レビュー

「GeForce RTX 4090」はノートPC用も爆速! ASUSの最新&最強ゲーミングノートPCをレビュー

ASUS JAPANは2023年2月8日、NVIDIAの最新ノートPC向けGPU「GeForce RTX 40シリーズ・ラップトップ」を搭載したゲーミングノートPCを発表した。さっそく試す機会を得られたので、どれだけ速いのか試してみた。

大画面&速い! eスポーツ向けの「ROG STRIX SCAR 18」

18型の大画面ディスプレイを搭載する「ROG STRIX SCAR 18」

18型の大画面ディスプレイを搭載する「ROG STRIX SCAR 18」

今回試したモデルは、eスポーツ(e-Sports)向けの「ROG STRIX SCAR 18」と、パフォーマンスはもちろんデザインにもこだわった「ROG ZEPHYRUS M16」の2モデル。まずは「ROG STRIX SCAR 18」からチェックしていこう。今回試したモデルの主なスペックは以下のとおりだ。

●今回試した「ROG STRIX SCAR 18 G834JY」の主なスペック
・ディスプレイ:18.0型(2560×1600、リフレッシュレート240Hz)
・CPU:Core i9-13980HX
・GPU:GeForce RTX 4090 Laptop GPU(ビデオメモリー16GB)
・メモリー:32GB(16GB×2) DDR5-4800
・ストレージ:2TB RAID0(1TB×2)(PCI Express 4.0 x4接続)
・外部インターフェイス:Thunderbolt 4(Type-C)×1、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、マイク入力/ヘッドホン出力、HDMI出力
・通信機能:2.5GBASE-T(RJ45)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.1
・バッテリー駆動時間:約9.2時間
・本体サイズ:約399(幅)×294(奥行)×23.1〜31.1(高さ)mm
・重量:約3.1kg
・市場想定価格:599,800円(税込)

「ROG STRIX SCAR 18」は、eスポーツ向けの超ハイスペックなマシン。今回試したモデルは最上位機種で、ノートパソコン向けが解禁されたばかりの「GeForce RTX 4090 Laptop GPU」と、第13世代の「Core i9 HXシリーズ」、DDR5-4800の32GBメモリー、RAID0の2TB SSDと最新&最強のパーツを組み合わせている。消費電力は動作モードで異なるが、CPU(PL2)、GPUともに最大175Wのモンスターマシンだ。

ディスプレイは画面サイズが18型の大画面。2022年モデル(17.3型の「ROG STRIX SCAR 17」)はアスペクト比が16:9だったが、2023年モデルは16:10に変更されている。解像度はWQXGAの2560×1600。画面下部のベゼルが細くなったことで、画面占有率が89%となり、見た目もスッキリした。リフレッシュレートは240Hzで滑らかな表示が期待できる。今回は試していない16型モデル「ROG SCAR STRIX 16」はmini LEDを採用しており、ディスプレイのスペックは、16型モデルのほうがワンランク上だ。

18型の大画面ディスプレイを搭載。解像度は2560×1600で、リフレッシュレートは240Hz。画面下部のベゼルが細くなり、画面占有率は89%を達成している

18型の大画面ディスプレイを搭載。解像度は2560×1600で、リフレッシュレートは240Hz。画面下部のベゼルが細くなり、画面占有率は89%を達成している

デザイン面では本体の側面に注目したい。「エキゾースト・グロー」と呼ばれる透明のパーツが使われており、浮遊感を演出しつつ、これまで以上に明るくライトが光る。「ROG」シリーズではおなじみの「アーマーキャップ」により、ヒンジ部分のパーツを交換することも可能だ。キーボード面のカバーも内部がうっすらと見える透明のパーツを使用。また、キーボード面は摩擦を低減するIMR(In Mold Releaseフィルム)を採用する。

