レビュー

2万円弱でコスパ優秀! 軽量で着け心地抜群の「Amazfit GTR Mini」

価格.comマガジンでも何度か取り上げた、Zepp Healthのスマートウォッチブランド「Amazfit」。2021年の出荷台数がグローバルで第5位、ブラジルで第1位、スペインとイタリアで第2位に位置するなど、近年市場シェアを拡大しつつあります。日本でもスマートウォッチ愛好家を中心に徐々に話題になっているブランドです。

今回レビューする「Amazfit GTR Mini」は、5つ衛星測位システムに対応するGPS、120種類以上のワークアウトに対応するスポーツモード、最大14日間のロングバッテリーといった機能性の高さに加えて、ビジネスシーンでも違和感なく着用できるラウンド型の軽量ボディを備えながら、公式サイトの販売価格が19,800円(税込。以下同)と、2万円を切るコスパの高さもポイントです。

上位モデル「Amazfit GTR 4」(公式サイト販売価格33,000円)の機能性を受け継ぎつつ、小型化を実現した「Amazfit GTR Mini」

上位モデル「Amazfit GTR 4」(公式サイト販売価格33,000円)の機能性を受け継ぎつつ、小型化を実現した「Amazfit GTR Mini」

画面の見やすさと装着時の快適性を両立させた良デザイン

時間だけでなく、さまざまなデータを表示するスマートウォッチは、画面サイズが大きいほど視認性が高まる半面、重量が大きくなってしまいます。反対に、画面サイズが小さくなると、取り回しがしやすくなるものの視認性が低くなってしまいます。

「Amazfit GTR Mini」は、これら両者のデメリットがなくなるちょうどいいサイズなのがポイントです。薄型のボディは重量が36.2g(バンド含む)と非常に軽量で、取り回しがしやすく装着性も快適。画面も1.28インチと大きすぎず、小さすぎずのちょうどいいサイズです。加えて、有機ELディスプレイを搭載しているため、画面が鮮やかで数値なども非常に見やすくなっています。

1.28インチのディスプレイは、着け心地と視認性のバランスが取れたサイズ感

1.28インチのディスプレイは、着け心地と視認性のバランスが取れたサイズ感

上位モデル「Amazfit GTR 4」と比べると、ひと回りほど小型化されていますが、Miniというほどの小ささは感じません。では、大きいのかと言われればそうでもありません。ボディの薄さと軽さにより、「Amazfit GTR 4」よりも着け心地や取り回しが行いやすくなったのは確実でしょう。驚くほど軽い装着感です。

直径46oの「Amazfit GTR 4」(左)と、42.83oの「Amazfit GTR Mini」(右)

直径46oの「Amazfit GTR 4」(左)と、42.83oの「Amazfit GTR Mini」(右)

装着時の快適性は、バンドに要因があると思われます。シリコンの質感はサラサラで違和感なくフィットしてくれる印象。汗をかいたときのベタつきも抑えてくれます。

バンドの先端を内側に入れ込むタイプは、個人的にあまり好きではないのですが、「Amazfit GTR Mini」は快適です

バンドの先端を内側に入れ込むタイプは、個人的にあまり好きではないのですが、「Amazfit GTR Mini」は快適です

ケースは美しく輝くステンレススチール製。2万円を切るスマートウォッチとは思えない、ビジネスでもカジュアルシーンでも使える上質なクオリティです。形状もラウンド型で、丸みを帯びたディスプレイ表面のガラスがキレイ。ファッションアイテムとしても使えそうなデザインですね。物理ボタンがひとつだけどという、シンプルさも好印象です。

ラウンド型に加え、ディスプレイを覆うガラスも丸みを帯びていて美しいです

ラウンド型に加え、ディスプレイを覆うガラスも丸みを帯びていて美しいです

右側上部に物理ボタンがひとつという、シンプルなデザインも、上質な印象に貢献しています

右側上部に物理ボタンがひとつという、シンプルなデザインも、上質な印象に貢献しています

Amazfitのスマートウォッチの大きな特徴はロングバッテリーです。本機も、カタログ値では標準的な使用で最大約14日間の駆動が可能。24時間のリアルタイム心拍計測や、アニメーションが動くウォッチフェイスの使用など、消費電力が高いコンテンツを使ってもバッテリー切れを心配することはありません。

心拍数と血中酸素のリアルタイム計測をオンにして3日後にどれくらいバッテリーが減っていたのか検証したところ、バッテリー残量は約60%。ちなみに、この間に約1時間のランニング(GPS)を2回行いました。これだけバッテリーが持てば、充電切れが頻発することもなく、ストレスフリーで使用できるでしょう。

一般的なスマートウォッチは、文字盤を完全にオフにすることでバッテリー消費量を抑えていることが多いのですが、本機は画面のオフ時でも時刻や日時だけが常時表示されます。もちろん、ウォッチフェイスなどは表示されません。スマートウォッチがスリープモードから復帰せずに、何度も手首をひっくり返す動作をすることってありますよね。「Amazfit GTR Mini」なら、そんなイライラともおさらばです。

左が通常の表示、右が画面オフの文字盤。完全にブラックアウトさせることも可能です

左が通常の表示、右が画面オフの文字盤。完全にブラックアウトさせることも可能です

ライフログや健康管理もバッチリ。そのほかにも便利機能が盛りだくさん

「Amazfit GTR Mini」のライフログや健康管理に関する機能は、前述の心拍数や血中酸素濃度のリアルタイム計測、睡眠モニタリング、ストレスレベル、生理周期トラッキングなど、一般的なスマートウォッチでできることは、ほぼすべて対応しています。「あれ使えないの!?」というようなことは、よっぽどマニアックなものでない限り起きないと思います。

