レビュー

7万円弱なら買い! 大型タブレット「Xiaomi Pad 6S Pro」なら、やりたいこと全部できる気がする

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円安の影響もどこ吹く風。圧倒的なコストパフォーマンスを武器に新製品を続々とリリースするシャオミから、タブレット「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」が登場した。12.4インチの大型ディスプレイは、動画視聴はもちろん、クリエイティブな創作活動も視野に入る、いわば何でもできるような気にさせてくれるサイズ感。そんな“大型”でありながらも、7万円を切る圧倒的な低価格を実現しているとくれば、あれこれ試してレビューせずにはいられない。

「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」は、12.4インチの液晶ディスプレイを搭載した大型タブレット。写真は別売り専用カバーとスタイラスペンをセットした状態

「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」は、12.4インチの液晶ディスプレイを搭載した大型タブレット。写真は別売り専用カバーとスタイラスペンをセットした状態

大型ディスプレイ搭載タブレットとしては驚きの安値

本体サイズは、約278.7(幅)×約6.26(高さ)×約191.6(奥行き)mm

本体サイズは、約278.7(幅)×約6.26(高さ)×約191.6(奥行き)mm

「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」は、2024年5月9日に発売されたシャオミの最新タブレットだ。12.4インチの大型液晶ディスプレイを搭載し、メーカー公式価格(以下同)は8GB/256GB版が69,800円(税込、以下同)、12GB/512GB版が84,800円と、いずれも10万円を大きく下回っている。価格だけ見ると高価に思えるがはたしてそうだろうか。

同じサイズ帯の製品を見渡すと、たとえば、12.4インチのサムスン「Galaxy Tab S9+ 12.4インチモデル」は162,599円〜。最近発売された「iPad Air 13インチ」は128,800円〜といずれも10万円を大きく超えてくる。もちろん、どちらも基本スペックや機能面において、どこを取ってもハイエンドな製品であり、「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」と単純な比較はできない。

しかし、12インチ以上の大型タブレットは基本的にハイエンドで高価なモデルしか用意されていないのが現状だ。そこに現れたのが7万円弱の「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」というわけ。大型でありながらもう少し安いタブレットが欲しい、というニーズに応えられる値段感であることがわかるだろう。

リビングでの動画鑑賞に活躍してくれそう

YouTubeの4K映像を再生したところ、映像はコントラストが高く、「Dolby Atmos」対応の6つのスピーカーが、迫力ある音を出していた

YouTubeの4K映像を再生したところ、映像はコントラストが高く、「Dolby Atmos」対応の6つのスピーカーが、迫力ある音を出していた

「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」は、コストカットのため有機ELではなく液晶ディスプレイを備えるものの、3K解像度(3048×2032)の高画質、「Dolby Vision、HDR 10」によって明暗差のはっきりとした映像表現が可能だ。さらに、7段階の可変リフレッシュレートを採用することで、動画視聴中や絵を描くとき、ウェブサイト閲覧中など、表示コンテンツに応じてリフレッシュレートを調整してくれるため、バッテリー消費の心配も少なくなっている。

横から見ると、厚さ約6.26mmはとても薄い

横から見ると、厚さ約6.26mmはとても薄い

重量は約590gで、手で持つと見た目以上に重たい印象。机に置いて使うがベター

重量は約590gで、手で持つと見た目以上に重たい印象。机に置いて使うがベター

別売りの専用カバーを、スタンドとして使用した状態

別売りの専用カバーを、スタンドとして使用した状態

12.4インチのディスプレイは非常に大きく、映画などを見るのに相性がいい。Webブラウジングなども表示領域が大きいため、スマートフォンとは比べものにならない快適さだった。

ただし、手で持って寝転びながら利用するというのはかなりきつい。スタンドなどを利用し、基本は置きスタイルで使うのがベターだろう。

美麗で快適なゲームプレイ。けれどもゲームパッド接続が望ましい

SoCは「Snapdragon 8 Gen 2」。「原神」などヘビーな3Dゲームも最高画質でなければ快適にプレイできる

SoCは「Snapdragon 8 Gen 2」。「原神」などヘビーな3Dゲームも最高画質でなければ快適にプレイできる

大きな画面を生かすならゲームプレイにもチャレンジしたい。そこで、人気タイトルながらも、ヘビーな処理が求められる「原神」をプレイしてみた。

美しいグラフィックに定評のある「原神」だが、コントラストが強い「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」の映像表現はとても相性がよく美しい。カクつきやすい戦闘シーンでも、ラグを感じることもなくサクサクとプレイできた。グラフィック設定を最高レベルにしなければ快適に遊べるだろう。

ただし、タブレット本体が重たいため、手に持った状態でのプレイでは腕が疲れてしまった。さらに、サイズが大きい分、タッチ操作でのプレイでは、指を伸ばす必要があり、操作が大変。「原神」に限らず、ゲームを快適にプレイしたいのであれば、Bluetooth経由でゲームパッドを接続するのが望ましいだろう。

ちなみにAndroid版の「原神」は、ゲームパッドでの操作に未対応なので、注意が必要だ

ちなみにAndroid版の「原神」は、ゲームパッドでの操作に未対応なので、注意が必要だ

大画面タブレットと言えば、やはりクリエイティブ活動

大画面タブレットでやってみたいことのひとつに、ペンを使ってのクリエイティブな作業がある。そこで専用スタイラスペンである「Xiaomi フォーカスペン」(別売り)を使い操作性を確認してみた。

「Xiaomi フォーカスペン」の価格は14,800円。タブレット本体にマグネット設置することで自動充電される。人さし指の位置に3つのボタンがあり、動作設定が可能だ

