シャオミは「Xiaomi 13T」をauとUQ mobileから、「Xiaomi 13T Pro」をソフトバンクから2023年12月8日に発売。「Xiaomi 13T」はミドルクラス、「Xiaomi 13T Pro」はハイエンドと位置づけられていますが、SoC、メモリー容量、Wi-Fi規格以外のスペックはほぼ共通です。
ディスプレイやカメラなどのスペックは同じことから、どちらを購入すべきか悩んでいる人も多いことでしょう。そこで今回は両機種の実機を借用したので、パフォーマンスやカメラ画質などについてガチ比較します。
なお、今回試用したのは発売前のベータ版です。製品版とは挙動や性能、機能などが異なる可能性がある点にはご留意ください。
左が「Xiaomi 13T」、右が「Xiaomi 13T Pro」
まずは、「Xiaomi 13T」と「Xiaomi 13T Pro」で異なるスペックを先に解説しましょう。
「Xiaomi 13T」はSoCに「MediaTek Dimensity 8200-Ultra」を搭載し、メモリー容量は8GB(LPDDR5)、ストレージ容量は256GB(UFS3.1)です。「Xiaomi 13T Pro」はSoCに「MediaTek Dimensity 9200+」を搭載し、メモリー容量は12GB(LPDDR5X)、ストレージ容量は256GB(UFS4.0)。Wi-Fiは、「Xiaomi 13T」がWi-Fi 6、「Xiaomi 13T Pro」がWi-Fi 6Eをサポートしています。いずれもmicroSDメモリーカードの装着には非対応です。
ディスプレイは6.7インチの1.5K 有機ELディスプレイ。ピーク輝度は2600nit、リフレッシュレートは30〜144Hzと差別化されておらず、同等の表示品質を備えています。
他社ではProやUltraやMaxなどで差別化されがちなカメラも同じです。広角カメラは5000万画素(1/1.28インチ、F1.9、OIS)、超広角カメラは1200万画素(1/3.06インチ、F2.2)、望遠カメラは5000万画素(光学最大2倍ズーム、1/2.88インチ、F1.9)、フロントカメラは2000万画素(1/3.47インチ、F2.2)を搭載しています。
価格に直結するSoCでコストダウンを図りつつも、同じカメラを採用することで量産効果を狙い、どちらの購入者の満足度も上げるのがシャオミの狙いだと思われます。
通信機能は前述のとおりWi-Fi規格だけが異なっており、5G(nanoSIM+eSIM)、Bluetooth 5.4、FeliCa(おサイフケータイ)というスペックは同じです。
カラーは両機種ともにヴィーガンレザーを採用したアルパインブルーのほかに、光沢パネルのブラックとメドウグリーンを用意。バッテリーは5000mAh。防水防塵はIP68をサポートしています。
「Xiaomi 13T」(左)と「Xiaomi 13T Pro」(右)のディスプレイサイズはどちらも同じ。表示性能も変わりありません。
「Xiaomi 13T」(左)と「Xiaomi 13T Pro」(右)。左がアルパインブルー、右がブラックです。外観上の違いはほぼ同じ。見た目では区別がつきません
次は、基本スペックの違いを調べるべくベンチマークを実施してみました。
今回試用したのはベータ版なのであくまでも参考値ですが、「Xiaomi 13T」は「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアが937468、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreが3983、Single-Core Scoreが1239、GPU OpenCL Scoreが3483となりました。
いっぽう、「Xiaomi 13T Pro」は「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアが1564530、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreが4562、Single-Core Scoreが1759、GPU OpenCL Scoreが7915です。
つまり、「Xiaomi 13T Pro」は「Xiaomi 13T」に対して、「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアで167%相当、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreで115%相当、Single-Core Scoreで142%相当、GPU OpenCL Scoreで227%相当のスコアを記録したことになります。
ベンチマークスコアには大きな差がありますが、ゲームも含め一般的な用途であれば数値ほどの違いは感じられません。「Xiaomi 13T」でも現在のAndroidアプリを動かすのならオーバースペックなぐらいです。両者の差は高負荷な処理でもなければ表れないはずです。
「Geekbench 6」のMulti-Core ScoreとSingle-Core Score
「Geekbench 6」のGPU OpenCL Score
カメラについても撮り比べてみましたが、スペックが同じなので画質にほとんど違いはありません。「Xiaomi 13T」のほうがやや青みが強く出る傾向がありましたが、解像感については同じレベルです。
AIで認識し画像を最適化する「Xiaomi Imaging Engine」、複数の構図のバリエーションを自動生成する「Xiaomi ProCut」、被写体を自動追尾してフォーカスを合わせ続ける「Xiaomi ProFocus」はどちらにも搭載されています。現時点での微妙な発色の違いは最終的に同じ傾向に集約される可能性が高いです。
「Xiaomi 13T」(上)、「Xiaomi 13T Pro」(下)
「Xiaomi 13T」(上)、「Xiaomi 13T Pro」(下)
「Xiaomi 13T」(上)、「Xiaomi 13T Pro」(下)。2倍ズーム
「Xiaomi 13T」(上)、「Xiaomi 13T Pro」(下)。20倍ズーム
「Xiaomi 13T」と「Xiaomi 13T Pro」は、機能的にはSoC、メモリー、Wi-Fi規格(速度)が異なっているだけ。それ以外のスペックはほぼ同じです。「Xiaomi 13T」のほうがSoCのグレードは低いですが、一般的な用途であればその差は感じられません。
もちろん、動画の書き出しなどの処理を一刻も早く終わらせたい、3Dゲームを最高品質&最大フレームレートでプレイしたいという人には、プロモデルである「Xiaomi 13T Pro」をおすすめします。
しかし、ディスプレイ画質、カメラ品質などの実益に重きを置くのであれば、「Xiaomi 13T」のほうがコスパは高いと言えるでしょう。購入の際には、参考にしてみてくださいね。