低価格で機能性が高く、高コスパな製品で知られているファーウェイですが、世界各地に研究施設を所有しており、最新テクノロジーへの投資も惜しんでおらず、同社のハイエンド製品には他社とはひと味違う特徴を備えるものも多くあります。
そんなファーウェイの高級スマートウォッチとして登場したのが「HUAWEI WATCH Ultimate」です。公式サイトの販売価格が135,080円(税込)というスマートウォッチでは超高価な部類に入りますが、その実力はいかがなのか。はたして10万円超えのスマートウォッチとは一体どのような製品なのか、レビューで迫ってみましょう。
「HUAWEI WATCH Ultimate」の実力は?
まずは、「HUAWEI WATCH Ultimate」のデザインを見ていきましょう。さすがは10万円超えのスマートウォッチというだけあって、見た目からして高級感がただよいます。ダイビングなどのアウトドアアクティビティを楽しむユーザーをターゲットにしているだけあって、ダイバーズウォッチをイメージさせるデザインです。軽量で軽快、というよりも高級な質感や重厚感を重視している印象です。
サイズは48.5(縦)×48.5(奥行き)×13(厚さ) mm、重量は76g(ストラップ含まず)。スマートウォッチとしては大きい部類に入りますが、重厚なデザインは高級腕時計のような雰囲気
もちろん、重厚なデザインには理由があります。そのひとつが、素材に使用されているジルコニウムをベースとしたリキッドメタルです。ジルコニウムは、スマートウォッチによく使われているステンレススチールと比べて、強度や硬度が段違いに高くなっています。それでいて質量も軽いという素材です。重厚なデザインには頑丈で傷が付きにくいというメリットもあります。。
加えて、ベゼルにはセラミックを採用しており、耐久性が高いうえに、耐食性も備えています。後述するダイビングなど、ウォーターアクティビティでも扱いやすいというわけです。
加えて、「HUAWEI WATCH Ultimate」には、スポーツシーンやビジネスシーンでも利用しやすいように、チタン合金ベルトとニトリルゴムのラバーバンドの2つが同梱されています。
チタン合金ベルトは、スーツに合わせやすくなっておりフォーマルな場面にピッタリです。打ち合わせや会食などで「これがスマートウォッチ!?」と会話も弾みそう。出勤するときはチタン合金ベルト、休みの日はラバーバンドと、TPOを意識した使い方ができますね。
チタン合金ベルトを付けると雰囲気が激変。ビジネスシーンなどのフォーマルな場面にも合わせやすいです。本体のカラー的にもチタン合金ベルトのほうがしっくりきますね
本体にはボタンを全部で3つ搭載。右側上部のボタンは、デジタルダイヤルになっており、回転させることで画面のスクロールなどが行えます
画面は1.5インチの有機ELディスプレイを採用。鮮やかな色合いと広い視野角、そして高輝度が特徴です。ディスプレイの表面は強固なサファイヤガラスで覆われており、高い強度と耐摩耗性を備えます。
1.5インチの有機ELディスプレイは情報を確認するのにちょうどいい大きさです
バッテリー駆動時間は通常使用で最大14日間、GPSや音楽再生を利用するようなヘビーな使い方でも最大8日間の使用が可能です。
ファーウェイのスマートウォッチではおなじみのスタミナバッテリーなので、こまめに充電する必要はありません。同梱のマグネット式充電器のほか、ワイヤレスの急速充電にも対応しているので、充電も素早く行えます。
「HUAWEI WATCH Ultimate」は100種類以上のワークアウトに対応していますが、本モデルが同社のほかのモデルと違うのは、本格的なダイビングにも対応している点です。体内の窒素量などを計測して安全にダイビングを行うダイブコンピューターを内蔵しており、「フリーダイビング」「レクリエーショナルダイビング」「テクニカルダイビング」「スキューバダイビング」という4種類のダイビングが計測可能です。
ダイブコンピューターは、ダイビングのログを記録するだけではなく、減圧症を予防するためのメッセージを表示するなど、ダイバーの安全性を向上させる機能を備えています
「スキューバダイビング」モードでは、深度(最大深度)、スピード、水温、平均深度、潜水時間といった情報を盤面に表示。また、ダイビング後に体内に残った窒素が安全に排出されるまでの時間を表示し、減圧症を予防することも可能です。
もちろん、ランニングなど一般的なワークアウトを計測するモードも充実しています。実はファーウェイのスマートウォッチは、ランニング中の画面のカスタマイズが行えず、使用しているときは若干不満を感じていました。しかし、本モデルは距離やペース、心拍数、運動時間など表示する情報を自由にカスタマイズできるようになっており、より自由度が高くなっています。
表示するランニングのデータは1〜6項目まで選択可能
自分の見たい場所に見たいデータを配置できるので、運動中にチラ見するだけでもデータが確認しやすくなりました
まさかの「探検」というアクティビティもあり!
今回はテストできなかったのですが、「探検」というモードも用意されています。「探検」モードを起動すると、心拍数や移動距離などを計測してくれるほか、「マークした地点へ戻る」などの設定ができるようになっていて、登山やロゲイニングなどで活用できそうです。
「HUAWEI WATCH Ultimate」は、アウトドアアクティビティを趣味にするビジネスパーソンにこそチェックしてほしいスマートウォッチです。これまでのスマートウォッチが「スポーティー過ぎてビジネスで使いにくい」と思っている人にもいいでしょう。
価格こそ約13万円と高額ですが、ダイブコンピューター搭載、本体に散りばめられた高級な素材、そして人とは違うスマートウォッチで差を付けたいと思っている人には刺さると思います。
筆者的には、アップルの「Apple Watch Ultra」と迷ってしまうくらいの完成度の高さだと感じました。
ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。