直近2週間に発表された、スマートフォンなどをはじめとするモバイル業界に関わるニュースや、各社のスマートフォンのアップデート情報をまとめて紹介する連載「隔週スマホニュース」。今回は、Googleの最新OS「Android 12」のリリースや、ソフトバンクの5GにおけるSAモードのサービス開始など、4つの話題をお届けする。
Googleは、2021年10月20日、Android OSの最新バージョンである「Android 12」を公開。Google製の「Pixel3/4/5」シリーズの各機種を対象にダウンロード配信が開始された。なお、通信キャリア扱いの端末については、KDDIとソフトバンクで同日20日より配布が始まっている。
Android 12は、新しい画面デザイン「Material You」を採用しており、通知画面やGoogle製のウィジェットなどのデザインがリニューアルされている。また、使用している壁紙のトーンに合わせて通知画面などの色を変更できたり、通知画面やボリューム調節などのデザインも全般に大きく変わっており、視認性と操作性が高められている。
機能面では、スクリーンショットの撮影機能が強化されており、1画面に収まらない画面をスクロールさせて1枚の画像として記録できるようになっている。
セキュリティ機能も強化された。カメラやマイクが動作している場合に、通知画面に緑色のアイコンが表示されるようになった。また、位置情報の権限を許可する際に、「正確」と「おおよそ」でどのように違うのかをより把握しやすく表示するようになっている。
新しい画面デザイン「Material You」を採用。視認性と操作性が高められている
壁紙のデザインに合わせて通知画面などのカラーを自動で調整する機能を備える
画面をスクロールさせて1枚の長いスクリーンショットを撮ることができる。ただし、また対応するアプリは限られているようだ(左画面)。「Pixel 6」シリーズで注目を集める自動文字起こし機能だが、現在のところ、引き続き英語のみの対応となっている(右画面)
カメラやマイクが動作している場合、通知メニュー部分に緑色のアイコンが表示される(左画面)。位置情報の権限を許可する際に、「正確」と「おおよそ」の違いがわかりやすくなった(右画面)
ソフトバンクは、2021年10月19日、5Gのフル機能を実現する「スタンドアローン方式」(以下、5G SA)による5Gの商用サービスを開始したと発表した。現在のところ、対応する端末は、10月に発売されたホームルーター「Airターミナル5」のみで、この製品の発売にあわせてサービスも開始されている。
従来のノンスタンドアローン方式(5G NSA)は、5Gの特徴のうち、超高速・大容量通信は実現しているものの、超低遅延や多数同時接続といった機能は実現できていなかった。しかし、5G SAでは、これらの機能をすべて実現できるようになる。
「Airターミナル5」でどのような機能が実装されるかはまだ判明していない。ただ、超低遅延が実現すれば、オンラインゲームでの応答性向上や、XRコンテンツのタイムラグが軽減され、モバイル回線でも光回線に近い快適さで楽しめるようになるだろう。また、低消費電力特化型や信頼性特化型という具合に、利用される状況に合わせてネットワークの機能を最適化する「ネットワークスライシング」という機能も注目されている。なお、NTTドコモやKDDIでは、5G SAのサービスを2021年度中に開始予定としている。
4Gに依存しない5G SAでは、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続と言った5G本来の性能を実現できる
KDDIは、2021年10月18日、「au」ブランドの携帯電話向け料金プラン「ケータイシンプルプラン」の月間通信容量を、100MBから300MBに増量すると発表した。
10月18日以降に同プランを契約したユーザーは10月から、すでに同プランを契約しているユーザーは11月利用分からそれぞれ適用される。容量を超過した際の通信速度は128kbpsに制限される。
なお、本プランと競合するNTTドコモの「ケータイプラン」とソフトバンク「ケータイ100MBプラン」は、それぞれ月間通信容量が100MBで、これまでは3キャリアが横並びだった。
楽天モバイルは、2021年10月22日に自社ネットワークのエリア展開についての説明を行った。現在、楽天モバイルの4Gネットワークは、「自社回線」エリアとKDDIの回線を借りた「パートナー回線」エリアを組み合わせているが、サービス当初はエリアの狭さが指摘されていた「自社回線」の人口カバー率も、2021年10月14日時点で94.3%まで広がっていると説明。2021年中には96%を達成する予定だったが、世界的な半導体不足の影響で、来年の2月か3月にずれ込む見込みであることも明らかとなった。
