直近2週間に発表された、スマートフォンなどをはじめとするモバイル業界に関わるニュースや、各社のスマートフォンのアップデート情報をまとめて紹介する連載「隔週スマホニュース」。今回は、NTTドコモの新スマホのeSIMへの対応状況など、4つの話題をお届けする。
NTTドコモのAndroidスマートフォン8機種が、2021年10月6日に発表されたが、いずれもeSIMに対応していないことが明らかになった。auではeSIM対応の「AQUOS sense6」もNTTドコモ版では非対応だ。なお、NTTドコモとahamoは9月8日からeSIMのサービスを開始している。
また、10月1日から実施されたSIMロック撤廃を受けて、他社の周波数帯への対応が注目されている。この件について、NTTドコモは現時点において、積極的に他社の周波数帯に対応させることによる端末コストの増加を懸念していることを表明した。なお、国内4キャリア全対応かつeSIMも利用可能なiPhoneシリーズについては、「日本に限らず、グローバルで共通するモデルが使われている」というスケールメリットがある点で、Androidシリーズとは背景が異なる点も指摘している。
ドコモの秋・冬モデルにはeSIM対応機はラインアップされなかった
他社の周波数帯への対応は、端末のコスト増加を招きやすい。ユーザーのニーズがどれだけあるかを見極めてからの判断となるという
楽天モバイルは、2021年10月4日に、KDDIの回線を使ったパートナー回線エリアから自社回線エリアへの切り替えを39都道府県で実施する予定を発表した。
直近の予定を抜粋すると、10月1日より北海道、青森県、秋田県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、三重県、鳥取県、岡山県、山口県、徳島県、香川県、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県の各県において、順次自社回線へ切り替える。なお、茨城県、栃木県、群馬県、富山県、石川県の5県については、2023年3月末にかけて原則切り替えを行う。なお、回線切り替え後であっても、地下鉄、地下街、トンネル、一部の屋内施設や観光名所などについては、パートナー回線を継続する場合がある。
楽天モバイルがKDDIに支払うパートナー回線の使用料は、各種財務データから1GB当たり500円程度とも言われており、負担が大きいため、楽天モバイルでは自社回線への切り替えをいかに迅速に行うかが課題になっていた。
39都道府県の自社回線エリアへの切り替え予定。東京ではすでに原則として切り替えが完了している
NTTドコモは、2021年10月4日、5Gエリアにおける「パケ止まり(NTTドコモの表記による)」の新たな対策について発表。10月中旬までに実施すると発表した。
「パケ止まり」とは、5G基地局から離れた電波の弱い場所で起こる、アンテナは表示されるがデータ通信が極端に遅くなる現象のこと。「パケ詰まり」と呼ばれることもある。5G基地局の設置密度が低いことが根本的な原因で、4G→5Gへのネットワーク切り替えの過渡期における問題とされている。
今回実施される対策は2種類。ひとつは5Gネットワークと4Gネットワークとの組み合わせの最適化だ。これにより、5Gの電波品質の悪い環境で4Gへのバトンタッチをよりスムーズに行える。もうひとつは、5G基地局エリア内での個々の端末に割り当てる電波の帯域幅を狭める措置だ。5Gは使用する電波の帯域幅が広いことが特徴だが、現実の端末では、利用できる電力の制約があるため、結果として5Gの広い帯域幅を十分活用できず、パケ止まりの原因となる場合があるという。NTTドコモではこれらの最適化により、5Gへの接続成功率が約10%改善、5Gと4Gを組み合わせる環境での5Gに流れるデータ量が約30%改善するとしている。
NTTドコモは、6月にもパケ止まり対策を実施しているが、その後もパケ止まりを訴える声はSNSなどで見かけることが多かった。
FCNTは、5Gスマートフォン「arrows We」を、「au」ブランド、「ソフトバンク」ブランドより12月上旬以降に発売すると発表した。
「arrows We」は、5G対応のエントリー向けモデル。近頃の「arrows」シリーズが注力するタフネス性能や衛生機能を備えているのが特徴だ。タフネス性能としては、IPX6/8等級の防水仕様とIP6X等級の防塵仕様に対応するほか、米国国防総省の調達基準「MIL-STD-810H」を23項目クリア。家庭用泡タイプのハンドソープや液体の食器用洗剤、アルコールを含んだ消毒液を吹き付けて拭くこともできる。このほか、マスク着用時の音声を聞き取りやすくする「はっきりマイク」や「マスク通話モード」を備えている。