側面、背面、前面に透明のパーツを使った「エキゾースト・グロー」。色見などはNIKEのスニーカーのような雰囲気だ

側面、背面、前面に透明のパーツを使った「エキゾースト・グロー」。色見などはNIKEのスニーカーのような雰囲気だ

スニーカーの構造からヒントを得たという背面。背の高いゴムがふんだんに使われており、高い安定性を実現している。強めにタイピングしてもグラグラすることはない

スニーカーの構造からヒントを得たという背面。背の高いゴムがふんだんに使われており、高い安定性を実現している。強めにタイピングしてもグラグラすることはない

「アーマーキャップ」はひとつスペアが付属しており、好きなほうを装着できる

「アーマーキャップ」はひとつスペアが付属しており、好きなほうを装着できる

2022年モデルと比べるとタッチパッドが10%広くなり、カーソル(矢印)キーが大きくなったキーボード。キーボードカバーの上部は透明で内部が少し透けている

2022年モデルと比べるとタッチパッドが10%広くなり、カーソル(矢印)キーが大きくなったキーボード。キーボードカバーの上部は透明で内部が少し透けている

外部インターフェイスは両側面に配置されている。有線LANは2.5GBASE-T

外部インターフェイスは両側面に配置されている。有線LANは2.5GBASE-T

ACアダプターはさすがに大きて重い

ACアダプターはさすがに大きて重い

高品位なディスプレイと「AniMe Matrix」搭載の「ROG ZEPHYRUS M16」

16型ディスプレイを搭載する「ROG ZEPHYRUS M16」

16型ディスプレイを搭載する「ROG ZEPHYRUS M16」

もう1台がスペックだけでなく、デザイン面にもこだわった「ROG ZEPHYRUS M16」だ。

●今回試した「ROG ZEPHYRUS M16 GU604VY−I9R4090」の主なスペック
・ディスプレイ:16.0型(2560×1600、リフレッシュレート240Hz、miniLED)
・CPU:Core i9-13900H
・GPU:GeForce RTX 4090 Laptop GPU(ビデオメモリー16GB)
・メモリー:32GB(16GB×2) DDR5-4800
・ストレージ:2TB(PCI Express 4.0 x4接続)
・外部インターフェイス:Thunderbolt 4(Type-C)×1、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、マイク入力/ヘッドホン出力、HDMI出力、microSDメモリーカードスロット
・通信機能: Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.1
・バッテリー駆動時間:約6.6時間
・本体サイズ:約355(幅)×246(奥行)×21.1〜22.9(高さ)mm
・重量:約2.3kg
・市場想定価格:629,800円(税込)

「ROG ZEPHYRUS M16」の特徴は、ディスプレイとデザインの2点。ディスプレイにはmini LEDを採用したピーク輝度1100nitsの「Nebula HDR Display」を採用する。解像度は2560×1600でアスペクト比は16:10。応答速度3ms、リフレッシュレートは240Hzで滑らかな表示でゲームを楽しめる。1024個のバックライトLEDにより、コントラストの高い表示できるのもポイント。非常に高輝度で最大輝度ではまぶしく感じるほどだ。HDR 1000、100%のDCI-P3に対応しており、ゲームだけでなく、動画の視聴や動画の編集にも向いたモデルと言えるだろう。

デザイン面では、天板に「AniMe Matrix」を搭載。「AniMe Matrix」とは、天板に組み込まれたLEDが光り、さまざまな模様や文字を天板に表示できる機能。同じ「AniMe Matrix」を搭載する「ROG ZEPHYRUS G14」(14型)と比較すると、16型の本モデルの「AniMe Matrix」の面積は1.2倍に広がっている。

天板に1711個のLEDライトと18710個のCNCホールを備えた「AniMe Matrix」を搭載。「AniMe Matrix」は目を引くが、それ以外はゲーミングノートPCとしては落ち着いたデザイン

天板に1711個のLEDライトと18710個のCNCホールを備えた「AniMe Matrix」を搭載。「AniMe Matrix」は目を引くが、それ以外はゲーミングノートPCとしては落ち着いたデザイン