心拍数のリアルタイム計測は、高すぎる、低すぎるなど、異常な心拍数を検知した際にアラームで通知してくれる機能もあります

心拍数のリアルタイム計測は、高すぎる、低すぎるなど、異常な心拍数を検知した際にアラームで通知してくれる機能もあります

睡眠モニタリングはレム睡眠、深い睡眠などの時間から睡眠スコアを算出。ほかのスマートウォッチでも定番の機能ですね

睡眠モニタリングはレム睡眠、深い睡眠などの時間から睡眠スコアを算出。ほかのスマートウォッチでも定番の機能ですね

なお、睡眠モニタリングのデータは、専用アプリ「ZEPP」でより詳細なデータを確認できます。アプリのUIも見やすいですね

なお、睡眠モニタリングのデータは、専用アプリ「ZEPP」でより詳細なデータを確認できます。アプリのUIも見やすいですね

こういった基本的な機能に加えて、使っていて便利だなと感じたのが「スマートアラーム」という機能。これは、モニタリングしている睡眠の状態を分析し、自然に目覚められるタイミング、つまり浅い睡眠状態のときにアラームを鳴らしてくれる機能です。アラームの設定時間前30分以内の範囲で、浅い眠りを検知して起こしてくれるので、起床後に強い眠気を感じることが少ないんですよね。

なお、設定時間前30分以内と言いましたが、大体は設定時間の5分ほど前に鳴ることが多く、早すぎる時間に鳴ることはありません。もちろん、起床時間のギリギリまで寝たい場合は、通常のアラームも利用できます。

"目覚めやすい"タイミングでアラームを鳴らす「スマートアラーム」。眠気が強すぎて起きられないということが少なくなるかも!?

"目覚めやすい"タイミングでアラームを鳴らす「スマートアラーム」。眠気が強すぎて起きられないということが少なくなるかも!?

スマートアラームですっきり目覚めた後には、睡眠モニタリングの結果や天気などを知らせてくれる「モーニングアップデート」が表示されます。スマホを操作することなくサクッと情報が確認できるのは、忙しい朝に重宝しました。

起床時に睡眠データや天気、健康データ、イベントなどの情報を教えてくれる「モーニングアップデート」を搭載しています

起床時に睡眠データや天気、健康データ、イベントなどの情報を教えてくれる「モーニングアップデート」を搭載しています

このほかにも、細かい機能がたくさん用意されています。私には刺さらなかったものの、ほかの人には「こういうのが欲しかった」という機能が見つかるかもしれませんね。

GPS精度は上々。室内のワークアウトも正確にトラッキング

AmazfitのスマートウォッチはGPSの精度の高さに定評があり、この「Amazfit GTR Mini」もその系譜に漏れずGPSやみちびきなど5つ衛星測位システムと、特許を取得している円偏波GPSアンテナ技術を採用しています。

この円偏波は、スマートウォッチで採用されることが多い直線偏波と比べて精度が高く、ビルが立ち並ぶ都市部や、木々が生い茂る山間部でも正確な位置情報を得ることが可能です。

レビューでは、ランニングで試してみましたが、走った経路が正確に記録されているのはもちろんのこと、コースから外れて3mほど離れた水飲み場に立ち寄ったルートまで正確に記録されていました。

移動距離や移動の軌跡、ペースなどを正確に記録

移動距離や移動の軌跡、ペースなどを正確に記録

さらに、GPSを使用しない室内ランニングマシン(トレッドミル)で約30分走ってみました。この場合、時計に内蔵されている加速度センサーを使用してペースなどを検知するのですが、一般的なスマートウォッチで計測すると、トレッドミルが示す距離とスマートウォッチが示す距離がかけ離れていることが多々あります。なかには1kmくらい差が出るものがあるのですが、「Amazfit GTR Mini」は100m差くらいに収まりました。これなら余裕で許容範囲でしょう。

室内ランニングマシンのデータも正確です

室内ランニングマシンのデータも正確です

そのほか、運動関連の機能でよかったのは「PAI」です。「PAI」は健康的な生活を送るための数値を示してくれる機能で、ランニングなどのワークアウトのほか、駅までの徒歩や階段の上り下りなど日常的な軽い運動をスコア化。7日間トータルのスコアを「100」以上に維持できれば生活習慣病のリスクを大幅に軽減できるとされています。時計を手首に付けて生活するだけでスコアがたまっていくので、「ひと駅先まで歩いてみよう」など、ゲーム感覚で運動習慣が身につく効果も期待できます。

本格的にスポーツをしない人でも、「PAI」を活用すると、みずからの健康意識を高められそうですね

本格的にスポーツをしない人でも、「PAI」を活用すると、みずからの健康意識を高められそうですね

まとめ

「Amazfit GTR Mini」は上位モデルに引けをとらない機能性の高さに加えて、快適な着け心地を実現した軽量・薄型デザインが大きな特徴です。ライフログやスマートフォンの通知などライトな使い方から、ダイエットや運動に日常的に取り組むなどワークアウト目的の使い方まで幅広い用途に対応できます。これで2万円を切るのは、なかなかお買い得なモデルだと思いますよ。

今 雄飛

今 雄飛

ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。

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