「Xiaomi フォーカスペン」の価格は14,800円。タブレット本体にマグネット設置することで自動充電される。人さし指の位置に3つのボタンがあり、動作設定が可能だ

イラストアプリ「Miキャンバス」を使って、絵を描いてみたところ、ペンの動きと描写の追従に遅れは感じない。描き始めは、タブレットでのペン操作ならではの、滑りを感じたが、30分ほど触っていると、次第にペン操作にも慣れ、スムーズに絵を描けるようになってきた。

パームリジェクションが優秀。ペンで描いているときに手のひらが画面に接触しても、反応しないようになっている。「指で描く」機能をオフにすることで、手の接触による操作を完全に切ることも可能だ

パームリジェクションが優秀。ペンで描いているときに手のひらが画面に接触しても、反応しないようになっている。「指で描く」機能をオフにすることで、手の接触による操作を完全に切ることも可能だ

「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」には、注目機能「AIアート」が搭載されている。この機能は、アプリ「Miキャンバス」上に描いたラフ画を基に、AIがまるでプロのイラストレーターが描いたような完成度の高いイラストを描くという興味深い機能である。

手順は、描いたラフ画を「AIアート」に認識させたのち、文字を使った簡単な仕様書を作成。10秒ほど待ったのち、イラスト候補が4枚ほど描かれるので、選択すれば完成となる

手順は、描いたラフ画を「AIアート」に認識させたのち、文字を使った簡単な仕様書を作成。10秒ほど待ったのち、イラスト候補が4枚ほど描かれるので、選択すれば完成となる

仕様書に記載した「ネコとブタ」どおりに「AIアート」が完成した……と思いきや「ネコとブタ鼻のネコ」に。仕様書での指示内容と、「AI関与」度の調整によって、絵の精度は上がるようだが、こんなAIらしいミスはご愛敬

仕様書に記載した「ネコとブタ」どおりに「AIアート」が完成した……と思いきや「ネコとブタ鼻のネコ」に。仕様書での指示内容と、「AI関与」度の調整によって、絵の精度は上がるようだが、こんなAIらしいミスはご愛敬

ノートPC代わりとして持ち歩く

持ち運びにすぐれるモバイルノートPCは13〜14インチで、12.4インチの「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」は、それよりもひとまわり小さい程度。専用アクセサリーである「Xiaomi Pad 6S Pro タッチパッドキーボード」(別売り)を併用すれば、モバイルノートPC代わりに利用できる。

「Xiaomi Pad 6S Pro タッチパッドキーボード」の価格は16,800円

「Xiaomi Pad 6S Pro タッチパッドキーボード」の価格は16,800円

「Xiaomi Pad 6S Pro タッチパッドキーボード」はサイズが大きい分、キー間隔がしっかりと広く、窮屈さはない。タイピングはきわめて快適だ。キーはいくぶん浅い印象だが、慣れ次第でカバーできる範囲である。

キーキャップは16×16mm、キーピッチは19mm。モバイルノートPCと変わらず広いタイピングエリアが確保されている

キーキャップは16×16mm、キーピッチは19mm。モバイルノートPCと変わらず広いタイピングエリアが確保されている

ちなみに、持ち歩きを想定すると気になるのが、バッテリーの持ち具合だろう。「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」は、10,000mAhの大容量バッテリーを搭載し、最大22日間のスタンバイが可能。実際に使用していても、バッテリーを気にすることなく、動画視聴やゲームプレイに没頭できた。

また、急速充電に対応しており、約35分間で100%の充電が可能とのこと。試しに、自宅環境でバッテリー0%から、同梱の充電器を使用して充電したところ、約50分間でフル充電できた。メーカー公称値よりも長くなったが、それでも十分だ。

一般使用レベルであればまったく不満のない処理性能

「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」の性能を客観的に測るため、定番のベンチマークソフト「AnTuTu Benchmark V10」でチェックしよう。

「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」は一世代前のハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載。レビューで試用したのは8GB/256GBモデルだ。ベンチマークソフトの結果は総合スコア1497599だった。

以前テストした、従来モデル「Xiaomi Pad 6」(SoC「Snapdragon 870」、8GB/128GB)と比べると、約2倍のスコアが得られた。この結果から、処理性能は格段に向上していることが読み取れる。

総合スコア1497599の内訳は、CPU:389443、GPU:526508、MEM:317847、UX263801となった

総合スコア1497599の内訳は、CPU:389443、GPU:526508、MEM:317847、UX263801となった

基本的な操作はもちろん快適に行えるうえに、ゲームや動画編集などもこなせるだろう。一般的な使い方で不満を覚えることはないはずだ。

ゲームに動画にお絵描き……、大型タブレットでやってみたかったことが全部できる

リビングにセットして、家族みんながそれぞれの用途で使う。そんな大型タブレットへの憧れは、常に価格との戦いであった。が、「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」は、そんな“大型タブレット=ちょっと手が出ない嗜好品”のイメージを払拭するほどの低価格を実現した。実際触ってみても、ストレスを感じることもなく、タブレットを手にしたらやってみたかったことのアレコレをサクサクと満喫できる。まさにハイコストパフォーマンスな1台と言えるだろう。

関原元気(編集部)
Writer / Editor
関原元気(編集部)
出版社にてメンズファッション誌やWebメディアの編集に長年従事し、現在は「価格.comマガジン」にて、PC、スマートフォン、スマートウォッチ分野を担当。ユーザー目線で、デジタルガジェットの面白さを届けます。
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