ディスプレイは1024個のバックライトLEDを採用し、高いコントラスト比を実現。解像度は2560×1600で、リフレッシュレートは240Hz

ディスプレイは1024個のバックライトLEDを採用し、高いコントラスト比を実現。解像度は2560×1600で、リフレッシュレートは240Hz

キーボードの両サイドに配置されたスピーカーホールが小さくなり、ホコリの侵入を防げるようになった。見た目もより高級感がアップ

キーボードの両サイドに配置されたスピーカーホールが小さくなり、ホコリの侵入を防げるようになった。見た目もより高級感がアップ

外部インターフェイスは両側面に配置されている。有線LANポートはないが、microSDメモリーカードスロットが搭載されている。クリエイターを意識した装備だ

外部インターフェイスは両側面に配置されている。有線LANポートはないが、microSDメモリーカードスロットが搭載されている。クリエイターを意識した装備だ

ACアダプターは大型だが、「ROG SCAR STRIX 18」のACアダプターよりもコンパクト

ACアダプターは大型だが、「ROG SCAR STRIX 18」のACアダプターよりもコンパクト

「最強」のひと言! ベンチマークやゲームでその実力チェック

続いて、2モデルのスペックとベンチマーク結果を見ていこう。

「ROG SCAR STRIX 18」のCPU情報(CPU-Z)とGPU情報(GPU-Z)

「ROG SCAR STRIX 18」のCPU情報(CPU-Z)とGPU情報(GPU-Z)

「ROG ZEPHYRUS M16」のCPU情報(CPU-Z)とGPU情報(GPU-Z)

「ROG ZEPHYRUS M16」のCPU情報(CPU-Z)とGPU情報(GPU-Z)。GPUは「ROG SCAR STRIX 18」と同じだが、GPUクロック数は低めに設定されている

「ROG SCAR STRIX 18」が搭載するCPUは、第13世代の「Core HXシリーズ」である「Core i9-13980HX」だ。性能をとことん追求したいエンスージアスト(求道者)向けのCPUである。CPUとPCH(チップセット)が別のチップで、デスクトップ向けCPUに近い設計なのが特徴だ。Pコアが8コア16スレッド(2.2GHz〜5.6GHz)、Eコアが16コア16スレッド(1.6GHz〜4GHz)とノートパソコン向けでは最上位のCPUである。

いっぽう、「ROG ZEPHYRUS M16」は「Core HXシリーズ」のワンランク下の「Core Hシリーズ」の「Core i9-13900H」を搭載。グレードは下がるが、十分高性能なCPUだ。Pコアが6コア12スレッド(2.6GHz〜5.4GHz)、Eコアが8コア8スレッド(1.9GHz〜4.1GHz)。

GPUはどちらも「GeForce RTX 4090 Laptop GPU」(ビデオメモリーは16GB)を採用する。「Ada Lovelace アーキテクチャ」を採用した「GeForce RTX 40シリーズ・ラップトップ」の最上位GPUだ。TSMCの4Nプロセスで製造され、9728基のCUDAコア、76基のRTコア、304基のTensorコアを搭載する。デスクトップPC向けはすでに発売されており、高価ながら非常に人気の高いGPUだが、パフォーマンスのアップとともに話題になっているのが「DLSS 3」。機械学習とAIを使ってフレームを生成する機能で、これまでより高いフレームレートを出せるのがポイントだ。ノートパソコン向けでも「DLLS 3」は利用できる。

なお、「DLSS 3」は対応ゲームでなければ動作しないが、NVIDIAによると50以上のゲームとアプリが対応予定という。メジャーなところでは、「サイバーパンク2077」や「Microsoft Flight Simulator」などが対応を表明。「サイバーパンク2077」は2023年1月31日に対応版がリリースされたばかりだ。

両モデルのベンチマーク結果を見ていこう。なお、動作モードでかなりベンチマークの結果が違ったので、動作モードごとの結果も記録している。結果は以下のとおりだが、ノートパソコンとしてはトップクラスの性能を誇るのは間違いないだろう。

「Core i9-13980HX」と「Core i9-13900H」の差は、「CINEBENCH R20/R23」の結果を見てみると「CPU(マルチコア)」の差が大きい。また、「Core i9-13980HX」のほうが動作モード(消費電力)によるスコアの差が大きく、特に「ターボ」にするとスコアが一段階上がり、「CINEBENCH R23」では3万を突破(筆者がベンチマークを取ったノートパソコンの中では、3万を超えるノートパソコンは初!)。「Core i9-13980HX」を搭載する「ROG SCAR STRIX 18」は消費電力が最大175W(PL2)に達するのに対して、「Core i9-13900H」を搭載する「ROG ZEPHYRUS M16」は最大120W(PL2)なので、消費電力での差が出ているとも考えられる。

