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ワイモバイル新料金プラン「シンプル2」はお得? UQ mobileなど他キャリアとコストを比較

ワイモバイルのWebページより

ワイモバイルは2023年10月3日にスマートフォン向けの新料金プラン「シンプル2」の提供を開始しました。

「シンプル2」では旧料金プラン「シンプル」からデータ利用量が増量されるとともに、料金をPayPayカードで支払う場合に月額料金を割り引く「PayPayカード割」が適応されます。

そのいっぽう、データ利用量が増えたことで旧料金プランから月額料金が引き上げられているほかに、「家族割引サービス」や「おうち割 光セット」の割引額がプランによって異なるといった変更点もあります。“値上げ”に敏感にならざるを得ない昨今では、ほかの通信キャリアと比べてお得なのかが気になる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ワイモバイルの新料金プラン「シンプル2」の内容をおさらいしつつ、他キャリアの料金プランと割引を含めたコストを比較してみたいと思います。

※記事の内容は2023年10月30日時点の情報を基にしています。記事中の価格は特に断りがない限り税込です。

ワイモバイル「シンプル2」のサービス内容は?

まずは新料金プラン「シンプル2」のサービス内容をおさらいしてみましょう。以下の表に「シンプル2」および旧料金プラン「シンプル」のデータ利用量、月額料金、低速時の通信速度といった情報をまとめました。

ワイモバイルの新料金プラン「シンプル2」と旧料金プラン「シンプル」のサービス内容比較

ワイモバイルの新料金プラン「シンプル2」と旧料金プラン「シンプル」のサービス内容比較

名称こそ「2」が付け足されただけですが、新料金プランの内容は旧料金プランと比べて意外と異なります。

新料金プラン「シンプル2」ではデータ利用量が最大4GB/月の「シンプル2 S」(月額2,365円)、最大20GB/月の「シンプル2 M」(月額4,015円)、最大30GB/月の「シンプル2 L」(月額5,115円)という3種類のプランが用意されています。データ利用量が「〜S」は毎月1GB、「〜M」と「〜L」は5GB増量されたこともあり、新料金プランの月額料金は旧料金プランと比べて「〜S」が187円、「〜M」が737円、「〜L」が957円引き上げられました。

データ利用量に応じた3種類のプランから選べるという新料金プランの構成は旧料金プランを踏襲していますが、「シンプル2 M」と「シンプル2 L」は通信量が少ない月の月額料金を安く抑える段階制の料金プランになっています。安くなるのは1か月の通信量が1GB以内だった場合で、その場合の月額料金はどちらも2,915円となります。

また、データ利用量を使い切った後の低速通信の速度にも新料金プランでは変化がありました。高速通信のデータ利用量を使い切った後も、「シンプル2 S」は最大300kbps、「シンプル2 M」と「シンプル2 L」は最大1Mbpsの低速通信で通信し続けることが可能です。これは旧料金プランでも同様でしたが、新料金プランでは低速通信に移行してからの通信量が高速通信のデータ利用量の半分を超えた場合、通信速度がさらに厳しく一律128kbpsまで制限されるようになりました。

具体的には、その月の高速通信と低速通信の通信量を合計した値が「シンプル2 S」なら6GB、「シンプル2 M」なら30GB、「シンプル2 L」なら45GBを超えたときに、通信速度が最大128kbpsに制限されることになります。別の見方をすれば、「高速通信で利用できるデータ利用量の1.5倍」にもう一つの上限を設けた段階制の料金プランになっている、とも言えます。本来のデータ利用量の1.5倍を上回るほど通信していることになりますから、この制限が毎月のように適用されるようであれば、上位の料金プランに変更するのがいいでしょう。

なお、新料金プランでは音声通話向けのオプションとして、国内宛の各通話最初の10分間が話し放題になる「だれとでも定額+」(月額880円)、国内宛の通話が定額話し放題になる「スーパーだれとでも定額+」(月額1,980円)を利用できます。

また、データ通信向けのオプションとして、毎月のデータ利用量が「シンプル2 S」なら2GB、「シンプル2 M」と「シンプル2 L」なら5GB増量される「データ増量オプション」(月額550円)を利用することも可能です。

他キャリアの料金プランと比べてコストはどれくらい?

