面の中央に1/4インチのネジ山を取り付けられる穴が設けられており、三脚や一脚に取り付けられる
手元にあったGoPro用のフレキシブルアームを使って机に固定。約730gのMB16AHを問題なく固定することができた
フレキシブルアームであれば、簡単に向きを変えたり、角度を変えたりできて便利だ。また、モニターアームと同じく、設置スペースを取らないので、机の上がスッキリするのもメリットと言える。なお、ミニ三脚や一脚によってはMB16AHの重量に耐えられないものもあるので注意してほしい。
フレキシブルアームなのでMB16AHを縦向きにするのも簡単。スタンドがない分、机のスペースをとらずにディスプレイを設置できるのもうれしい
モバイルディスプレイが注目されつつあるのは、USB Type-Cの普及が大きい。USB-C DisplayPort Alternate Modeに対応している必要はあるが、対応するノートパソコンがどんどん増えており、USB Type-Cケーブル1本を接続すれば使える手軽さが魅力と言える。
MB16AHはMicro HDMIも備えているので、USB Type-Cポートがないノートパソコンや、USB Type-CポートはあるがUSB-C DisplayPort Alternate Modeに対応していないデスクトップパソコンにも接続できる。
映像入力端子はUSB Type-CとMicro HDMIの2系統を備える
USB Type-CケーブルとMicro HDMI-HDMIのHDMIケーブルが付属する、HDMIケーブルを使う場合は、USB Type-Cを使って電源をとる仕組みだ
本体下部には1W×2のスピーカーが搭載されている。音質はノートパソコンレベルだが、スピーカーのない機器と接続する場合にスピーカーを用意しなくて済むのはありがたい。右側面にはヘッドホン出力を備える
OSDでは画質モード(写真)の変更やブルーライトモードの調整などが可能
画面の狭さで困っている人にとって、パソコンの作業スペースを手軽に広げられるモバイルディスプレイは便利なアイテムだ。ディスプレイがひとつ増えるだけで、作業効率はグンと上がる。据え置きのディスプレイを置きたいけど、設置スペースがないという人にぜひ注目してほしい。
今回試したMB16AHは対応ノートパソコンとUSB Type-Cケーブル1本で接続するだけで使える手軽さはもちろん、三脚ネジ穴というユニークな特徴を備えるモバイルディスプレイ。カメラマンがカメラと接続して使うものと思っていたが、クロップ式のフレシキブルアームがあれば、モニターアームのように設置スペースをとらずに使えるのが便利だった。三脚ネジ穴があることで、いろいろな使い方ができそうだ。ぜひ、自分ならではの使い方を見つけてMB16AHを活用してみてほしい。
パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。