グラフィック性能を測定する「3DMark 10 Professional Edition」では、以前、レビューしたASUS JAPANのゲーミングノートPCの結果も併記した。「GeForce RTX 3070 Laptop GPU」と「GeForce RTX 3080 Laptop GPU」を搭載したモデルだ。ベンチマークアプリの細かなバージョンなどが統一されていないので、参考程度とはなるが、大幅にスコアアップしていることがわかる。

また、同じ「GeForce RTX 4090 Laptop GPU」を搭載する「ROG SCAR STRIX 18」と「ROG ZEPHYRUS M16」でも差が出ている。動作周波数が違うのに加え、CPUと同様、「ROG SCAR STRIX 18」は「ターボ」モードで最大150W+25WのTGPレベルなのに対して、「ROG ZEPHYRUS M16」は「ターボ」モードで最大120W+25Wなので、TGPの差が出ていると推測される。

実際のゲームはどうだろうか。「ROG SCAR STRIX 18」を使って、「DLSS 3」に対応したCD PROJEKT RED「サイバーパンク2077」を試してみた。NVIDIAによると、DLLS3を有効にすると、無効のときと比べて4Kでの平均フレームレートは3.3倍になったという。デスクトップPC向けの「GeForce RTX 4090」の話だが、ノートパソコン向けの場合はどうだろうか?

「クイックプリセット」を「レイトレーシング:ウルトラ」、「DLLS Frame Generation」をオン、「DLLS Super Resolution」をクオリティ、「DLSSシャープネス」を0.05に設定。解像度は2560×1600。この盛った設定でも、多くのシーンが120fps前後で動作した。画質、滑らかさともに文句なしのクオリティだ。レイトレーシングをオフにして、「クリックプリセット」を「ウルトラ」にすると、150〜180fpsとさらにフレームレートが上がる。

「サイバーパンク2077」の「設定」画面。「DLLS Frame Generation」を有効にすると、「GeForce RTX 40シリーズ・ラップトップ」に搭載された第4世代Tensor コアと、新しいオプティカルフローアクセラレータを活用し、フレームを生成し、高いフレームレートを実現する

「サイバーパンク2077」の「設定」画面。「DLLS Frame Generation」を有効にすると、「GeForce RTX 40シリーズ・ラップトップ」に搭載された第4世代Tensor コアと、新しいオプティカルフローアクセラレータを活用し、フレームを生成し、高いフレームレートを実現する

試しに、「DLLS Frame Generation」をオフ(「クイックプリセット」は「カスタム」)にすると、フレームレートは70〜90fps前後で、100fpsまでは届かなかった(これでも十分なクオリティとフレームレートだが)。NVIDIAの言う4Kでフレームレート3.3倍までとは言わないが、「DLLS 3」によりクオリティを下げずに、フレームレートがかなりアップすることを確認できた。

まとめ

最新&最強のCPUとGPUを搭載したASUS JAPANの最新ゲームノートPCをレビューしてきたが、「GeForce RTX 4090 Laptop GPU」のパフォーマンスの高さは驚異的だった。特に「DLSS 3」の効果はてきめんで、ヘビー級タイトルとして有名な「サイバーパンク2077」が100fps超えのフレームレートにて画質を下げずに余裕で楽しめた(レイトレーシングをオンでも!)。「DLLS 3」対応ゲームが増えてくれば、「GeForce RTX 40シリーズ」の魅力
はさらに増すはずだ。

今回は試していないが、「GeForce RTX 4080 Laptop GPU」以上にはAV1対応の第8世代NVIDIAエンコーダ(NVENC)が2基搭載されており、最大8K/60fpsのゲーム録画が可能。動画編集やゲーム配信にとっても同GPUは魅力的と言えるだろう。

価格はさすがに高いが、「ROG STRIX SCAR 17 SE」(2022年モデル)が549,800円(税込)だったので、今回試した「ROG SCAR STRIX 18」の599,800円(税込)という価格も大幅に値上がりしたイメージはない。いっぽう、「ROG ZEPHYRUS M16」は「AniMe Matrix」とmini LEDディスプレイを搭載するためか60万円オーバーと、こちらのほうが価格は高い。それでもノートPCで最高のクオリティでゲームを楽しみたい人はぜひASUSの最新ゲーミングノートPCをチェックしてみてほしい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る