続いて、割引を考慮したワイモバイル新料金プランのコストを旧料金プランや他キャリアの料金プランと比較してみましょう。ワイモバイルの新料金プラン「シンプル2」や旧料金プラン「シンプル」に加えて、比較検討の対象になり得るソフトバンクのLINEMO、KDDIのUQ mobileとpovo、NTTドコモのirumoとahamoの各料金プランについて、割引を考慮した毎月のコストを以下の表で比較してみました。

なお、コストの試算に含める割引は以下の3タイプに該当するもののみとしました。新規契約時の割引キャンペーンなどは今回の比較では考慮していません。

カード払い割引…指定のクレジットカードで利用料金を支払う場合に適用される割引。
家族割引…2人以上の家族が同じキャリアで対象の回線を契約している場合に適用される割引。
自宅セット割引…自宅のインターネット契約や電気契約に応じて適用される割引。

ワイモバイル新料金プラン「シンプル2」と旧料金プランや他キャリアの料金プランのコスト比較

ワイモバイル新料金プラン「シンプル2」と旧料金プランや他キャリアの料金プランのコスト比較

ワイモバイルの「シンプル2」ではカード払い割引の「PayPayカード割」、家族割引の「家族割引サービス」、自宅セット割引の「おうち割 光セット」をすべて利用可能です。「PayPayカード割」は「家族割引サービス」もしくは「おうち割 光セット」と併用することもできます。

注目は、新料金プランでデータ利用量が20GB/月の「シンプル2 M」です。自宅セット割引とカード払い割引を併用する場合、「シンプル2 M」の月額料金(上限)は2,178円まで安くなります。

この月額料金は、旧料金プラン「シンプル M」のデータ利用量を20GB/月に増やしたうえで自宅セット割引を適用した場合の月額料金2,640円よりも462円安い価格であり、UQ mobileでデータ利用量が最大15GB/月の「トクトクプラン」で自宅セット割引とカード払い割引を併用する場合や、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」で通信量が3GB以上・20GB以下だった場合の月額料金と同額です。

また、データ利用量が20GB/月のahamoやLINEMOの「スマホプラン」(どちらも月額2,728円)、povoで20GBを最大30日間利用できるトッピング「データ追加20GB」(1回2,700円)よりも500円以上安い価格です。毎月のスマートフォンの通信量が20GB以内であり、ワイモバイルの「おうち割 光セット」を利用できる人にとって、「シンプル2 M」は魅力的な選択肢のひとつと言えます。

「シンプル2」のほかのプランはどうでしょうか。4GB/月の「シンプル2 S」はUQ mobileで同容量の「ミニミニプラン」と割引なしの月額料金が2,365円で揃っており、カード払い割引や自宅セット割引を適用した場合の月額料金も同額です。LINEMOの「ミニプラン」やirumoの「プラン/3GB」といった880円〜990円で利用できる3GB/月のプランに比べれば若干割高ではあるものの、小容量プランとしては標準的な水準です。

いっぽう、データ利用量が30GB/月の「シンプル2 L」は、サブブランドやオンラインプランで選べるものとしては大容量の料金プランです。ahamoで増量オプションを追加した場合の100GB/月(月額4,950円)や、データ利用量が無制限になる楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」(無制限通信時の月額料金は3,278円)ほどではないとしても、「おうち割 光セット」の対象となる固定通信サービスを利用していて大容量プランを選びたい人は、選択肢のひとつとして検討してみるのがいいでしょう。

新プラン「シンプル2」は「おうち割 光セット」対象サービスを利用しているとお得!

旧料金プランからデータ利用量が増えた代わりに月額料金も引き上げられた新料金プラン「シンプル2」は、特に自宅セット割引の「おうち割 光セット」を適用できる場合、お得なコストで利用できます。また、割引額は187円/月と少なめですが、支払いにPayPayカードを利用できる場合はカード払い割引の「PayPayカード割」も併用可能です。

データ利用量が20GB/月の「シンプル2 M」に自宅セット割引とカード払い割引を併用した場合のコストは、ほかのサブブランドやオンラインプランでデータ利用量が同じプランと比べてもトップレベルの安さ。「おうち割 光セット」の対象となる「SoftBank 光」などを契約している人は、優先的に検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、スマートフォンの通信量が毎月45GBを常に上回るような人が「シンプル2」を契約する場合、超過後は翌月まで通信速度が最大128kbpsに制限されることになります。月額550円の「データ増量オプション」を契約してデータ利用量を底上げしたり、1回550円で0.5GB分のデータ利用量をチャージしたりすることもできますが、なるべくストレスなく利用したいという人は、無制限で通信できる楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」や、増量オプション利用で最大100GB/月になるahamoも検討してみましょう。

松村武宏
Writer
松村武宏
信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。
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三浦善弘(編集部)
Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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