セキュリティ機能にも注力されており、迷惑電話対策や還付金詐欺対策の防犯機能に加えて、新たにフィッシング詐欺警告機能を搭載する。加えて、富士通製の携帯電話に搭載されていた「プライバシーモード」が復活しており、着信通知オフや特定アプリの非表示設定などが行える。
ボディサイズは、約71(幅)×147(高さ)×9.4(厚さ)mm、重量約172gで、720×1,520のHD+表示に対応する約5.7インチの液晶ディスプレイを搭載する。SoCはSnapdragon 480で、4GBのメモリーと64GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを備える。OSはAndroid 11だ。
本機は、SIMフリーの状態で発売される。対応する周波数帯は、ソフトバンク版については明らかになっており、5Gはn3/28/77に、4GはB1/2/3/4/8/12/17/41/42にそれぞれ対応している。ソフトバンクの自社ネットワークや海外におけるローミングを意識したバンド構成と言えるだろう。なお、国内の競合他社が使用する5Gのn78(NTTドコモとKDDI)やn79(NTTドコモ)、4GのプラチナバンドのB18(KDDI)やB19(NTTドコモ)には対応していない。
「arrows We」は、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3ブランドで取り扱われる。NTTドコモ版やau版の他社回線への対応も気になるところだ
2021年9月23日から10月7日の間に公開された、スマートフォンやタブレット、携帯電話などのソフトウェアアップデート情報をまとめた。なお、定期的なアップデートが行われている端末については、除外している。
iOS15.01・iPadOS15.01へのバージョンアップ
・iPhone
・iPad
Android 11へのバージョンアップ
・LG style3 L-41A(LG)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・Wi-Fi STATION SH-52A(シャープ)
・LG style2 L-01L(LG)
・Xperia 1 SO-03L(ソニー)
・Xperia 5 SO-01M(ソニー)
・Galaxy S20+ 5G SC-52A(サムスン)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・OPPO Find X2 Pro OPG01(オッポ)
・OPPO A5 202(オッポ)0※UQ mobile版
・OPPO Reno3 A(オッポ)※UQ mobile版
・Galaxy A20(サムスン)※UQ mobile版
・Xperia 1 III SOG03(ソニー)
・Xperia 10 II SOV43(ソニー)
・AQUOS sense3 basic SHV48(シャープ)
・AQUOS sense3 SHV45(シャープ)
・AQUOS sense2 かんたんSHV43(シャープ)
・AQUOS sense5G SHG03(シャープ)
・AQUOS sense2 SHV43(シャープ)
・AQUOS sense3 basic(シャープ)※UQ mobile版
・AQUOS sense2(シャープ)※UQ mobile版
・AQUOS sense5G(シャープ)※UQ mobile版
・かんたんケータイ KYF41(京セラ)
・BASIO4(京セラ)※UQ mobile版
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・DIGNO ケータイ3(京セラ)
・DIGNO ケータイ3(京セラ) ※ワイモバイル版
・AQUOS zero5G basic(シャープ)
・AQUOS R3(シャープ)
・AQUOS R2 compact(シャープ)
・AQUOS sense4 basic(シャープ)※ワイモバイル版
・キッズフォン2(セイコーソリューションズ)
・Xperia 1 III(ソニー)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・OPPO Reno3 A(オッポ)
・OPPO A5 2020(オッポ)
・Reno 10x Zoom(オッポ)
・Rakuten BIG(楽天モバイル)
・AQUOS sense4 lite(シャープ)
・AQUOS sense lite(シャープ)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・OPPO Reno 10x Zoom(オッポ)
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。