今後のエリア展開については、上記の「パートナー回線」の契約は2026年に終了するので、それまでに、先行する通信キャリアに並ぶエリアを構築することを目指している。また、2023年に予定される人工衛星を使った「Space Mobile」が実用化されれば、屋外であれば日本の国土すべてを網羅できるようになるとした。
また、ネックとなっている地下空間やトンネル、建物の中のエリア化について、2021年10月より東京メトロの施設の約9割、都営地下鉄の施設の約6割が自社回線エリア化されていることが明らかになった。もちろん、首都圏以外の地下鉄についても今後エリア化をすすめる方針という。
ビルや商業施設内部のエリア化についても、インフラシェアリングを行うJTOWERとの資本提携が実現したことで、今後加速させるという。
今年中を予定していた人口カバー率96%の達成は、世界的な半導体不足の影響により来年2月か3月頃に延期される
サービス開始当初は約4,700局だった自社回線基地局は、現在3万局を突破している
地下鉄構内や地下街のエリア化は以前から課題だったが、この10月から、東京メトロと都営地下鉄の多くの場所で自社エリアでのサービスが開始された。全国の地下鉄でも今後エリア化が進むという
受信した4Gの電波を増幅して導く「レピーター」により、地下駐車場などのエリア化も今後展開されるという
2021年10月8日から10月22日の間に公開された、スマートフォンやタブレット、携帯電話などのソフトウェアアップデート情報をまとめた。なお、定期的なアップデートが行われている端末については、除外している。
iOS15.02・iPadOS15.02へのバージョンアップ
・iPhone(アップル)
・iPad(アップル)
Android 12へのバージョンアップ
・Pixel3シリーズ(Google)
・Pixel4シリーズ(Google)
・Pixel5シリーズ(Google)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・Xperia 10 III SO-52B(ソニー)
・Xperia Ace II SO-41B(ソニー)
・Xperia 1 II SO-51A(ソニー)
・Xperia 5 II SO-52A(ソニー)
・arrows NX9 F-52A(FCNT)
・AQUOS sense3 SH-02M(シャープ)
・LG style L-03K(LG)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・Galaxy Note10+ SCV45(サムスン)
・Galaxy S21 5G SCG09(サムスン)
・Galaxy S21+ 5G SCG10(サムスン)
・Galaxy S21+ 5G SCG10(サムスン)
・Galaxy A41(サムスン)※UQ mobile版
・AQUOS R2 SHV42(シャープ)
・AQUOS R2 SHV42(シャープ)
・AQUOS R5G SHG01(シャープ)
・GRATINA 4G KYF34(京セラ)
・TORQUE 5G KYG01(京セラ)
・BASIO4(京セラ)
・Mi 10 Lite 5G XIG01(シャオミ)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・Lenovo TAB6(レノボ)
・AQUOS R6(シャープ)
・LEITZ PHONE 1(ライカ)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・Xperia 10 III Lite(ソニー)
・Rakuten Mini(楽天モバイル)
・Rakuten Hand(楽天モバイル)
・Galaxy S10(サムスン)
・OPPO A73(オッポ)
セキュリティアップデートおよび不具合修正など
・Xperia 1 II XQ-AT42(ソニー)
・Xperia 10 III Lite XQ-BT44(ソニー)
・Xperia 5 II XQ-AS42(ソニー)
・Xperia PRO XQ-AQ52(ソニー)
・Xperia 10 II XQ-AU42(ソニー)
・Xperia 5 J9260(ソニー)
・Xperia 1 J9110(ソニー)
・Xperia 1 Professional Edition J9150(ソニー)
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。